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公開番号
2024165354
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081493
出願日
2023-05-17
発明の名称
環境音制御方法
出願人
個人
代理人
主分類
H04R
3/02 20060101AFI20241121BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】
音響結合を含む閉ループを持つ制御系の安定度を系の実動作中に測定し制御する方法であって、高度な理論知識を必要とすることなく、アルゴリズムが直感的であって、
プログラミングが簡単で、メンテナンスしやすく、実働中の系の信号のモニタリングにより閉ループの状態の掌握ができる制御方法が望まれる。
【解決手段】
制御系の閉ループを複数の帯域に分割し、それぞれの帯域のゲインと位相を、制御対象に影響を及ぼさない程度に変化させ、その制御系の閉ループのいずれかの場所にあって動作状態のモニタリングが可能な場所の信号を検出し、閉ループゲインに与えた変化とモニタリングポイントの信号の変化を求めることで、系の安定度を特定し、目標の状態となるようゲインと位相を調節する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
閉ループを持つ音響制御系の安定度の制御機能を 安定度制御手段 とし、
特定の音響信号帯域を B とし、
特定の音響信号帯域 とは、
人の聴覚に照らして全帯域から任意の部分帯域までを意味するものとし、
帯域 B において、音響結合を含む制御系の閉ループの名称を L とし、
L のループ伝達特性を Z とし、伝達特性 Z は
閉ループ L に固有であって、時々刻々と変化する L の動的伝達特性とし、
Wx と Yx と Kx を、実動作中の制御系の安定度を補正する目的で、
Z に付加するところの 伝達特性補正手段 とし、
伝達特性補正手段の構造と特性は設計的に決定されるものとし、
Wx は帯域フィルター、Yx は位相変換手段、Kx を比例係数とし、
即ち、
Z*Wx*Yx*Kx は、元々の制御系の安定度を制御すべく、Wx*Yx*Kx を Z に付加するものとし、
制御系が実働状態にある L の制御対象または制御対象に対応する信号の測定値の強度を P とし、
絶対値、平均値、実効値、最大値 などの信号の強さを表す量を 強度 とし、
P の強度を Prms とし、
帯域 Wx について、
係数が Kx のときの P の値を Prms1 とし
係数 Kx を ΔK % 減少させる方向に変化させた場合
即ち Kx=Kx(1-ΔKx) とした場合の P の値を Prms2 とし、
R21 = Prms2/Prms1 を、Kx に -ΔKx なる変化を作用させたときの 安定度評価値 とし、
安定度評価値は、制御系の安定度の評価値であるゲイン余裕と密接な関係にあって、
実動作状態での制御系の安定度を評価できる値であることを利用するものとし、
Kx の変化に対応するところの R21 の値の一覧表を 安定度評価表 とし、
R21 の値に対応する安定度評価表が示す安定度の評価を以て安定度を評価した結果、
必要に応じて閉ループゲインを補正する機能を 閉ループゲイン補正手段 とし、
安定度の評価表と評価基準は、設計的に決定されるものとし、
位相変換手段 Yx が変換する位相を Ax とし、
位相 Ax の変化に対する伝達ゲインの変化率を 位相影響率 とし、
位相 Ax の変化に対する位相影響率の傾斜を 位相影響率傾斜 とし、
位相影響率の許容範囲を 位相影響率許容範囲 とし、
位相影響率傾斜の許容範囲を 位相影響率傾斜許容範囲 とし、
位相影響率許容範囲と位相影響率傾斜許容範囲は設計的に決定されるものとし、
位相影響率と位相影響率傾斜の双方が許容範囲内にあるべく Ax を調節するものとし、
Ax の調節機能を 閉ループ位相補正手段 とし、
閉ループ位相補正手段によって得られた位相を 最適位相 とし、
閉ループ位相補正手段は Yx の変換位相量を最適位相に調節すべく機能するものとし、
伝達特性補正手段 を第1とし、
安定度評価表 を第2とし、
閉ループゲイン補正手段 を第3とし、
閉ループ位相補正手段 を第4とし、
第1と第2と第3と第4を有し、制御系の閉ループのループゲインとループ位相とが
許容範囲にあるべく調節を司るところの、
音響結合を含む閉ループを形成する制御系の安定度測定制御手段。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1の音響結合を含む閉ループの伝達特性 Z に
Z*{Wa*Ya*Ka + Wb*Yb*Kb + ,,,,,+ Wj*Yj*Kj + ,,,,,+ Wn*Yn*Kn}
となるよう、j = a,b,,,,,j,,,,n とする Wj*Yj*Kj を組み入れるものとし、
j = a,b,,,,,j,,,,n とは、a から n までの異なるパラメーターを持つ W,Y,Kの種類とし、
Wj*Yj*Kj は Z を閉ループ伝達特性とする制御系の安定度と性能を改善する目的で閉ループに組み入れるものとし、
Wj は帯域フィルターとし、Yj は位相変換手段とし、Kx は係数とし、
請求項1の Wx*Yx*Kx を
Wx*Yx*Kx = Σ(Wj*Yj*Kj) j = a,b,,,,,j,,,,n
とすることを 閉ループの分割 とし、
閉ループの分割の一例として
Wa=Ka=1 の場合も含まれるものとし、
この場合は Wx*Kx = 1+Σ(Wj+Kj) j = b,c,,,,,j,,,,n であるとし、
閉ループを分割し、個々の閉ループごとに請求項1の安定度の測定制御を作用させる機能を 閉ループ分割手段 とし、
閉ループの分割とは、制御を必要とするところの複数の帯域を意味するものとし、
帯域の具体的分割方法については設計的に決定するものものとし、
分割された個々の閉ループは、請求項1の第1と第2と第3と第4を有するものとし、
閉ループ分割手段を第5とし、
第5を有するところの音響結合を含む閉ループを形成する制御系の安定度測定制御手段。
【請求項3】
請求項1に記述の位相補正手段の内、位相特性の調節方法に関し、
帯域フィルター Wx の出力信号に位相変換の目的で設けるところの Yx に関し、
Si を Wx の入力信号とし、
Ss を Wx の出力とし、
Ss の微分機能を d()/dt とし、
Ss の積分機能を -∫()dt とし、
微分機能と積分機能の双方の出力を St とし、
St は微分機能と積分機能のいずれかから得るものとし、
St の強度を Ss の強度と等しくした信号、または 実用上等しいと見なすことができる信号を Su とし、
即ち、abs() を強度を得る機能とし、
St の強度を abs(St) とし、Ss の強度を abs(Ss) とし、
Su=St*abs(Ss)/abs(St) とし、
Ss と Su から
Ss*cos(A)+Su*sin(A) なる信号を生成し、この信号を So とし、
即ち、
So=Yx(Ss)=Ss*cos(A)+Su*sin(A) とし、
A を 0 から 2*π まで可変することにより So が Ss に対して 2*π 即ち
一回転することを利用するものとし、
Wx の帯域が中音から高音域にある場合、Ss の微分信号を信号処理に使うものとし、
Wx の帯域が低音域にある場合、Ss の積分信号を信号処理に使うものとし、
この場合の低音域と高音域は制御対象に照らして設計的に決定されるものとし、
Wx の出力 Ss から 微分機能と積分機能のいずれかを作用させ、Su を生成し、
Ss と π/2 の位相差を持つ信号 Su から Ss に対し目的とする位相差の信号 So を生成する機能を 位相生成手段 とし、
位相生成手段を第6とし、
請求項の第1と第2と第3と第4と 請求項2の第5 と 第6を有するところの、
音響結合を含む閉ループを形成する制御系の安定度測定制御手段。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
適応フィルター
適応制御のロバスト性
状態変数のオブザーバーによる推定
環境音制御
フィルター
インパルス応答
単純適応制御(SAC)
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ハウリング抑制
環境ノイズキャンセラー
拡声装置、PAシステム
【0003】
請求項で定義した用語と記号は明細書においても同様とする。
本案の開発過程における考察 その1.
アクティブノイズキャンセラーやハウリングキャンセラーやオープンスピーカー型の補聴器など環境音に関わる制御系の設計は音響技術者にとって障壁の高い分野である。
適応制御に関する理論は、一般の技術者にとってはとても理解できるものではなく、
販売されているアプリケーションプログラムを使っても、満足な性能が得られないケースも多い。その上、問題が発生したとき、現実問題として対処できない。
一方では、この技術は生産市場においてニーズは潜在的にも顕在的にも強く、
さらなる高安定高性能であって組み入れが簡単なものが必要とされている。
【0004】
本案の開発過程における考察 その2.
環境音の制御で実動作中に発生する最大の問題は、ハウリングである。制御系が閉ループである限りこの問題は常に背中合わせにあって、高性能化とハウリング発生の課題は常にぎりぎりのトレードオフ関係にある。
このトレードオフ関係を緩めるには、
三次元音響空間、エネルギーである音波伝搬と反射、多重共振、群遅延、非線型
などのキーワードに代表される 音響環境の複雑さ に直接関わることなく。影響を受けにくいロバスト性の強い制御方法が求められる。
数ある文献には、簡易制御方法などが解説されているが、それでも、一般の技術者にとっては障壁が高い。アルゴリズムもさることながら実用になるソフトウェアとして作り上げることはほとんど不可能である。
【0005】
本案の開発過程における考察 その3.
一例をあげると、乗用車のアクティブロードノイズキャンセラーの場合では、
市販されている乗用車に搭載されている最高性能のもので、
100Hz 付近では 10dB最大 1kHz 付近では 3dB最大 程度である。
10dB は、軽減落差は感じるものの、3dB となると、感じるか否かの限界、という程度の評価である。
例えば、ノイズリジェクション比をユーザー側から要望するなら、
1kHz 付近の帯域で、小形乗用車の場合なら、少なくとも 10dB、
軽トラックの場合なら 少なくとも 20dB のノイズリジェクション比が必要である。
【0006】
本案の開発過程における考察 その4.
通常の音響結合を含む閉ループにはシャープな周波数ゲイン特性を随所に持つ。
ハウリングはこのようなポイントで発生することが多く、
逆にハウリング寸前のポイントではシャープな周波数ゲイン特性を持つポイントが少なくない。
どのように複雑な系でも、ハウリングポイントでは位相とゲインの関係に起因して問題が発生することは、一般の技術者でも理解できる。
特に音響系は群遅延が伴うことから、周波数と位相回転が比例関係にあって、発振条件を満足する位相が至るところに出現する。
また、音響系は物理振動系の多重共振や伝達系の反射による定在波など、システムの設計側から見て、測定が面倒で、ゲイン位相共に変動ファクターが散在している。
【0007】
本案の開発過程における考察 その5.
ハウリングが発生しているとき、最も単純なハウリング抑制方法はループゲインを下げることである。逆に、ハウリングが発生していなくても、ハウリングする可能性が高いポイントでは他のポイントよりもループゲインが高くなっている。もちろん位相の問題もあるが、まずはゲインに注目できる。しかし、実働中の制御系のループゲインを直接測定する方法はない。実働中の制御系のループゲインを測定できさえすれば、
あるいは、ループゲインに対応する何らかの指標を測定できれば、制御性能とのトレードオフ条件はあるものの、ハウリングの危険領域から遠ざける手立てが可能となる。
【0008】
本案の開発過程における考察 その6.
閉ループを含む制御系の最も単純なモデルを図1(a)に示す。
ループゲインが G*F*Y*K であって、 伝達特性は F*Y*K/(1-G*F*Y*K) である。
この系の K を変化させた時の 伝達特性のゲイン変化の数値を図1(b)に示す。
K が大きくなると、閉ループのゲイン余裕が小さくなる。
この例は、閉ループの位相特性が 0 の場合である。
系の安定度を知る上での目安の一つにゲイン余裕があるが、 No.20 の K=0.505 の付近でゲイン余裕が 6dB である。この付近での 測定信号 P について、
K を 5% 変化させると、No.19 の列に対する P の強度の変化率は 10.1% 0.8dB である。
音響系において、制御対象の 10% 変化は、人の聴覚ではその変化の感じ方は極めて小さいので、スイッチノイズを発生させない程度に K を変化させ P の強度を測定することでその制御系のゲイン余裕がどの程度の状態にあるかを掌握できる。
この数値は一つの例であるが、どのような系でも、その系がどのような状態にあっても、P の変化を測定できる。
従って、閉ループのモデルがどのようなものでも、その系の安定性に関する状態を知ることができる。結果、系の動作を目標の状態に変えることが可能である。
【0009】
本案の開発過程における考察 その7.
つぃいきフィルターを Wx とし、図1(a)の Y を Wx*Yx とし、Wx の出力信号に位相変換 Yx を作用させることで、さらに系の状態を変えることができる。例えば、Yx に 位相角の変化 ΔAx を作用させ、伝達ゲインの変化と伝達ゲインの二次変化を測定することで、系の位相の状態を推定することができる。
Yx に位相変換を作用する方法を図6(a)と(b)、その原理を図6(c)に示す。
Wx の出力信号に 微分または積分 を作用させ、元々の信号と π/2 の信号を作り、元々の信号と合成することで、Wx の出力信号の位相を無理なく一回転させることができる。
二次のディジタルフィルターの場合は、一般的に5個のパラメーターを持っていて、5個のパラメーターを以て、フィルターの中心周波数と選択度とゲインの3個のパラメーターを決定する。フィルターの特性がシャープであるほど、二次のディジタルフィルターは、初期値によっては無条件に自己発振の可能性がある他、実働中のパラメーターの調節に際し、自己発振やスイッチノイズが発生しない手順と方法で調節されなければならない。
しかし、π/2 の位相の異なる信号との組み合わせで位相回転を作用させる方法は、
自己発振の可能性は皆無であることから、運転中のパラメーターの調節に際し、
安全性とノイズ発生の問題に注意を向ける必要がなくなる。
図6(d)に位相変換と制御系の伝達特性のゲインの関係をグラフで示す。
位相の補正によって変化する伝達ゲインを実測評価することで、その位相補正が、系の安定度に及ぼす影響を知ることができる。結果、目標とする位相の状態に調節できる。
このようにカットアンドトライの手法で閉ループのゲインと位相の状態を知ることができ、制御に適した目標の状態に追い込むことができる。
【0010】
本案の開発過程における考察 その8.
位相回転で、最適な位相変位を作用させても、さらに 帯域フィルター Wx の補正が必要な場合、Wx の周波数と帯域に補正を加えることもできるが、
Wx の特性はアプリケーションに依存して決定され、このことは本案の本質ではない。
(【0011】以降は省略されています)
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