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公開番号2025009766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024025618
出願日2024-02-22
発明の名称目的タンパク質の生産方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12P 21/08 20060101AFI20250109BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】生産性が向上した、グラム陽性細菌を用いる目的タンパク質の生産方法の提供。
【解決手段】異種FK506結合タンパク質(FKBP)をコードする遺伝子及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌を培養すること、又は異種FKBPをコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌を混合培養することを含む、目的タンパク質の生産方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
異種FK506結合タンパク質(FKBP)をコードする遺伝子及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌を培養すること、又は異種FKBPをコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌を混合培養することを含む、目的タンパク質の生産方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記異種FKBPがBCFKクレードに属しかつプロリル結合の異性化活性を有するポリペプチド、配列番号6で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号6で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなりかつプロリル結合の異性化活性を有するポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異種FKBPが配列番号1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなりかつプロリル結合の異性化活性を有するポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異種FKBPをコードする遺伝子が分泌シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドと作動可能に連結されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グラム陽性細菌が枯草菌又はその変異株である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グラム陽性細菌が少なくとも1種類の細胞外プロテアーゼ遺伝子が欠失又は不活性化されている枯草菌である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記目的タンパク質が少なくとも1箇所のプロリル結合異性化部位を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記目的タンパク質が抗体関連分子である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記目的タンパク質がFabである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
異種FKBPをコードする遺伝子、又は異種FKBPをコードする遺伝子及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は生産性が向上した目的タンパク質の生産方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
微生物による有用物質の工業的生産は、食品類、アミノ酸、有機酸、核酸関連物質、抗生物質、糖質、脂質、タンパク質等、その種類は多岐に渡っており、またその用途についても食品、医薬、洗剤、化粧品等の日用品、或いは各種化成品原料に至るまで幅広い分野に広がっている。産業的に有用な宿主微生物としては、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌等が挙げられる。こうした微生物による有用物質の工業生産においては、その生産性の向上が重要な課題の一つである。
【0003】
プロリン異性化酵素(peptidylprolyl isomerase、PPIase)はプロリル結合の異性化を触媒し、タンパク質の折り畳みを補助しうる酵素である(非特許文献1)。PPIaseは、阻害剤に対する感受性が異なるシクロフィリン、FK506結合タンパク質(FK506-binding protein、FKBP)、パービュリンという3つのファミリーからなる。PPIaseの3つのファミリー間のアミノ酸配列の配列同一性は低いことが知られている。大腸菌のペリプラズムには3つのファミリー全てのPPIaseが存在する。中でもFKBPに属するFkpAは良く研究されており、その発現量の増大により目的タンパク質の生産性が向上しうることが報告されている(非特許文献2)。大腸菌において目的タンパク質の生産性向上に寄与するFkpAの領域はN末端側のシャペロン領域であることも報告されている(非特許文献3)。無細胞系においても3つのファミリーいずれのPPIase添加においても目的タンパク質の生産性を向上しうることが報告されている(特許文献1)。グラム陽性細菌における目的タンパク質の分泌生産においてはPrsAを含むパービュリンの発現増強が多く検討されている(非特許文献4)。
【0004】
グラム陽性細菌である枯草菌は内在性のシャペロン兼PPIaseとしてPrsAを有し(非特許文献5)、PrsAの発現量を増強することで目的のタンパク質生産性が向上することが報告されている(特許文献2、非特許文献6、7)。PrsAは細胞膜の外表面に固定されており、トランスロカーゼを介して輸送されたタンパク質の折り畳みを促進する。正しく折りたたまれなかったタンパク質は細胞壁や細胞膜-細胞膜界面に存在するプロテアーゼによる分解を受けるため、シグナルペプチドが切断された直後に正しく折りたたまれる必要がある(非特許文献4)。
【0005】
一方、グラム陽性細菌における目的タンパク質の生産にFKBPが如何なる影響を及ぼすのかはこれまで報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-253432号公報
特許第4202985号公報
【非特許文献】
【0007】
Journal of Molecular Biology, 2015, 427(7): 1609-1631
Biotechnol Prog. 2017, 33(1): 212-220
Microbial Cell Factories, 2010, volume 9, Article number: 22
Microbial Cell Factories, 2019, volume 18, Article number: 158
J Biol Chem. 2004, 279(18):19302-14
Journal of Bacteriology, 1998, 180(11): 2830-2835
Journal of Bacteriology, 2001, 183(6): 1881-1890
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、生産性が向上した、枯草菌を代表とするグラム陽性細菌を用いる目的タンパク質の生産方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、グラム陽性細菌を用いる目的タンパク質の生産において、グラム陽性細菌に異種生物由来の特定のPPIaseを発現させることにより、目的タンパク質の生産性を向上できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の1)及び2)に係るものである。
1)異種FKBPをコードする遺伝子及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌を培養すること、又は異種FKBPをコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌を混合培養することを含む、目的タンパク質の生産方法。
2)異種FKBPをコードする遺伝子、又は異種FKBPをコードする遺伝子及び目的タンパク質をコードする遺伝子を含むグラム陽性細菌。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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