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公開番号2025008347
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110446
出願日2023-07-05
発明の名称舶用エンジンの制御装置及び船舶の運転方法
出願人ダイハツディーゼル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F02D 19/02 20060101AFI20250109BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ガス燃料で運転される舶用エンジンにおいて、燃費及びメタンスリップを低減すると共に、入出港時における低負荷運転から高負荷運転への過渡運転時のノッキングの発生を抑える。
【解決手段】一般海域の沿岸C2への入港時に、舶用エンジン1のチューニング状態を、第1チューニング状態から、第1チューニング状態よりも燃費が悪く、且つ、NOXの排出量が少ない第2チューニング状態に切り換える。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
ガス燃料で運転される舶用エンジンの制御装置であって、
一般海域の沿岸への入港時に、前記舶用エンジンのチューニング状態を、第1チューニング状態から、前記第1チューニング状態よりも燃費が悪く、且つ、NO

の排出量が少ない第2チューニング状態に切り換える舶用エンジンの制御装置。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記沿岸のうち、エンジンの負荷変動が相対的に大きい海域とエンジンの負荷変動が相対的に小さい海域との境界にチューニング切替線を設定し、
船舶が前記チューニング切替線よりも沖側にある場合は前記第1チューニング状態とされ、
前記船舶が前記チューニング切替線に達したら、前記第1チューニング状態から前記第2チューニング状態に切り換える請求項1に記載の舶用エンジンの制御装置。
【請求項3】
前記第1チューニング状態は、前記第2チューニング状態よりも、前記舶用エンジンの燃焼室にパイロット燃料を供給するタイミングが早い請求項1に記載の舶用エンジンの制御装置。
【請求項4】
前記第1チューニング状態は、前記第2チューニング状態よりも、前記舶用エンジンの燃焼室に供給される空気の温度が高い請求項1に記載の舶用エンジンの制御装置。
【請求項5】
前記第1チューニング状態は、前記第2チューニング状態よりも、前記舶用エンジンの燃焼室に供給される空気の圧力が低い請求項1に記載の舶用エンジンの制御装置。
【請求項6】
ガス燃料で運転されるエンジンを有する船舶の運転方法であって、
一般海域の沿岸への入港時に、前記エンジンのチューニング状態を、第1チューニング状態から、前記第1チューニング状態よりも燃費が悪く、且つ、NO

の排出量が少ない第2チューニング状態に切り換える船舶の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、舶用エンジンの制御装置及び船舶の運転方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
舶用エンジンは、国際海事機関(IMO)によりSO

やNO

の排出量が規制されており、特定の海域{排出規制海域(ECA)}ではSO

やNO

の排出量が特に厳しく規制される。ECAにおける排出規制はTire3とも呼ばれ、他の海域(一般海域)における排出規制であるTire2と区別される。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、自船位置自動検出手段により、排気ガス規制対象海域(ECAと一般海域)の境界と自船との位置関係を特定し、この位置関係に応じて、エンジンの排気ガスの浄化状態を規制に応じた状態に切り換える発明が示されている。規制対象海域に入る場合は、規制がクリアーされる浄化状態に自動的に切り換わって、規制対象海域から出る場合は、規制クリアー状態が解除される状態に自動で切り換わる。これにより、排気ガスに関する規制を正確かつ迅速にクリアーできる。排気ガスの浄化状態の切り換えは、例えば、燃料の種類(A重油又はC重油)の切り換え、浄化装置のON・OFFの切り換え、浄化装置の種類の切り換えにより行われる。
【0004】
また、下記の特許文献2には、舶用ディーゼルエンジンのチューニング状態により、NO

の排出量を切り替える技術が示されている。ディーゼルエンジンにおいて、NO

の排出量と燃費はトレードオフの関係にあり、NO

の排出量を低減するチューニングを行うと燃費が悪化し、燃費を良くするチューニングを行うとNO

の排出量が増大する。そこで、同文献の発明では、第1チューニング状態と、第1チューニング状態よりも燃費が悪く、且つ、NO

の排出量が少ない第2チューニング状態との間で切替可能としている。一般海域(Tier2)では、第1チューニング状態とすることで燃費が良い状態で航行し、ECA(Tier3)では、第2チューニング状態とすることでNO

の排出量をTier3の基準値以下に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-69999号公報
特開2021-32209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、舶用エンジンでは、従来は重油を用いられていたが、昨今の環境保護の要請から、SO

や煤の排出が少ないガス燃料(LNG)を用いることが増えている。LNGは、重油と比べて、CO

の排出を25~30%程度削減できるが、排ガス中に未燃のガス燃料(メタンガス)が残る、いわゆるメタンスリップの問題がある。メタンは、CO

に比べて温室効果が高いため、メタンが排出されると、CO

の削減効果が滅殺されてしまう。
【0007】
例えば、燃費を向上させるチューニングを行えば、メタンスリップを低減することができるが、その場合、ノッキングが発生しやすくなる。特に、入出港時に船舶を横方向に動かすバウスラスタ運転の際には、通常運転時よりもエンジンに加わる負荷が大きいため、通常運転(低負荷運転)からバウスラスタ運転(高負荷運転)に切り替える際に、エンジンに加わる負荷が大きく変動する。このような負荷変動の大きい過渡運転時には、燃費の良いチューニングではノッキングが発生して運転が困難となることがある。
【0008】
そこで、本発明は、ガス燃料で運転される舶用エンジンにおいて、メタンスリップを低減すると共に、入出港時における低負荷運転から高負荷運転への過渡荷運転時のノッキングの発生を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、ガス燃料で運転される舶用エンジンの制御装置であって、一般海域の沿岸への入港時に、前記舶用エンジンのチューニング状態を、第1チューニング状態から、前記第1チューニング状態よりも燃費が悪く、且つ、NO

の排出量が少ない第2チューニング状態に切り換える舶用エンジンの制御装置を提供する。
【0010】
上記特許文献2では、排出規制が異なる海域(一般海域とECA)との境界でチューニング状態の切り替えが行われていた。このように、排出規制を基準としてチューニングを切り換える場合、規制が緩い一般海域の沿岸に入出港する際には、第2チューニング状態に切り換える必要はなく、燃費の良い第1チューニング状態のままでよい。これに対し、本発明では、入出港時における低負荷運転から高負荷運転への過渡運転時のノッキングの発生という課題に着目したことにより、ECAではない一般海域の沿岸への入港時にチューニング状態を切り替える、という新規な着想に至った。これにより、通常航行時(入出港時以外)には、第1チューニング状態とすることで燃費の良い状態で航行し、入出港時には、第2チューニング状態とすることで、エンジンの負荷変動が大きい過渡運転時でもノッキングの発生を抑えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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