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公開番号
2025094722
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2023210429
出願日
2023-12-13
発明の名称
光学フィルタ
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
G02B
5/22 20060101AFI20250618BHJP(光学)
要約
【課題】本発明は、高入射角においても、透過領域となる可視光および特定の近赤外光以外の、特定の近赤外光および近紫外光の遮蔽性に優れた光学フィルタの提供を目的とする。
【解決手段】誘電体多層膜1、ガラス基板、誘電体多層膜2、光吸収層、および誘電体多層膜3をこの順に有する光学フィルタであって、前記光吸収層は、近赤外線吸収色素を含み、前記光学フィルタが、特定の分光特性(i-1)~(i-6)をすべて満たす光学フィルタ。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
誘電体多層膜1、ガラス基板、誘電体多層膜2、光吸収層、および誘電体多層膜3をこの順に有する光学フィルタであって、
前記光吸収層は、近赤外線吸収色素を含み、
前記光学フィルタが、下記分光特性(i-1)~(i-6)をすべて満たす光学フィルタ。
(i-1)一方の主面を入射方向としたときの、波長1300~1500nmの光の平均反射率が、入射角5度において90%以上、かつ入射角40度において90%以上
(i-2)一方の主面を入射方向としたときの、波長1300~1500nmの光の最大反射率が、入射角5度において95%以上、かつ入射角40度において95%以上
(i-3)他方の主面を入射方向としたときの、波長750~900nmの光の平均反射率が、入射角5度において30%以上、かつ入射角40度において30%以上
(i-4)他方の主面を入射方向としたときの、波長750~900nmの光の最大反射率が、入射角5度において80%以上、かつ入射角40度において70%以上
(i-5)波長350~400nmの光の平均透過率が、入射角0度において1%以下、かつ入射角40度において2%以下
(i-6)波長350~400nmの光の最大透過率が、入射角0度において2%以下、かつ入射角40度において3%以下
続きを表示(約 3,500 文字)
【請求項2】
前記誘電体多層膜1~3の少なくとも1つが下記特性(iiB-1)~(iiB-3)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(iiB-1)合計積層数が1~60である
(iiB-2)屈折率が1.8以上2.5以下である高屈折率層HBと、屈折率が1.4以上1.6以下である低屈折率層LBとを含み、前記低屈折率層LBの総物理膜厚に対する前記高屈折率層HBの総物理膜厚の比率が0.2~0.8である
(iiB-3)QWOTが1.0以上である前記高屈折率層をHB
1
層とし、QWOTが1.0以上である前記低屈折率層をLB
1
層としたとき、
前記HB
1
層と前記LB
1
層との間の層が、単層または複数の層からなり、これら全ての層の1層あたりのQWOTが1.0以下であるMB
1
層であり、
下記式に示す積層構造を1以上有する
(HB
1
層/MB
1
層/LB
1
層)
【請求項3】
前記誘電体多層膜1~3の少なくとも1つが下記特性(iiA-1)~(iiA-3)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(iiA-1)合計積層数が1~80である
(iiA-2)屈折率が1.8以上2.5以下である高屈折率層HAと、屈折率が1.4以上1.6以下である低屈折率層LAとを含み、前記低屈折率層LAの総物理膜厚に対する前記高屈折率層HAの総物理膜厚の比率が0.3~0.8である
(iiA-3)前記高屈折率層のうち、QWOTが1.0以上であり前記ガラス基板にn番目に近い層をHA
n
層とし、前記低屈折率層のうち、QWOTが1.0以上であり前記層HA
n
の次に前記ガラス基板に近い層をLA
n
層としたとき、
前記HA
n
層と前記LA
n
層との間の層が、単層または複数の層からなり合計QWOTが1以下であるMA
2n-1
層であり、
前記LA
n
層と、QWOTが1.0以上であり前記ガラス基板にn+1番目に近いHA
n+1
層との間の層が、単層または複数の層からなり合計QWOTが1以下であるMA
2n
層であり、
下記式に示す繰り返し構造を有する(nは2以上の自然数である)
(HA
1
層/MA
1
層/LA
1
層/MA
2
層)・・・(HA
n
層/MA
2n-1
層/LA
n
層/MA
2n
層)
【請求項4】
前記誘電体多層膜1~3の少なくとも1つが下記特性(iiC-1)~(iiC-3)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(iiC-1)合計積層数が1~60である
(iiC-2)屈折率が1.8以上2.5以下である高屈折率層HCと、屈折率が1.4以上1.6以下である低屈折率層LCとを含み、前記低屈折率層LCの総物理膜厚に対する前記高屈折率層HCの総物理膜厚の比率が0.5~0.9であり、前記低屈折率層LCの総QWOTに対する前記高屈折率層HCの総QWOTの比率が1.1~1.5である
(iiC-3)下記式に示す積層構造を有する
(HC
2
層/LC
2
層/HC
2
層)/MC
1
層/(LC
1
層/HC
1
層/LC
1
層)/MC
1
層/(HC
2
層/LC
2
層/HC
2
層)
HC
1
層、HC
2
層:各々独立に、QWOTが1.0以上である高屈折率層
LC
1
層、LC
2
層:各々独立に、QWOTが1.0以上である低屈折率層
MC
1
層:各々独立に、合計のQWOTが1以下である、単層または複数の層からなる層
【請求項5】
前記ガラス基板がイッテルビウムを含有する、請求項1に記載の光学フィルタ。
【請求項6】
前記光学フィルタが、下記分光特性(i-7)を満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
いずれかの主面を入射方向としたとき、波長Xnmにおける吸収損失量
X
を以下に定義する。
(吸収損失量
X
)[%]=100-(入射角0度における透過率)―(入射角5度における反射率)
(i-7)波長430~1100nmにおける吸収損失量
430-1100
の積分値が10000以上
【請求項7】
前記ガラス基板が酸化物基準のmol%表示で、
SiO
2
を0.1~50mol%、
B
2
O
3
を15~40mol%、
P
2
O
5
を0~15mol%、および
Yb
2
O
3
を20~60mol%含有する、請求項1に記載の光学フィルタ。
【請求項8】
前記近赤外線吸収色素が、680~800nmの波長領域に最大吸収波長を有する色素を含み、
前記光吸収層が下記分光特性(iii-1)~(iii-2)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(iii-1)波長650~720nmの分光透過率曲線において内部透過率が30%となる最短の波長をλ
A_VIS(30%)
とし、波長720~1000nmの分光透過率曲線において内部透過率が30%となる最短の波長をλ
A_IR(30%)
としたとき、下記関係式を満たす
|λ
A_IR(30%)
-λ
A_VIS(30%)
|≧100nm
(iii-2)波長720nmにおける光学濃度をOD
_720
としたとき、下記関係式を満たす
OD
_720
≧2.0
【請求項9】
前記光学フィルタが、下記分光特性(i-8)~(i-11)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(i-8)一方の主面を入射方向としたときの、波長420~650nmの光の平均反射率が、入射角5度において5%以下、かつ入射角40度において5%以下
(i-9)一方の主面を入射方向としたときの、波長420~650nmの光の最大反射率が、入射角5度において10%以下、かつ入射角40度において15%以下
(i-10)一方の主面を入射方向としたときの、波長1030~1150nmの光の平均反射率が、入射角5度において9%以下、かつ入射角40度において10%以下
(i-11)一方の主面を入射方向としたときの、波長1030~1150nmの光の最大反射率が、入射角5度において10%以下、かつ入射角40度において15%以下
【請求項10】
下記分光特性(i-12)~(i-15)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(i-12)他方の主面を入射方向としたときの、波長420~650nmの光の平均反射率が、入射角5度において5%以下、かつ入射角40度において5%以下
(i-13)他方の主面を入射方向としたときの、波長420~650nmの光の最大反射率が、入射角5度において10%以下、かつ入射角40度において15%以下
(i-14)他方の主面を入射方向としたときの、波長1030~1150nmの光の平均反射率が、入射角5度において9%以下、かつ入射角40度において10%以下
(i-15)他方の主面を入射方向としたときの、波長1030~1150nmの光の最大反射率が、入射角5度において10%以下、かつ入射角40度において15%以下
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は光学フィルタに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子を用いた撮像装置は、監視カメラや車載カメラ等、昼夜を問わず撮像する装置にまでその用途を拡げている。このような装置では、可視光に基づく(カラー)画像と赤外光に基づく(白黒)画像をそれぞれ取得する必要がある。
【0003】
このため、可視光を透過させ、該可視光に基づく画像を忠実に再現するための近赤外線カットフィルタ機能に加え、特定の近赤外光を選択的に透過させる機能を備えた光学フィルタ、いわゆるデュアルバンドパスフィルタの使用が検討されている。
【0004】
特許文献1には、誘電体多層膜と近赤外線吸収色素を含む樹脂基材とを組み合わせた、可視光と850nm付近の近赤外光を透過し、それ以外の光を遮断する光学フィルタが記載されている。
特許文献2には、誘電体多層膜と近赤外線吸収色素を含む樹脂基材とを組み合わせた、可視光と940nm付近の近赤外光を透過し、それ以外の光を遮断する光学フィルタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2017/030174号
特開2016-200771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、イメージング分野のセンシング領域の多様化に伴い、上記特許文献1および2とは波長領域が異なる1000nm以降の一部の近赤外光領域を含むレーザー光が用いられる。したがってかかるセンシング領域の近赤外光を透過でき、ノイズとなるそれ以外の近赤外光や、近紫外光を遮断できる光学フィルタが求められている。
【0007】
また、誘電体多層膜を有する光学フィルタは、光の入射角度により誘電体多層膜の光学膜厚が変化するために、入射角による分光透過率曲線の変化が問題である。例えば、光の入射角度が大きくなると反射特性が短波長側にシフトする結果、本来遮蔽したい領域において反射特性が低下するおそれがある。かかる現象は入射角度が大きいほど強く発生しやすい。このようなフィルタを使用すると、固体撮像素子の分光感度が入射角の影響を受けるおそれがある。近年のカメラモジュール低背化に伴い高入射角条件での使用が想定されるため、入射角の影響を受けにくい光学フィルタが求められている。
【0008】
本発明は、高入射角においても、透過領域となる可視光および特定の近赤外光以外の、特定の近赤外光および近紫外光の遮蔽性に優れた光学フィルタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を有する光学フィルタ等に関する。
誘電体多層膜1、ガラス基板、誘電体多層膜2、光吸収層、および誘電体多層膜3をこの順に有する光学フィルタであって、
前記光吸収層は、近赤外線吸収色素を含み、
前記光学フィルタが、下記分光特性(i-1)~(i-6)をすべて満たす光学フィルタ。
(i-1)一方の主面を入射方向としたときの、波長1300~1500nmの光の平均反射率が、入射角5度において90%以上、かつ入射角40度において90%以上
(i-2)一方の主面を入射方向としたときの、波長1300~1500nmの光の最大反射率が、入射角5度において95%以上、かつ入射角40度において95%以上
(i-3)他方の主面を入射方向としたときの、波長750~900nmの光の平均反射率が、入射角5度において30%以上、かつ入射角40度において30%以上
(i-4)他方の主面を入射方向としたときの、波長750~900nmの光の最大反射率が、入射角5度において80%以上、かつ入射角40度において70%以上
(i-5)波長350~400nmの光の平均透過率が、入射角0度において1%以下、かつ入射角40度において2%以下
(i-6)波長350~400nmの光の最大透過率が、入射角0度において2%以下、かつ入射角40度において3%以下
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高入射角においても、透過領域となる可視光および特定の近赤外光以外の、特定の近赤外光および近紫外光の遮蔽性に優れた光学フィルタが提供できる。本発明の光学フィルタは、特に、高入射角においても、ノイズとなる波長1300~1500nmの光および波長750~900nmの光の反射特性と、近紫外光の遮蔽性に優れ、入射角の影響を受けにくい光学フィルタである。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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