TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025017392
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023120372
出願日
2023-07-25
発明の名称
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および成形品
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C08L
81/02 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】
成形品とする際に流動性に優れ、バリが発生しにくく金型汚れが少ないポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得ること。
【解決手段】
非ニュートン指数が1.5以上2.5以下、カルボキシル基含有量が35μmol/g以上100μmol/g以下、環状体量が0.5重量%以上2.0重量%以下、および315.5℃、5000g荷重の条件下で測定したメルトフローレートが5g/10分以上300g/10分以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対し、フィラーを1~200重量部、および少なくとも一つの官能基を有するアルコキシシランを0.1~10重量部を配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
非ニュートン指数が1.5以上2.5以下、カルボキシル基含有量が35μmol/g以上100μmol/g以下、環状体量が0.5重量%以上2.0重量%以下、および315.5℃、5000g荷重の条件下で測定したメルトフローレートが5g/10分以上300g/10分以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対し、フィラーが1~200重量部、および少なくとも一つの官能基を有するアルコキシシランを0.1~10重量部を配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
続きを表示(約 380 文字)
【請求項2】
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が5.5以上15.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量が60,000以上150,000以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の、示差走査熱量計(DSC)にて降温速度20℃/minで測定した降温結晶化温度(Tmc)が190℃以上230℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品とする際に、流動性に優れ、バリが発生しにくいポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略記することがある)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略記することがある)は、優れた耐熱性、ガスバリア性、成形性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有しており、射出成形、押出成形用途を中心として各種電気・電子部品、機械部品、自動車部品、フィルム、繊維などに使用されている。PASはその優れた特性ゆえに、近年使用される用途が広がっている。これら用途に使用されるPASは優れた機械的物性のために高分子量PASであることが求められている。また、成形性の観点から流動性とバリの抑制の両立が、フィラーとの接着性・添加剤との反応性の観点から高い官能基含有量が、金型汚れや金型ベント詰まりを低減する観点から低い環状体量を兼ね備えたPASが強く求められてきた。
【0003】
特許文献1では分岐剤をもちいて高分子量化することで高い強度を実現したPAS樹脂組成物が報告されている。特許文献1に記載されている通り、N-メチル-2-ピロリドンなどの有機アミド溶媒中で、硫化ナトリウムなどのスルフィド化剤とp-ジクロロベンゼンなどのジハロゲン化芳香族化合物、分岐剤としてトリクロロベンゼンなどのポリハロゲン化合物とを反応させて得られたPASからなる樹脂組成物が報告されている。また、特許文献2では溶融流動性が良く、金型汚れ低減が可能なPAS樹脂が、特許文献3ではバリ抑制のために高分岐PAS微粒子を直鎖状PASに添加する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平02-045532号広報
国際公開第2021/200332号
特開2016-108488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、樹脂組成物を得る際、フィラーとの接着性の低さ、添加剤との反応性の低さからその強度が不十分であり、また、成形時におけるバリの抑制効果は低い。また、特許文献2に記載の方法では流動性が良好なために成形材料が金型の隙間に流れ出て固化するためバリが発生しやすい。バリの抑制のために高分岐PAS微粒子を樹脂組成物に添加する特許文献3に記載の方法では、得られた成形品について接着性・反応性は改善しないことから、十分な強度・靭性が得られない。また、成形時における金型汚れの改善効果も得られない。
【0006】
このように、特許文献1~3に記載されたPAS樹脂および樹脂組成物は、成形時における流動性、バリの抑制、および金型汚れの低減といった種々の課題を同時に解決することはできていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、非ニュートン指数が特定の範囲であるポリアリーレンスルフィド樹脂に対し、フィラー、および特定のアルコキシシランを配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が、成形時の流動性に優れ、バリの抑制、および金型汚れの低減効果に優れることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.非ニュートン指数が1.5以上2.5以下、カルボキシル基含有量が35μmol/g以上100μmol/g以下、環状体量が0.5重量%以上2.0重量%以下、および315.5℃、5000g荷重の条件下で測定したメルトフローレートが5g/10分以上300g/10分以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対し、フィラーを1~200重量部、および少なくとも一つの官能基を有するアルコキシシランを0.1~10重量部を配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
2.前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が5.5以上15.0以下であることを特徴とする1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
3.前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量が60,000以上150,000以下であることを特徴とする1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
4.前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の、示差走査熱量計(DSC)にて降温速度20℃/minで測定した降温結晶化温度(Tmc)が190℃以上230℃以下であることを特徴とする1から3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
5.1~4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、成形品とする際に流動性に優れ、バリが発生しにくく金型汚れが少ないPAS樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る