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公開番号
2024172123
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023089650
出願日
2023-05-31
発明の名称
プロピレン系重合体
出願人
日本ポリプロ株式会社
代理人
主分類
C08F
10/06 20060101AFI20241205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】分子量が制御され、かつ、ポリマー鎖末端に二重結合を有し、その二重結合が高い割合でビニル構造となる高度に末端構造が制御されたプロピレン系重合体を提供する。
【解決手段】下記(1)~(3)の特性を有することを特徴とするプロピレン系重合体(A)。特性(1):GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)が1000~30万。特性(2):GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が2.0~4.0。特性(3):末端に二重結合を持ち、全ポリマー鎖のうち末端に二重結合を持つポリマー鎖の割合(末端二重結合率(R)、R=[V]/[(総末端数-LCB数)÷2])が、0.7以上。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(1)~(3)の特性を有することを特徴とするプロピレン系重合体(A)。
特性(1):GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)が1000~30万。
特性(2):GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が2.0~4.0。
特性(3):末端に二重結合を持ち、全ポリマー鎖のうち末端に二重結合を持つポリマー鎖の割合(末端二重結合率(R)、R=[V]/[(総末端数-LCB数)÷2])が、0.7以上。
(ただし、[V]=[Vi]+[Vd]。[Vi]及び[Vd]は、
1
H-NMRより算出する1000モノマー当りの、末端ビニル基の数及び末端ビニリデン基の数である。総末端数は、
13
C-NMRにより算出される1000モノマー当たりの末端の総数である。LCB数(長鎖分岐数)は、
13
C-NMRにより算出される1000モノマー当たりの炭素数7以上の分岐鎖の根元のメチン炭素の数である。)
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
さらに下記(4)及び(5)の特性を有することを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン系重合体(A)。
特性(4):全ポリマー鎖のうち、前記二重結合がビニルであるポリマー鎖の割合(末端ビニル率(Rv)=[Vi]/[(総末端数-LCB数)÷2])が0.7以上。
特性(5):全ポリマー鎖のうち、前記二重結合がビニリデンであるポリマー鎖の割合(末端ビニリデン率(Rvd)=[Vd]/[(総末端数-LCB数)÷2])が0.1未満。
【請求項3】
さらに下記(6)の特性を有することを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン系重合体(A)。
特性(6):融点が、60℃~160℃。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、シール用接着剤用組成物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、シール用接着剤。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との接着剤用組成物。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との接着剤。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との相溶化剤用組成物。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との相溶化剤。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと金属との接着剤用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレン系重合体に関し、詳しくは、ビニル末端構造を高い割合で含有するように末端構造を高度に制御したプロピレン系重合体に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
プロピレン重合体やプロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィンは安価であり、機械的物性、耐熱性、耐薬品性及び耐水性等に優れていることから、広い産業分野で使用されている。しかしながら、ポリオレフィンは、分子中に極性基がなく極性が低いため、ポリオレフィン基材に対しては塗装や接着が困難な場合が多く、塗装性や接着性の改善が望まれていた。
【0003】
また、自動車内外装部品等の各種工業部品等に使用するために、ポリオレフィンには剛性や衝撃、寸法安定性などの性能をバランスよく、より高度に必要とされており、従来からガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維等のフィラーを配合する工夫がされてきたが、ポリオレフィンを基材とした場合、ポリオレフィン基材に対してフィラーの接着性が低く、接着強度が不十分であった。
【0004】
ポリオレフィン基材への接着性の改質方法としては、変性ポリオレフィン、および、変性ポリオレフィンに親水性高分子やアクリル樹脂等をグラフト結合されたグラフト共重合体があり、塗料、プライマー、表面改質剤、コーティング材、又はフィラーとの接着剤の原料として使用されてきた。
【0005】
変性ポリオレフィンは、特許文献1によれば原料であるポリプロピレンを熱的減成法により熱減成して得られた分子末端に二重結合を有する熱減成物に不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)をグラフト反応性させることで製造される。しかし、分子鎖の片末端だけに二重結合を持たせると言った制御が困難であるため、グラフト反応の中に架橋してゲル状物を生成し、製品に適用した際に外観不良を起こすことがあった。
また、熱減成で生成した低分子量の熱減成物はグラフト反応後に製品として回収できず廃棄されることがあり、生産性低下の要因の一つとなっている。
【0006】
また、特許文献2および特許文献3では、末端不飽和ポリオレフィンを製造する方法が記載されている。
一方、接着剤などの用途においては、より反応性が高い材料が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2016-156007号公報
WO2011/148586 A1号公報
WO2013/183611 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、従来の技術の現状に鑑み、分子量が制御され、かつ、ポリマー鎖末端に二重結合を有し、その二重結合が高い割合でビニル構造となる高度に末端構造が制御されたプロピレン系重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Q値)を有する、ポリプロピレン系重合体が上記の課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の各項目に関する。
[1]下記(1)~(3)の特性を有することを特徴とするプロピレン系重合体(A)。
特性(1):GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)が1000~30万。
特性(2):GPCによって得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が2.0~4.0。
特性(3):末端に二重結合を持ち、全ポリマー鎖のうち末端に二重結合を持つポリマー鎖の割合(末端二重結合率(R)、R=[V]/[(総末端数-LCB数)÷2])が、0.7以上。
(ただし、[V]=[Vi]+[Vd]。[Vi]及び[Vd]は、
1
H-NMRより算出する1000モノマー当りの、末端ビニル基の数及び末端ビニリデン基の数である。総末端数は、
13
C-NMRにより算出される1000モノマー当たりの末端の総数である。LCB数(長鎖分岐数)は、
13
C-NMRにより算出される1000モノマー当たりの炭素数7以上の分岐鎖の根元のメチン炭素の数である。)
[2]さらに下記(4)及び(5)の特性を有することを特徴とする、前記[1]に記載のプロピレン系重合体(A)。
特性(4):全ポリマー鎖のうち、前記二重結合がビニルであるポリマー鎖の割合(末端ビニル率(Rv)=[Vi]/[(総末端数-LCB数)÷2])が0.7以上。
特性(5):全ポリマー鎖のうち、前記二重結合がビニリデンであるポリマー鎖の割合(末端ビニリデン率(Rvd)=[Vd]/[(総末端数-LCB数)÷2])が0.1未満。
[3]さらに下記(6)の特性を有することを特徴とする、前記[1]に記載のプロピレン系重合体(A)。
特性(6):融点が、60℃~160℃。
[4]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、シール用接着剤用組成物。
[5]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、シール用接着剤。
[6]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との接着剤用組成物。
[7]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との接着剤。
[8]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との相溶化剤用組成物。
[9]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との相溶化剤。
[10]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと金属との接着剤用組成物。
[11]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、ポリオレフィンと金属との接着剤。
[12]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、無機又は有機フィラー及びポリオレフィン又はポリエステル共重合体との接着剤用組成物。
[13]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含むことを特徴とする、無機又は有機フィラー及びポリオレフィン又はポリエステル共重合体との接着剤。
[14]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含み、前記プロピレン系共重合体(A)が有機溶剤に溶解していることを特徴とする、接着剤用組成物、粘着剤用組成物、塗料用組成物、シーリング材組成物、改質材組成物又はプライマー用組成物。
[15]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含み、前記プロピレン系共重合体(A)が有機溶剤に溶解していることを特徴とする、接着剤、粘着剤、塗料、シーリング剤、改質剤又はプライマー。
[16]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含み、前記プロピレン系共重合体(A)が水性媒体に分散していることを特徴とする、接着剤用組成物、粘着剤用組成物、塗料用組成物、シーリング材組成物、改質材組成物又はプライマー用組成物。
[17]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を含み、前記プロピレン系共重合体(A)が水性媒体に分散していることを特徴とする、接着剤、粘着剤、塗料、シーリング剤、改質剤又はプライマー。
[18]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、シール用接着剤用組成物。
[19]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、シール用接着剤。
[20]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との接着剤用組成物。
[21]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との接着剤。
[22]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との相溶化剤用組成物。
[23]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、ポリオレフィンと極性樹脂との相溶化剤。
[24]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、ポリオレフィンと金属との接着剤用組成物。
[25]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、ポリオレフィンと金属との接着剤。
[26]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、無機又は有機フィラー及びポリオレフィン又はポリエステル共重合体との接着剤用組成物。
[27]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなることを特徴とする、無機又は有機フィラー及びポリオレフィン又はポリエステル共重合体との接着剤。
[28]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなり、プロピレン系重合体(A)および当該生成物の少なくとも一方が有機溶剤に溶解していることを特徴とする、接着剤用組成物、粘着剤用組成物、塗料用組成物、シーリング材組成物、改質材組成物又はプライマー用組成物。
[29]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなり、プロピレン系重合体(A)および当該生成物の少なくとも一方が有機溶剤に溶解していることを特徴とする、接着剤、粘着剤、塗料、シーリング剤、改質剤又はプライマー。
[30]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなり、プロピレン系重合体(A)および当該生成物の少なくとも一方が水性媒体に分散していることを特徴とする、接着剤用組成物、粘着剤用組成物、塗料用組成物、シーリング材組成物、改質材組成物又はプライマー用組成物。
[31]前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系重合体(A)を用いて製造してなり、プロピレン系重合体(A)および当該生成物の少なくとも一方が水性媒体に分散していることを特徴とする、接着剤、粘着剤、塗料、シーリング剤、改質剤又はプライマー。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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