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公開番号2024179035
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023097524
出願日2023-06-14
発明の名称ゴム組成物
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 9/00 20060101AFI20241219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】硬さが概ね維持され、且つ、破断伸び、ウェット性能、および氷上摩擦がいずれも向上したゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、ならびに、フェノールスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体を0.5~30質量部含有するゴム組成物とすることにより、上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、ならびに、フェノールスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体を0.5~30質量部含有する、ゴム組成物。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記水溶性フェノール樹脂重合体が、アルカリ触媒下において反応させることによって得られたレゾール型水溶性フェノール樹脂重合体である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記水溶性フェノール樹脂重合体が、ジヒドロキシジフェニルスルホンを構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体である、請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記水溶性フェノール樹脂重合体が、フェノールスルホン酸の塩を構成単位として含み且つ末端にメチロール基を有する水溶性フェノール樹脂重合体である、請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記塩が、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、リチウム塩、またはカルシウム塩である、請求項4に記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記ジエン系ゴムが天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)を含む、請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-100~-50℃である、請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項8】
請求項1または2に記載のゴム組成物を用いたスタッドレスタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物、およびそのゴム組成物を用いたスタッドレスタイヤに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
氷雪路用のタイヤであるスタッドレスタイヤには、アイスバーンなどの氷上においても摩擦力が大きいという性能(氷上摩擦)が求められる。同時に、ウェット性能(ウェット路面でのグリップ性能)も求められる。そして、このスタッドレスタイヤの性能改善などのために様々なゴム組成物が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、イソプレン系ゴムを含有するゴム成分、テルペンフェノール樹脂などのテルペン系樹脂、および所定の分枝共役ジエン共重合体を含有する、氷上性能の温度依存性が少なく、かつ優れたウェットグリップ性能を有するトレッド用ゴム組成物が開示されている。
また、特許文献2には、イソプレン系ゴムと共役ジエン系重合体とを含有するゴム成分、水溶性微粒子、炭化水素樹脂、及び液体可塑剤を含み、液体可塑剤の含有量と炭化水素樹脂の含有量とが所定の関係を満たすことを特徴とする、氷上性能を改善できるスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-099656号公報
特開2020-063322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のトレッド用ゴム組成物に含まれるテルペン系樹脂等は水に不溶であり、特に氷上摩擦を向上させる点において十分な効果が得られるものではない。また、特許文献2に記載のスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物に含まれる水溶性微粒子は、水溶性の成分(水溶性無機塩、リグニン誘導体、糖類)ではあるものの、ゴム成分との親和性などの点で課題があり、そのために氷上摩擦を向上させる点などにおいても十分な効果が得られない可能性がある。そして、スタッドレスタイヤなどに用いるゴム組成物においては、硬さが大きく変化することなく破断伸び、ウェット性能、および氷上摩擦がいずれも向上しているものが好ましく、この点についてさらなる改善が求められていると言える。
【0006】
そこで本発明は、硬さが概ね維持され、且つ、破断伸び、ウェット性能、および氷上摩擦がいずれも向上したゴム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、ならびに、フェノールスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体を0.5~30質量部含有するゴム組成物が、硬さが概ね維持され、且つ、破断伸び、ウェット性能、および氷上摩擦がいずれも向上したものとなることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は次の<1>~<8>である。
<1>ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、ならびに、フェノールスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体を0.5~30質量部含有する、ゴム組成物。
<2>前記水溶性フェノール樹脂重合体が、アルカリ触媒下において反応させることによって得られたレゾール型水溶性フェノール樹脂重合体である、<1>に記載のゴム組成物。
<3>前記水溶性フェノール樹脂重合体が、ジヒドロキシジフェニルスルホンを構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体である、<1>または<2>に記載のゴム組成物。
<4>前記水溶性フェノール樹脂重合体が、フェノールスルホン酸の塩を構成単位として含み且つ末端にメチロール基を有する水溶性フェノール樹脂重合体である、<1>~<3>いずれか1つに記載のゴム組成物。
<5>前記塩が、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、リチウム塩、またはカルシウム塩である、<4>に記載のゴム組成物。
<6>前記ジエン系ゴムが天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)を含む、<1>~<5>いずれか1つに記載のゴム組成物。
<7>前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-100~-50℃である、<1>~<6>いずれか1つに記載のゴム組成物。
<8><1>~<7>いずれか1つに記載のゴム組成物を用いたスタッドレスタイヤ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、硬さが概ね維持され、且つ、破断伸び、ウェット性能、および氷上摩擦がいずれも向上したゴム組成物を得ることができる。そして、このゴム組成物を用いることにより、氷上性能に優れたスタッドレスタイヤを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について説明する。
本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、ならびに、フェノールスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水溶性フェノール樹脂重合体を0.5~30質量部含有するゴム組成物と、このゴム組成物を用いたスタッドレスタイヤである。以下においては、これらを「本発明のゴム組成物」、および「本発明のスタッドレスタイヤ」ともいう。
(【0011】以降は省略されています)

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