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公開番号
2025103785
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023221414
出願日
2023-12-27
発明の名称
化学強化ガラス、化学強化ガラスの製造方法およびカバーガラス
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C03C
21/00 20060101AFI20250702BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】落下強度に優れる化学強化ガラスの提供。
【解決手段】板状の化学強化ガラスであって、光導波表面応力計を用いて測定される圧縮応力値が0MPaの深さDOL-tailが、4.5μm以上であり、散乱光光弾性応力計を用いて測定される深さ90μmにおける圧縮応力CS
90
と、上記化学強化ガラスの板厚tとが、以下の下記式(I)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(I) CS
90
>240×t-110
式(I)中、CS
90
の単位はMPaである。
式(I)中、tの単位はmmである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
板状の化学強化ガラスであって、
光導波表面応力計を用いて測定される圧縮応力値が0MPaの深さDOL-tailが、4.5μm以上であり、
散乱光光弾性応力計を用いて測定される深さ90μmにおける圧縮応力CS
90
と、前記化学強化ガラスの板厚tとが、以下の下記式(I)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(I) CS
90
>240×t-110
式(I)中、CS
90
の単位はMPaである。
式(I)中、tの単位はmmである。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
板状の化学強化ガラスであって、
下記式(II)で求められるR
Na
の値が、0.40~0.60である、化学強化ガラス。
式(II) R
Na
=M
StNa
/M
Na
式(II)中、M
Na
は、電子プローブマイクロアナライザを用いた分析によって得られる前記化学強化ガラスの板厚方向のNaの検出強度のプロファイルの積分値であって、板厚中央位置におけるNaの検出強度I
C
よりも検出強度が大きい領域の積分値である。
式(II)中、M
StNa
は、前記プロファイルの積分値であって、前記化学強化ガラスの板厚全範囲におけるNaの平均検出強度I
A
よりも検出強度が大きい領域の積分値である。
【請求項3】
前記化学強化ガラスの散乱光光弾性応力計を用いて得られる深さ方向の応力プロファイルの一階微分値の絶対値が、圧縮応力値が0MPa超であるいずれの深さにおいても2.00未満である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項4】
前記化学強化ガラスの散乱光光弾性応力計を用いて得られる深さ方向の応力プロファイルの二階微分値が、圧縮応力値が0MPa超であるいずれの深さにおいても-0.0200~0.0200である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項5】
電子プローブマイクロアナライザを用いた分析によって得られる前記化学強化ガラスの板厚方向のKの検出強度のプロファイルから求められるKの拡散深さが、5μm以上である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項6】
光導波表面応力計を用いて測定される前記化学強化ガラスの表面における圧縮応力が、750MPa以上である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項7】
アルミニウム合金製の幅70mm、長さ130mm、厚さ2mmの直方体状の構造体であって、質量が120gの構造体の最も広い面に前記化学強化ガラスを取り付け、研磨剤がシリコンカーバイドである#80のサンドペーパーの研磨剤面に対して、前記化学強化ガラス側が前記サンドペーパーに対向する向きで前記構造体を40cmの高さから落下させた際に、前記化学強化ガラスに割れが生じない、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項8】
前記圧縮応力CS
90
が、10MPa以上である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項9】
4点曲げ試験を行った際に得られるワイブル係数が、30以上である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項10】
化学強化用ガラスを、K塩を含む溶融塩に浸漬する化学強化処理であるK塩強化処理を少なくとも1回行う化学強化ガラスの製造方法であって、
前記溶融塩におけるKNO
3
の含有量が、前記溶融塩の全質量に対して70質量%以上であり、
前記溶融塩の温度をT
K
、前記K塩強化処理の処理時間をt
K
とした際に、下記式(PI)で求められるG値について、前記K塩強化処理が1回の場合には、前記G値が2.0~5.0であり、前記K塩強化処理が2回以上の場合には、各前記K塩強化処理の前記G値の合計値が2.0~5.0である、化学強化ガラスの製造方法。
JPEG
2025103785000007.jpg
21
112
式(PI)中、tは、前記化学強化用ガラスの板厚であり、tの単位はmである。
式(PI)中、T
K
の単位は℃である。
式(PI)中、t
K
の単位は秒である。
式(PI)中、Eは、125000J/molである。
式(PI)中、Rは、8.31J/(K・mol)である。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学強化ガラスおよび化学強化ガラスの製造方法に関する。
また、本発明は、化学強化ガラスを含むカバーガラスに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、スマートフォン、および、タブレット端末等のディスプレイ装置の保護ならびに美観を高める目的で、カバーガラスが用いられている。これらの用途のカバーガラスには、衝撃等による破損を抑制するため、優れた強度が求められている。
【0003】
従来から、硝酸カリウム溶融塩等にガラスを浸漬して化学強化処理をすることにより、ガラスの面強度を高める手法が知られている。例えば、特許文献1では、2段階の化学強化により、比較的大きい表面圧縮応力層と、圧縮応力層深さが得られるリチウムアルミノシリケートガラスが開示されている。リチウムアルミノシリケートガラスは、1段目の化学強化処理にナトリウム塩を用い、2段目の化学強化処理にカリウム塩を用いる2段階の化学強化処理によって、化学強化ガラスの内部に生じる引張応力を抑制しつつ、表面応力および応力層深さをともに大きくできることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2013-520388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、カバーガラスは、さらなる強度の向上が求められている。携帯端末等のカバーガラスは、落下した時などの変形によって割れることがあり、より高い位置から落下させてもカバーガラスが割れないこと(より高い落下強度を有すること)が求められている。
本発明者らが、特許文献1に記載のカバーガラスについて検討したところ、落下強度について、改善の余地があることを見出した。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、落下強度に優れる化学強化ガラスの提供を課題とする。
また、本発明は、化学強化ガラスの製造方法の提供も課題とする。
また、本発明は、カバーガラスの提供も課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、化学強化ガラスの表面応力値を調整し、特定の深さにおける圧縮応力値および板厚について、特定の関係を満たすと、より高い落下強度を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
【0008】
〔1〕 板状の化学強化ガラスであって、
光導波表面応力計を用いて測定される圧縮応力値が0MPaの深さDOL-tailが、4.5μm以上であり、
散乱光光弾性応力計を用いて測定される深さ90μmにおける圧縮応力CS
90
と、上記化学強化ガラスの板厚tとが、以下の下記式(I)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(I) CS
90
>240×t-110
式(I)中、CS
90
の単位はMPaである。
式(I)中、tの単位はmmである。
〔2〕 板状の化学強化ガラスであって、
下記式(II)で求められるR
Na
の値が、0.40以上である、化学強化ガラス。
式(II) R
Na
=M
StNa
/M
Na
式(II)中、M
Na
は、電子プローブマイクロアナライザを用いた分析によって得られる上記化学強化ガラスの板厚方向のNaの検出強度のプロファイルの積分値であって、板厚中央位置におけるNaの検出強度I
C
よりも検出強度が大きい領域の積分値である。
式(II)中、M
StNa
は、上記プロファイルの積分値であって、上記化学強化ガラスの板厚全範囲におけるNaの平均検出強度I
A
よりも検出強度が大きい領域の積分値である。
〔3〕 上記化学強化ガラスの散乱光光弾性応力計を用いて得られる深さ方向の応力プロファイルの一階微分値の絶対値が、圧縮応力値が0MPa超のであるいずれの深さにおいても2.00未満である、〔1〕または〔2〕に記載の化学強化ガラス。
〔4〕 上記化学強化ガラスの散乱光光弾性応力計を用いて得られる深さ方向の応力プロファイルの二階微分値が、圧縮応力値が0MPa超のであるいずれの深さにおいても-0.0200~0.0200である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
〔5〕 電子プローブマイクロアナライザを用いた分析によって得られる上記化学強化ガラスの板厚方向のKの検出強度のプロファイルから求められるKの拡散深さが、5μm以上である、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
〔6〕 光導波表面応力計を用いて測定される上記化学強化ガラスの表面における圧縮応力が、750MPa以上である、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
〔7〕 アルミニウム合金製の幅70mm、長さ130mm、厚さ2mmの直方体状の構造体であって、質量が120gの構造体の最も広い面に上記化学強化ガラスを取り付け、研磨剤がシリコンカーバイドである#80のサンドペーパーの研磨剤面に対して、上記化学強化ガラス側が上記サンドペーパーに対向する向きで上記構造体を40cmの高さから落下させた際に、上記化学強化ガラスに割れが生じない、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
〔8〕 上記圧縮応力CS
90
が、10MPa以上である、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
〔9〕 4点曲げ試験を行った際に得られるワイブル係数が、30以上である、〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
〔10〕 化学強化用ガラスを、K塩を含む溶融塩に浸漬する化学強化処理であるK塩強化処理を少なくとも1回行う化学強化ガラスの製造方法であって、
上記溶融塩におけるKNO
3
の含有量が、上記溶融塩の全質量に対して70質量%以上であり、
上記溶融塩の温度をT
K
、上記K塩強化処理の処理時間をt
K
とした際に、下記式(PI)で求められるG値について、上記K塩強化処理が1回の場合には、上記G値が2.0~5.0であり、上記K塩強化処理が2回以上の場合には、各上記K塩強化処理の上記G値の合計値が2.0~5.0である、化学強化ガラスの製造方法。
〔数1〕
JPEG
2025103785000001.jpg
21
112
式(PI)中、tは、上記化学強化用ガラスの板厚であり、tの単位はmである。
式(PI)中、T
K
の単位は℃である。
式(PI)中、t
K
の単位は秒である。
式(PI)中、Eは、125000J/molである。
式(PI)中、Rは、8.31J/(K・mol)である。
〔11〕 上記化学強化用ガラスに対して、第1化学強化処理および第2化学強化処理をこの順に行い、
上記第1化学強化処理後におけるガラスの内部引張応力値が、上記化学強化用ガラスのCTリミット超であり、
上記第2化学強化処理後におけるガラスの内部引張応力値が、上記化学強化用ガラスのCTリミット未満である、〔10〕に記載の化学強化ガラスの製造方法。
〔12〕 〔1〕~〔9〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラスを含む、カバーガラス。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、落下強度に優れる化学強化ガラスを提供できる。
また、本発明によれば、化学強化ガラスの製造方法も提供できる。
また、本発明によれば、カバーガラスも提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
DCDC法による破壊靱性値K
IC
の測定に用いるサンプルの説明図である。
DCDC法による破壊靱性値K
IC
の測定に用いる、応力拡大係数K1(単位:MPa・m
1/2
)とクラック進展速度v(単位:m/s)との関係を示すK1-v曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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