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公開番号
2025011605
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113815
出願日
2023-07-11
発明の名称
犠牲陽極構造体並びに犠牲陽極の消耗状態判別システムおよび消耗状態判別方法
出願人
日本防蝕工業株式会社
代理人
個人
主分類
C23F
13/22 20060101AFI20250117BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】犠牲陽極の消耗状態をより正確に判別できるようにする。
【解決手段】犠牲陽極11と、犠牲陽極11の内部に胴体の少なくとも一部が埋設される中空の容器であって、胴体の所定の位置に開けられた貫通孔21以外の他の箇所からは浸水しないように構成された防水容器14と、防水容器14の内部に配置された浸水センサ15とを備え、犠牲陽極11の内部に埋設される位置であって、犠牲陽極11の消耗量が所望の量に達したときに犠牲陽極11の溶解面から露出し始める位置に貫通孔21を設ける。これにより、犠牲陽極11の消耗量が所望の量に達した時点で貫通孔21から防水容器14の内部への浸水が生じるようにし、浸水したことを浸水センサ15により検知することで、犠牲陽極11の消耗量が所望の量に達したことを把握することができるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
防食対象鋼材に取り付けられる犠牲陽極構造体であって、
犠牲陽極と、
前記犠牲陽極の内部に胴体の少なくとも一部が埋設される中空の容器であって、前記胴体の所定の位置に設けられた貫通孔以外の他の箇所からは浸水しないように構成された防水容器と、
前記防水容器の内部に配置された浸水センサとを備え、
前記貫通孔は、前記犠牲陽極の内部に埋設される位置であって、前記犠牲陽極の消耗量が所望の量に達したときに前記犠牲陽極の溶解面から露出し始める位置に設けられている
ことを特徴とする犠牲陽極構造体。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記浸水センサは、一端が測定装置に電気的に接続されたケーブルであり、他端が開放された状態で前記防水容器の内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項3】
前記浸水センサとしての前記ケーブルは2芯ケーブルであり、第1芯線および第2芯線のそれぞれの一端が前記測定装置に電気的に接続され、前記第1芯線および前記第2芯線のそれぞれの他端の間が非導通となるよう開放された状態で前記防水容器の内部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項4】
前記犠牲陽極の内部に埋設された前記貫通孔の位置が異なる複数の前記防水容器と、
前記犠牲陽極の内部に埋設された導電性柱状体と、
前記導電性柱状体と前記測定装置とを電気的に接続するケーブルとを備え、
前記複数の防水容器に配置される前記浸水センサとしての前記ケーブルは1芯ケーブルであり、その一端が前記測定装置に電気的に接続されるとともに、他端が開放された状態で前記防水容器の内部に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項5】
前記貫通孔の位置が異なる複数の前記防水容器を備えたことを特徴とする請求項2に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項6】
前記浸水センサとしての前記ケーブルは3芯以上のケーブルであり、2つの芯線は前記犠牲陽極の防食電流測定用、他の芯線は前記犠牲陽極の消耗検知用であり、
各芯線の一端が前記測定装置に電気的に接続される一方、前記防食電流測定用の2つの芯線のそれぞれの他端は、前記犠牲陽極から発生する防食電流が前記犠牲陽極まで戻ってくる回路上のシャント抵抗の両端に電気的に接続され、前記消耗検知用の芯線の他端は開放された状態で前記防水容器の内部に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項7】
前記回路は、前記防食対象鋼材と導通状態で接続された導通路および前記防水容器の内部に設けられた配線を用いて構成される
ことを特徴とする請求項6に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項8】
前記防水容器は、前記配線が設けられた第1空間と、前記配線が設けられず前記貫通孔が設けられた第2空間とを有し、
前記第2空間は前記第1空間よりも前記犠牲陽極の深部寄りに配置され、前記第1空間と前記第2空間との間は互いに浸水しない構成とされ、
前記浸水センサとしての前記ケーブルは4芯以上のケーブルであり、2つの芯線は前記犠牲陽極の防食電流測定用、他の芯線は前記犠牲陽極の消耗検知用および浸水検知用であり、
各芯線の一端が前記測定装置に電気的に接続される一方、前記防食電流測定用の2つの芯線のそれぞれの他端は、前記犠牲陽極から発生する防食電流が前記犠牲陽極まで戻ってくる回路上のシャント抵抗の両端に電気的に接続され、前記消耗検知用の芯線の他端は開放された状態で前記第2空間の内部に配置され、前記浸水検知用の芯線の他端は開放された状態で前記第1空間の内部に配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載の犠牲陽極構造体。
【請求項9】
請求項2~5の何れか1項に記載の犠牲陽極構造体と、
前記ケーブルの他端に生じる電位差または抵抗を測定するための前記測定装置とを備え、
前記測定装置は、前記電位差または抵抗の値の変化により前記犠牲陽極の消耗状態を判別する消耗状態判別部を備えた
ことを特徴とする犠牲陽極の消耗状態判別システム。
【請求項10】
請求項6に記載の犠牲陽極構造体と、
前記ケーブルの他端に生じる電位差または抵抗を測定するための前記測定装置とを備え、
前記測定装置は、
前記防食電流測定用のシャント抵抗の両端に生じる前記電位差を2つの芯線の他端で検出し、前記防食電流を測定する防食電流測定部と、
前記消耗検知用の芯線の他端に生じる前記電位差または抵抗の値の変化により前記犠牲陽極の消耗状態を判別する消耗状態判別部とを備えた
ことを特徴とする犠牲陽極の消耗状態判別システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、犠牲陽極構造体並びに犠牲陽極の消耗状態判別システムおよび消耗状態判別方法に関し、特に、鋼管杭または鋼矢板等の港湾鋼構造物または河川構造物等において、水中または土中に設置された防食対象鋼材の腐食を防止するために設けられる犠牲陽極構造体、並びに犠牲陽極の消耗状態を判別するシステムおよび方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、桟橋または護岸等の港湾施設の基礎部を構成する鋼管杭または鋼矢板等の防食対象鋼材が、海水、河川水または土壌中で腐食することを防止する方法として、防食対象鋼材よりもイオン化傾向の大きいAl、Zn、Mgを各々主成分とした犠牲陽極(流電陽極ともいう)を用いた電気防食法が広く用いられている。犠牲陽極の中には、犠牲陽極の内部を貫通する芯金によって支持され、防食対象鋼材に取り付けられているタイプがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
犠牲陽極を用いた電気防食法の実施に際しては、設計したとおりの防食電流を犠牲陽極が発生しているか否かを監視し、犠牲陽極の消耗状態を定期的に把握するとともに、防食対象鋼材の電位と犠牲陽極の寿命を把握しておく必要がある。犠牲陽極の消耗は、理論的には、ファラデーの法則に従って発生電流と時間との積(電気量)に比例するため、犠牲陽極が発生する電流を経時的に測定しておくことにより、犠牲陽極の消耗量を推定することができる。
【0004】
犠牲陽極の寿命を予測するための従来技術として、例えば特許文献3に記載の技術が知られている。この特許文献3に記載の寿命予測装置は、犠牲陽極であるMg陽極に結ぶMg陽極端子と、埋設管に結ぶ埋設管端子と、Mg陽極から埋設管に流れる電流を定期的にモニタリングし、この電流値とあらかじめ入力された測定対象となっているMg陽極の電気量とから残存電気量を演算する演算回路とを備える。
【0005】
特許文献3に記載の寿命予測装置によれば、Mg陽極から埋設管に対してその電位差に基づいて常時流出する防食電流の値を演算回路が定期的にモニタリングしており、この値と、あらかじめ入力されている対象となるMg陽極の電気量とから、現在までの消耗量を演算するとともに、Mg陽極の消耗度および寿命を知ることができるとされている。
【0006】
また、犠牲陽極の消耗量を監視するための従来技術として、例えば特許文献4に記載の技術が知られている。この特許文献4に記載の電気防食監視システムでは、電気防食された水中金属構造物に対し、当該水中金属構造物と同種の金属で作成されたセンシング電極を取り付け、当該センシング電極と水中金属構造物とを絶縁被覆されたリードワイヤにより無抵抗電流計測器を介して接続することによって電気防食電流モニターを構成する。そして、電気防食電流モニターを水中金属構造物に複数個配設し、各モニターの電流データを集約し監視する。
【0007】
特許文献4に記載の電気防食監視システムによれば、銀塩化銀電極や飽和カロメル電極などの照合電極を用いて、水中の金属構造体の電位を測定する従来方法と異なり、防食電流を直接測定することによって、電気防食状態にある水中金属構造体の安全性および長期耐久性の向上を効率よくかつ効果的に図ることができ、また、水中金属構造体の防食状況あるいは犠牲陽極の消耗状態を無人で遠隔的に監視することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平5-171477号公報
特開平7-316851号公報
特開平6-294770号公報
特開平8-283969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3,4に示される従来技術において、犠牲陽極の消耗量が当初の設計値とほぼ一致している場合は問題ない。しかしながら、長期間防食を行っている間には、水温、水質汚染度、水の抵抗率等といった構造物を取り巻く環境の変化、構造物に施された塗膜の予想を超える劣化、他の構造物との接続等による構造物自体の構造変化などの要因が設計当初の予想を超えて変化し、その変化が犠牲陽極の寿命に影響を与えることがある。そのため、特許文献3,4に示される従来技術では、犠牲陽極の消耗状態を正確に判別することができない。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、犠牲陽極の消耗状態をより正確に判別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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