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公開番号2025087347
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201939
出願日2023-11-29
発明の名称加熱制御方法及び加熱制御装置、並びに加熱成形方法及び加熱成形装置
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C03B 23/023 20060101AFI20250603BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】複数のヒータからの放射熱によって被加熱体を加熱する際に、被加熱体や成形装置等の初期温度や周囲環境が異なる場合でも、常に安定して設定した温度分布に加熱できる。
【解決手段】放射熱を発生する複数のヒータ11により被加熱体を加熱して、被加熱体の温度を所望の目標温度分布に制御する。複数のヒータそれぞれに付与する供給エネルギであって、被加熱体を目標温度分布に加熱するためヒータ毎に設定する供給エネルギ分布を求める。複数のヒータ11から供給エネルギ分布に応じた放射熱を発生させ、加熱した被加熱体の複数箇所の温度を測定して測定温度分布を求める。測定温度分布と目標温度分布との差分を加熱領域毎に算出し、その差分に基づいて、ヒータ11毎に供給エネルギの補正量を算出する。ヒータ11毎に求めた補正エネルギ分布に応じた放射熱を複数のヒータ11から発生させて被加熱体を加熱する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
放射熱を発生する複数のヒータにより被加熱体を加熱して、前記被加熱体の温度を所望の目標温度分布に制御する加熱制御方法であって、
前記複数のヒータは、前記被加熱体を分割した複数の加熱領域毎に配置され、
前記複数のヒータそれぞれに付与する供給エネルギであって、前記被加熱体を前記目標温度分布に加熱するため前記ヒータ毎に設定する供給エネルギ分布を求め、
前記複数のヒータから前記供給エネルギ分布に応じた放射熱を発生させて前記被加熱体を加熱し、
加熱した前記被加熱体の複数箇所の温度を測定して測定温度分布を求め、
前記測定温度分布と前記目標温度分布との差分を前記加熱領域毎に算出し、
前記差分に基づいて、前記ヒータ毎に前記供給エネルギの補正量を算出し、
前記ヒータ毎に前記供給エネルギを前記補正量で補正した補正エネルギ分布を求め、
前記複数のヒータから前記補正エネルギ分布に応じた放射熱を発生させて前記被加熱体を加熱する、
加熱制御方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記補正量を、それぞれ前記加熱領域毎に求めた、前記差分と、前記ヒータと前記加熱領域との間の幾何学的位置関係を表す形態係数と、に応じて算出する、
請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項3】
前記被加熱体上の座標毎に前記差分と前記形態係数とを含む連立一次方程式を求め、
当該連立一次方程式の誤差を最小化する補正量を最小二乗法により求め、
求めた前記補正量に基づいて、前記複数のヒータそれぞれの前記補正エネルギを算出する、
請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項4】
前記補正量を、前記二乗平均平方根誤差が最小となるように複数回の反復計算により求める、
請求項3に記載の加熱制御方法。
【請求項5】
前記補正エネルギ分布に基づき前記複数のヒータにより前記被加熱体を加熱した場合の前記被加熱体の到達温度分布を、熱シミュレーションにより予測し、
予測した前記到達温度分布が許容誤差以下になるまで前記補正量の算出を繰り返す、
請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項6】
前記補正量に基づき前記複数のヒータをPID制御するとともに、前記PID制御後の前記被加熱体の温度分布を測定した測定温度分布の情報を、次回の前記補正量の算出にフィードバックする、
請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項7】
前記目標温度分布を、前記被加熱体の予め指定された最終到達温度分布に至る途中の中間温度分布に設定して、前記被加熱体を前記中間温度分布に加熱することを少なくとも1回実施した後、
前記目標温度分布を、前記最終到達温度分布に設定して前記被加熱体を加熱する、
請求項6に記載の加熱制御方法。
【請求項8】
前記被加熱体はガラスである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱制御方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱制御方法により加熱した前記被加熱体に可動部材を押し当てて、所望の形状の成形体を成形する、
加熱成形方法。
【請求項10】
前記被加熱体はガラスである、
請求項9に記載の加熱成形方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱制御方法及び加熱制御装置、並びに成形方法及び成形装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年のガラス成形プロセスのデジタル化によって、多品種高速成形の実現が期待されている。ガラス成形においては、ガラス温度によって変化する粘性が成形品の品質に影響を及ぼすことが知られており、安定したガラス成形を実現するにはガラス温度及びその温度分布を正確に制御する必要がある。
【0003】
従来のガラス成形機では、ヒータの出力と加熱設定温度を一定にした連続生産によって、ガラス成形品を安定した環境下で生産していた。しかし、ガラス成形機が安定状態に達するには時間を要し、また、外気温等による環境変化もあり、これらが成形品の生産性と品質に影響を及ぼしていた。
【0004】
また、ガラス成形の場合、ヒータの出力を一定に設定しても、ガラス成形機の炉の状態が加熱開始直後の冷えた状態と、連続成形中の熱い状態とでは、ガラス板の温度が同じにならず温度分布も異なってしまう。このように、温度によって粘性が変化するガラス成形においては、温度誤差が成形品質に大きな影響を及ぼすことになる。
【0005】
上記のことは、ガラスに限らず鉄鋼材料等の他の材料についても同様であり、加熱温度の正確な制御が課題となっていた。例えば、特許文献1には鋼板の温度管理方法が記載されている。この温度管理方法では、鋼板を装入する熱処理炉内に複数の分割領域を形成し、分割領域毎に形態係数及び放射率を設定している。これによれば、鋼板温度を一次元の熱伝導方程式を用いて算出する場合に、熱処理炉内の形態係数及び放射率のバラツキの影響を抑えられる。その場合、ヒータの出力は、放射加熱場における被加熱体とヒータとを形態係数で関連付けて、最小二乗法を用いた逆計算により求めている。また、特許文献2には、放射加熱場において、被加熱体とヒータとの関係を定式化して温度を制御する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-196534号公報
特開2004-63670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の温度管理方法では、温度分布を制御するのではなく、予め設定した熱処理温度に達したところで鋼板を熱処理炉から取り出すのみである。また、形態係数は、炉内に設置した熱電対と、試験用鋼板に設置した熱電対とから、炉内雰囲気温度と鋼板温度との関係を求める際に使用しており、炉内雰囲気温度から鋼板温度を推定計算する際に形態係数を再入力することはない。つまり、試験時と実測定時とでは条件が変化しないことが前提となっている。
特許文献2の温度制御では、温度測定は1箇所だけで行っており、温度分布を測定していない。また、特許文献2の制御装置は複数のヒータを備えているが、各ヒータを個別に制御して温度分布を制御するものではない。
さらに、一般の温度制御ではPID制御が多用されているが、ヒータからの放射熱を利用する放射加熱場においては、通常のPID制御では外乱の影響を受けて最適な温度制御ができない場合がある。
【0008】
このように、被加熱体を複数のヒータの発熱によって放射加熱する場合、被加熱体が理想通りの温度分布となるように各ヒータの出力を適切に設定するには、依然として課題が多いのが実情である。
【0009】
そこで本発明は、複数のヒータからの放射熱によって被加熱体を加熱する際に、被加熱体や成形装置等の初期温度や周囲環境が異なる場合でも、常に安定して設定した温度分布に加熱できる加熱制御方法及び加熱制御装置、並びに成形方法及び成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は下記の構成からなる。
(1) 放射熱を発生する複数のヒータにより被加熱体を加熱して、前記被加熱体の温度を所望の目標温度分布に制御する加熱制御方法であって、
前記複数のヒータは、前記被加熱体を分割した複数の加熱領域毎に配置され、
前記複数のヒータそれぞれに付与する供給エネルギであって、前記被加熱体を前記目標温度分布に加熱するため前記ヒータ毎に設定する供給エネルギ分布を求め、
前記複数のヒータから前記供給エネルギ分布に応じた放射熱を発生させて前記被加熱体を加熱し、
加熱した前記被加熱体の複数箇所の温度を測定して測定温度分布を求め、
前記測定温度分布と前記目標温度分布との差分を前記加熱領域毎に算出し、
前記差分に基づいて、前記ヒータ毎に前記供給エネルギの補正量を算出し、
前記ヒータ毎に前記供給エネルギを前記補正量で補正した補正エネルギ分布を求め、
前記複数のヒータから前記補正エネルギ分布に応じた放射熱を発生させて前記被加熱体を加熱する、
加熱制御方法。
(2) (1)に記載の加熱制御方法により加熱した前記被加熱体に可動部材を押し当てて、所望の形状の成形体を成形する、
加熱成形方法。
(3) 被加熱体を放射熱により加熱して、前記被加熱体の温度を所望の目標温度分布に制御する加熱制御装置であって、
前記被加熱体を分割した複数の加熱領域毎に配置され、放射熱を発生する複数のヒータと、
前記複数のヒータそれぞれに付与する供給エネルギであって、前記被加熱体を前記目標温度分布に加熱するため前記ヒータ毎に設定する供給エネルギ分布を求める供給エネルギ算出部と、
前記複数のヒータから前記供給エネルギ分布に応じた放射熱を発生させて前記被加熱体を加熱するヒータ駆動部と、
前記被加熱体の複数箇所の温度を測定して、測定温度分布の情報を出力する温度測定部と、
前記測定温度分布と前記目標温度分布との差分を前記加熱領域毎に算出する差分算出部と、
前記差分に基づいて、前記ヒータ毎に前記供給エネルギの補正量を算出する補正量算出部と、
前記ヒータ毎に前記供給エネルギを前記補正量で補正した補正エネルギ分布を求める補正エネルギ算出部と、
を備え、
前記ヒータ駆動部は、前記複数のヒータから前記補正エネルギ分布に応じた放射熱を発生させて前記被加熱体を加熱する、
加熱制御装置。
(4) 前記被加熱体を成形温度に加熱する、(3)に記載の加熱制御装置と、
前記加熱制御装置により加熱した前記被加熱体に可動部材を押し当て、前記被加熱体を成形する成形部と、
を含む加熱成形装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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