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公開番号
2025017849
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023121145
出願日
2023-07-25
発明の名称
細胞の純化方法
出願人
株式会社セルージョン
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20250130BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、拡大培養前にわずかな変異細胞が混入していた場合であっても、それらを検出、除去することで正常細胞を精製し、純化した細胞集団を得ることを可能とする方法を提供することを目的とする。
【解決手段】混入率1%以下で変異細胞を含有する細胞集団から正常細胞を純化する方法であって、以下の工程を含む方法:工程1:該細胞集団を分画して培養する工程、工程2:培養した各分画において変異細胞を検出する工程、及び工程3:変異細胞が検出されなかった分画の細胞を培養する工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
混入率1%以下で変異細胞を含有する細胞集団から正常細胞を純化する方法であって、以下の工程を含む方法:
工程1:該細胞集団を分画して培養する工程、
工程2:培養した各分画において変異細胞を検出する工程、及び
工程3:変異細胞が検出されなかった分画の細胞を培養する工程。
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
工程1と工程2の間に、1又は2以上の拡大培養工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
混入率が0.1~1%である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程1において、分画数が20~30である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
工程1において、1分画あたり、0.05~2×10
3
細胞/cm
2
の密度で播種する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程1において、分画数が90~100である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
工程1において、1分画あたり、0.03~3×10
3
細胞/cm
2
の密度で播種する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
細胞が多能性幹細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
多能性幹細胞がiPS細胞である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
変異がEP300遺伝子における変異である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、変異細胞が混入している細胞集団からの正常細胞の純化方法に関する。本発明は、また、変異細胞としてEP300遺伝子に変異を有する細胞の混入を同定する方法、該方法に適したプライマー及びプローブに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、細胞を用いた創薬や再生医療は目覚ましい発展を遂げ、尚、研究開発が進められている。通常、細胞は、個々の細胞の集まり、即ち、細胞集団として用いられるが、細胞集団における個々の細胞は必ずしも均一なものではない。一定の割合で、変異細胞が混入している可能性があり、そのような変異細胞は実験の正確性や再現性の担保、及び医療分野での使用における安全性といった観点から、あらかじめ取り除いておくことが好ましく、又求められている。
ある程度の混入率がある場合には、例えば限界希釈によって変異細胞を除去することができる限界希釈法が、シングルセルの単離を目的とする古典的な手法として知られ、計算上1細胞/ウェルになるような希釈系列を作成し、各ウェルの細胞を観察する手法である。その為、混入率が低いと作業が煩雑で効率が悪い。各ウェルの細胞における変異の有無を確認し、変異を有さない細胞のみを拡大培養する(非特許文献1)。
限界希釈法の場合は、1個の細胞から増やしていくため時間がかかり効率が悪く、効率よく単一性を確保するための方法が検討されてきた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-148830号公報
【非特許文献】
【0004】
「シングルセルクローニング」、CeLLaviSta(セラビスタ社)、AppLication Note(アプリケーション ノート)2023年7月19日検索インターネット<URL:http://www.primetech.co.jp/Portals/0/db/product/SynenTec/Cellavista_App_Single_Cell_Cloning_J_rev00_201303.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
iPS細胞等は細胞数が少ないと育ちにくく、限界希釈法による変異細胞の除去が難しい細胞もある。また、細胞集団における変異細胞の混入が極めて少ない場合、限界希釈法では変異細胞の混入に気が付かないまま拡大培養してしまい、変異細胞の分裂速度が正常細胞より早い場合には、拡大培養により変異細胞の占める割合が大きくなり、最終製品(医薬品)としての有効性や安全性に影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、拡大培養前にわずかな変異細胞が混入していた場合であっても、それらを検出、除去することで正常細胞を精製し、純化した細胞集団を得ることを可能とする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明者らは、細胞集団において変異細胞の混入率が低い場合には、1ウェルあたりに1個の細胞ではなくある程度の細胞数で細胞を含む、幾つかの分画に分けて培養することで変異細胞の検出効率を高め、続いて変異細胞が検出されなかった分画の細胞を培養することで細胞集団を純化し得ることを見出した。さらに、細胞、特に多能性幹細胞、好ましくはiPS細胞の細胞集団においてEP300遺伝子に変異を有する変異細胞が混入し得るという本発明者らが初めて得た知見に基づき、当該変異細胞を検出可能なプライマー及び/又はプローブの設計に成功し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下を提供する。
[1]混入率1%以下で変異細胞を含有する細胞集団から正常細胞を純化する方法であって、以下の工程を含む方法:
工程1:該細胞集団を分画して培養する工程、
工程2:培養した各分画において変異細胞を検出する工程、及び
工程3:変異細胞が検出されなかった分画の細胞を培養する工程。
[2]工程1と工程2の間に、1又は2以上の拡大培養工程を含む、[1]記載の方法。
[3]混入率が0.1~1%である、[1]又は[2]記載の方法。
[4]工程1において、分画数が20~30である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]工程1において、1分画あたり、0.05~2×10
3
細胞/cm
2
の密度で播種する、[4]記載の方法。
[6]工程1において、分画数が90~100である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[7]工程1において、1分画あたり、0.03~3×10
3
細胞/cm
2
の密度で播種する、[6]記載の方法。
[8]細胞が多能性幹細胞である、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]多能性幹細胞がiPS細胞である、[8]記載の方法。
[10]変異がEP300遺伝子における変異である、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]EP300遺伝子における変異が、EP300遺伝子のPHD(Plant homeodomain)領域における部分欠損である、[10]記載の方法。
[12]EP300遺伝子のPHD領域における変異を特異的に検出する為のプライマーセットであって、
該プライマーセットは、配列番号7の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号8の塩基配列を有するリバースプライマーの組み合わせを含む。
[13]配列番号9の塩基配列を有する、EP300遺伝子のPHD領域における変異を特異的に検出するためのプローブ。
[14]EP300遺伝子のPHD領域を検出する為のプライマーセットであって、
該プライマーセットは、配列番号1の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号2の塩基配列を有するリバースプライマーの組み合わせを含む。
[15]配列番号3の塩基配列を有する、EP300遺伝子のPHD領域を検出するためのプローブ。
[16]EP300遺伝子を検出する為のプライマーセットであって、
該プライマーセットは、配列番号4の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号5の塩基配列を有するリバースプライマーの組み合わせを含む。
[17]配列番号6の塩基配列を有する、EP300遺伝子を検出するためのプローブ。
[18]標的核酸配列を増幅する為のプライマーセットであって、配列番号10の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号11の塩基配列を有するリバースプライマーの組み合わせからなり、該標的核酸配列が、EP300遺伝子の変異を有するPHD領域内にあることを特徴とする、プライマーセット。
[19]EP300遺伝子における変異が、EP300遺伝子のPHD領域における部分欠損である、[18]記載のプライマーセット。
[20]工程2において[12]記載のプライマーセット及び[13]記載のプローブを用いることを特徴とする、[1]記載の方法。
[21]工程2において[18]記載のプライマーセットを用いることを特徴とする、[1]記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
ある程度の細胞数から培養するので限界希釈法と比較して、一定量の細胞数に到達するまでの培養時間が短縮でき、かつ変異細胞の混入率が低くても変異細胞を検出することができ、効率よく変異細胞を除去することができる。iPS細胞の拡大培養前に本方法を実施することにより、拡大培養前に検知することが困難な変異細胞を早期に発見、除去することができ、拡大培養後に変異細胞によって汚染されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の細胞の純化方法(変異細胞を含まない細胞集団の取得方法)を模式的に示した図である。図中、Pは継代数を示し、例えばP16は16回継代したことを意味する。「起眠P16→P17」は16回継代した細胞を凍結保存し、該凍結保存した細胞を起眠(17回目の継代)した状態を意味する。
野生型EP300遺伝子(WT)、変異型EP300遺伝子(Mutant)ゲノム上の各プライマー(矢印)及び各プローブ(長楕円形)の位置を示した図である。1は共通領域を、2は欠損領域を、3は切断部位を含む領域を示す。VIC(登録商標):carboxyrhodamine、FAM(商標):Carboxyfluorescein、MGB:minor groove binder、NFQ:nonfluorescent quencher
野生型EP300遺伝子(WT)、変異型EP300遺伝子(Mutant)を有する細胞から調製したサンプルを用いてマルチプレックスPCRを実施した結果を示す図である。横軸はサイクル数を縦軸は蛍光シグナルの大きさ(△Rn)を示す。
野生型EP300遺伝子(WT)、変異型EP300遺伝子(Mutant)を有する細胞から調製したサンプルを用いてqPCRを行い、Mutant領域及び欠損領域の発現を調べた結果を示す図である。共通領域を内因性コントロールとして相対的発現でグラフ化した。
野生型EP300遺伝子を有する細胞(EP300欠損-;MCB P15)、変異型EP300遺伝子を有する細胞(EP300欠損+;CECSi)から調製したサンプルを用いてRT-PCRを行い、各領域の発現を調べた結果を示す図である。
野生型EP300遺伝子を有する細胞(EP300欠損-;MCB P15)、変異型EP300遺伝子を有する細胞(EP300欠損+;CECSi)から調製したサンプルを用いてRT-PCRを行い、各領域の発現を調べた結果を示す図である。
変異型EP300遺伝子を有する細胞(EP300欠損+)の混入率を段階的に変えて細胞集団を調製し、各サンプルから調製したサンプルを用いて定量的PCRを行った結果を示すグラフである。0.1%程度の混入率を検出することができた。
野生型EP300遺伝子(WT)、変異型EP300遺伝子(MT)上の各プライマーの位置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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