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公開番号
2025016454
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-04
出願番号
2024169918,2022206535
出願日
2024-09-30,2017-08-30
発明の名称
リンパ系疾患の診断及び治療のための組成物及び方法
出願人
ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィア
,
THE CHILDREN’S HOSPITAL OF PHILADELPHIA
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
C12Q
1/68 20180101AFI20250128BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ヒト患者におけるリンパ異常を診断するための方法を提供する。
【解決手段】a)患者から核酸を含む生物学的試料を得ること;
b)
i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又は
ii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するか
どうかを決定するために核酸をアッセイすること;並びに
c)i)若しくはii)のSNVが存在する場合、患者をリンパ異常と診断すること
を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒト患者におけるリンパ異常を診断するための方法であって、
a)患者から核酸を含む生物学的試料を得ること;
b)
i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又は
ii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するか
どうかを決定するために核酸をアッセイすること;並びに
c)i)若しくはii)のSNVが存在する場合、患者をリンパ異常と診断すること
を含む、方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
ヒト患者におけるリンパ異常を診断するための方法であって、
a)ヒト患者から遺伝子型配列情報を得ること;
b)
i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又は
ii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するか
どうかを決定するために核酸をアッセイすること;並びに
c)i)若しくはii)のSNVが存在する場合、患者をリンパ異常と診断すること
を含む、方法。
【請求項3】
ヒト患者におけるリンパ異常を治療するための方法であって、
a)患者から核酸を含む生物学的試料を得ること;
b)
i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又は
ii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するか
どうかを決定するために核酸をアッセイすること;並びに
c)i)若しくはii)のうちの1つ又は複数のSNVを有すると同定された患者に前記リンパ異常の治療に適した1又は複数の薬剤を投与し、それによってリンパ異常を治療すること
を含む、方法。
【請求項4】
ヒト患者におけるリンパ異常を治療するための方法であって、
a)ヒト患者から遺伝子型配列情報を得ること;
b)
i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又は
ii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するか
どうかを決定するために核酸をアッセイすること;並びに
c)i)若しくはii)のうちの1つ又は複数のSNVを有すると同定された患者に、リンパ異常の治療に適した1又は複数の薬剤を単独で又は組み合わせて投与し、それによってリンパ異常を治療すること
を含む、方法。
【請求項5】
前記リンパ異常の治療に適した前記薬剤が、1又は複数のmTOR阻害剤、1又は複数のPIK3K阻害剤、1又は複数のMEK/ERK阻害剤、及び前記いずれの阻害剤の1つ又は複数の組み合わせの群から選択される、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記1若しくは複数の薬剤又は1若しくは複数の阻害剤が、表1及び/又は2に記載される、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
SNVが、
a)EPHB4におけるc.2334+1G>C;
b)PIK3R4におけるc.3481A>G:p.S1161G;
c)PIK3R6におけるc.1393-7C>T;
d)mTORにおけるc.6818A>G:p.P2273L;
e)ARAFにおけるc.640T>C:p.S214P、及び
f) a)、b)、c)、d)又はe)の前記SNVの1つ又は複数と連鎖不平衡にあるSNV
から選択される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ヒト患者におけるリンパ異常を治療するための方法であって、1又は複数のmTOR阻害剤、1又は複数のPIK3K阻害剤、1又は複数のMEK/ERK阻害剤、及び前記いずれの阻害剤の1つ又は複数の組み合わせから選択される薬剤の有効量を投与し、それによってリンパ異常を治療することを含む、方法。
【請求項9】
リンパ異常が、リンパ管の異常な形成及び/又は組織の異常増殖によって特徴付けられる、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
リンパ異常がリンパ管腫症(LAM)である、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本出願は、2016年8月31日に出願された米国仮特許出願第62/382147号の優先権を主張し、その内容全体は出典明示により本明細書に援用される。
続きを表示(約 3,000 文字)
【0002】
発明の分野
本発明は、リンパ系の遺伝学、個別化医療、及び奇形の分野に関する。より具体的には、本発明は、リンパ管腫症(Lymphangiomatosis)及び他のリンパ管腫症(generalized lymphatic anomalies)(GLA)に関連する症状を改善するための新しい遺伝的標的及び治療的処置計画を提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
本発明が属する最新技術を説明するために、本明細書を通していくつかの刊行物及び特許文書が引用されている。これらの引用のそれぞれは、あたかも完全に記載されているかのように、出典明示により本明細書に援用される。
【0004】
リンパ系は体液の循環を維持し、身体を病気から守り、小腸の脂肪を吸収するのに重要な役割を果たす(1)。複雑なリンパ管の異常は、リンパ管の異常な形成と組織の異常増殖によって特徴付けられる。患者は、重篤な肺疾患を引き起こし得る重複する症状をしばしば呈する(2、3)。リンパ異常の例には、リンパ管腫症(GLA)、リンパ管拡張症、及び乳び性滲出液(心膜、胸膜又は腹膜)が含まれる。診断における重要な課題のために、複雑なリンパ異常の研究は分類と命名法の不一致によって妨げられてきた(3-6)。複雑なリンパ異常の分子遺伝学的病因はあまり理解されていないが、リンパ系の先天性奇形は、根底にある遺伝的病因に関連しているように見える(7-9)。実際、生殖細胞系突然変異及び体細胞突然変異の両方が、PI3K/mTOR及びRas/MAPK経路に収束する遺伝子において同定されている(1、8)。
【0005】
PI3K/mTOR及びRas/MAPKシグナル伝達経路の破壊又は異常は、成熟リンパ管ネットワークの構築中の正常な拡大及びリモデリングを損なうことが示されており、このような破壊はリンパ管疾患に関連している。哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1(mTORC1)活性の上昇をもたらす、AKT1及びPIK3CAの機能獲得型突然変異が、プロテウス症候群(OMIM 176920)、CLOVES症候群(OMIM 612918)及びクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群(OMIM 149000)などの症候群の一部を構成するリンパ管奇形の患者で確認された(9-11)。KRAS、HRAS、RAF1、PTPN11、SOS1及びRASA1の突然変異は、RAS経路活性の調節不全をもたらし、ヌーナン症候群(OMIM 163950)、コステロ症候群(OMIM 218040)、心臓・顔・皮膚症候群(OMIM 115150)及び毛細血管奇形-動静脈奇形(CM-AVM)症候群(OMIM 608354)においてリンパ浮腫又はリンパ管拡張症を引き起こす(12-17)。
【0006】
これらの理解にもかかわらず、リンパ管腫症/リンパ管拡張症(LAM)、リンパ管腫症(GLA)、乳び性滲出液などのリンパ管疾患及びリンパ異常を有する患者の同定に使用するための遺伝的バイオマーカーが欠如しており、これらの疾患に関連する遺伝的マーカーを標的とする治療薬も同様である。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
3世代家族のうち6人がGLAを含むリンパ異常、及び重大な静脈うっ血に罹患したため、その家族のメンバーを、新規生殖細胞系列突然変異を探索するためにエクソーム配列決定(ES)を使用して分析した。EPHB4のヘテロ接合生殖細胞系列突然変異が同定された。ゼブラフィッシュにおけるEPHB4ノックダウン研究は、EPHB4がリンパ管の発達と分岐、mTORシグナル伝達を含むプロセスに役割を果たしていることを確認した。
【0008】
GLA又はリンパ管拡張症と診断された13家族のコホートが、そのすべてが乳び性滲出液を有する少なくとも1人の家族のメンバーを有しており、配列決定された。PI3K複合体の調節サブユニットをコードするPIK3R6におけるホモ接合変異体、MTORにおけるヘテロ接合突然変異、PIK3R4におけるヘテロ接合突然変異、及びmTOR経路の相互作用因子であるRas/MAPK経路に関与するARAFにおける反復性新規機能獲得型突然変異が同定された。
【0009】
したがって、本発明の一実施態様において、ヒト患者におけるリンパ異常を診断するための方法が提供される。例示的な方法は、患者から核酸を含む生物学的試料を得ること、i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又はii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するかどうかを決定するために核酸をアッセイすること;及びi)又はii)のSNVが存在する場合、患者をリンパ異常と診断することを含む。別の態様において、ヒト患者におけるリンパ異常を診断するための方法は、ヒト患者から遺伝子型配列情報を得ること、i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又はii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するかどうかを決定するために核酸をアッセイすること;及びi)又はii)のSNVが存在する場合、患者をリンパ異常と診断することを伴う。
【0010】
本発明はまた、ヒト患者におけるリンパ異常を治療するための方法を提供する。例示的な方法は、患者から核酸を含む生物学的試料を得ること;i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SANV)が存在するか、又はii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するかどうかを決定するために核酸をアッセイすること;及びi)又はii)のうちの1つ又は複数のSNVを有すると同定された患者に前記リンパ異常の治療に適した1つ又は複数の薬剤を投与し、それによってリンパ異常を治療することを含む。この方法の代替の実施態様において、遺伝子型情報は患者から得られ、i)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数において一塩基変異体(SNV)が存在するか、又はii)EPHB4、PIK3R4、PIK3R6、mTOR、及びARAFのうちの1つ又は複数においてSNVと連鎖不平衡にあるSNVが存在するかどうかを決定するためにアッセイされ;及びi)又はii)のうちの1つ又は複数のSNVを有すると同定された患者に前記リンパ異常の治療に適した1つ又は複数の薬剤を投与し、それによってリンパ異常を治療する。この方法の代替の実施態様において、遺伝子型情報は患者から得られる。
(【0011】以降は省略されています)
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