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公開番号2025010323
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024190969,2023005231
出願日2024-10-30,2016-04-13
発明の名称がん処置の治療有効性及びがん予後を予測するための方法及び組成物
出願人アステラス製薬株式会社,トロン-トランスラショナル・オンコロジー・アン・デア・ウニヴェルシテーツメディツィン・デア・ヨハネス・グーテンベルク-ウニヴェルシテート・マインツ・ゲマインニューツィゲ・ゲーエムベーハー
代理人個人,個人
主分類C12Q 1/686 20180101AFI20250109BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】抗体療法について患者の適格性を測定する試験を開発する必要性が存在する。本発明は、抗体療法におけるそれぞれ好都合及び不都合な転帰に関連するマーカーを提供することによってこの必要性に対処する。更に、本発明は、これらのマーカーが、がん患者の臨床転帰の見通しを立てるためのマーカーとして有用であることを実証する。本明細書に提示される知見を使用して、がん患者に適した処置を選択する、特に、抗体療法ががん患者に投与されるべきであるか否かの判断を下すことができる。
【解決手段】本発明は一般に、がん処置の治療有効性及びがんの予後を予測するための方法及び組成物に関する。本発明は、ある特定のがん処置における、それぞれ好都合及び不都合な転帰に関連し、がんの予後マーカーとして有用であるマーカーを開示する。がん患者のがん療法利益を予測し、臨床転帰の見通しを立てるための、これらのマーカーを伴う方法が開示されている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(i)腫瘍抗原陽性腫瘍を有するがん患者が、腫瘍抗原に対する抗体を用いた処置に対する応答者であるか否か、及び/又は
(ii)がん患者、好ましくは腫瘍抗原陽性腫瘍を有するがん患者が、無増悪生存期間を経験することになるか否か
を評価する方法であって、患者から得られる試料中のFCGR2A rs1801274、MUC1 rs4072037、IL-10 rs1800896、DNMT3A rs1550117、SMAD4 rs12456284、EGF rs4444903、CDH1 rs16260、ERCC1 rs11615、及びFCGR3A rs396991からなる群から選択される1種又は複数の一塩基多型の遺伝子型を判定する工程を含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、がん処置の治療有効性及びがんの予後を予測するための方法及び組成物に関する。本発明は、ある特定のがん処置における、それぞれ好都合及び不都合な転帰に関連し、がんの予後マーカーとして有用であるマーカーを開示する。がん患者のがん療法利益を予測し、臨床転帰の見通しを立てるための、これらのマーカーを伴う方法が開示されている。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
胃及び食道(胃食道;GE)のがんは、未だ対処されていない医療上の最も高い必要性を有する悪性腫瘍の1つである。胃がんは、世界中の死亡の第2の主要原因である。食道がんの発生率は、最近の10年で増大しており、GEがんの5年全生存率は、実質的な副作用を伴う確立された標準的処置の積極性にもかかわらず、20~25%である。このがんタイプに罹患している患者の医療上の必要性は高く、画期的な薬物が要求されている。
【0003】
タイトジャンクション分子クローディン18アイソタイプ2(CLDN18.2)は、クローディン18のがん関連スプライスバリアントである[Niimi, T.ら、Mol Cell Biol、2001、21(21):7380~90頁;Tureci, Oら、Gene、2011、481(2):83~92頁]。CLDN18.2は、2つの小細胞外ループ(疎水性領域1及び疎水性領域2によって包含されたループ1;疎水性領域3及び4によって包含されたループ2)とともに4つの膜スパニングドメインを含む27.8kDaの膜貫通タンパク質である。CLDN18.2は、短命の分化した胃上皮細胞上でもっぱら発現され、任意の他の正常なヒト組織内で検出可能でない高度に選択的な胃の系統抗原である。抗原は、胃食道がん及び膵がんを含む多様なヒトがんにおいてかなりのレベルで異所性に発現される。[Sahin, U.ら、Clin Cancer Res、2008、14(23):7624~34頁]。CLDN18.2タンパク質は、胃がんのリンパ節転移において、及び遠位転移においても頻繁に検出される。CLDN18.2は、CLDN18.2陽性腫瘍細胞の増殖に関与していると思われ、その理由は、siRNA技術によって標的を下方調節すると胃がん細胞の増殖が阻害されるためである。
【0004】
IMAB362は、CLDN18.2に向けられたIgG1サブタイプのキメラモノクローナル抗体である。IMAB362は、高い親和性及び特異性でCLDN18.2の第1の細胞外ドメインを認識し、クローディン18の密接に関係したスプライスバリアント1(CLDN18.1)を含めた任意の他のクローディンファミリーメンバーに結合しない。
【0005】
CLDN18.2を発現するヒト異種移植片では、生存利益及び腫瘍退縮が、IMAB362の投与後のマウスにおいて観察された。関連した動物種において静脈内に投与されたとき、標的エピトープがアクセス可能でないため、胃組織内の毒性は、観察されない。しかし、腫瘍標的は、悪性形質転換中にIMAB362にとってアクセス可能となる。IMAB362は、4つの独立した高度に強力な作用機序:(i)抗体依存性細胞傷害(ADCC)、(ii)補体依存性細胞傷害(CDC)、(iii)腫瘍表面で標的を架橋することによって誘導されるアポトーシスの誘導、及び(iv)増殖の直接阻害を束ねる。
【0006】
以前の第I相トライアルでは、後期胃食道がんを有する患者における単回用量での単剤療法としてのIMAB362が評価された。このトライアルでは、5種のIMAB362用量(33、100、300、600、及び1000mg/m
2
)が単剤療法として適用された。この試験は、用量群間のAEプロファイル及び他の安全性パラメータの関連した差異を認めることができないため、この抗体の単回投与が、最大で1000mg/m
2
の投与量において安全で耐容性良好であることを示す(AE=有害事象)。抗腫瘍活性に関する最良の結果は、300mg/m
2
及び600mg/m
2
群で得られた。300mg/m
2
群の2人の患者において、疾患は、制御された。彼らは、非標的病変部のみを有していたので、彼らは、非CR、非PD(CR=完全奏効;PD=進行性疾患)と評価された。非CR、非PDの継続時間は、それぞれ約2カ月及び6週間であった。これらの3人の患者の腫瘍マーカーレベルは、安定なままであった。600mg/m
2
群中の1人の患者は、安定疾患(SD)を提示した。SDの継続時間は、約2カ月であった。
【0007】
IMAB362の細胞殺傷の誘導に関する高度に強力な作用機序、CLDN18.2陽性腫瘍を抱えたIMAB362処置マウスの生存利益、IMAB362関連毒性の任意の兆しの非存在、及び第Iトライアル相の有望な結果に基づいて、第IIa相試験が開始された。この第IIa相臨床トライアルは、組織診断によって証明された胃又は下部食道の進行した腺癌の転移性、難治性、又は再発性疾患を有する患者におけるIMAB362の反復用量の安全性、耐容性、及び抗腫瘍活性を判定するために行われた。
【0008】
この第IIa相トライアルでは、治験薬が、順次動員された3つのコホートに適用された。3人の患者の第1のコホートは、より低い用量レベル(300mg/体表面積1m
2
)でIMAB362の反復投与を受けた。抗体は、2時間静脈内注入として与えられた。IMAB362関連毒性の兆しは、第1のコホートにおいて検出されなかったので、第2のコホート(3人の患者)のIMAB362用量が600mg/体表面積1m
2
に増やされた。第3のコホートでは、19人の患者が同じ用量(600mg/体表面積1m
2
の反復適用)に割り当てられた。このコホートからの患者試料が、いくつかの付随する分析論、即ち、ADCC、CDC、イムノフェノタイピング、及び遺伝的免疫多型(genetic immune polymorphism)について分析された。すべてのコホートのすべての患者は、来院2、5、6、7、及び8回目(5回の適用)に、2週間毎にIMAB362の反復投与を受けた。
【0009】
IMAB362等の治療的モノクローナル抗体を用いた介入に対する応答性に関する抗原陽性腫瘍(同様の程度に標的抗原を過剰発現する)の不一致は、療法転帰に関連する追加の要因が存在することを示唆する。これは、抗体療法から利益を有し得る患者の慎重な選択を要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
US2003/0118592
US2003/0133939
WO02/43478
WO2004 035607
WO87/04462
WO89/01036
EP338841
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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