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公開番号
2025016429
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-04
出願番号
2024108660
出願日
2024-07-05
発明の名称
光ネットワーク用量子中継器及び方法
出願人
株式会社Nanofiber Quantum Technologies
代理人
弁理士法人瑛彩知的財産事務所
主分類
H04B
10/70 20130101AFI20250128BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】ノイズやデコヒーレンスの影響を受けづらい量子中継器ネットワークを提供する。
【解決手段】複数のノードを含む量子中継器システムであって、各中継器デバイスは、第1の端部領域と、第2の端部領域と、該第1の端部領域と該第2の端部領域との間に結合されたナノファイバー領域及びテーパー領域から形成されるキャビティと、該ナノファイバー領域においてエバネッセント結合している複数の原子と、撮像システムを備え、光ピンセットアレイおよび光アドレス指定ピンセットアレイを備える光学システムと、を有し、該複数の量子中継器デバイスを直列接続し、最初の量子中継器デバイスから隣接する中間中継器デバイスへ、そして隣接する最後の量子中継器デバイスへ1つ以上の光子を伝送して隣接する量子中継器の対の間で量子エンタングルメントを伝搬する光ケーブルと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
量子コンピュータデバイスに結合されたエンドノードを含む、複数のノードを含む量子中継器システムであって、
1からNまでの番号が付された1つ以上の中継器デバイス(Nは1より大きい整数)を含み、
各中継器デバイスは、
第1の端部領域および第2の端部領域を有し、該第1の端部領域は第1の端部を有し、該第2の端部領域は第2の端部を有する、第1の光ファイバーケーブルと、
該第1の端部領域上に構成された第1のファイバーブラッググレーティングと、
該第2の端部領域上に構成された第2のファイバーブラッググレーティングと、
光ファイバーケーブルの中心部分から構成され、該第1の端部領域と該第2の端部領域との間に結合されたナノファイバー領域と、
該第1のファイバーブラッググレーティングの近傍内の該ナノファイバー領域の第1の部分から構成された第1のテーパー領域と、該第2のファイバーブラッググレーティングの近傍内の該ナノファイバー領域の第2の部分から構成された第2のテーパー領域と、
該第1のファイバーブラッググレーティングと該第2のファイバーブラッググレーティングとの間の該ナノファイバー領域および該テーパー領域から形成されるキャビティと、
セシウムおよびルビジウムを含むアルカリ金属原子、イッテルビウムまたはストロンチウムを含むアルカリ土類金属およびアルカリ土類似の原子、ならびに他のレーザー冷却可能な原子を含み、該原子の数は1から10万の範囲であり、少なくとも該第1のファイバーブラッググレーティングと第2のファイバーブラッググレーティングの間の該ナノファイバー領域においてエバネッセント結合している、複数の原子と、
撮像システムを備える光学システムであって、該複数の原子のうちの2つ以上を捕捉および操作するための光ピンセットアレイおよび光アドレス指定ピンセットアレイを備える光学システムと、
最初の量子中継器デバイス、中間中継器デバイス、および最後の量子中継器デバイスを直列接続し、最初の量子中継器デバイスから隣接する中間中継器デバイスへ、そして隣接する最後の量子中継器デバイスへ1つ以上の光子を伝送して隣接する量子中継器の対の間で量子エンタングルメントを伝搬するように構成された光ケーブルと、
含む量子中継器システム。
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【請求項2】
前記光アドレス指定ピンセットアレイを使用して前記原子の共鳴周波数をシフトさせることにより、前記量子中継器デバイスの1つにある前記複数の原子のうち少なくとも1つをキャビティに共鳴させ、少なくともキャビティ補助光子生成を用いて原子-光子エンタングルメントを生成し、これにより、前記原子の1つ以上の内部状態と単一光子の1つ以上の偏光状態、または異なる時点での2つの光子パルスと原子の内部状態がエンタングルメントされ、該キャビティ補助光子生成は、励起された原子が前記ナノファイバー領域の前記キャビティ内で光子を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記原子-光子エンタングルメントを生成し、その後、少なくとも1つ以上の光子が隣接する中継器デバイスに伝搬し、前記光学アドレス指定ピンセットアレイで前記原子の前記共振周波数をシフトすることにより、前記キャビティに共振するように選択された前記原子の1つに結合し、
その後、原子-光子発生プロセスの時間反転操作により、遠隔原子-原子エンタングルメントが生じ、1つ以上の遠隔部位にある少なくとも2つの原子の1つ以上の内部状態がエンタングルメントされ、該原子-光子発生プロセスの時間反転操作により、光子が前記原子に吸収される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠隔原子-原子エンタングルメントが、O個のエンタングルメント対を生成するために、各中継器デバイスのM個の原子に生成プロトコルを使用して順次提供され、前記遠隔原子-原子エンタングルメントが隣接する中継器デバイスの対の間で生成され、Mは1以上の範囲である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
2N個の前記中継器デバイス間で、N組の前記中継器デバイス対に対して遠隔原子-原子エンタングルメント生成プロトコルを同時または逐次的に適用し、その後、N組の前記中継器デバイス対に対して(N-1)の遠隔原子-原子エンタングルメント生成プロトコルを同時または順次に適用して各隣接中継器デバイス間でエンタングルメントを生成し、これにより、全ての隣接中継器デバイスに対する該エンタングルメント生成プロトコルがエンタングルメント交換の初期条件を提供する、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記中継器デバイスの各対が直接隣接しており、遠隔原子-原子エンタングルメントプロトコルによって、前記中継器デバイスの複数の対の1つからのM原子の少なくとも1つが、中継器デバイスの同じ対内の他方の中継器デバイスからのM原子の少なくとも1つとエンタングルメントするように構成され、
同じ前記中間量子中継器内の異なるエンタングルメント対からの前記2つの原子間に制御NOTゲートを適用し、その後の単一量子ビット制御と前記中間量子中継器内の2つの原子の状態読み出しにより、前記隣接する量子中継器内の他の2つの原子が直接エンタングルメントされ、エンタングルメントスワッピングを引き起こす、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記原子-原子エンタングルメントスワッピングプロトコルは、光子を直接伝送することなく、エンタングルメント対の範囲を拡張し、
前記N個の中継器デバイスのうちM-1個のエンタングルメント対に対して、前記エンタングルメントスワッピングを前記N-1個の中継器デバイスに同時に適用することができる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記光ケーブルは、1メートルから数十キロメートル以上の長さを有し、前記量子中継器間のエンタングルメントを容易にするための所定の長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
直接隣接する各一対の量子中継器デバイスは、原子-原子エンタングルメントプロトコルを遠隔操作することにより、前記複数の量子中継器デバイスの対のうち1つの対において、前記M原子のうちの少なくともO個が、前記一対の量子中継器デバイスのうちの他方の量子中継器デバイスからの前記M原子のうちの少なくともO個とエンタングルメントするように構成されており、
同じ前記中間量子中継器内の異なるエンタングルメント対からの前記2つの原子間に制御NOTゲートを適用し、その後の単一量子ビット制御と前記中間量子中継器内の2つの原子の状態読み出しにより、前記隣接する量子中継器内の他の2つの原子を直接エンタングルメントする、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
Oが2以上であり、MがOより大きく、N個の原子間の前記エンタングルメントは、量子中継器内のN個の原子のうちの2個の原子に、前記制御NOTゲートを、局所的にアドレス指定するピンセットアレイからの前記周波数シフトによる前記キャビティへの選択的結合と、それに続く前記ターゲット原子の状態読み出しによって順次適用することによって、Lが1からO-1の範囲にある、改善されたエンタングルメント忠実度でL個の原子に精製される、請求項9に記載のシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
量子中継器は、量子力学を利用して古典中継器よりも効率的かつ安全に特定のタスクを実行する量子情報処理デバイスの一種である。古典的な中継器では、ビットは0または1の2つの状態のいずれかに存在することができ、必要に応じてビットを増幅することができるが、量子中継器では、量子ビットは0と1の両方の状態の重ね合わせに同時に存在することができ、ノー・クローン定理によりコピーすることも増幅することもできない。このため、量子中継器は原理的に盗聴されることなく、ある特定の量子通信を堅牢かつ安全に行うことができる。さらに、量子中継器デバイスは、大数の因数分解、最適化問題、量子システムのシミュレーションなどの特定のタスクにおいて、古典コンピューティングよりも指数関数的に高速な分散量子コンピューティングを容易にする。
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【0002】
しかしながら、量子中継器にはいくつかの欠点もある。1つの大きな課題は、量子ビットがノイズやデコヒーレンスの影響を非常に受けやすく、中継器の動作中にエラーを引き起こす可能性があることである。
【0003】
さらに、光ファイバーケーブルは、光子の長距離伝送中に有限の損失を持つため、量子中継器は量子情報を完全に失う前に設置される必要がある。したがって、量子中継器ネットワークは、量子状態転送とエンタングルメント生成の精度を維持するために、注意深いエラー緩和および/またはエラー訂正技術を必要とする。さらに、量子中継器に必要な物理的ハードウェアは、構築および維持に複雑かつ高価であるため、量子中継器の規模を拡大することは困難であり、コストがかかる。
【0004】
以上のことから、量子中継器を改善する技術が望まれていることが分かる。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、一般に量子中継器に関連する技術が提供される。特に、本発明は、量子情報処理デバイス用のキャビティ(cavity:共振器)を可能にするために、光ケーブルおよび一対の反射器を用いて構成されたナノファイバ領域を含むシステムおよび方法を提供する。単なる例として、本発明は、創薬、最適化、機械学習および人工知能、金融、天気予報、化学、機械、電気、土木、核融合および核分裂、経済学、材料、および他のあらゆる複雑な人間または人間以外の事柄に向けた安全な量子通信、量子センシングネットワークおよび分散量子コンピューティングなどの様々な用途に適用することができる。
【0006】
一例では、本発明は量子中継器システムとその量子ネットワークへの応用を提供する。量子中継器システムは、ナノファイバーベースの量子コンピュータデバイスを含む。
【0007】
一例では、本発明は、量子中継器システムとその量子ネットワークへの応用を提供する。一例では、システムは、第1の端部領域と第2の端部領域とを有するファイバー光ケーブルを有する。第1の端部領域は第1の端部を有し、第2の端部領域は第2の端部を有する。一例では、システムは、第1の端部領域に構成された第1のファイバーブラッググレーティングと、第2の端部領域に構成された第2のファイバーブラッググレーティングとを有する。一例では、システムは、光ファイバーケーブルの中央部分から構成され、第1の端部領域と第2の端部領域との間に結合されたナノファイバー領域を有する。一例では、システムは、第1のファイバーブラッググレーティングの近傍内のナノファイバー領域の第1の部分から構成された第1のテーパー領域と、第2のファイバーブラッググレーティングの近傍内のナノファイバー領域の第2の部分から構成された第2のテーパー領域とを有する。一例では、システムは、第1のファイバーブラッググレーティングと第2のファイバーブラッググレーティングとの間のナノファイバー領域から形成されたキャビティを有する。一例では、システムは、第1のファイバーブラッググレーティングと第2のファイバーブラッググレーティングの間の少なくともナノファイバー領域にエバネッセント結合された複数の原子を有する。一例では、撮像システムは、光ピンセットアレイを生成し、1つ以上の原子からの1つ以上の光子を空間分解能で検出するように構成される。
【0008】
一例によっては、本発明は、これらの利益及び/又は利点の1つ以上を達成することができる。一例では、本発明は、ナノファイバー領域と一対の反射器とを含む光ケーブルで構成されたナノファイバーキャビティQEDシステムを使用し、ナノファイバー領域に原子をエバネッセント結合して量子中継器用の原子キャビティシステムを形成する量子中継器デバイスを提供する。一例では、このデバイスは従来の光学技術を用い、光ファイバーデバイスを使用することでコンパクトかつ効率的に集積される。一例では、本発明は、長距離量子通信や離れた量子中継器システム間の効率的な相互接続に適した原子と光子を利用することにより、静止量子ビットと飛行量子ビット間のコヒーレント状態転送の利点を提供する。好ましい一例では、本システムは、本撮像システムを用いて個々の原子を1つずつ制御することができ、これによりエンタングルメントの生成と精製が可能となる。これら及び/又は他の利益及び/又は利点は、本発明のデバイス及び関連する方法により達成可能である。これらの利益及び/又は利点の更なる詳細は、本明細書全体を通じて、より詳細には以下に見出すことができる。
【0009】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の後半部分および添付図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一例による量子中継器システムを示す簡略図である。
本発明の一例による量子コンピューティングセルデバイスで構成された真空チェンバーの簡略図である。
本発明の一例による量子中継器ネットワークの動作方法の簡略図である。
量子中継器ノード間の遠隔原子-原子エンタングルメント生成方法の簡略図である。
本発明の一例による量子中継器ネットワークにおけるエンタングルメントスワッピングの方法を簡略化して示す図である。
本発明の一例による量子中継器ネットワークにおけるエンタングルメント精製方法の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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