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公開番号2025005292
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023105443
出願日2023-06-27
発明の名称洗浄塔及び洗浄塔のスケール除去方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 53/40 20060101AFI20250108BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】洗浄塔の排ガス入口ダクト内へのスケールの堆積を防止し、洗浄塔内部の圧力上昇による破損や酸性排ガスの漏洩を防止する洗浄塔を提供する。
【解決手段】酸性排ガスをアルカリ性中和水で反応させて、酸性有害物を中和除去する洗浄塔10であって、洗浄塔は少なくとも洗浄塔の下方側から酸性排ガスが導入される排ガス導入経路12と、洗浄塔の塔頂側に形成される洗浄後ガス排出経路16と、洗浄塔の塔頂側からアルカリ性中和水を下方に向かって噴霧する洗浄液噴霧装置13と、排ガス導入経路と洗浄液噴霧装置との間に設置され、酸性排ガスとアルカリ性中和水とを接触させる充填材14を備え、さらに、排ガス導入経路と洗浄塔との接続箇所である排ガス入口21の上部に洗浄塔内部に向かって設置される庇22と、排ガス導入経路の側から洗浄塔の内部へ水を噴射し、排ガス入口の近傍のダクト内に設置されるスケール除去用スプレーノズル23を設ける。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
酸性排ガスをアルカリ性中和水で反応させて、酸性有害物を中和除去する洗浄塔であって、
前記洗浄塔は、少なくとも、
該洗浄塔の下方側から前記酸性排ガスが導入される排ガス導入経路と、
前記洗浄塔の塔頂側に形成される洗浄後ガス排出経路と、
前記洗浄塔の塔頂側から前記アルカリ性中和水を下方に向かって噴霧する洗浄液噴霧装置と、
前記排ガス導入経路と前記洗浄液噴霧装置との間に設置され、前記酸性排ガスと前記アルカリ性中和水とを接触させる充填材
を備え、
さらに、
前記排ガス導入経路と前記洗浄塔との接続箇所である排ガス入口の上部に前記洗浄塔内部に向かって設置される庇と、
前記排ガス導入経路の側から前記洗浄塔の内部へ水を噴射し、前記排ガス入口の近傍のダクト内に設置されるスケール除去用スプレーノズル
を有することを特徴とする洗浄塔。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
さらに、
前記スケール除去用スプレーノズルを洗浄することができるノズル洗浄用スプレーノズルを備えることを特徴とする請求項1に記載の洗浄塔。
【請求項3】
前記庇は、前記排ガス入口の直径に対して、片側80mm以上、300mm以下の幅ほど長く形成され、前記排ガス入口の上部から前記洗浄塔の内部に向かって、長さ120mm以上、500mm以下で突き出ていることを特徴とする請求項2に記載の洗浄塔。
【請求項4】
前記スケール除去用スプレーノズルは、ストレート水流の状態で水を吐出し、前記スケール除去用スプレーノズルの配管に流量計と流量調整バルブが設置されていることを特徴とする請求項3に記載の洗浄塔。
【請求項5】
前記ノズル洗浄用スプレーノズルは、霧状スプレーの状態で水を噴霧し、前記ノズル洗浄用スプレーノズルの配管に流量計と流量調整バルブが設置されていることを特徴とする請求項3に記載の洗浄塔。
【請求項6】
前記洗浄塔は、冷却部と吸収・減湿部が一体となった1塔式であることを特徴とする請求項5に記載の洗浄塔。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の洗浄塔の排ガス入口に生じたスケールの除去方法であって、
前記スケール除去用スプレーノズルの噴霧目標位置が、前記排ガス入口のダクト中心部から、下部の半径の1/3の範囲であることを特徴とする洗浄塔のスケール除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス入口ダクトへのスケール堆積を防止する洗浄塔及び洗浄塔のスケール除去方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬法として、硫酸を用いた高圧酸浸出(High Pressure Acid Leaching)法が用いられている。この方法は、乾燥及び焙焼工程等の乾式処理工程を含まず、一貫した湿式工程からなるので、エネルギー的及びコスト的に有利であるとともに、ニッケル品位を50質量%程度まで向上させたニッケルコバルト混合硫化物を得ることができるという利点を有している。
【0003】
高圧酸浸出(HPAL)法は、鉱石のスラリーに硫酸を添加し、220~280℃の温度条件で撹拌処理して、浸出スラリーを形成する浸出工程、浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣を得る固液分離工程、浸出液のpHを調整すると共に、不純物元素を含む中和澱物を生成した後、これをシックナーで沈降分離して中和澱物を除去するとともにニッケル及びコバルトを含む中和終液を得る中和工程、中和終液に硫化水素等の硫化剤を添加することにより亜鉛を含む混合硫化物を生成した後、これを分離除去して脱亜鉛終液を得る脱亜鉛工程、及び、脱亜鉛終液に硫化水素ガスを吹きこみ、ニッケル及びコバルトを含む硫化物と貧液を形成する硫化工程、などを有する。
【0004】
硫化工程においては、多段に構成された各反応槽(硫化反応槽)の気相部に吹き込んだ硫化水素ガスとニッケル回収用母液との気液接触による連続硫化反応によって、ニッケルを含む硫化物(ニッケル硫化物)を析出させる。硫化工程で用いられる硫化水素ガスは非常に毒性が強く、高濃度になると致命的な急性中毒を引き起こす危険がある有害ガスである。そのため、硫化工程又は脱亜鉛工程で生じた硫化水素を含む酸性排ガスは、洗浄塔においてアルカリ性中和水により酸性有害物を中和除去することが求められる。
【0005】
工業プロセスで用いられる洗浄塔は、酸性排ガスにアルカリ性中和水を反応させることで酸性有害物を中和除去することを目的として使用される。一般的な洗浄塔内部構造は、上からデミスター、スプレー、充填材、貯槽となっている。アルカリ性中和水は、貯槽に供給された後、循環ポンプによりスプレーで噴霧され充填材を上から下へ通過して貯槽へ戻る。酸性排ガスは、貯槽と充填材間の洗浄塔側面に位置する排ガス入口ダクトより送られ充填材を下から上に通過して洗浄塔上部より排出される。その際、充填材部分でアルカリ性中和水と酸性排ガスが対流で接触することで排ガス中の酸性物質を中和除去する仕組みとなっている。中和除去により回収された酸性物質は、アルカリ性物質との反応物である塩となり、貯槽部に回収され、連続的に貯槽部より系外へ排出される構造となっている。
【0006】
このような洗浄塔の問題点として、塩を含んだアルカリ性中和水が排ガス入口ダクトへ逆流し、そこで乾燥することで塩が析出してスケールとして堆積することが挙げられる。堆積したスケールは、設備を停止して掃除しなければならないが、不要な設備停止を招いてしまう。また、堆積したスケールを放置すると、ダクトが閉塞してガス流量が低下してしまう。更に、洗浄塔へ排ガスを圧送している場合は、閉塞部よりも上流側設備の内部圧力が上昇して設備の破損につながることもある。
【0007】
上記従来の課題に対して、例えば、特許文献1には、平坦表面に通常は生じるスラリー固形物の付着及び堆積を防止し、圧力降下を減少させるため、入口覆いの底部から遠方に液体スラリーを逸らす湿式スクラバーが開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の湿式スクラバーにより長時間操業すると、スラリー固形物が入口覆いに堆積してしまい、ダクトが閉塞する危険性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平8-38845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、洗浄塔の排ガス入口ダクト内へのスケールの堆積を防止し、洗浄塔内部の圧力上昇による破損や酸性排ガスの漏洩を防止できる洗浄塔及び洗浄塔のスケール除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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