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公開番号
2025017882
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023121211
出願日
2023-07-26
発明の名称
ゼラチンの製造方法、添加剤および培地
出願人
富士フイルム株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C12P
21/02 20060101AFI20250130BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することを含むゼラチンの製造方法において、ゼラチンの生産量が改善された方法を提供すること;並びにゼラチンの生産量が改善することができる、上記のゼラチンの製造方法において使用するための添加剤および培地を提供すること。
【解決手段】グループ1:グリシンおよびセリンの少なくとも一つ、グループ2:ピルビン酸またはその塩、グループ3:グルタチオン、およびグループ4:アルギニンおよびリシンの少なくとも一つ、から選択される少なくとも2つのグループの成分、およびメタノールを培地に添加し、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することを含む、ゼラチンの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
グループ1:グリシンおよびセリンの少なくとも一つ
グループ2:ピルビン酸またはその塩
グループ3:グルタチオン、および
グループ4:アルギニンおよびリシンの少なくとも一つ
から選択される少なくとも2つのグループの成分、およびメタノールを培地に添加し、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することを含む、ゼラチンの製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記少なくとも2つのグループの成分が、グループ1、グループ2、およびグループ3の成分である、請求項1に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのグループの成分が、
(1)グリシンまたはセリン、ピルビン酸またはその塩、およびグルタチオン、
(2)グリシン、およびピルビン酸またはその塩、
(3)ピルビン酸またはその塩、およびグルタチオン、
(4)ピルビン酸またはその塩、およびアルギニン、
(5)グリシンおよびグルタチオン、または
(6)セリンおよびリシン、
の何れかである、請求項1に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項4】
培地1リットルあたり、グリシンの総添加量が1.0g以下であるか、セリンの総添加量が1.0g以下である、請求項1に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項5】
培地1リットルあたり、ピルビン酸またはその塩の総添加量が4.6g以下である、請求項1に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項6】
培地1リットルあたり、グルタチオンの総添加量が6.2g以下である、請求項1に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項7】
培地1リットルあたり、アルギニンの総添加量が0.7g以下であるか、リシンの総添加量が2.3g以下である、請求項1に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項8】
メタノール誘導性プロモーターが、ゼラチン遺伝子に作動可能に連結されている、請求項1から7の何れか一項に記載のゼラチンの製造方法。
【請求項9】
前記ゼラチンが、下記式(1)のアミノ酸配列を有する、請求項1から7の何れか一項に記載のゼラチンの製造方法。
A-[(Gly-X-Y)
n
]
m
-B 式(1)
式中、Aは1または2以上の任意のアミノ酸残基を示し、Bは1または2以上の任意のアミノ酸残基を示し、Glyはグリシン残基を示し、n個のXはそれぞれ独立に任意のアミノ酸残基を示し、n個のYはそれぞれ独立に任意のアミノ酸残基を示す。mは、2~10の整数を表し、nは3~100の整数を表し、n個のGly-X-Yは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。
【請求項10】
前記ゼラチンが、
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(B)配列番号1で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ生体親和性を有するポリペプチド;または
(C)配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して1個若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有し、生体親和性を有するポリペプチド
の何れかである、請求項1から7の何れか一項に記載のゼラチンの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することを含む、ゼラチンの製造方法に関する。本発明はさらに、上記のゼラチンの製造方法において使用するための添加剤、およびメタノール資化性酵母によるゼラチンの製造に用いるための培地に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ピキア・パストリス(Pichia pastoris)等のメタノール資化性酵母は、異種タンパク質の有用な発現系として知られている。この発現系の特徴は、メタノールによって誘導されるアルコール酸化酵素遺伝子(AOX1)などの強力なプロモーターを使用することである。このプロモーターの下流に異種タンパク質をコードする遺伝子を導入することにより、ゼラチン等の目的とする異種タンパク質を発現および分泌させることができる。
【0003】
異種タンパク質の収量を改善するため、培養条件を検討する取り組みが知られている。例えば、特許文献1から3には、複数のアミノ酸を含む条件下での培養が記載されているが、ゼラチンの生産に対する影響は不明である。
【0004】
特許文献4および5には、ゼラチン生産に関しては、コラーゲンを生産するメタノール資化性酵母を、ピルビン酸ナトリウムやグルタチオンの存在下に培養することが記載されているが、他の成分との組み合わせについては十分な検討がされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開US2020/0199523
米国特許出願公開US2015/0299648
中国特許出願公開CN112501041A
中国特許出願公開CN106256911A
中国特許出願公開CN114045321A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することを含むゼラチンの製造方法において、ゼラチンの生産量が改善された方法を提供することを解決すべき課題とする。本発明はさらに、ゼラチンの生産量が改善することができる、上記のゼラチンの製造方法において使用するための添加剤を提供することを解決すべき課題とする。本発明はさらに、ゼラチンの生産量が改善することができる、メタノール資化性酵母によるゼラチンの製造に用いるための培地を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、グループ1:グリシンおよびセリンの少なくとも一つ、グループ2:ピルビン酸またはその塩、グループ3:グルタチオン、およびグループ4:アルギニンおよびリシンの少なくとも一つ、から選択される少なくとも2つのグループの成分を用いて、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することによって、ゼラチンの生産量を改善できることを見出した。本発明は、上記知見に基づいて完成したものである。
【0008】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> グループ1:グリシンおよびセリンの少なくとも一つ
グループ2:ピルビン酸またはその塩
グループ3:グルタチオン、および
グループ4:アルギニンおよびリシンの少なくとも一つ
から選択される少なくとも2つのグループの成分、およびメタノールを培地に添加し、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することを含む、ゼラチンの製造方法。
<2> 上記少なくとも2つのグループの成分が、グループ1、グループ2、およびグループ3の成分である、<1>に記載のゼラチンの製造方法。
<3> 上記少なくとも2つのグループの成分が、
(1)グリシンまたはセリン、ピルビン酸またはその塩、およびグルタチオン、
(2)グリシン、およびピルビン酸またはその塩、
(3)ピルビン酸またはその塩、およびグルタチオン、
(4)ピルビン酸またはその塩、およびアルギニン、
(5)グリシンおよびグルタチオン、または
(6)セリンおよびリシン、
の何れかである、<1>又は<2>に記載のゼラチンの製造方法。
<4> 培地1リットルあたり、グリシンの総添加量が1.0g以下であるか、セリンの総添加量が1.0g以下である、<1>~<3>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
<5> 培地1リットルあたり、ピルビン酸またはその塩の総添加量が4.6g以下である、<1>~<4>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
<6> 培地1リットルあたり、グルタチオンの総添加量が6.2g以下である、<1>~<5>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
<7> 培地1リットルあたり、アルギニンの総添加量が0.7g以下であるか、リシンの総添加量が2.3g以下である、<1>~<6>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
<8> メタノール誘導性プロモーターが、ゼラチン遺伝子に作動可能に連結されている、<1>~<7>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
<9> 上記ゼラチンが、下記式(1)のアミノ酸配列を有する、<1>~<8>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
A-[(Gly-X-Y)
n
]
m
-B 式(1)
式中、Aは1または2以上の任意のアミノ酸残基を示し、Bは1または2以上の任意のアミノ酸残基を示し、Glyはグリシン残基を示し、n個のXはそれぞれ独立に任意のアミノ酸残基を示し、n個のYはそれぞれ独立に任意のアミノ酸残基を示す。mは、2~10の整数を表し、nは3~100の整数を表し、n個のGly-X-Yは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。
<10> 上記ゼラチンが、
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(B)配列番号1で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ生体親和性を有するポリペプチド;または
(C)配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して1個若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有し、生体親和性を有するポリペプチド
の何れかである、<1>~<9>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法。
<11> グループ1:グリシンおよびセリンの少なくとも一つ
グループ2:ピルビン酸またはその塩
グループ3:グルタチオン、および
グループ4:アルギニンおよびリシンの少なくとも一つ
から選択される少なくとも2つのグループの成分を含む、<1>~<10>の何れか一に記載のゼラチンの製造方法において使用するための添加剤。
<12> 上記少なくとも2つのグループの成分が、グループ1、グループ2、およびグループ3の成分である、<11>に記載の添加剤。
<13> 上記少なくとも2つのグループの成分が、
(1)グリシンまたはセリン、ピルビン酸またはその塩、およびグルタチオン、
(2)グリシン、およびピルビン酸またはその塩、
(3)ピルビン酸またはその塩、およびグルタチオン、
(4)ピルビン酸またはその塩、およびアルギニン、
(5)グリシンおよびグルタチオン、または
(6)セリンおよびリシン、
の何れかである、<11>または<12>に記載の添加剤。
<14> グループ1:グリシンおよびセリンの少なくとも一つ
グループ2:ピルビン酸またはその塩
グループ3:グルタチオン、および
グループ4:アルギニンおよびリシンの少なくとも一つ
から選択される少なくとも2つのグループの成分;
メタノール;
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゼラチン遺伝子を有するメタノール資化性酵母を培養することによってゼラチンを製造する際に、ゼラチンの生産量を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、各例についてのタンパク質収量を示す。
図2は、各例についてのタンパク質収量を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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