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公開番号2024161927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023076984
出願日2023-05-09
発明の名称超音波送受信器
出願人日本セラミック株式会社
代理人
主分類H04R 17/00 20060101AFI20241114BHJP(電気通信技術)
要約【課題】メインローブとは別の、意図しないサイドローブを抑制し、品質が安定した超音波センサを提供する。
【解決手段】圧電素子1、吸音材6、封止剤8及び有底筒状ケース9からなる超音波センサ(超音波送受波器)は、有底筒状ケースの底面の厚肉部3の厚みをA、有底筒状ケースの側壁5の厚みをB、有底筒状ケースの底面の薄肉部2の厚みをCで表したとき、A/Bの比率が1.33~4.0の範囲において、C/Aの比率を0.1~0.6の範囲で設計することにより、有底筒状ケースの側壁と内底面の接合部の剛性が下がり、サイドローブが抑制される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有底筒状ケースの内側の底面に圧電素子を接着させたユニモルフ振動子を設け、ユニモルフ振動子の振動によって超音波の送受信を行う超音波送受波器において、前記底面には厚肉部と薄肉部を備え、有底筒状ケースの底面の厚肉部の厚みをA、有底筒状ケースの側壁の厚みBとし有底筒状ケースの底面の薄肉部の厚みをCで表したとき、
A/Bの比率が1.33~4.0の範囲において、C/Aの比率が0.1~0.6の範囲であることを特徴とする超音波送受波器。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
前記薄肉部の全部あるいは一部が前記有底筒状ケースの側壁の内側から法線方向に1mm以内にあることを特徴とする請求項1記載の超音波送受波器。
【請求項3】
前記薄肉部は傾斜していることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の超音波送受波器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を有底筒状ケースに貼り合わせた空中用の超音波センサに関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
超音波センサを用いた距離計ユニットを車両に取り付けて、車両に物体が接近した際に運転者に衝突の危険を知らせる安全装置が広く使用されている。
特に、車両を後退させる際に後方の物体を距離計ユニットで検出し、運転手に物体の接近を知らせる安全装置がよく利用されている。(例えば特許文献1)
【0003】
具体的には、物体の接近を運転手にブザーで知らせる安全装置や車両の前方に障害物があると車両が発進しないようブレーキが動作させるブレーキ連動式の安全装置が発明されている。
【0004】
ここで使用される超音波センサを用いた距離計ユニットでは、主に防滴型の超音波センサが使用されている。
防滴型の超音波センサは、例えば特許文献2で紹介されている(文献中では防滴型の超音波センサを防滴型超音波送受波器とよんでいる)。
防滴型の超音波センサは有底筒状ケースの底面に、両面に電極が施された圧電素子が接着されており、圧電素子の各電極に電気的に接続された端子は外部に取り出されており、圧電素子の上部にはスポンジ状もしくはフェルト状の吸音材をかぶせてから、シリコーンゴムなどの弾性を有する充填剤で密閉した構造である。
有底筒状ケースの開口側の背面がシリコーンゴムなどの充填剤で完全に覆われることで内部に液体が浸入しない構造になっている。前述の構造のため、超音波センサ内部にて圧電素子の各電極同士が短絡することがないため、液体がかかるような屋外でも使用できる。
また、防滴型の超音波センサは圧電素子が金属のケースで覆われるために、比較的強度が高い構造の超音波センサである。
【0005】
車両に搭載される超音波センサは縦方向を検知する垂直指向性と横方向を検知する水平指向性は異なるのが一般的である。特に縦方向の検知は音波の到達距離が伸びた関係で路面を誤検知しやすくなり、近年狭い垂直指向性が求められるようになってきている。狭い垂直指向性を持つ構造の超音波センサは、例えば特許文献3で紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-112297
特開2010-154059
特開2006-340258
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の超音波センサは垂直指向性を狭くするとメインローブとは別に意図しないサイドローブ20が構造上発生する。
実際に垂直指向性を狭くする場合、有底筒状ケースの側壁を薄くする必要がある。有底筒状ケースの底面の振動が有底筒状ケースの薄い側壁に伝達する際に、有底筒状ケースの底面と側面の接続部4の剛性が高いと有底筒状ケースの側壁部が逆位相の振動13を発生させて、サイドローブになる。
サイドローブの発生する条件は有底筒状ケースの底面の厚肉部の厚みをA、有底筒状ケースの側壁の厚みBとし有底筒状ケースの底面の薄肉部の厚みをCで表したとき、図7の通りである。このサイドローブが原因で本来の検知エリア外である場所が検知されてしまい誤検知するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
今回の発明では、有底筒状ケースの底面の薄肉部2を図7の条件に従い設けることにより有底筒状ケースの底面と側面の接続部4の剛性を下げて有底筒状ケースの側壁部の逆位相の振動13の発生を解消させた側壁部の振動14になり、サイドローブの抑制を可能とより品質が安定した上記の特徴を持つ超音波センサも提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の請求項1に関わる実施形態の超音波センサの断面図
本発明の請求項2に関わる実施形態の超音波センサの断面図
本発明の請求項3に関わる実施形態の超音波センサの断面図
従来型の超音波センサの断面図
従来型と発明型における超音波センサの有底筒状ケースの側面の振動の様子(シミュレーション)
従来型と発明型における超音波センサの垂直指向性のサイドローブの様子
サイドローブが抑制できるA、B、Cの関係を示した図
【発明を実施するための形態】
【発明を実施するための形態】
本発明の請求項1に関わる実施形態
【0010】
図1は本発明の請求項1に関わる実施形態の超音波センサの構造図の一例である。超音波センサの構成は、アルミ合金からなる有底筒状ケース9の内底面に、PZT系セラミックと折り返し電極とを構成に含む圧電素子1が接着されており、圧電素子1の上に成形されたスポンジ6が配置され、リード線7が圧電素子上1の各電極とピン端子10の各端子とが半田付けにより電気的に接続されており、有底筒状ケース9内部の開口側を非多孔質のシリコーン樹脂からなる弾性体8を充填することにより封止されている。
アルミ合金からなる有底筒状ケース9の内底面には、図1の通り内壁に沿うように薄肉部2と厚肉部3が配置される。このとき、有底筒状ケースの底面厚肉部の厚みをA、有底筒状ケースの側壁をBとし有底筒状ケースの底面薄肉部の厚みをCで表したとき、図7の「サイドローブを抑制できる領域」に入るようにA/Bの比率が1.33~4.0、C/Aの比率が0.1~0.6の範囲に調整する。
【発明を実施するための形態】
本発明の請求項2に関わる実施形態
(【0011】以降は省略されています)

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