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公開番号
2025004614
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104415
出願日
2023-06-26
発明の名称
帯電防止剤
出願人
日本製紙株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
C08F
290/06 20060101AFI20250107BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、樹脂組成にかかわらず良好な帯電防止効果を発揮できる練り込み型帯電防止剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびカルボキシ基を有する構成単位(I)、分子内に、少なくとも1つの、二重結合および水酸基を有する構成単位(II)、分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびポリアルキレンオキサイド基を有する構成単位(III)を含む共重合体を含有する、樹脂用帯電防止剤を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記構成単位(I)~(III)を含む共重合体を含有する、樹脂用帯電防止剤。
(I):分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびカルボキシ基を有する構成単位
(II):分子内に、少なくとも1つの、二重結合および水酸基を有する構成単位
(III):分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびポリアルキレンオキサイド基を有する構成単位
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
共重合体中の構成単位(I)の含有割合が1~30mol%である、請求項1に記載の帯電防止剤。
【請求項3】
共重合体中の構成単位(II)の含有割合が20~95mol%である、請求項1に記載の帯電防止剤。
【請求項4】
共重合体中の構成単位(III)の含有割合が1~30mol%である、請求項1に記載の帯電防止剤。
【請求項5】
構成単位(II)が、以下の一般式(II-1)で表される構成単位である、請求項1~4のいずれか1項に記載の帯電防止剤。
TIFF
2025004614000012.tif
37
170
(式中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。mは、0~20の整数を示す。)
【請求項6】
構成単位(I)が、アクリル酸およびその塩、および/もしくはメタクリル酸およびその塩に由来する構成単位である、請求項1~4のいずれか1項に記載の帯電防止剤。
【請求項7】
構成単位(III)が以下の式(III-1)および/または(III-2)で表される化合物に由来する構成単位である、請求項1~4のいずれか1項に記載の帯電防止剤。
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2025004614000013.tif
70
170
(一般式(III-1)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。A
1
Oは、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。nは、0~200の整数を表す。
一般式(III-2)中、R
5
及びR
6
は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。pは、0~2の任意の整数を表す。A
2
Oは、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。qは、0~200の整数を表す。)
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の帯電防止剤を樹脂基材に練り込むことを含む、樹脂の表面処理方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の帯電防止剤、及び樹脂基材を含む、樹脂組成物。
【請求項10】
樹脂基材100重量%に対する帯電防止剤の含有量が、1.5重量%以上である、請求項9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止剤に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
樹脂成形品の帯電防止方法として、樹脂材料に練り込んで使用される帯電防止剤が開発されてきた。例えば、特許文献1には、ポリウレタン化合物を含む熱可塑性樹脂用高分子型帯電防止剤は、水洗等によっても帯電防止能が低下しないことが記載されている。また、特許文献2には、特定のアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の組み合わせが、優れた帯電防止効果を示すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-178042号公報
特開2018-123306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の練り込み型帯電防止剤は、樹脂組成によっては帯電防止効果が十分でない場合があった。従って、本発明は、樹脂組成にかかわらず良好な帯電防止効果を発揮できる練り込み型帯電防止剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の〔1〕~〔13〕を提供する。
〔1〕下記構成単位(I)~(III)を含む共重合体を含有する、樹脂用帯電防止剤。
(I):分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびカルボキシ基を有する構成単位
(II):分子内に、少なくとも1つの、二重結合および水酸基を有する構成単位
(III):分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびポリアルキレンオキサイド基を有する構成単位
〔2〕共重合体中の構成単位(I)の含有割合が1~30mol%である、〔1〕に記載の帯電防止剤。
〔3〕共重合体中の構成単位(II)の含有割合が20~95mol%である、〔1〕に記載の帯電防止剤。
〔4〕共重合体中の構成単位(III)の含有割合が1~30mol%である、〔1〕に記載の帯電防止剤。
〔5〕構成単位(II)が、以下の一般式(II-1)で表される構成単位である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の帯電防止剤。
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(式中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。mは、0~20の整数を示す。)
〔6〕構成単位(I)が、アクリル酸およびその塩、および/もしくはメタクリル酸およびその塩に由来する構成単位である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の帯電防止剤。
〔7〕構成単位(III)が以下の式(III-1)および/または(III-2)で表される化合物に由来する構成単位である、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の帯電防止剤。
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(一般式(III-1)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。A
1
Oは、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。nは、0~200の整数を表す。
一般式(III-2)中、R
5
及びR
6
は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。pは、0~2の任意の整数を表す。A
2
Oは、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。qは、0~200の整数を表す。)
〔8〕〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の帯電防止剤を樹脂基材に練り込むことを含む、樹脂の表面処理方法。
〔9〕〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の帯電防止剤、及び樹脂基材を含む、樹脂組成物。
〔10〕樹脂基材100重量%に対する帯電防止剤の含有量が、1.5重量%以上である、〔9〕に記載の樹脂組成物。
〔11〕樹脂基材は、セルロース系材料をさらに含む、〔9〕又は〔10〕に記載の樹脂組成物。
〔12〕〔9〕~〔11〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物の成形品。
〔13〕〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の帯電防止剤を樹脂基材に練り込むことを含む、樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、樹脂組成にかかわらず良好な帯電防止効果を発揮できる帯電防止剤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[1.樹脂用帯電防止剤]
樹脂用帯電防止剤は、下記の共重合体を有効成分として含有する。
【0008】
[1.1 共重合体の構成単位]
-構成単位(I)-
構成単位(I)は、分子内に、少なくとも1つの、二重結合およびカルボキシ基を有する構成単位である。二重結合及びカルボキシ基の数は、それぞれ1つ以上であればよく、いずれか又は両方が複数でもよいが、好ましくは、それぞれ1つである。
【0009】
構成単位(I)は、不飽和カルボン酸系単量体(以下、単量体(i)と言う)に由来する構成単位であることが好ましい。不飽和カルボン酸系単量体としては、モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸が挙げられる。構成単位(I)は、アクリル酸およびメタクリル酸に由来する構成単位であることが好ましい。単量体(i)は、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらの塩が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの塩がより好ましい。
【0010】
構成単位(I)は、単量体(i)1種類に由来する構成単位でもよく、単量体(i)2種類以上に由来する構成単位でもよい。構成単位(I)がアクリル酸に由来する構成単位(I-1)とメタクリル酸に由来する構成単位(I-2)とを含む場合、構成単位(I-1)の構成単位(I-2)に対する重量比率((I-1)と(I-2)の合計を100重量%)は、通常、(I-1)/(I-2)=(1%~99%)/(99%~1%)、好ましくは(20%~60%)/(80%~40%)、より好ましくは(30%~50%)/(50%~70%)、である。
(【0011】以降は省略されています)
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