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公開番号2025003372
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2024097564
出願日2024-06-17
発明の名称樹脂組成物
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20241226BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低水蒸気透過性及び低吸湿性と機械的特性(特に耐摩耗性)とを両立し、かつ成分のブリードアウトによる性能低下や外観不良が起こらない、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
熱可塑性樹脂(A)、有機化層状ケイ酸塩(B)及び炭素数20以上の炭化水素化合物(C)を含有する樹脂組成物であり、下記(1)~(3)のすべてを満たす樹脂組成物である。
(1)前記樹脂組成物中の前記(A)の含有量が、前記(A)、前記(B)及び前記(C)の合計重量に基づいて15重量%以上90重量%以下である。
(2)前記(A)の溶解性パラメータが9.0~12.5(cal/cm3)1/2である。
(3)前記(C)の融点が35℃以上180℃以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂(A)、有機化層状ケイ酸塩(B)及び炭素数20以上の炭化水素化合物(C)を含有する樹脂組成物であり、下記(1)~(3)のすべてを満たす樹脂組成物。
(1)前記樹脂組成物中の前記(A)の含有量が、前記(A)、前記(B)及び前記(C)の合計重量に基づいて15重量%以上90重量%以下である。
(2)前記(A)の溶解性パラメータが9.0~12.5(cal/cm


1/2
である。
(3)前記(C)の融点が35℃以上180℃以下である。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記有機化層状ケイ酸塩(B)が、層間に有機化合物を有する層状ケイ酸塩、表面に炭素数6以上の有機基を有する層状ケイ酸塩、又は層間に有機化合物を有し、かつ表面に炭素数6以上の有機基を有する層状ケイ酸塩である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記有機化層状ケイ酸塩(B)の、日本ベントナイト工業会:標準試験方法 ベントナイト(粉状)の膨潤試験方法(JBAS104:77)における水をクロロホルムに変更して測定されるクロロホルム中での膨潤力が70mL/2g以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂(A)がエステル基を前記(A)の重量に基づいて0.1g/g以上有し、かつ溶解性パラメータが9.1~11.5(cal/cm


1/2
である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂(A)がアミド基及び/又はイミド基を有し、アミド基及びイミド基の重量割合が前記(A)の重量に基づいて1g/g以下であり、かつ溶解性パラメータが9.1~11.5(cal/cm


1/2
である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記有機化層状ケイ酸塩(B)と前記炭化水素化合物(C)の含有重量比[(B)/(C)]が20/80~80/20である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂(A)と前記炭化水素化合物(C)の含有重量比[(A)/(C)]が40/60~95/5である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記炭化水素化合物(C)の融点が35~100℃である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記炭化水素化合物(C)の分子量が500以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
農業用生分解性材料用である請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂及び熱可塑性ポリウレタン樹脂等をはじめとする熱可塑性樹脂は、各種成形法により成形され、得られた成形物は、包装、化粧品、衛生用品、農業、電子機器等の幅広い用途に使用されている。熱可塑性樹脂のうち、極性基{(炭酸)エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合及びエーテル結合等}を有する熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリアセタール樹脂等)は、官能基に応じた様々な機能を有するものの、極性基が水との親和性が高く吸湿性があるため、電子機器用途等の吸湿による寸法変化や電気的特性の低下が問題となる用途に用いる材料としては不向きであった。
吸湿性(吸水性)が低減された熱可塑性樹脂として、例えば特許文献1では、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂100重量部に対し、特定の構造を有する有機オニウムイオンにより有機化された層状珪酸塩0.5~45重量部が含有されてなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている。特許文献1に記載の樹脂組成物は吸水率及び高湿条件下での寸法変化は熱可塑性樹脂単体に比べて低減されるものの、機械的特性(摩耗性等)が低下し実使用性が不足することがあった。また寸法変化は50℃-80%RHの条件で24時間放置した後の寸法を測定して評価しているが、より長期間あるいはより高湿な条件下では評価しておらず、吸湿寸法安定性についても改善の余地があった。
【0003】
また熱可塑性樹脂は、成形物のほかに各種コーティング剤やシール剤としても広く使用されている。コーティング剤やシール剤においても、用途により上記熱可塑性樹脂の吸湿性や水蒸気透過性の高さが問題となることがあり、吸湿性や水蒸気透過性を適度に低減する方法が検討されている。例えば、医薬品、農業、食品添加物、化粧品、衛生用品等の分野で非常に有用である徐溶性薬剤(有効成分を徐放する薬剤)のコーティング剤(被覆層)の用途においても吸湿性の低減が検討されており、特許文献2では、脂肪族ポリエステル5重量%以上80重量%以下、及びポリオレフィンワックス20重量%以上95重量%以下含有する、コーティング被覆粒状肥料の被覆層が提案されている。
特許文献2に記載の被覆層を有する被覆肥料は、被覆層の吸湿性及び水分の透過性を適度に低く制御することで、肥料成分の溶出制御幅が広くなることが開示されているが、保管条件や使用条件によってはポリオレフィンワックスがブリードアウトしてハンドリング性が悪化することや、肥料成分の溶出制御性が低下することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-323797号公報
特開平9-263476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、低水蒸気透過性及び低吸湿性と機械的特性(特に耐摩耗性)とを両立し、かつ成分のブリードアウトによる性能低下や外観不良が起こらない、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、熱可塑性樹脂(A)、有機化層状ケイ酸塩(B)及び炭素数20以上の炭化水素化合物(C)を含有する樹脂組成物であり、下記(1)~(3)のすべてを満たす樹脂組成物である。
(1)前記樹脂組成物中の前記(A)の含有量が、前記(A)、前記(B)及び前記(C)の合計重量に基づいて15重量%以上90重量%以下である。
(2)前記(A)の溶解性パラメータが9.0~12.5(cal/cm


1/2
である。
(3)前記(C)の融点が35℃以上180℃以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂組成物は、低水蒸気透過性及び低吸湿性と機械的特性(特に耐摩耗性)とが両立でき、かつ成分のブリードアウトが起こらないとため、成分のブリードアウトによる性能低下や外観不良が起こらないという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、有機化層状ケイ酸塩(B)及び炭素数20以上の炭化水素化合物(C)を含有し、かつ上記(1)~(3)をすべて満たす。
以下、熱可塑性樹脂(A)、有機化層状ケイ酸塩(B)、炭素数20以上の炭化水素化合物(C)及び本発明の樹脂組成物について順に説明する。
【0009】
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明における熱可塑性樹脂(A)は、溶解性パラメータ(以下、SP値と記載することがある)が9.0~12.5(cal/cm


1/2
である熱可塑性樹脂である。
本明細書中、溶解性パラメータは、Fedorsによる方法[Polymer Engineering and Science,February,1974,Vol.14、No.2、P147~154]の152頁(Table.5)に記載の数値(原子又は官能基の25℃における蒸発熱及びモル体積)を用いて、同153頁の数式(28)により算出される値を意味する。
上記熱可塑性樹脂(A)の溶解性パラメータは、有機化層状ケイ酸塩(B)の分散性の観点と炭化水素化合物(C)との親和性の観点から、好ましくは9.1~11.5(cal/cm


1/2
であり、更に好ましくは10.0~11.5(cal/cm


1/2
である。溶解性パラメータが9.0(cal/cm


1/2
未満の熱可塑性樹脂では水蒸気透過性及び吸湿性の改善の課題がない。12.5(cal/cm


1/2
超であると、(A)と炭化水素化合物(C)との親和性が悪化し、本発明の樹脂組成物の各種物性が低下する。
【0010】
熱可塑性樹脂(A)として好ましい樹脂としては、エステル基含有熱可塑性樹脂(A1)、ウレタン基含有熱可塑性樹脂(A2)、アミド基含有熱可塑性樹脂(A3)及びイミド基含有熱可塑性樹脂(A4)等の極性官能基を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。(A)は1種の熱可塑性樹脂を単独で用いても2種以上の熱可塑性樹脂を混合して用いてもよく、2種以上の熱可塑性樹脂を混合する場合、混合物として上記溶解度パラメータの要件を満たしていればよい。
(【0011】以降は省略されています)

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