TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024171008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023087834
出願日2023-05-29
発明の名称船舶運転制御装置
出願人スズキ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B63H 25/02 20060101AFI20241204BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】船舶の自動運転中に自動運転動作に異常が発生し、船舶の運転方式が自動運転から手動運転に切り替わった後に乗員が手動操作部を操作したとき、船舶の速度が急変することを防止し、また、乗員が手動操作部の操作につき違和感を抱くことを防止する。
【解決手段】船舶運転制御装置は、船舶の自動運転中に自動運転制御ユニットの異常等が検知されたときに(S1~S3)、自動運転制御ユニットによる船外機の制御を解除し(S5)、その後、船外機を制御することにより船舶の推進力が零になるまで船舶の推進力を漸減させ(S6、S7)、その後、船外機を操作するための操作レバーの位置がニュートラル位置であるか否かを判断し(S9)、操作レバーの位置がニュートラル位置であることが判断された後に、手動運転制御部による船外機の制御を開始させ、操作レバーの手動操作による船外機の操作を可能にする(S10)。
【選択図】図5

特許請求の範囲【請求項1】
船舶の推進力を生成する船舶推進機、および前記船舶推進機を手動操作する手動操作部が設けられた前記船舶の運転を制御する船舶運転制御装置であって、
前記手動操作部の手動操作に応じて前記船舶推進機を制御する手動運転制御部と、
前記船舶推進機を前記手動操作部の手動操作によらずに自動的に制御する自動運転制御部と、
前記自動運転制御部の動作の異常を検知する異常検知部と、
前記船舶推進機が前記自動運転制御部により制御されているときに前記異常検知部により前記異常が検知された場合に前記船舶推進機の制御を前記自動運転制御部による制御から前記手動運転制御部による制御に切り替える運転方式切替部とを備え、
前記手動運転制御部は、前記手動操作部の位置がニュートラル位置であるときに、前記船舶の推進力が零となるように前記船舶推進機を制御し、前記手動操作部の位置が前記ニュートラル位置から一方向に移動したときに、前記船舶を前方へ押し動かす推進力が生成されるように前記船舶推進機を制御し、前記手動操作部の位置の前記ニュートラル位置からの一方向における移動量が大きくなるに従って前記船舶を前方へ押し動かす推進力が増加するように前記船舶推進機を制御し、
前記運転方式切替部は、
前記異常検知部により前記異常が検知された場合に前記自動運転制御部による前記船舶推進機の制御を解除する自動運転解除部と、
前記自動運転解除部が前記自動運転制御部による前記船舶推進機の制御を解除した後に、前記船舶推進機を制御することにより、前記船舶の推進力が零になるまで前記船舶の推進力を漸減させる推進力漸減制御部と、
前記推進力漸減制御部による前記船舶推進機の制御によって前記船舶の推進力が零になった後に、前記手動操作部の位置が前記ニュートラル位置であるか否かを判断する操作位置判断部と、
前記推進力漸減制御部による前記船舶推進機の制御によって前記船舶の推進力が零になってから前記操作位置判断部により前記手動操作部の位置が前記ニュートラル位置であることが判断されるまで前記船舶の推進力を零に維持し、前記操作位置判断部により前記手動操作部の位置が前記ニュートラル位置であることが判断された後に、前記手動運転制御部による前記船舶推進機の制御を開始させる手動運転開始部とを備えていることを特徴とする船舶運転制御装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記自動運転制御部は、前記船舶を一定の速度で直進させるために、または前記船舶を円滑に旋回させるために、前記船舶推進機を制御することにより前記船舶の推進力を変化させることを特徴とする請求項1に記載の船舶運転制御装置。
【請求項3】
前記船舶推進機は、
エンジンと、
スロットルバルブを開閉することにより燃焼用空気の前記エンジンへの流入量を調整するスロットル装置と、
前記エンジンの動力を前記船舶の推進力に変換するプロペラと、
前記エンジンの動力を前記プロペラに伝達するか否かを切り替えるシフト装置とを備え、
前記手動運転制御部は、前記手動操作部の位置が前記ニュートラル位置であるときに、前記スロットルバルブの開度がアイドリング開度となるように前記スロットル装置を制御し、かつ前記エンジンの動力が前記プロペラに伝達されないように前記シフト装置を制御し、前記手動操作部の位置が前記ニュートラル位置から一方向に移動したときに、前記スロットルバルブの開度が前記アイドリング開度よりも大きくなるように前記スロッル装置を制御し、かつ前記エンジンの動力が前記プロペラに伝達されるように前記シフト装置を制御し、前記手動操作部の位置の前記ニュートラル位置からの一方向における移動量が大きくなるに従って前記スロットルバルブの開度が増加するように前記スロットル装置を制御し、
前記自動運転制御部は、前記スロットルバルブの開度が前記アイドリング開度よりも大きく、かつ前記エンジンの動力が前記プロペラに伝達されるように前記シフト装置が切り替えられた状態で、前記スロットル装置を制御することにより前記スロットルバルブの開度を変化させ、
前記推進力漸減部は、前記自動運転解除部が前記自動運転制御部による前記船舶推進機の制御を解除した後に、前記スロットル装置を制御することにより前記スロットルバルブの開度が前記アイドリング開度となるまで前記スロットルバルブの開度を漸減させ、その後、前記シフト装置を制御することにより前記エンジンの動力が前記プロペラに伝達されないようにすることを特徴とする請求項1に記載の船舶運転制御装置。
【請求項4】
前記異常検知部は、前記自動運転制御部の異常、前記船舶推進機の異常、および前記自動運転制御部と前記船舶推進機との間の通信の異常のうちの少なくとも1つを前記自動運転制御部の動作の異常として検知することを特徴とする請求項1に記載の船舶運転制御装置。
【請求項5】
前記自動運転制御部は前記自動運転制御部の異常を示す異常情報を送信し、前記異常検知部は前記異常情報を受信することにより前記自動運転制御部の異常を検知することを特徴とする請求項4に記載の船舶運転制御装置。
【請求項6】
前記船舶には、複数の前記船舶推進機および複数の前記手動操作部が設けられ、
前記複数の手動操作部は前記複数の船舶推進機を手動操作するものであり、
前記手動運転制御部は、前記複数の手動操作部の手動操作に応じて前記複数の船舶推進機を制御し、
前記手動運転制御部は、前記複数の手動操作部の位置がすべてニュートラル位置であるときに、前記船舶の推進力が零となるように前記複数の船舶推進機を制御し、前記複数の手動操作部のうちの少なくとも1つの手動操作部の位置が前記ニュートラル位置から一方向に移動したときに、前記船舶を前方へ押し動かす推進力が生成されるように前記複数の船舶推進機のうちの少なくとも1つの船舶推進機を制御し、前記複数の手動操作部のうちの少なくとも1つの手動操作部の位置の前記ニュートラル位置からの一方向における移動量が大きくなるに従って前記船舶を前方へ押し動かす推進力が増加するように前記複数の船舶推進機のうちの少なくとも1つの船舶推進機を制御し、
前記自動運転制御部は、前記複数の船舶推進機を前記複数の手動操作部のうちのいずれの手動操作部の手動操作にもよらずに自動的に制御し、
前記運動方式切替部は、前記複数の船舶推進機が前記自動運転制御部により制御されているときに前記異常検知部により前記異常が検知された場合に前記複数の船舶推進機の制御を前記自動運転制御部による制御から前記手動運転制御部による制御に切り替え、
前記自動運転解除部は、前記異常検知部により前記異常が検知された場合に前記自動運転制御部による前記複数の船舶推進機の制御を解除し、
前記推進力漸減制御部は、前記自動運転解除部が前記自動運転制御部による前記複数の船舶推進機の制御を解除した後に、前記複数の船舶推進機を制御することにより、前記船舶の推進力が零になるまで前記船舶の推進力を漸減させ、
前記操作位置判断部は、前記推進力漸減制御部による前記複数の船舶推進機の制御によって前記船舶の推進力が零になった後に、前記複数の手動操作部の位置がすべて前記ニュートラル位置であるか否かを判断し、
前記手動運転開始部は、前記推進力漸減制御部による前記複数の船舶推進機の制御によって前記船舶の推進力が零になってから前記操作位置判断部により前記複数の手動操作部の位置がすべて前記ニュートラル位置であることが判断されるまで前記船舶の推進力を零に維持し、前記操作位置判断部により前記複数の手動操作部の位置がすべて前記ニュートラル位置であることが判断された後に、前記手動運転制御部による前記複数の船舶推進機の制御を開始させることを特徴とする請求項1に記載の船舶運転制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の運転を制御する船舶運転制御装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
船舶には、船舶を推進させる船舶推進機、および船舶推進機を操作する推進用の操作装置が設けられる。船舶推進機には、船外機、船内外機、および船内機がある。推進用の操作装置には、船舶推進機を遠隔操作するためのリモートコントロール装置(以下、「リモコン装置」という。)がある。リモコン装置によれば、乗員は船舶上において船舶推進機から離れた場所から船舶推進機を操作することができる。
【0003】
リモコン装置は操作レバーを備えている。乗員は操作レバーを前後方向に傾ける操作をすることにより、船舶を前進させ、または後進させることができる。具体的には、操作レバーの位置がニュートラル位置であるとき、船舶推進機は船舶の推進力を零にする。一般的なリモコン装置においては、操作レバーが垂直に立ち上がった状態が、操作レバーがニュートラル位置にある状態である。また、操作レバーが垂直に対して前方に傾いたとき、船舶推進機により船舶を前方へ押し動かす推進力が生成される。これにより船舶は前進する。また、操作レバーの垂直に対する前方への傾斜角が大きくなるに従って、船舶推進機により生成される推進力が大きくなる。その結果、船舶の前進速度が増加する。また、操作レバーが垂直に対して後方に傾いたとき、船舶推進機により船舶を後方へ押し動かす推進力が生成される。これにより船舶は後進する。また、操作レバーの垂直に対する後方への傾斜角が大きくなるに従って、船舶推進機により生成される推進力が大きくなる。その結果、船舶の後進速度が増加する。
【0004】
また、船舶には、船舶の進行方向を変える操舵装置、および操舵装置を操作する操舵用の操作装置が設けられる。船舶推進機が船外機である場合、操舵装置は、船外機の船舶に対する水平方向における向きを変えるアクチュエータである。船舶推進機が船内外機である場合、操舵装置は、船内外機においてプロペラが設けられた駆動系部分の船舶に対する水平方向における向きを変えるアクチュエータである。船舶推進機が船内機である場合、操舵装置は舵を動かすアクチュエータである。操舵用の操作装置は例えばハンドルである。
【0005】
上記リモコン装置およびハンドルはいずれも乗員が船舶を手動運転するための操作装置であるが、現在においては、船舶を自動運転するための自動運転装置が普及している。自動運転装置は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)および海図データ等に基づいて船舶の現在位置を認識する機能を有している。また、自動運転装置は、乗員により設定された経路に沿って船舶を自動的に航行させる機能を有している。
【0006】
自動運転装置による船舶の自動運転を開始させるに当たり、まず、乗員は、船舶の現在位置から目的地までの経路を設定し、自動運転を開始する指示を入力する。次に、乗員は、リモコン装置の操作レバーを垂直に対して前方に傾け、船舶の前進速度が所望の速度となるように、操作レバーの傾斜角を調整する。自動運転装置は、船舶の前進速度が安定したところで、自動運転を開始する。自動運転中、乗員は、船舶の航行状態および船舶の周囲の状況が安全であり、かつ船舶または船舶に設けられた装置が正常に動作している場合には、基本的に、リモコン装置およびハンドルを操作しなくてもよい。
【0007】
自動運転装置は、自動運転中、操舵装置を制御し、船舶が設定された経路上を進むように、船舶の自動操舵を行う。また、自動運転装置の中には、自動運転中、船舶推進機を制御し、設定された経路上を直進する船舶の速度を自動的に一定に保つ機能を有しているものがある。さらに、自動運転装置の中には、自動運転中、設定された経路上の変針位置で船舶を自動的に旋回させるときに、船舶の旋回中のオーバーシュートを抑えるために、船舶推進機を制御し、船舶の速度を自動的に増減させる機能を有しているものがある。例えば、自動運転装置は、船舶の旋回中のオーバーシュートを抑えるために、旋回の直前および旋回中には、船舶の速度を自動的に減少させ、旋回を終えた後には、船舶の速度を直進時の速度に復帰させるために、船舶の速度を増加させる。
【0008】
実用新案登録第3201225号公報(特許文献1)には、GPSコンパス、電子海図システムにより船舶の現在位置情報、誘導経路情報、停船保持位置情報に基づいて船舶を予め定めた設定針路に誘導制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
実用新案登録第3201225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、自動運転中に、自動運転装置の動作に異常が発生した場合には、乗員の安全等を確保するために、船舶の運転方式を自動運転から手動運転に切り替える。この運転方式の切替に関し、次のような問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

スズキ株式会社
熱交換器
1か月前
スズキ株式会社
ダンパ装置
15日前
スズキ株式会社
車両用変速機
1か月前
スズキ株式会社
車両後部構造
22日前
スズキ株式会社
車両後部構造
22日前
スズキ株式会社
車両後部構造
22日前
スズキ株式会社
車両用変速機
1か月前
スズキ株式会社
車両の制御装置
1か月前
スズキ株式会社
車両の制御装置
23日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
15日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
1か月前
スズキ株式会社
車両の制御装置
9日前
スズキ株式会社
アンダーカウル
1か月前
スズキ株式会社
車両の制御装置
9日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
1か月前
スズキ株式会社
車両の制御装置
1か月前
スズキ株式会社
車両用制御装置
1か月前
スズキ株式会社
船舶運転制御装置
3日前
スズキ株式会社
触媒暖機システム
2日前
スズキ株式会社
湿式クラッチ構造
1か月前
スズキ株式会社
湿式クラッチ構造
1か月前
スズキ株式会社
シート移動システム
1か月前
スズキ株式会社
車両用撮影システム
1か月前
スズキ株式会社
車載カメラ設置構造
2日前
スズキ株式会社
エンジンの潤滑装置
1か月前
スズキ株式会社
車両の運転支援装置
1か月前
スズキ株式会社
車両の運転支援装置
1か月前
スズキ株式会社
車両用衝突検知装置
3日前
スズキ株式会社
車両用空調制御装置
2日前
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
1か月前
スズキ株式会社
回転電機の冷却構造
15日前
スズキ株式会社
気体燃料供給システム
1か月前
スズキ株式会社
船舶推進制御システム
2日前
スズキ株式会社
車両用アンダーカバー
2日前
スズキ株式会社
ブレーキ負圧制御装置
9日前
スズキ株式会社
エンジン制御システム
16日前
続きを見る