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公開番号
2025108792
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-23
出願番号
2025077688,2022535288
出願日
2025-05-08,2021-07-01
発明の名称
透過表示ミラー及び透過表示ミラーの使用
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20250715BHJP(光学)
要約
【課題】ハーフミラーと選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造において、ハーフミラーの正面側の反射率を高める。
【解決手段】光学的構造10はハーフミラー40と選択反射フィルム16とを備える。ハーフミラー40は第1の支持体15と部分反射膜11とを備える。部分反射膜11は第1の支持体15の正面側に鏡像を提示する。選択反射フィルム16が部分反射膜11と対向する。選択反射フィルム16は左円偏光及び右円偏光のうち一方、以下F偏光という、を他方、以下R偏光という、よりもよく透過する。選択反射フィルム16のR偏光に対する反射率は、可視光帯域全体において、部分反射膜11のF偏光に対する反射率よりも高い。選択反射フィルム16と部分反射膜11との間には空隙層19が設けられている。光学的構造10は第2の支持体20をさらに備える。選択反射フィルム16は第2の支持体20の正面に積層されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
画像を鏡像に対して重畳的に表示する鏡、以下透過表示ミラーという、であって、
光学的構造と、前記光学的構造の背面に対して直線偏光からなる画像光を照射する表示パネルと備え、
前記光学的構造は、ハーフミラーと選択反射フィルムとを組み合わせてなり、
前記ハーフミラーは、第1の支持体と、前記第1の支持体の背面に積層される部分反射膜とを備え、
前記部分反射膜は、前記第1の支持体の正面側から入射する外部光を反射することで、前記第1の支持体の正面側に鏡像を提示し、
前記ハーフミラーの背面側にはさらに前記選択反射フィルムが前記部分反射膜と対向するように設けられ、
前記選択反射フィルムは、可視光帯域全体において、左円偏光及び右円偏光のうち一方、以下F偏光という、を他方、以下R偏光という、よりもよく透過するとともに、R偏光をF偏光よりもよく反射し、
前記選択反射フィルムのR偏光に対する反射率は、可視光帯域全体において、前記部分反射膜のF偏光に対する反射率よりも高く、
前記選択反射フィルムと前記部分反射膜との間には第1の空隙層が設けられており、
前記第1の支持体に対向する第2の支持体をさらに備え、
前記選択反射フィルムは前記第2の支持体の正面に積層されており、
前記選択反射フィルムの正面にさらに保護フィルムが形成されており、
前記選択反射フィルムと前記第2の支持体との間に1/4波長板がさらに積層されており、
前記第1の空隙層は、空気又は空気以外の気体で満たされた空間からなり、
前記部分反射膜は、前記空間に露出しており、
前記第2の支持体の厚みは、0.5~3mmである、
透過表示ミラー。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
前記第2の支持体と前記表示パネルとの間には第2の空隙層が設けられており、
前記第2の空隙層は、空気又は空気以外の気体で満たされた空間からなる、
請求項1に記載の透過表示ミラー。
【請求項3】
前記部分反射膜と前記選択反射フィルムとは、それらが対向している領域の全面に渡って略平行である、
請求項1または2に記載の透過表示ミラー。
【請求項4】
前記第1の空隙層の厚みは0mmより大きく、前記第1の支持体の厚みの1/2より小さい、
請求項1~3のいずれかに記載の透過表示ミラー。
【請求項5】
前記選択反射フィルムは、ネマチック液晶及びスメクチック液晶のいずれかの液晶からなり、
前記液晶はカイラリティを有する相からなり、
前記相は、液晶分子にカイラルドーパントを添加したものからなる、又はカイラリティを有する液晶分子からなる、
請求項1~4のいずれかに記載の透過表示ミラー。
【請求項6】
前記選択反射フィルムは、コレステリック液晶からなる、
請求項1~4のいずれかに記載の透過表示ミラー。
【請求項7】
前記部分反射膜は、誘電体多層膜及び金属酸化物の単層膜のいずれかからなる、
請求項1~6のいずれかに記載の透過表示ミラー。
【請求項8】
前記選択反射フィルムの正面にさらに反射防止膜が形成されている、
請求項1~7のいずれかに記載の透過表示ミラー。
【請求項9】
前記第2の支持体の背面にさらに反射防止膜が形成されている、
請求項1~8のいずれかに記載の透過表示ミラー。
【請求項10】
前記ハーフミラーにおいて、その反射率はその透過率よりも大きい、
請求項1~9のいずれかに記載の透過表示ミラー。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はハーフミラーと選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1はハーフミラー(half-silvered mirror)の一種である光反射透過部材を開示している。この光反射透過部材は、支持体と、支持体の背面に積層された光学薄膜とを備える。光学薄膜は光の一部分を反射し、また残りの部分を透過する。光学薄膜は背面側から照射する画像光を透過する。したがって光反射透過部材は表示特性を発揮する。光学薄膜は正面から照射する外光を反射する。したがって光反射透過部材はミラー特性を発揮する。
【0003】
光学薄膜上にはさらに選択反射フィルムが積層されている。選択反射フィルムは左右の円偏光のうち一方を選択的に透過し、他方を選択的に反射する。例えば左円偏光からなる画像光が光反射透過部材の背面、すなわち選択反射フィルムに入射する。選択反射フィルムは左円偏光を透過し、右円偏光を反射する。選択反射フィルムを透過した左円偏光は、光学薄膜と選択反射フィルムとの間で多重反射する。この時、画像光は反射するたびに旋回方向を入れ替える。光学薄膜における左円偏光の透過率は、選択反射フィルムにおける右円偏光の透過率よりも高い。このため、画像光は多重反射を繰り返しながら光学薄膜側から優先的に出射する。したがって選択反射フィルムは光反射透過部材上に表示される画像を明るくする。
【0004】
光学薄膜と選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造を適切に設計することで、その正面を観察する観察者から見て、画像光の透過率と外光の反射率との合計が100%を超える。
【0005】
特許文献2の段落[0057]は上記と同様のハーフミラーに対向する選択反射フィルムの界面が樹脂又は空気で形成されていることを開示している。段落[0060]はハーフミラーの反射膜の選択反射フィルムに対向する側の界面が、樹脂又は空気で形成されていることを開示している。段落[0059]は、反射膜と選択反射フィルムとの間に空気が介在している場合、反射膜と選択反射フィルムとの間の距離を一定に保つことが難しいことを開示している。同段落は、さらに厚みが揃った透明樹脂を介在させることで、空気を除去してもよいことを開示している。
【0006】
特許文献3及び特許文献4は、円偏光反射層を備える、画像表示機能付きミラーおよびハーフミラーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2017/126624号
特開2019-137085号公報
特開2017-122776号公報
特開2017-198961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はハーフミラーと選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造において、ハーフミラーの正面側の反射率をさらに高めるのに適する手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1] ハーフミラーと選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造であって、
前記ハーフミラーは、第1の支持体と、前記第1の支持体の背面に積層される部分反射膜とを備え、
前記部分反射膜は、前記第1の支持体の正面側から入射する外部光を反射することで、前記第1の支持体の正面側に鏡像を提示し、
前記ハーフミラーの背面側にはさらに前記選択反射フィルムが前記部分反射膜と対向するように設けられ、
前記選択反射フィルムは、可視光帯域全体において、左円偏光及び右円偏光のうち一方、以下F偏光という、を他方、以下R偏光という、よりもよく透過するとともに、R偏光をF偏光よりもよく反射し、
前記選択反射フィルムのR偏光に対する反射率は、可視光帯域全体において、前記部分反射膜のF偏光に対する反射率よりも高く、
前記選択反射フィルムと前記部分反射膜との間には空隙層が設けられており、
前記第1の支持体、に対向する第2の支持体をさらに備え、
前記選択反射フィルムは第2の支持体の正面に積層されている、
光学的構造。
[2] 前記選択反射フィルムは、ネマチック液晶及びスメクチック液晶のいずれかの液晶からなり、
前記液晶はカイラリティを有する相からなり、
前記相は、液晶分子にカイラルドーパントを添加したものからなる、又はカイラリティを有する液晶分子からなる、
[1]に記載の光学的構造。
[3] 前記選択反射フィルムは、コレステリック液晶からなる、
[1]に記載の光学的構造。
[4] 前記選択反射フィルムの正面にさらに保護フィルムが形成されている、
[2]又は[3]に記載の光学的構造。
[5] 前記空隙層は、空気又は空気以外の気体で満たされた空間からなり、
前記部分反射膜は、誘電体多層膜及び金属酸化物の単層膜のいずれかからなるとともに前記空間に露出している、
[1]~[4]のいずれかに記載の光学的構造。
[6] 前記選択反射フィルムの正面にさらに反射防止膜が形成されている、
[1]~[5]のいずれかに記載の光学的構造。
[7] 前記第2の支持体の背面にさらに反射防止膜が形成されている、
[1]~[6]のいずれかに記載の光学的構造。
[8] 前記ハーフミラーにおいて、その反射率はその透過率よりも大きい、
[1]~[7]のいずれかに記載の光学的構造。
[9] 前記選択反射フィルムと前記第2の支持体との間に1/4波長板がさらに積層されている、
[1]~[8]のいずれかに記載の光学的構造。
[10] [9]に記載の光学的構造の使用であって、
直線偏光又は楕円偏光からなる画像光を第2の支持体の背面側に照射することで、これを前記1/4波長板でF偏光からなる画像光に変換し、
前記第1の支持体の正面から前記F偏光からなる画像光を出射することで、前記第1の支持体の正面において前記鏡像よりも明るい画像を前記鏡像に対して重畳的に提示し、
第2の支持体の背面側へ照射する前記画像光を暗くすることで、前記第1の支持体の正面の前記画像に埋もれていた前記鏡像を回復する、
使用。
[11] 画像を鏡像に対して重畳的に表示する鏡、以下透過表示ミラーという、であって、
[9]に記載の光学的構造と、第2の支持体の背面に対して直線偏光からなる画像光を照射する表示パネルと備え、
前記表示パネルは、第2の支持体の背面に対して対向するとともに、前記直線偏光からなる前記画像光を出射する表示面を有し、
前記1/4波長板の速軸及び遅軸は、前記直線偏光を偏光Fpに変換する方向に、前記直線偏光の偏光軸に対して45°傾いており、
前記第2の支持体と前記表示パネルとの間には空隙層が設けられている、
透過表示ミラー。
[12] 画像を鏡像に対して重畳的に表示する鏡、以下透過表示ミラーという、であって、
[9]に記載の光学的構造と、前記1/4波長板の背面に対して直線偏光からなる画像光を照射する表示パネルとを備え、
前記第2の支持体は、前記表示パネルに一体化しており、
前記第2の支持体の正面は、前記表示パネルの表示面であり、
前記表示面は、前記直線偏光からなる前記画像光を出射し、
前記1/4波長板の速軸及び遅軸は、前記直線偏光を偏光Fpに変換する方向に、前記直線偏光の偏光軸に対して45°傾いている、
透過表示ミラー。
[13] 遮光プレートをさらに備え、
前記表示パネルが前記ハーフミラーの背面の中央を覆い、前記遮光プレートが前記ハーフミラーの背面の外縁を覆うことで、前記ハーフミラーの背面の全体が覆われている、
[11]又は[12]に記載の透過表示ミラー。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ハーフミラーと選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造において、ハーフミラーの正面側の反射率をさらに高めるのに適する手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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