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公開番号
2025016166
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023119268
出願日
2023-07-21
発明の名称
PETシート及び該シートを用いてなるトレイ
出願人
株式会社レグルス
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20250124BHJP(積層体)
要約
【課題】A-PETをトレイの素材として用いた場合の欠点の耐湿熱変形温度の向上の実現と、加えて、収納した部品の視認が可能な透明性が保持されたトレイを安定して提供でき、好ましくは、真空成型工程時に生じる白化を伴う結晶化開始までの時間を長くすることで、真空成型時に於ける作業性の向上と、安定して良質なトレイ製品を提供できる技術の開発。
【解決手段】真空成型又は圧空成形又はプレス成型に用いられるPETシートであって、上層がポリカーボネートを含んでなる樹脂層であり、中間層がA-PET(無定形PET)を主成分としてなる樹脂層であり、下層がポリカーボネートを含んでなる樹脂層である3層構造を有する積層体であることを特徴とするPETシート。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
真空成型又は圧空成形又はプレス成型に用いられるPETシートであって、
上層がポリカーボネートを含んでなる樹脂層であり、中間層がA-PET(無定形PET)を主成分としてなる樹脂層であり、下層がポリカーボネートを含んでなる樹脂層である3層構造を有する積層体であることを特徴とするPETシート。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
中間層がポリカーボネートを含み、その体積比率がA-PET/ポリカーボネート=98/2~70/30である請求項1に記載のPETシート。
【請求項3】
前記上層を構成するポリカーボネートと前記下層を構成するポリカーボネートの厚みが同様である請求項1又は2に記載のPETシート。
【請求項4】
前記上層と前記下層の合計の厚みと前記中間層の厚みの比が、10/90~30/70である請求項3に記載のPETシート。
【請求項5】
前記3層構造を有する積層体の厚みが、300μm~1200μmである請求項1又は2に記載のPETシート。
【請求項6】
前記ポリカーボネートの300℃に於けるメルトマスフローレイト(ISO1133)の値が3~30(g/10分)の範囲で、且つ、JIS7191 B法で測定したたわみ温度が100℃以上150℃以下である請求項1又は2に記載のPETシート。
【請求項7】
前記A-PETは、フェノール/1,1,2,2テトラクロロエタン溶媒1/1で測定されたIV値が0.5~1.3である、ホモポリマー又は変性コポリマーを原料としてなる反応物である請求項1又は2に記載のPETシート。
【請求項8】
真空成型又は圧空成形又はプレス成型で形成されてなるトレイであって、形成原料が、請求項1又は2に記載のPETシートが用いられてなることを特徴とするトレイ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空成型又は圧空成形又はプレス成型に容易に適用できるので作業性に優れ、且つ、得られたトレイ製品を、A-PET素材のもつ透明性が維持された、耐湿熱変形温度が向上したものにできる、A-PETを用いてなるPETシート及び該シートを用いてなるトレイに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
PET樹脂は、繊維、シート、成形品等の形態で多様な用途に使用されており、その使用量は極めて莫大である。その用途や使用方法に応じて、製品の素材として用いられるPET樹脂は、無定形樹脂(A-PET)のままで使用される場合もあるが、加熱や延伸処理によって予め結晶化させて耐熱性を向上させるなど、種々の処理が施されており多岐の形態(特性)のものがある。本発明は、これらの中で、特に、真空成型(本明細書では、圧空成形及びプレス成型も含む意味で用いる)の加工方法でトレイを生産する分野で形成原料(素材)に使用されるPETシートを対象とする。この真空成型加工用のシートに用いられるPET樹脂は、成型上の理由で無定形樹脂(A-PET)が用いられている。
【0003】
A-PETは、一般的に透明であり、剛性にも優れ、傷もつきにくいので、様々な物品の輸送用のトレイの素材に適している。特に、電子部品や電材部品の、工場内に於ける工程間搬送や、国内外に於ける工場間の輸送時に広く使用されている。広く使用されている理由としては、素材が透明であることから納入部品の視認確認が容易なトレイが得られることや、A-PETがもつ高剛性による、トレイの変形しにくさに起因するトレイ内の部品の外力による破損防止の効果などが挙げられる。また、A-PETを素材とするトレイは表面の摩擦抵抗が小さいので、輸送時の摺動による部品の損傷防止性にも優れるという利点がある。
【0004】
一方、A-PET製のトレイ製品の最大の欠点は、耐熱変形温度が低いことが挙げられるが、特に大きな問題点として、吸湿性によって耐熱変形温度が低下する(すなわち、耐湿熱変形温度)ことがある。吸湿によりA-PETを素材とする製品の耐熱性が低下することは、市場において広く知られている。例えば、特許文献1には、成型したボトルを長時間ストックしておくと、成型直後に耐えられた充填温度に耐えられない、といった現象が起きることが記載されている。そして、特許文献1では、室内に長時間放置したままの同時成形のボトルに、同じ温度の熱湯を入れた場合、胴部下側及び底部に熱収縮による変形が認められる一方で、乾燥後のボトルでは成形直後の場合と同様に熱変形は生じないことを開示し、そのように構成することが有効であるとしている。すなわち、特許文献1では、ポリエステル樹脂製耐熱容器の吸湿による耐熱性の劣化を、使用前の乾燥により防止することを提案している。
【0005】
上記した現象は、A-PET樹脂のメルトマスフローレイトの測定時に試料の乾燥条件を厳しくしないと正確な値が得られず、一方、再度同試料を乾燥すると正常な値を示すことから、単なる吸湿による加水分解による要因だけでは説明がつかない。例えば、水分による可塑化も考えられ、現在、上記した現象が生じる理由は、明確にはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-39105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、A-PETに於ける他の技術課題として、熱による結晶化が速い点があり、この性質の故に、A-PET素材に於ける安定した真空成型条件は厳しくなっている。ここで、A-PETの主な構造は、テレフタル酸とエチレングリコールの縮合重合による高分子量のポリエステルである。分子量分布は、比較的広く、低分子領域の部分も多く含まれているものの、シンプルな構造を有する。そして、このシンプルな構造を有することで、A-PETは、非常に結晶化し易く、熱、延伸、溶剤等により不透明で高融点の相に簡単に変化する。一方、この結晶化し易い性質は、A-PETを素材として使用した場合に、利点にもなるが、下記に説明するように欠点も引き起こす。例えば、真空成型時には、作業上、非常に限られた温度範囲と加工時間が要求される。すなわち、この適性とされる温度範囲を超えたり、加熱時間が必要以上に長くなると、短時間で結晶化が進み、白化を伴い、正確な型寸法の転写を得ることができない。このため、真空成型時に、A-PET製のシートを素材として使用した場合の現状は、シートの厚みや型の複雑性はもとより、使用する機械の特徴等を勘案して、経験に基づく職人芸で、最適な成型条件を決めている。このようにA-PETを素材として使用する場合、真空成型時に於ける作業性の改善が、前記した耐湿熱変形温度の改善と共に課題となっている。
【0008】
本発明者等の検討によれば、A-PETを素材として使用したトレイにおいては、下記の課題もある。まず、A-PETの乾燥状態のガラス転移点は約70℃前後であり、他方、結晶化が明確に進む温度は120℃以上である。従って、この間の温度領域に各種部品を納めたA-PET製のトレイを置いておくと軟化変形し、このことに起因して部品に損傷を与える事故が生じることがある。特に、電子部品は高価である上に、極めて精細な回路構造になっているので、事故時には莫大な損害が生じる。他方、特別な条件で結晶化したトレイは極めて高い軟化温度になるので、高温雰囲気中での使用が可能になる。然し、上記した結晶化したトレイは、安定した製造条件の確立が難しく、更に、得られたトレイは一般的に白化し不透明であり、A-PETのもつ透明性の良さが失われたものになるといった問題もある。
【0009】
上記したA-PETを素材として用いた場合に於ける、無定形では軟化温度が低く、軟化温度を高めるには結晶化させなければならないという相反さを避ける為に、比較的高い温度での使用を意図した製品に適用する場合は、トレイの素材として別の樹脂を使用することが行われている。例えば、電子部品の輸送時に生じる温度原因の損傷を防ぐ目的で、ABS、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ポリプロピレン(PP)が使用されている。然しながら、ABS、HIPSは不透明でトレイ内の部品の納入状態を視認し難く、PPでトレイを成型すると、成型後にソリが発生しやすく、成型後に、強制矯正しなければならない場合が多発するという別の問題がある。
【0010】
以上のことから理解できるように、市場においては、A-PET製でありながら、その耐湿熱変形温度を向上させ、且つ、収納した部品の視認が可能な透明トレイの開発が待望されている。また、近年、環境変化による温暖化が進んでおり、密閉状態での輸送時に、A-PET製のトレイの変形事故が多発する傾向がある。特にトラック陸送時やコンテナでの海上輸送において問題になっている。温暖化の影響もあり、例えば、海上輸送経路やコンテナヤードにおけるコンテナの天井温度は、50~60℃に達することが報告されており(//www.monohakobi.com/ja/wp-content/uploads/2011/12/20111214_MTF4_kondo.pdf参照)、A-PET製のトレイの使用環境は厳しくなっている。
(【0011】以降は省略されています)
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