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公開番号2025019511
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123154
出願日2023-07-28
発明の名称車両用空調装置および車両上部構造
出願人スズキ株式会社,株式会社ヴァレオジャパン
代理人個人,個人
主分類B60H 1/00 20060101AFI20250131BHJP(車両一般)
要約【課題】車両の上部に取り付けられた場合でもレジスタの放熱量を維持し、温度ヒューズが意図せずに溶断して使用不能となることを回避することができる車両用空調装置、およびその車両用空調装置が配置された車両上部構造を提供する。
【解決手段】車両用空調装置106は、車両102のルーフパネル104の車室側に配置されている。空調装置は、装置外面を構成し所定の収容空間122を区画する壁部116と、壁部に設けられた挿通孔124と、挿通孔から挿通され収容空間に収容され空調装置の出力を調整する出力調整部130と、出力調整部に連結され挿通孔を外部から覆うブラケット132とを有し、出力調整部は、溶断温度に到達したときに溶断することで電気的通電を遮断する溶断材料で形成された温度ヒューズ134を含み、ブラケットは、壁部との間に所定の第1隙間140を介して挿通孔を覆い、これにより収容空間と壁部の外部とを連通している。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車両(102)のルーフパネル(104)の車室側に配置される車両用空調装置(106)であって、
装置外面を構成し所定の収容空間(122)を区画する壁部(116)と、
前記壁部(116)に設けられた挿通孔(124)と、
前記挿通孔(124)から挿通され前記収容空間(122)に収容されていて前記空調装置(106)の出力を調整する出力調整部(130)と、
前記出力調整部(130)に連結されていて前記挿通孔(124)を外部から覆っているブラケット(132)と、を有し、
前記出力調整部(130)は、溶断温度に到達したときに溶断することで電気的通電を遮断する溶断材料で形成された温度ヒューズ(134)を含み、
前記ブラケット(132)は、前記壁部(116)との間に所定の第1隙間(140)を介して前記挿通孔(124)を覆っていて、これにより前記収容空間(122)と前記壁部(116)の外部とを連通していることを特徴とする車両用空調装置(106)。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記出力調整部(130)は、前記温度ヒューズ(134)が露出して配置された平面部(170)を有し、その平面部の表裏が上下を向く姿勢で配置されていて、該平面部(170)の上面と前記挿通孔の上縁(172)との間の所定の第2隙間(174)を介して前記挿通孔(124)に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置(106)。
【請求項3】
前記出力調整部の平面部(170)は、前記挿通孔(124)に近づくほど下方に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置(106)。
【請求項4】
前記挿通孔(124)の両側で前記ブラケット(132)と前記壁部との間に介在する一対の部位を有し、該部位によって前記第1隙間(140)が保たれていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置(106)。
【請求項5】
前記一対の部位の各々は、所定の連結治具によって前記壁部(116)に連結された連結部(162a、162b)と、該連結部から上下方向に延びる延長部(164a、164b)とを含むことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置(106)。
【請求項6】
前記ブラケット(132)に接続されたハーネス(148)を有し、
前記ハーネス(148)は、前記第1隙間(140)の上方に配索されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置(106)。
【請求項7】
車両(102)のルーフパネル(104)と、該ルーフパネル(104)の車室側に配置された請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用空調装置(106)とを備えることを特徴とする車両上部構造(100)。
【請求項8】
前記ルーフパネル(104)は、前記第1隙間(140)の上方に傾斜部(176a、176b)を有し、
前記傾斜部の下端(178a、178b)は、前記第1隙間(140)から離れた位置にあることを特徴とする請求項7に記載の車両上部構造(100)。
【請求項9】
前記車両用空調装置(106)は、前記ルーフパネル(104)を支えるピラー(108)の上部(110)の車幅方向内側に配置されていて、
前記出力調整部(130)は、前記ピラー(108)の内部空間(112)と連通していることを特徴とする請求項7または8に記載の車両上部構造(100)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置、およびその車両用空調装置が配置された車両の車両上部構造に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車などの車両上部構造では、ルーフパネルの車室側に空調装置(車両用空調装置)が配置されている場合がある。特許文献1には、車室内の上部に空調装置が取り付けられた車両上部構造に関する技術が示されている。ここで空調装置は、アッパーケース、ロアケース、これらケースの内部に配置されるクロスフローファン、クロスフローファンを駆動するモータ、およびレジスタ等を備えている。
【0003】
特許文献2には、車両用空調装置の送風機に用いられるレジスタに関する技術が示されている。ここでレジスタは、アルミ板等で形成された放熱板、絶縁体を介して放熱板に挟まれるもので電気抵抗となる抵抗体、および温度ヒューズ等を備えている。
【0004】
レジスタに設けられた複数の抵抗体のうち、通電する抵抗体を選択することで回路を流れる電流の量を変更することができる。特許文献2のレジスタを特許文献1の空調装置に適用することで、モータへの通電量を変更してファンの回転数を調整し、所望する風量の調和空気を車室内に供給することができる。
【0005】
一方、温度ヒューズは、温度が所定値を超えると溶断する溶断材料を備えた過熱保護素子である。電気機器の故障や内部回路のショートなどにより意図しない量の電流が流れると、抵抗体から過度の熱が発生する。抵抗体で発生した熱は放熱板から放出され、温度ヒューズの溶断材料の温度を上昇し、溶断材料の溶断温度に達すると溶断して、電気回路を遮断する。これにより電気回路の通電が停止され、抵抗体への通電の停止に伴って発熱も停止されて、製品の安全を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平3-139417号公報
特開平9-245607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車室内の上部に取り付けられる空調装置は乗員空間の上方に位置するため、高温となりやすい。また空調装置は、ルーフパネルの近傍に位置する。ルーフパネルは、日射や夏季には高温の車両外気によって暖められ、車室内側に熱が伝わりやすい。このため空調装置のレジスタは、放熱板および温度ヒューズの温度が上昇しやすく、レジスタに流れる電流が適正な量のときに温度ヒューズの溶断が発生しないよう、配慮することが望まれる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、車両の上部に取り付けられた場合でもレジスタの放熱量を維持し、温度ヒューズが意図せずに溶断して使用不能となることを回避することができる車両用空調装置、およびその車両用空調装置が配置された車両上部構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両用空調装置の代表的な構成は、車両(102)のルーフパネル(104)の車室側に配置される車両用空調装置(106)であって、装置外面を構成し所定の収容空間(122)を区画する壁部(116)と、壁部(116)に設けられた挿通孔(124)と、挿通孔(124)から挿通され収容空間(122)に収容されていて空調装置(106)の出力を調整する出力調整部(130)と、出力調整部(130)に連結されていて挿通孔(124)を外部から覆っているブラケット(132)と、を有し、出力調整部は、溶断温度に到達したときに溶断することで電気的通電を遮断する溶断材料で形成された温度ヒューズ(134)を含み、ブラケット(132)は、壁部(116)との間に所定の第1隙間(140)を介して挿通孔(124)を覆っていて、これにより収容空間(122)と壁部(116)の外部とを連通していることを特徴とする。
【0010】
また上記課題を解決するために、本発明にかかる車両上部構造の代表的な構成は、車両(102)のルーフパネル(104)と、ルーフパネル(104)の車室側に配置された本発明にかかる車両用空調装置(106)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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