TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025027991
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2024117710
出願日
2024-07-23
発明の名称
液状組成物
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
27/18 20060101AFI20250220BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】緻密で無機フィラーの偏在がなく、機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れ、表面粗さを小さくできる成形物を形成できる、分散性に優れる液状組成物の提供。
【解決手段】テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm超である比重が2以上の無機フィラーと、重量平均分子量20万以上の水溶性ポリマーと、水とを含み、チキソ比が3~15である、液状組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm超である比重が2以上の無機フィラーと、重量平均分子量20万以上の水溶性ポリマーと、水とを含み、チキソ比が3~15である、液状組成物。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径に対する、前記無機フィラーの平均粒子径の比が5以上である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項3】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が、0.1~25μmである、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項4】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の比表面積が、6m
2
/g超である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項5】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、熱溶融性であり、酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーである、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項6】
前記無機フィラーの平均粒子径が、10μm超100μm以下である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項7】
前記無機フィラーが金属又は金属酸化物である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項8】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子及び前記無機フィラーの総量に対して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が10~30体積%であり、前記無機フィラーの含有量が50~80体積%である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項9】
前記水溶性ポリマーの重量平均分子量が、100万以上である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項10】
前記水溶性ポリマーが、アクリル酸系高分子、ビニルアルコール系高分子及びセルロース系高分子からなる群から選択される少なくとも1種以上である、請求項1に記載の液状組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーと、所定のフィラーとを含む液状組成物に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の移動体通信機器における高速化、高周波化に対応するため、通信機器のプリント基板の絶縁層には低誘電率かつ低誘電正接である材料が求められ、テトラフルオロエチレン系ポリマーが注目されている。かかるポリマーを含む絶縁層を形成する材料として、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と液状分散媒とを含む分散液が知られている。中でも水性分散液は、それを使用する際に要する設備の汎用性や、塗工等の対象となる基材の選択性が高く、各種の添加剤による液物性の改良が検討されている。
特許文献1には、フッ素系樹脂微粒子の水性分散液及びアルミニウム酸化物微粒子ゾルとを混合し、両者が共に浮遊分散し、該分散状態を3日以上安定に維持できる水性分散液が提案され、フッ素系樹脂の耐熱性を向上し、熱劣化を抑制できるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-110220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、コンピューターチップ(CPU)、ビデオグラフィックスアレイ、サーバー、ゲーム機、スマートフォン、LEDボード等の電子部品や、電気自動車及び送電システムのインバーターやコンバーター等で使用されるパワー半導体を含む半導体モジュール等から発生する大量の熱を放散するために、放熱材料として熱界面材料(Thermal Interface Material;以下、「TIM」とも記す。)が用いられる。TIMは、典型的には、過剰な熱を電子部品から熱拡散部に伝達し、次いで熱を放熱板に伝達する役割を有する。
従来、TIMとして、非常に薄い層に広がり、隣接する表面間の緊密な接触を提供できる観点から、パラフィンワックス等の相変化材料、グリース状材料、エラストマーテープが用いられるが、耐熱性(熱安定性)に劣り、性能が低下しやすいという問題がある。
樹脂材料の熱伝導性を向上させてTIMに適用可能な放熱材料を得るべく、樹脂に各種の熱伝導性フィラーを配合する検討がなされている。
しかし、テトラフルオロエチレン系ポリマーは他の成分との親和性が低い。また、放熱材料分野へテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む水性分散液を適用すべく、水性分散液にフィラーを添加する場合、組成物中で無機フィラー同士の凝集が起こりやすく、それから得られる成形物の機械的特性等を低下させやすい。さらに、比重の高い無機フィラーを高濃度で配合した場合は、かかる無機フィラーが組成物中で沈降しやすくなるばかりか、塗工層においても沈降しやすくなる。そのため、塗工層を焼成して形成した成形物中でフィラーが偏在しやすく、熱伝導性が充分に発現し難いという課題があった。
本発明者らは、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、所定の無機フィラーと、特定の水溶性ポリマーを含有させ、かつ所定のチキソ比とした水系の液状組成物は分散性に優れ、それから形成される成形物は緻密で無機フィラーの偏在がなく、機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れ、表面粗さを小さくできることを見出し、本発明に至った。
本発明の目的は、かかる組成物、及び該組成物を含有する放熱材料の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
〔1〕 テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm超である比重が2以上の無機フィラーと、重量平均分子量20万以上の水溶性ポリマーと、水とを含み、チキソ比が3~15である、液状組成物。
〔2〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径に対する、前記無機フィラーの平均粒子径の比が5以上である、〔1〕の液状組成物。
〔3〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が、0.1~25μmである、〔1〕又は〔2〕の液状組成物。
〔4〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の比表面積が、6m
2
/g超である、〔1〕~〔3〕のいずれかの液状組成物。
〔5〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、熱溶融性であり、酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーである、〔1〕~〔4〕のいずれかの液状組成物。
〔6〕 前記無機フィラーの平均粒子径が、10μm超100μm以下である、〔1〕~〔5〕のいずれかの液状組成物。
〔7〕 前記無機フィラーが金属又は金属酸化物である、〔1〕~〔6〕のいずれかの液状組成物。
〔8〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子及び前記無機フィラーの総量に対して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が10~30体積%であり、前記無機フィラーの含有量が50~80体積%である、〔1〕~〔7〕のいずれかの液状組成物。
〔9〕 前記水溶性ポリマーの重量平均分子量が、100万以上である、〔1〕~〔8〕のいずれかの液状組成物。
〔10〕 前記水溶性ポリマーが、アクリル酸系高分子、ビニルアルコール系高分子及びセルロース系高分子からなる群から選択される少なくとも1種以上である、〔1〕~〔9〕のいずれかの液状組成物。
〔11〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子に対する前記水溶性ポリマーの含有量が、0.1~1.0質量%である、〔1〕~〔10〕のいずれかの液状組成物。
〔12〕 〔1〕~〔11〕のいずれかの液状組成物を含有する、放熱材料。
〔13〕 〔1〕~〔12〕のいずれかの液状組成物を押出すか、又は基材の表面に配置して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと、前記無機フィラーとを含む成形物を得る、成形物の製造方法。
〔14〕 テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm超である比重が3以上の無機フィラーとを含み、表面粗さRzが25μm以下であり、かつ熱伝導率が5W/m・K以上である、成形物。
〔15〕 厚さが100μm以上である、〔14〕の成形物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、テトラフルオロエチレン系ポリマーと所定の無機フィラーとを含み、分散性に優れた組成物が提供される。かかる組成物からは、緻密で無機フィラーの偏在がなく、機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れ表面粗さが小さいシート等の成形物を形成でき、放熱材料として好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の用語は、以下の意味を有する。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子又はフィラーの体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子又はフィラーの集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
粒子又はフィラーのD50は、粒子又はフィラーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
粒子の「比表面積」は、ガス吸着(定容法)BET多点法で粒子を測定し算出される値であり、BET比表面積測定装置(例えば、NOVA4200e(Quantachrome Instruments社製))を使用して求められる。
「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「粘度」は、E型粘度計を用いて、25℃でずり速度が10/秒の条件下で組成物を測定して求められる。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、組成物の、ずり速度が10/秒の条件で測定される粘度η
1
を、ずり速度100/秒の条件で測定される粘度η
2
で除して算出される値である。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
【0008】
本発明の液状組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、テトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)と、平均粒子径が10μm超である比重が2以上の無機フィラー(以下、「本無機フィラー」とも記す。)と、重量平均分子量20万以上の水溶性ポリマーと、水とを含み、チキソ比が3~15である。
【0009】
本組成物は、本無機フィラーを含んでいても分散性に優れており、本無機フィラーの偏在がなく、緻密で均一性の高い、シート等の成形物を形成しやすい。その理由は必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
F粒子を含む水性分散液に水溶性高分子を添加すると、水性分散液の粘度を増加でき、チキソトロピー性(チキソ性)等の液物性は向上する。本組成物においてはさらに、それが特定の分子量以上である水溶性ポリマーであり、それが水中においてマトリックス様に展開することで、F粒子と本無機フィラーとの穏やかな相互作用を促進させ、F粒子及び本無機フィラーの凝集の抑制と分散安定性とをバランスさせつつ、本無機フィラーの沈降を抑制していると考えられる。
また、本組成物から形成されるシート等の成形物においては、F粒子及び本無機フィラーが緻密に充填され、高度なフィラーのパスが形成されやすくなる。換言すれば、水溶性ポリマーは、本組成物から塗膜等の加工物を形成する際に、本無機フィラー間へのFポリマーの密なパッキングを促すと考えられる。それが成形物の耐熱性、線膨張係数、電気特性、特に電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性を向上させていると考えられる。
そのため、本組成物から形成される成形物は、Fポリマー及び本無機フィラーとの物性を高度に具備し、緻密で無機フィラーの偏在がなく、機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れると考えられる。
かかる傾向は、本組成物中のF粒子の平均粒子径に対する、本無機フィラーの平均粒子径の比が5以上であると、一層顕著となる。
【0010】
本発明におけるFポリマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含むポリマーである。Fポリマーは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。Fポリマーは、熱溶融性であっても非熱溶融性であってもよいが、Fポリマーの少なくとも1種は、熱溶融性であるのが好ましい。ここで、熱溶融性のポリマーとは、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1~1000g/10分となる温度が存在するポリマーを意味する。
熱溶融性であるFポリマーの溶融温度は、180℃以上が好ましく、200℃以上がさらに好ましい。前記Fポリマーの溶融温度は、325℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましい。この場合、本組成物が加工性に優れやすく、また、本組成物から形成される成形物が耐熱性に優れやすい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る