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公開番号
2025094958
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2025048064,2024570600
出願日
2025-03-24,2024-04-05
発明の名称
含フッ素重合体の製造方法、水性分散液及び固体組成物
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08F
14/26 20060101AFI20250618BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】環境負荷の小さい水性媒体を用いつつも、乳化剤を必須とせずに含フッ素重合体を効率よく製造できる、含フッ素重合体の製造方法、水性分散液及び固体組成物の提供。
【解決手段】本発明の含フッ素重合体の製造方法は、ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、テトラフルオロエチレンを含む単量体を重合して、第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する、含フッ素重合体の製造方法であって、単量体の重合を開始する前において第1含フッ素重合体の含有量が水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%であり、単量体の重合を開始する前においてフッ素系乳化剤の濃度が水性分散液中の第1含フッ素重合体の全質量に対して100質量ppm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、テトラフルオロエチレンを含む単量体を重合して、前記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する、含フッ素重合体の製造方法であって、
前記単量体の重合を開始する前において、前記第1含フッ素重合体の含有量が、前記水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%であり、
前記単量体の重合を開始する前において、フッ素系乳化剤の濃度が、前記水性分散液中の前記第1含フッ素重合体の全質量に対して、100質量ppm以下である、含フッ素重合体の製造方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記第1含フッ素重合体が、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位と、を含む、請求項1に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項3】
前記第1含フッ素重合体における、前記テトラフルオロエチレンに基づく単位と前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の合計に対して、前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位が20~60モル%である、請求項2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項4】
前記単量体の使用量が、前記水性媒体の使用量100質量部に対して、1~50質量部である、請求項1又は2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項5】
重合開始剤の存在下で前記単量体を重合する、請求項1又は2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
【請求項6】
水性媒体と、ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体と、を含む水性分散液であって、以下の方法で測定された、上記水性分散液を凝集して得られる固体組成物の10~35℃の範囲における最大吸熱量を示す温度Tが19℃以下である、水性分散液。
温度Tの測定方法:
300℃以上の温度に加熱した履歴がない固体組成物を、昇温速度10℃/分にて示差走査熱量計により測定を行う。
【請求項7】
ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体と、を含む固体組成物であって、以下の方法で測定された、上記固体組成物の10~35℃の範囲における最大吸熱量を示す温度Tが19℃以下である、固体組成物。
温度Tの測定方法:
300℃以上の温度に加熱した履歴がない固体組成物を、昇温速度10℃/分にて示差走査熱量計により測定を行う。
【請求項8】
請求項6に記載の水性分散液を凝集して得られ、10~35℃の範囲における最大吸熱量を示す温度Tが19℃以下である、固体組成物。
温度Tの測定方法:
300℃以上の温度に加熱した履歴がない固体組成物を、昇温速度10℃/分にて示差走査熱量計により測定を行う。
【請求項9】
前記第1含フッ素重合体と前記第2含フッ素重合体の全単位の合計に対する、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が0.1~5.0モル%であり、 式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、前記第1含フッ素重合体及び前記第2含フッ素重合体の合計質量に対して、100質量ppb以下である、請求項6に記載の水性分散液。
式(S1): H-(CF
2
)
n―1
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
【請求項10】
ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み前記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体と、を含む固体組成物であって、
前記第1含フッ素重合体と前記第2含フッ素重合体の全単位の合計に対する、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が0.1~5.0モル%であり、 式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、前記第1含フッ素重合体及び前記第2含フッ素重合体の合計質量に対して、100質量ppb以下である、請求項7に記載の固体組成物。
式(S1): H-(CF
2
)
n―1
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素重合体の製造方法、水性分散液及び固体組成物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
テトラフルオロエチレン系共重合体等の含フッ素重合体は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐候性等に優れているため種々の産業分野で用いられている。
含フッ素重合体の製造方法として、含フッ素乳化剤を使用し、水性媒体中で含フッ素モノマーを乳化重合する方法が挙げられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2007/046377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の含フッ素重合体の製造方法では、水性媒体を使用するので環境負荷は小さいが、必須成分である乳化剤が重合により得られた水性分散液に大量に残存する場合、用途によっては乳化剤の除去が必要になる。
【0005】
本発明は、環境負荷の小さい水性媒体を用いつつも、乳化剤を必須とせずに含フッ素重合体を効率よく製造できる、含フッ素重合体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、水性分散液及び固体組成物を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、テトラフルオロエチレンを含む単量体を重合して、上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する、含フッ素重合体の製造方法であって、 上記単量体の重合を開始する前において、上記第1含フッ素重合体の含有量が、上記水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%であり、
上記単量体の重合を開始する前において、フッ素系乳化剤の濃度が、上記水性分散液中の上記第1含フッ素重合体の全質量に対して、100質量ppm以下である、含フッ素重合体の製造方法。
[2] 上記第1含フッ素重合体が、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位と、を含む、[1]に記載の含フッ素重合体の製造方法。
[3] 上記第1含フッ素重合体における、上記テトラフルオロエチレンに基づく単位と上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の合計に対して、上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位が20~60モル%である、[2]に記載の含フッ素重合体の製造方法。
[4] 上記単量体の使用量が、上記水性媒体の使用量100質量部に対して、1~50質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載の含フッ素重合体の製造方法。
[5] 重合開始剤の存在下で上記単量体を重合する、[1]~[4]のいずれかに記載の含フッ素重合体の製造方法。
[6] 水性媒体と、ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体と、を含む水性分散液であって、以下の方法で測定された、上記水性分散液を凝集して得られる固体組成物の10~35℃の範囲における最大吸熱量を示す温度Tが19℃以下である、水性分散液。
温度Tの測定方法:
300℃以上の温度に加熱した履歴がない固体組成物を、昇温速度10℃/分にて示差走査熱量計により測定を行う。
[7] ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体と、を含む固体組成物であって、以下の方法で測定された、上記固体組成物の10~35℃の範囲における最大吸熱量を示す温度Tが19℃以下である、固体組成物。
温度Tの測定方法:
300℃以上8の温度に加熱した履歴がない固体組成物を、昇温速度10℃/分にて示差走査熱量計により測定を行う。
[8] [6]に記載の水性分散液を凝集して得られ、10~35℃の範囲における最大吸熱量を示す温度Tが19℃以下である、固体組成物。
温度Tの測定方法:
300℃以上の温度に加熱した履歴がない固体組成物を、昇温速度10℃/分にて示差走査熱量計により測定を行う。
[9] 上記第1含フッ素重合体と上記第2含フッ素重合体の全単位の合計に対する、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が0.1~5.0モル%であり、 式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、上記第1含フッ素重合体及び上記第2含フッ素重合体の合計質量に対して、100質量ppb以下である、[6]に記載の水性分散液。
式(S1): H-(CF
2
)
n―1
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
[10] 上記第1含フッ素重合体と上記第2含フッ素重合体の全単位の合計に対する、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位の含有量が0.1~5.0モル%であり、 式(S1)で表される化合物の含有量、及び、式(S2)で表される化合物の含有量のそれぞれが、上記第1含フッ素重合体及び上記第2含フッ素重合体の合計質量に対して、100質量ppb以下である、[7]に記載の固体組成物。
式(S1): H-(CF
2
)
n―1
-COOM
式(S2): H-(CF
2
)
n
-SO
3
M
式(S1)及び式(S2)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、Na、K、又は、NH
4
を表し、nはそれぞれ独立に8又は10を表す。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、環境負荷の小さい水性媒体を用いつつも、乳化剤を必須とせずに含フッ素重合体を効率よく製造できる、含フッ素重合体の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、水性分散液及び固体組成物も提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
「単位」とは、単量体が重合して直接形成された、上記単量体1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。「単量体に基づく単位」は、以下、単に「単位」ともいう。
重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(質量%又はモル%)は、重合体を固体核磁気共鳴スペクトル(NMR)法により分析して求められるが、通常、各単量体の仕込み量から計算される各単位の含有量は、実際の各単位の含有量と略一致している。
【0009】
[含フッ素重合体の製造方法]
本発明の含フッ素重合体の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)は、ガラス転移温度が10℃以下の第1含フッ素重合体、及び、水性媒体を含む水性分散液中において、テトラフルオロエチレンを含む単量体(以下、「特定単量体」ともいう。)を重合して、上記第1含フッ素重合体とは異なる第2含フッ素重合体を製造する方法である。
本製造方法において、上記単量体の重合を開始する前において、上記第1含フッ素重合体の含有量が上記水性分散液の全質量に対して0.01~4.0質量%である。
また、本製造方法において、上記単量体の重合を開始する前において、フッ素系乳化剤の濃度が、上記水性分散液中の上記第1含フッ素重合体の全質量に対して、100質量ppm以下であるである。
【0010】
本製造方法によって乳化剤を必須にせずとも第2含フッ素重合体が効率よく製造された理由としては、ガラス転移温度が10℃以下である第1含フッ素重合体を所定量含む水性分散液を用いたことで、第1含フッ素重合体が第2含フッ素重合体の良好な重合場として機能したためと推測される。
(【0011】以降は省略されています)
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