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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025100789
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2025068986,2023012121
出願日
2025-04-18,2019-01-30
発明の名称
光学フィルタおよび撮像装置
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
G02B
5/22 20060101AFI20250626BHJP(光学)
要約
【課題】可視光の透過性を良好に維持しながら、近赤外光の遮蔽性において、特に長波長近赤外光の遮蔽性に優れる光学フィルタの提供。
【解決手段】近赤外線吸収色素(A)及び透明樹脂を含有する吸収層と、誘電体多層膜からなる反射層とを有し、前記近赤外線吸収色素(A)は、特定の特性(i-1)~(i-3)を満足し、かつ特定のシアニン系化合物及び特定のスクアリリウム色素の少なくとも一方を含み、前記透明樹脂は前記近赤外線吸収色素(A)との関係において特定の特性(i-3)を満足する、光学フィルタ。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
近赤外線吸収色素(A)及び透明樹脂を含有する吸収層と、
誘電体多層膜からなる反射層とを有する光学フィルタであって、
前記近赤外線吸収色素(A)は、下記(i-1)~(i-3)をすべて満足し、かつ下記式(ACi1)~(ACii2)のいずれかで表されるシアニン系化合物、及び下記式(ASi)で表されるスクアリリウム色素の、少なくとも一方を含み、
前記透明樹脂は前記近赤外線吸収色素(A)との関係において下記(i-3)を満足する、光学フィルタ。
(i-1)ジクロロメタンに溶解して測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において、最大吸収波長λ
max(A)DCM
が850~1100nmの波長領域にある。
(i-2)ジクロロメタンに溶解して測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において、最大吸収波長λ
max(A)DCM
における吸光度をABS
λmax(A)DCM
、波長400nmにおける吸光度をABS
400(A)DCM
、波長550nmにおける吸光度をABS
550(A)DCM
としたときに、下記式(1)および(2)を満足する。
ABS
400(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.10 …(1)
ABS
550(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.04 …(2)
(i-3)前記透明樹脂に含有させて測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において、最大吸収波長λ
max(A)TR
が850~1100nmの波長領域にあり、最大吸収波長λ
max(A)TR
における吸光度をABS
λmax(A)TR
、波長400nmにおける吸光度をABS
400(A)TR
、波長550nmにおける吸光度をABS
550(A)TR
としたときに、下記式(3)および(4)を満足する。
ABS
400(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
<0.15 …(3)
ABS
550(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
<0.10 …(4)
TIFF
2025100789000057.tif
217
166
ただし、式(ACi1)~(ACii2)中の記号は以下のとおりである。
R
101
~R
107
、R
121
~R
127
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、-NR
112
R
113
基、-NHSO
2
R
114
基、-NHCOR
115
基、-SR
116
基、-SO
2
R
117
基、-OSO
2
R
118
基、炭素数1~20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3~14のシクロアルキル基、炭素数6~14のアリール基、もしくは員数が3~14の複素環基である。R
102
~R
107
およびR
122
~R
127
は隣り合う2つが互いに連結して5員環、6員環、または7員環を形成していてもよい。
R
続きを表示(約 3,100 文字)
【請求項2】
前記近赤外線吸収色素(A)は前記式(ASi)で表されるスクアリリウム色素を含む請求項1に記載の光学フィルタ。
【請求項3】
前記近赤外線吸収色素(A)は前記式(ACi1)~(ACii2)のいずれかで表されるシアニン系化合物を含む請求項1に記載の光学フィルタ。
【請求項4】
前記近赤外線吸収色素(A)は、さらに下記(i-4)を満足する請求項1に記載の光学フィルタ。
(i-4)下式(5)および(6)を満足する。
ABS
400(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
-ABS
400(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.10 …(5)
ABS
550(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
-ABS
550(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.08 …(6)
【請求項5】
前記近赤外線吸収色素(A)は、さらに下記(i-4)を満足する請求項1に記載の光学フィルタ。
(i-4)下式(5)および(6)を満足する。
ABS
400(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
-ABS
400(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.06 …(5)
ABS
550(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
-ABS
550(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.08 …(6)
【請求項6】
前記吸収層は、さらに、前記透明樹脂に含有させて測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において最大吸収波長λ
max(D)TR
が650~750nmの波長領域にあり、下式(I)~(III)のいずれかで示される近赤外線吸収色素(D)を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
ただし、式(I)中の記号は以下のとおりである。
R
24
およびR
26
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、-NR
27
R
28
(R
27
およびR
28
は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-C(=O)-R
29
(R
29
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基もしくは炭素数6~11のアリール基または、置換基を有していてもよく、炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数7~18のアルアリール基)、-NHR
30
、または、-SO
2
-R
30
(R
30
は、それぞれ1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)を示す。)、または、下記式(S)で示される基(R
41
、R
42
は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。kは2または3である。)を示す。
TIFF
2025100789000059.tif
65
166
R
21
とR
22
、R
22
とR
25
、およびR
21
とR
23
は、互いに連結して窒素原子と共に員数が5または6のそれぞれ複素環A、複素環B、および複素環Cを形成してもよい。
複素環Aが形成される場合のR
21
とR
22
は、これらが結合した2価の基-Q-として、水素原子が炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基または置換基を有していてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示す。
複素環Bが形成される場合のR
22
とR
25
、および複素環Cが形成される場合のR
21
とR
23
は、これらが結合したそれぞれ2価の基-X
1
-Y
1
-および-X
2
-Y
2
-(窒素に結合する側がX
1
およびX
2
)として、X
1
およびX
2
がそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、Y
1
およびY
2
がそれぞれ下記式(1y)~(5y)から選ばれるいずれかで示される基である。X
1
およびX
2
が、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、Y
1
およびY
2
はそれぞれ単結合であってもよく、その場合、炭素原子間に酸素原子を有してもよい。
TIFF
2025100789000060.tif
67
142
式(1x)中、4個のZは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または-NR
38
R
39
【請求項7】
前記吸収層は入射角0度の分光透過率曲線において下記(ii-1)~(ii-3)を満足し、前記反射層は下記(iii-1)を満足し、前記光学フィルタは下記(iv-1)を満足する請求項6に記載の光学フィルタ。
(ii-1)透過率が20%を示す波長の短波長側の波長が655~675nmの波長領域にある。
(ii-2)波長435~630nmの光の平均透過率が65%以上である。
(ii-3)波長850~1100nmの光の平均透過率が70%以下である。
(iii-1)入射角0度の分光透過率曲線において、波長850~1100nmの光の平均透過率が0.2%以下である。
(iv-1)波長615~725nmにおいて、入射角0度および入射角30度の分光透過率曲線における透過率の差分の絶対値を平均した値が2%/nm以下である。
【請求項8】
前記透明樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項9】
前記吸収層の厚さが0.3~10μmである、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項10】
前記近赤外線吸収色素(A)は、最大吸収波長λ
max(A)TR
が異なる少なくとも2種を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視波長領域の光を透過し、近赤外波長領域の光を遮断する光学フィルタおよび該光学フィルタを備えた撮像装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子を用いた撮像装置には、色調を良好に再現し鮮明な画像を得るため、可視域の光(以下「可視光」ともいう)を透過し近赤外域の光(以下「近赤外光」ともいう)を遮断する光学フィルタが用いられる。該光学フィルタとしては、近赤外吸収剤を含む吸収層と、近赤外光を遮断する誘電体多層膜からなる反射層とを備えた近赤外カットフィルタが知られている。つまり、誘電体多層膜そのものは、入射角によって分光透過率曲線が変化するため、反射層と吸収層の両方を含む近赤外カットフィルタは、吸収層の吸収特性により入射角依存性が抑制された分光透過率曲線が得られる。
【0003】
近年、このような撮像装置を搭載した各種機器において、波長850~1100nmのレーザ光を用いる光学部品がともに搭載されることが多くなっている。そのため、近赤外カットフィルタにおいて、可視光の透過率の低下を抑制しつつ、波長850~1100nmの長波長の近赤外光を十分にカットする特性が求められるようになった。
【0004】
近赤外カットフィルタにおいては、従来から、比較的長波長域に吸収を示す吸収剤を用いる技術が多く知られている。具体的には、スクアリリウム色素とシアニン色素、フタロシアニン色素等を組み合わせる(例えば、特許文献1、2を参照)、ジインモニウム色素、金属ジチオラート錯体、無機微粒子等を用いる(例えば、特許文献3、4、5を参照)等の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2013/054864号
国際公開第2016/158461号
国際公開第2017/094672号
国際公開第2014/168189号
国際公開第2014/168190号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記いずれの近赤外カットフィルタにおいても、可視光の高い透過性と波長850~1100nmの長波長域における高い遮蔽性を両立できるものはない。
【0007】
本発明は、可視光の透過性を良好に維持しながら、近赤外光の遮蔽性において、特に長波長近赤外光の遮蔽性に優れる光学フィルタ、および該光学フィルタを用いた色再現性に優れる撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る光学フィルタは、近赤外線吸収色素(A)及び透明樹脂を含有する吸収層と、
誘電体多層膜からなる反射層とを有する光学フィルタであって、
前記近赤外線吸収色素(A)は、下記(i-1)~(i-3)をすべて満足し、かつ下記式(ACi1)~(ACii2)のいずれかで表されるシアニン系化合物、及び下記式(ASi)で表されるスクアリリウム色素の、少なくとも一方を含み、
前記透明樹脂は前記近赤外線吸収色素(A)との関係において下記(i-3)を満足する。
(i-1)ジクロロメタンに溶解して測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において、最大吸収波長λ
max(A)DCM
が850~1100nmの波長領域にある。
(i-2)ジクロロメタンに溶解して測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において、最大吸収波長λ
max(A)DCM
における吸光度をABS
λmax(A)DCM
、波長400nmにおける吸光度をABS
400(A)DCM
、波長550nmにおける吸光度をABS
550(A)DCM
としたときに、下記式(1)および(2)を満足する。
ABS
400(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.10 …(1)
ABS
550(A)DCM
/ABS
λmax(A)DCM
<0.04 …(2)
(i-3)前記透明樹脂に含有させて測定される波長350~1200nmの吸光度曲線において、最大吸収波長λ
max(A)TR
が850~1100nmの波長領域にあり、最大吸収波長λ
max(A)TR
における吸光度をABS
λmax(A)TR
、波長400nmにおける吸光度をABS
400(A)TR
、波長550nmにおける吸光度をABS
550(A)TR
としたときに、下記式(3)および(4)を満足する。
ABS
400(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
<0.15 …(3)
ABS
550(A)TR
/ABS
λmax(A)TR
<0.10 …(4)
【0009】
TIFF
2025100789000002.tif
217
166
【0010】
ただし、式(ACi1)~(ACii2)中の記号は以下のとおりである。
R
101
~R
107
、R
121
~R
127
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、-NR
112
R
113
基、-NHSO
2
R
114
基、-NHCOR
115
基、-SR
116
基、-SO
2
R
117
基、-OSO
2
R
118
基、炭素数1~20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3~14のシクロアルキル基、炭素数6~14のアリール基、もしくは員数が3~14の複素環基である。R
102
~R
107
およびR
122
~R
127
は隣り合う2つが互いに連結して5員環、6員環、または7員環を形成していてもよい。
R
130a
は、水素原子、メチル基またはフェニル基である。
R
130b
は、水素原子、メチル基、フェニル基またはジフェニルアミノ基である。
R
112
~R
118
は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3~14のシクロアルキル基、炭素数6~14のアリール基、もしくは員数が3~14の複素環基である。
各式に含まれる複数のR
101
~R
107
、R
121
~R
127
は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
X
-
は一価のアニオンを示す。
(【0011】以降は省略されています)
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