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公開番号
2025016122
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023119181
出願日
2023-07-21
発明の名称
内燃機関用ピストンの製造方法
出願人
スズキ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F02F
3/00 20060101AFI20250124BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】 樹脂コートの密着強さを維持しつつ、従来の湿式脱脂法に替えて、大容量の水洗槽や脱脂槽を不要とし、槽を加温するための熱エネルギーを不要にできる内燃機関用ピストンの製造方法を提供する。
【解決手段】 ピストン本体と、2つのスカート部18とを備えるアルミニウム合金を母材として構成されているピストン10を用意する工程と、ピストン10をその軸を中心に回転させながら、スカート部18の外表面にエア噴射ノズル35aからエアを噴射しながら、パルスレーザ光41を照射するレーザ光照射工程と、レーザ光照射したスカート部18の外表面に樹脂コートを形成する表面処理工程とを含み、レーザ光照射工程において、エア噴射ノズル35aの噴射方向を、ピストンの半径方向Rに対して、ピストンの回転方向に対向する向きにずらして、エア噴射ノズル35aからエアの噴射を行う。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
スカート部に樹脂コートを備えた内燃機関用ピストンを製造する方法であって、
シリンダボアの内周部に対して長手方向に摺動可能に構成される外周部を有するピストン本体と、前記ピストン本体の径方向に互いに対向しており、かつ前記ピストン本体の外周部から前記シリンダボアの底に向かって延びる2つのスカート部とを備え、前記ピストン本体および前記スカート部がアルミニウム合金を母材として構成されている内燃機関用ピストンを用意する工程と、
前記内燃機関用ピストンをその軸を中心に回転させながら、前記内燃機関用ピストンの前記スカート部の外表面に、エア噴射ノズルからエアを噴射しながら、パルスレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
前記パルスレーザ光を照射したスカート部の外表面に樹脂コートを形成する表面処理工程とを含み、
前記レーザ光照射工程において、前記エア噴射ノズルの噴射方向を、前記内燃機関用ピストンの半径方向に対して、前記内燃機関用ピストンの回転方向に対向する向きにずらして、前記エア噴射ノズルからエアの噴射を行う、内燃機関用ピストンの製造方法。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
前記レーザ光照射工程が、
前記内燃機関用ピストンを一方の方向に回転させることで、前記スカート部の周方向の一方から他方へ前記パルスレーザ光の照射スポットを走査する第1の走査工程と、
前記内燃機関用ピストンを長手方向に沿って移動させることで、前記スカート部の長手方向に前記照射スポットを走査する第2の走査工程と、
前記内燃機関用ピストンを前記一方の方向とは逆の方向に回転させることで、前記スカート部の周方向の前記他方から前記一方へ前記照射スポットを走査する第3の走査工程と
を含む一連の走査工程を繰り返し行い、
前記第1の走査工程では第1のエア噴射ノズルから、前記第3の走査工程では第2のエア噴射ノズルから、それぞれ前記噴射方向をずらしたエアの噴射の行う、請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
【請求項3】
前記エア噴射ノズルの噴射方向を、前記内燃機関用ピストン本体の軸に対する垂直面に対して、ピストン冠面側方向またはその反対側方向に傾斜させて、エアの噴射の行う、請求項1又は2に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用ピストンの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に設けられるエンジン等の内燃機関において、ピストンは、直線状の長手軸線に沿って延びるシリンダボア内を長手軸線に沿った方向にて往復移動する。このとき、ピストンの外周部はシリンダボアの内周部に対して摺動する。典型的に、ピストンは、シリンダボアの内周部に対して摺動可能である外周部を有するピストン本体と、このピストン本体の外周部からシリンダボアの底側に延びる2つのスカートとを含んでおり、さらに、ピストンにおいては、シリンダボアの内周部に対するピストンの外周部の摩擦抵抗を低減するために、各スカートの外表面には樹脂コートが形成されている。
【0003】
特許文献1には、条痕の形状が概形を維持しつつ、樹脂コートの密着性に優れた内燃機関用ピストンの製造方法を提供する方法として、スカート部をアルカリエッチングして、スカート部の外表面に設けられた溝部と中間面部の構成を維持しつつスカート部の外表面に溝部よりも微細な凹部を複数形成するアルカリエッチング工程と、アルカリエッチングよってスカート部の外表面に生成したスマットを除去する洗浄工程と、スマットを除去したスカート部の外表面に、樹脂コートを形成する表面処理工程とを含む方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-019522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ピストンのスカート部に樹脂コートを形成するためには、樹脂コート印刷工程の前に、機械加工工程でスカート部表面に付着、残存した切削油を洗浄して樹脂コートの密着強さを得るために、例えば、第1水洗工程、第1脱脂工程、第2脱脂工程、第2水洗工程、乾燥工程という複数の工程を行う必要があった。第1水洗工程では、第1脱脂工程前に主に切削油以外の汚れを除去する。なお、水洗に限らず、湯洗でもよいし、これらの組み合わせでもよい。第1脱脂工程では、中性やアルカリ性の脱脂剤を用いてスカート面の切削油を除去する。この工程では、脱脂液にピストン(スカート面)を浸漬し、超音波洗浄を行うことが望ましい。続く第2脱脂工程では、第1脱脂工程と同じ又は異なる脱脂剤を用いて脱脂を行い、スカート表面に付着した切削油をさらに除去する。必要に応じて、第1脱脂工程と第2脱脂工程の間に水洗工程を行ってもよい。第2脱脂工程後の第2水洗工程では、スカート面に付着した脱脂液を除去する。ここも水洗でも湯洗でもこれらの組み合わせでもよい。そして、第2水洗工程の後に乾燥工程を行い、特にスカート部表面に付着した水分を除去する。スカート面に水分が残存していると、続く樹脂コート印刷工程で印刷した樹脂コートの密着強さが低下してしまう懸念があるからである。
【0006】
しかしながら、このような従来の多数の水洗工程および脱脂工程を含む湿式脱脂法では、大容量の水洗槽や脱脂槽が必要であり、また、これら槽を加温するため大量の熱エネルギーが必要であり、改善が求められていた。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、樹脂コートの密着強さを維持しつつ、従来の湿式脱脂法に替えて、大容量の水洗槽や脱脂槽を不要とし、槽を加温するための熱エネルギーを不要にできる内燃機関用ピストンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、スカート部に樹脂コートを備えた内燃機関用ピストンを製造する方法であって、シリンダボアの内周部に対して長手方向に摺動可能に構成される外周部を有するピストン本体と、前記ピストン本体の径方向に互いに対向しており、かつ前記ピストン本体の外周部から前記シリンダボアの底に向かって延びる2つのスカート部とを備え、前記ピストン本体および前記スカート部がアルミニウム合金を母材として構成されている内燃機関用ピストンを用意する工程と、前記内燃機関用ピストンをその軸を中心に回転させながら、前記内燃機関用ピストンの前記スカート部の外表面に、エア噴射ノズルからエアを噴射しながら、パルスレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、前記パルスレーザ光を照射したスカート部の外表面に樹脂コートを形成する表面処理工程とを含み、前記レーザ光照射工程において、前記エア噴射ノズルの噴射方向を、前記内燃機関用ピストンの半径方向に対して、前記内燃機関用ピストンの回転方向に対向する向きにずらして、前記エア噴射ノズルからエアの噴射を行う。
【発明の効果】
【0009】
このような本発明によれば、従来の湿式脱脂法から乾式脱脂法へと変更でき、これにより、湿式脱脂法で必要であった大容量の水洗槽や脱脂槽を不要とし、かつ槽を加温するための熱エネルギーを不要にできるとともに、樹脂コートの密着強さを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
内燃機関用ピストンの一例を模式的に示す正面図である。
本発明に係る内燃機関用ピストンの製造方法の一実施の形態を説明するためのフロー図である。
本発明に係る内燃機関用ピストンの製造方法におけるレーザ光照射工程を行うレーザ光照射装置の一例を説明する模式図である。
図2に示すレーザ光照射工程での照射スポットの周方向の重なりを説明するための模式図である。
図2に示すレーザ光照射工程での照射スポットの長手方向の重なりを説明するための模式図である。
図2に示すレーザ光照射工程でのエア噴射ノズルの噴射方向(傾斜角度α)を説明する模式図である。
図2に示すレーザ光照射工程でのエア噴射ノズルの噴射方向(方向ずれ角度β)を説明する模式図である。
図2に示すレーザ光照射工程でのエア噴射ノズルの噴射方向(方向ずれ角度β)を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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