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公開番号2025010591
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-22
出願番号2024184736,2022070259
出願日2024-10-21,2016-12-22
発明の名称細胞および組織への遺伝子編集タンパク質および組成物の、ベクターなしでの送達
出願人アヴェクタス リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/87 20060101AFI20250115BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ベクターなしで、細胞の形質膜を通過して遺伝子編集組成物を送達するための方法を提供する。
【解決手段】細胞集団を提供する段階;および細胞集団を、遺伝子編集組成物と少なくとも約2%の濃度のアルコールとを含む、ある体積の水溶液と接触させる段階を含み、体積は、(i)細胞集団の露出表面積または(ii)細胞集団における細胞数の関数である、細胞の形質膜を通過して遺伝子編集組成物を送達するための方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
細胞の形質膜を通過して遺伝子編集組成物を送達するための方法であって、
細胞集団を提供する段階;および
該細胞集団を、該遺伝子編集組成物と少なくとも約2%の濃度のアルコールとを含む、ある体積の水溶液と接触させる段階を含み、
該体積は、(i)該細胞集団の露出表面積または(ii)該細胞集団における細胞数の関数である、
前記方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記水溶液が、
(a)約5%~約50%;
(b)少なくとも約5%で、かつ約50、40、30、20、19、18、17、16、もしくは15%未満;または
(c)少なくとも約2.5、3、3.5、4、4.5、もしくは5%
の濃度のアルコールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
遺伝子編集組成物が、
(a)遺伝子編集タンパク質;
(b)RNA分子;および/または
(c)リボ核タンパク質(RNP)
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
遺伝子編集組成物が遺伝子編集タンパク質を含み、該遺伝子編集タンパク質が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、MegaTAL、Casタンパク質、Creリコンビナーゼ、Hinリコンビナーゼ、またはFlpリコンビナーゼである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
遺伝子編集組成物がRNA分子を含み、該RNA分子が、sgRNA、crRNA、および/またはtracrRNAを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
遺伝子編集組成物がRNPを含み、該RNPが、Casタンパク質と、gRNAまたはcrRNAおよびtracrRNAとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
遺伝子編集組成物が、細胞集団またはその後代細胞において、
(a)該細胞集団を前記水溶液と接触させた後、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、24、48、60、72、0.5~2、0.5~6、6~12もしくは0.5~72時間、または
(b)該細胞集団を前記水溶液と接触させた後、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、24、48、60、72、0.5~2、0.5~6、6~12もしくは0.5~72時間未満、
検出可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
細胞集団またはその後代細胞における細胞ゲノムが、Creリコンビナーゼ、Hinリコンビナーゼ、またはFLPリコンビナーゼのための少なくとも1つの部位特異的組換え部位を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
細胞集団における細胞またはその後代細胞が、sgRNA、crRNA、および/またはtracrRNAを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
細胞集団またはその後代細胞が、sgRNA、crRNA、および/またはtracrRNAを発現する、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2015年12月30日に出願された米国仮特許出願第62/273,284号の優先権の恩典を主張する。
続きを表示(約 3,600 文字)【0002】
技術分野
本明細書記載の主題は、細胞および組織への遺伝子編集化合物および複合体の、ベクターなしでの送達に関する。
【0003】
参照による配列表の組入れ
2016年12月22日に作成された、サイズが64.2KBの「48831_506001WO_ST25.txt」という名称のテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0004】
背景
CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)-Casゲノム操作システム(以下「CRISPR-Casシステム」)は、研究者が細胞内部のゲノムDNAを改変することを可能にする。このシステムには3種の成分が必要であり、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)に由来し得るCas9は、CRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)と複合体化してRGEN(RNA-guided endonuclease)を形成するエンドヌクレアーゼである。これらのRGENは、細胞内の染色体DNAを切断し、部位特異的二本鎖切断(DSB)を生じる。これらのDSBの修復は、内因性高忠実度相同組換え(HR)またはエラープローン非相同末端結合(NHEJ)を介して起こり得、標的変異誘発および染色体再配列を招く。RGENの特異性は、crRNAと標的DNAとの間のワトソン-クリック塩基対形成およびNGG-トリヌクレオチド性プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)のCas9認識によって決定される。crRNAおよびtracrRNAは、融合してシングルガイドRNA(gRNAまたはsgRNA)を形成し得る。他のゲノム編集ヌクレアーゼと比べたCRISPR-Cas9の主な利点は、DNAを標的とする特異性をタンパク質工学戦略によって変更しなければならないジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)および転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)とは対照的に、crRNAを置換することによってCas9の特異性を容易に再プログラミングできることである。
【0005】
CRISPR-Casシステムは、3つの成分を別々のプラスミドまたは複合プラスミドのいずれかとしてコードするプラスミドDNAの形態で最も一般的に細胞内に送達されてきた。しかし、プラスミドは、オフターゲット編集に関連する。プラスミドは、ゲノム内またはCas9によって生成された部位にランダムに組み込み得る。後者の事象は少なくとも予測および監視することができるが、前者は、検出が困難なことがあり、より問題となり得る。これらの外来配列は、組込み部位にかかわらず、宿主免疫応答を引き起こす可能性があり、これは、遺伝子編集された幹細胞または初代細胞の臨床適用における使用に関する難題を生む。さらに、臨床適用のためのプラスミドがトランスフェクトされた細胞は、規制当局によって遺伝子改変されたと見なされるので、長期にわたり費用のかかる規制手続きに従うものとされる。
【発明の概要】
【0006】
下記の装置、方法、およびシステムは、遺伝子編集システムの基本単位、例えばタンパク質または遺伝子編集複合体を送達するための信頼できる効率的なシステムを提供し、それにより、そのようなタンパク質をコードするプラスミドDNAまたは他のベクターの送達を回避することによって、以前の遺伝子編集アプローチに関連する問題および欠点の多くを解決する。本システムは、エレクトロポレーション、マグネトフェクション、リポソーム媒介トランスフェクション、レンチウイルス媒介トランスフェクション、または細胞内注入法のような他のアプローチに勝る利点も提供する。
【0007】
いくつかの遺伝子編集システムがDNAプラスミド型のCas9およびガイドRNAを使用しているが、本明細書記載の発明は、RNP[例えば遺伝子編集タンパク質およびガイドRNA]を送達して、より一過性の遺伝子編集効果を達成することで、より少ないオフターゲット効果を導く。タンパク質、例えば遺伝子編集タンパク質を細胞に送達するためにエレクトロポレーションを使用することができるが、本明細書記載の方法、システム、および組成物は、エレクトロポレーションと比べていくつかの利点を与える。例えば、本発明のエタノールを介したスプレー式送達システムは、エレクトロポレーションと比べて、例えば10%、20%、50%、75%、2倍またはそれ以上のより大きい効率で、かつエレクトロポレーションと比べて送達後に同等またはより良好な細胞生存率で、かつ同等またはより良好な遺伝子編集効率で、遺伝子編集タンパク質および複合体を送達する。そのうえ、細胞機能、例えば、幹細胞の分化または免疫細胞の活性化は、エレクトロポレーションと比べて、記載されたエタノールスプレー法を使用してより良好に保たれる(例えば、10%、20%、50%、75%、2倍またはそれ以上)。加えて、本明細書記載のシステムとは違い、リポソーム媒介トランスフェクションまたはエレクトロポレーションのような他の方法は、後者のアプローチが、例えばエレクトロポレーターを使用して接着細胞にトランスフェクトするために、接着細胞をその基層から剥離することを必要とし、そのような余分な操作段階は、細胞の無菌性および生物学的性質/機能の両方を損なう。そのうえ、他の方法、例えばエレクトロポレーションを用いて、送達カーゴ(遺伝子送達タンパク質および/または遺伝子送達複合体)を複数回投与することは、そのような処置に伴う高レベルの細胞損傷のせいで、不可能である。本明細書記載の組成物および方法は、細胞へのカーゴの送達効率および標的細胞への遺伝子編集組成物の量を増加させるプロセスである、2、3、4、5回、またはそれ以上の投与(送達スプレー、その後の停止液)を可能にする。標的細胞には、初代細胞(例えば、起源臓器組織から直接培養された、または血液から得られた細胞)および不死化細胞、例えば細胞株、ならびに接着細胞および懸濁細胞、例えば自由浮遊細胞が含まれる。初代ヒト細胞は、それらの起源臓器組織または血液細胞から直接培養される。
【0008】
エレクトロポレーションは、広く使用される、ベクターなし/担体なしの方法であるが、それは、一部の細胞型への核酸および/またはタンパク質の送達に効率的であり得るとはいえ、特に初代細胞に毒性が高い可能性がある。したがって、代替的な膜破壊方法が必要とされる。上述のように、本明細書記載の装置、方法、およびシステムは、そのような他の技法よりも有利であり、特にエレクトロポレーションよりも有利である。
【0009】
本主題の局面は、細胞の形質膜を通過して遺伝子編集組成物を送達するための方法を提供する。好ましい態様では、方法は、ベクター、例えばレンチウイルスベクター、リポソーム、またはエレクトロポレーションを含まない。一部の態様では、方法は、遺伝子編集タンパク質をコードするプラスミドDNAと細胞を接触させる段階、またはそれを細胞に送達する段階を含み;他の態様では、方法は、遺伝子編集タンパク質をコードするプラスミドDNAと細胞を接触させる段階、またはそれを細胞に送達する段階を含まない。一部の態様では、方法は、遺伝子編集タンパク質をコードするRNAと細胞を接触させる段階、またはそれを細胞に送達する段階を含み;他の態様では、方法は、遺伝子編集タンパク質をコードするRNAと細胞を接触させる段階、またはそれを細胞に送達する段階を含まない。本明細書記載の方法は、細胞集団を提供する段階、ならびに細胞集団を、例えば遺伝子編集タンパク質および/または複合体を含む、ある体積の水溶液と接触させる段階を含む。水溶液は、遺伝子編集組成物および少なくとも濃度約2%のアルコールを含み得る。様々な態様では、体積は、(i)細胞集団の露出表面積または(ii)細胞集団における細胞数の関数である。
【0010】
好ましくは、溶液は、スプレーまたはミストの形態で、例えば、細胞1個あたり複数の、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上の水性粒子として細胞に送達される。例えば、細胞は、スプレーでコーティングされるが、送達化合物を含有する溶液に浸漬または浸水されない。スプレーまたはミストは、小滴の形態で空気により吹き飛ばすまたは吹き付けられる液体を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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