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公開番号2025011041
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2024101766
出願日2024-06-25
発明の名称電子ドナー型光電変換材料、それを用いた光電変換素子、光センサおよび表示装置
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H10K 30/60 20230101AFI20250116BHJP()
要約【課題】緑色光領域に感度を有し、かつ耐熱性が高く、光電変換層においてp型半導体としての利用が可能な光電変換材料を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造を有する電子ドナー型光電変換材料。
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R¹およびR²は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基および隣接基との間の環構造からなる群より選ばれる。
X¹およびX²は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。
R³およびR⁴は、それぞれ独立に、特定の一般式で表される基である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記一般式（１）で表される構造を有する電子ドナー型光電変換材料。
TIFF
2025011041000042.tif
48
149
（上記一般式（１）中、Ｒ
１
およびＲ
２
は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基および隣接基との間の環構造からなる群より選ばれる。
Ｘ
１
およびＸ
２
は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。
Ｒ
３
およびＲ
４
は、それぞれ独立に、下記一般式（２）で表される基である。
TIFF
2025011041000043.tif
48
149
上記一般式（２）中、＊＊＊は、炭素原子との結合部を示す。
Ｒ
５
～Ｒ
１１
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、シリル基、および隣接基との間の環構造からなる群より選ばれる。これらの基はさらに置換基を有していても良い。
）
続きを表示（約 810 文字）【請求項２】
前記一般式（２）において、Ｒ
５
およびＲ
１１
の少なくとも一方が水素原子である、請求項1に記載の電子ドナー型光電変換材料。
【請求項３】
前記一般式（１）において、Ｒ
１
およびＲ
２
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基および隣接基との間の環構造からなる群より選ばれる、請求項１記載の電子ドナー型光電変換材料。
【請求項４】
陽極と陰極の間に光電変換層が存在し、光を電気エネルギーに変換する光電変換素子であって、前記光電変換層が請求項１～３のいずれかに記載の電子ドナー型光電変換材料を含有する光電変換素子。
【請求項５】
前記光電変換層がさらに電子アクセプター型光電変換材料を含有する、請求項４に記載の光電変換素子。
【請求項６】
請求項４に記載の光電変換素子を有する、光センサ。
【請求項７】
請求項６に記載の光センサと有機発光素子とを有し、前記有機発光素子の光を利用して生体情報を検知する機能を有する、表示装置。
【請求項８】
前記生体情報が指紋情報である、請求項７に記載の表示装置。
【請求項９】
前記生体情報が静脈情報である、請求項７に記載の表示装置。
【請求項１０】
下記式（３）で表される構造を有する化合物。
TIFF
2025011041000044.tif
82
158
（式（３）中、Ｒ
１２
～Ｒ
２１
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選ばれる。）

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子ドナー型光電変換材料、それを用いた光電変換素子、光センサおよび表示装置に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、ＩｏＴ（ＩｎｔｅｒｎｅｔｏｆＴｈｉｎｇｓ）やビッグデータが注目を集めており、それを支える様々なデータを取得するセンシング技術の重要度が増している。センシング技術には様々な方式が存在するが、中でも、光センシングは、対象波長を選択することによりセンシング対象を変更することができるなど、多様な用途展開が可能であり、有用性が高いセンシング技術である。
【０００３】
光センサは、一般に、光を電気エネルギーに変換する光電変換素子と発光素子とを独立に備え、発光素子からの光を対象物に照射し、対象物を透過もしくは反射した光を光電変換素子で受光してセンシングする。このような光センサは、例えば、緑色光や赤色光、近赤外光を用いることにより、指紋や静脈の形状、血中酸素濃度などの生体情報を取得することが可能である。さらに、基板や発光素子、受光素子を主に有機物で形成することにより、薄型でフレキシブルなデバイスを構成することが可能である（例えば、非特許文献１参照）。
【０００４】
一般に、有機太陽電池をはじめとする光電変換素子に用いられる光電変換材料として、ジケトピロロピロール系化合物が検討されている（例えば、特許文献１～４参照）。ジケトピロロピロール系化合物は置換基を選択することにより吸収波長領域を所望の範囲に設計することができる特長がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００５】
「サイエンスアドバンシズ（ＳｃｉｅｎｃｅＡｄｖａｎｃｅｓ）」、２０１６年、２巻、ｅ１５０１８５６頁
【特許文献】
【０００６】
国際公開２０１４／０５０７６４号
特開２００８－１６６３３９号公報
特開２０１０－１９２７８２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
近年、ディスプレイの大画面化のため、画面の縁（ベゼル）を小さくするベゼルレス化が進んでいる。ディスプレイのベゼルレス化に伴い、画面内にセンシング素子を設けることができ、発光素子から放射される青色光、緑色光、赤色光のうち特に緑色光を選択的に吸収し、青色光と赤色光は吸収しにくい光電変換材料が求められている。
【０００８】
しかしながら、特許文献１～３に記載されているジケトピロロピロール系化合物は低分子化合物として真空蒸着法によって有機デバイスを作製しているものの、光電変換層を構成する上で、電子供与の働きをするｐ型半導体としての利用や緑色光を選択的に吸収し光電変換効果を示す検討が十分になされておらず、また、蒸着時の熱安定性が低い課題があった。
【０００９】
そこで、本発明は、緑色光領域に感度を有し、かつ耐熱性が高く、光電変換層においてｐ型半導体としての利用が可能な光電変換材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、以下の構成をとる。
［１］下記一般式（１）で表される構造を有する電子ドナー型光電変換材料。
（【００１１】以降は省略されています）

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