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公開番号2024154452
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068258
出願日2023-04-19
発明の名称ゴム組成物
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08L 9/00 20060101AFI20241024BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランス、特に耐摩耗性、更にアイスグリップ性にも優れるゴム組成物を提供する。
【解決手段】 ジエン系ゴム100質量部に対して、脂肪族-芳香族-DCPD類共重合石油樹脂5質量部以上40質量部以下を含むゴム組成物であって、該ジエン系ゴムがスチレン-ブタジエン共重合体ゴム50質量%を越えて含むものであり、該脂肪族-芳香族-DCPD類共重合石油樹脂が(1)(i)脂肪族性水素比率が85%を越えて89%以下、(ii)DCPD類二重結合性水素比率が7%以上10%以下、(iii)芳香族性水素比率が1%以上8%以下、(2)Mwが2000以上3000以下、Mw/Mnが2.0以上3.0以下、(3)臭素価が45以上60以下、(4)軟化点が85℃以上115℃以下、(5)ガードナー色相が5以上10以下のいずれをも満足するものであるゴム組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部に対して、石油類のC5留分とジシクロペンタジエン類とC9留分との共重合樹脂である脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂5質量部以上40質量部以下を含むゴム組成物であって、該ジエン系ゴムがスチレン-ブタジエン共重合体ゴム50質量%を越えて含むものであり、該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂が下記特性(1)~(5)のいずれをも満足するものであることを特徴とするゴム組成物。
(1)プロトンNMRにより測定した(i)0.2~4.0ppmに観測される脂肪族成分に由来する脂肪族性水素比率が85%を越えて89%以下、(ii)4.4~6.3ppmに観測されるジシクロペンタジエン類成分の二重結合に由来するジシクロペンタジエン類二重結合性水素比率が7%以上10%以下、(iii)6.3~7.6ppmに観測される芳香族成分に由来する芳香族性水素比率が1%以上8%以下である。
(2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(2011)に準拠し、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフにより測定した重量平均分子量が2000以上3000以下、重量平均分子量/数平均分子量が2.0以上3.0以下である。
(3)JIS K-2605(1996)に準拠し測定した臭素価が45g-Br2/100g以上60g-Br2/100g以下である。
(4)JIS K-2207(1996)(環球法)に準拠し測定した軟化点が85℃以上115℃以下である。
(5)50質量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに準拠し測定したガードナー色相が5以上10以下である。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムが、スチレン含有量が25質量%以下のスチレン-ブタジエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
ジエン系ゴムが、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムとイソプレンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種以上のゴムとの混合ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
タイヤを構成する加硫ゴム組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項4に記載のゴム組成物によりトレッドを構成することを特徴とするタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランス、更にアイスグリップ性にも優れ、特にタイヤ用として適した新規なゴム組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤ性能への要求が高まっている。例えば、相反関係にあるウェットグリップ性、転がり抵抗性及び耐摩耗性を向上したタイヤが求められている。また、駆動用バッテリーを搭載した電気自動車やプラグインハイブリッド車等は、車両重量の増加に伴い、タイヤに掛かる負荷が増加するため、耐久性を向上したタイヤが求められており、転がり抵抗性を改善するためゴムにシリカを配合する技術や、シリカの分散性を高めるため末端にシリカと親和性の高い、又は化学結合し得る官能基を導入した末端変性ゴムを使用する技術が利用されている。
【0003】
タイヤの機械特性の向上や未加硫のゴム組成物に良好な粘着性を付与することを目的に、ゴムに脂肪族/芳香族共重合樹脂(例えば特許文献1参照。)、脂肪族/脂環族共重合樹脂(例えば特許文献2参照。)、を配合することが提案されている。
【0004】
また、乾燥路面、湿潤路面の両方で高い制動性能を有することを目的に、天然ゴムを70質量%以上含むゴム成分に対して、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9樹脂などの熱可塑性樹脂を配合すること(例えば特許文献3参照。)が提案され、脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂を含むゴム組成物(例えば特許文献4参照。)、新規なC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂、それを含むゴム組成物(例えば特許文献5参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5309529号
特許第5375101号
特許第6346325号
特開2020-203962号公報
特開2022-55449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1~2に提案の方法においては、主な充填剤としてカーボンブラックの配合について提案されたものであり、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性、そのバランスについては検討がされていないものであり、特にタイヤ組成物の性能としては改良の余地を有するものであった。また、特許文献3に提案のゴム組成物は、脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂の検討は何らなされておらず、その効果についても何ら提案はされていないものであった。さらに、特許文献4、5における提案は、脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂、新規なC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂を含むゴム組成物を提供するものであり、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに一応の効果は見られるものであったが、特に耐摩耗性の改善に余地を有するものであった。
【0007】
そこで、本願発明は、特定の脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂を含み、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに優れ、特に耐摩耗性、更にはアイスグリップ性にも優れる新規なゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、特定のジエン系ゴムに特定の脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂を含むゴム組成物が優れたゴム特性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対して、石油類のC5留分とジシクロペンタジエン類とC9留分との共重合樹脂である脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂5質量部以上40質量部以下を含むゴム組成物であって、該ジエン系ゴムがスチレン-ブタジエン共重合体ゴム50質量%を越えて含むものであり、該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂が下記特性(1)~(5)のいずれをも満足するものであることを特徴とするゴム組成物に関するものである。
(1)プロトンNMRにより測定した(i)0.2~4.0ppmに観測される脂肪族成分に由来する脂肪族性水素比率が85%を越えて89%以下、(ii)4.4~6.3ppmに観測されるジシクロペンタジエン類成分の二重結合に由来するジシクロペンタジエン類二重結合性水素比率が7%以上10%以下、(iii)6.3~7.6ppmに観測される芳香族成分に由来する芳香族性水素比率が1%以上8%以下である。
(2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(2011)に準拠し、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフにより測定した重量平均分子量が2000以上3000以下、重量平均分子量/数平均分子量が2.0以上3.0以下である。
(3)JIS K-2605(1996)に準拠し測定した臭素価が45g-Br2/100g以上60g-Br2/100g以下である。
(4)JIS K-2207(1996)(環球法)に準拠し測定した軟化点が85℃以上115℃以下である。
(5)50質量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに準拠し測定したガードナー色相が5以上10以下である。
【0010】
以下に、本発明に関して詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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