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公開番号
2025081786
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-28
出願番号
2022050491
出願日
2022-03-25
発明の名称
熱収縮性ポリエステル系フィルム
出願人
東洋紡株式会社
代理人
主分類
C08J
5/18 20060101AFI20250521BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 低温でのヒートシール強度に優れ、幅方向の熱収縮率が高く、且つ、自動機械への装着適性と環境問題への対応を両立した熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供する。
【解決手段】 エチレンテレフタレートを主成分とし、下記要件(1)~(4)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)幅方向におけるループスティフネスが6mN/25mm以上200mN/25mm以下
(2)80℃の温湯中に10秒間収縮させたときの幅方向における熱収縮率が20%以上70%以下
(3)フィルムの片面ともう一方の片面を温度140℃、圧力0.1MPa、1秒でヒートシールし、幅方向へのずり試験で剥離したときの強度が20N/15mm以上80N/15mm以下
(4)少なくとも一方の最表層の濡れ張力が40mN/m以上55mN/m以下
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エチレンテレフタレートを主成分とし、下記要件(1)~(4)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)幅方向におけるループスティフネスが6mN/25mm以上200mN/25mm以下
(2)80℃の温湯中に10秒間収縮させたときの幅方向における熱収縮率が20%以上70%以下
(3)フィルムの片面ともう一方の片面を温度140℃、圧力0.1MPa、1秒でヒートシールし、幅方向へのずり試験で剥離したときの強度が20N/15mm以上80N/15mm以下
(4)少なくとも一方の最表層の濡れ張力が40mN/m以上55mN/m以下
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
温度変調示差走査熱量計によって25℃から140℃までの可逆熱容量差が0.4J/g・K以上1.4J/g・K以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項3】
X線電子分光法(ESCA)のC1sスペクトルにおける285~290eVのピークから得られるフィルム表面の酸素原子存在割合が、少なくとも一方の最表層において27%以上31%以下であることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項4】
厚みが20μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項5】
フィルムを構成するポリエステルの成分において、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、いずれかを1モル%以上30モル%以下含有していることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項6】
フィルムを構成する原料として、PETボトルを回収してメカニカルリサイクルおよび/またはケミカルリサイクルされたポリエステル原料が使用されていることを特徴とする請求項1~5いずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項7】
請求項1~6いずれかの熱収縮性ポリエステル系フィルムが少なくとも一部に使用された環状ラベルであり、該熱収縮性ポリエステル系フィルムが自身同士または他のフィルムと接着されており、接着部をずり試験で剥離したときの強度が20N/15mm以上80N/15mm以下であることを特徴とするラベル。
【請求項8】
接着部がヒートシールされていることを特徴とする請求項7に記載のラベル。
【請求項9】
請求項7または8いずれかに記載のラベルを用いていることを特徴とする包装体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール性に優れた熱収縮性ポリエステル系フィルム、及びラベル並びに包装体に関するものである。詳しくは、コンビニなどの麺容器等の環状ラベルに好適に用いられるものであり、特に環境対応と自動装着機適性に優れたものである。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商品の表示を兼ねたラベル包装、コンビニ弁当の容器と蓋を留める目的になされるバンディング包装や帯ラベル包装の用途に、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる延伸フィルム(所謂、熱収縮性フィルム)が広範に使用されるようになってきている。そのような熱収縮性フィルムの内、ポリ塩化ビニル系フィルムは耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生する、ダイオキシンの原因となる等の問題がある。また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない上、高温で焼却する必要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒煙が発生するという問題がある。それゆえ、耐熱性が高く、焼却が容易であり、耐溶剤性に優れたポリエステル系の熱収縮性フィルムが、収縮ラベルとして広汎に利用されるようになってきており使用量が増加する傾向にある。
【0003】
近年コンビニエンスストア等では調理済みのうどんやラーメンなどの麺商品が増加傾向にあり、深さのあるプラスチック容器に調理済みの麺等の内容物を入れ、上から蓋をかぶせ、さらに環状のシュリンクフィルムによって容器と蓋を上下から留める包装形態がなされている(所謂、帯ラベル包装)。熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、幅方向に大きく収縮させるものが広く利用されている。ボトルのラベルフィルムや弁当の帯ラベルとして用いる場合、フィルムを環状にしてボトルや弁当容器に装着した後に熱収縮させることで完成する。環状ラベルの作製例としては、フィルムロールから巻きだした収縮フィルムを幅方向に沿ってカットし、カットしたフィルムの両端部を接着する。フィルムの両端部を接着する(環状ラベルを作製する)際は、被包装(麺容器など)に被せる工程も同時となる場合も多い。このようにして作製された環状フィルムを熱風等で加熱して収縮させることで被包装体と密着させ容器と蓋を留める帯ラベルになる。
【0004】
帯ラベルとなる熱収縮フィルムの性能として、収縮による容器への追従性が重要であるのはもちろんだが、それ以外にも接着部が剥がれないことも必要である。接着する方法としては、フィルム自身が接着するヒートシールが広く採用されている。従来、ヒートシール部が剥がれないようにする技術としては、ヒートシール強度を向上させる、もしくは収縮応力を低減させる、といったアプローチがとられてきた。
例えば、特許文献1には、非晶性成分となるモノマーを使用し、ロール長手方向に収縮するポリエステル系熱収縮フィルムが開示されている。ただし、特許文献1のフィルムでは、現状の技術水準で要求されるヒートシール強度に達していない。近年、帯ラベルを製造するときの歩留まりを向上させるために装置が高速化しており、ヒートシール時間が低下している。それに伴いフィルムには、より低温で高いヒートシール強度が求められている。
【0005】
それに対し、特許文献2には、一軸延伸することで面配向度を低減させることでヒートシール強度を増加させるだけでなく、収縮応力をも低減させてヒートシール部の剥がれを抑制することのできるフィルムが開示されている。しかし、特許文献2のフィルムは一軸延伸であるために、フィルムの最終的な面積延伸倍率(縦×横)は低くなってしまい、生産性には改善の余地があった。特許文献2で指摘されているように、二軸延伸によって生産性を向上させようとすると、ヒートシール強度の低下と収縮応力の増大によるシール部の剥がれが避けられなくなっていた。
【0006】
上記に加えて、帯ラベルに用いられる熱収縮フィルムには、薄肉化とコシ感という相反する特性が要求されている。前者については、近年の環境意識への高まりの中で、小売り・食品製造業者を含むすべてのサプライチェーンに関わる事業者だけでなく、消費者の意識においても可能な限り包装資材を省きたいという要求がある。一方、近年は効率化だけでなく人手不足を解消したいという要求から、食品包装機器の自動化が一段と進んでおり、フィルムには自動機械への装着適性も求められている。帯ラベルにおける機械への装着適性とは、上述のようなフィルムを幅方向に沿ってカットして環状にヒートシールする工程において、例えば機械のアームにフィルムをきちんと把持できるか、高速移動する帯ラベル生産ライン上でフィルムがバタつかないかという特性である。これら特性はフィルムのコシ感と密接に関係しており、前述の薄肉化が進むほどコシ感、すなわち機械への装着適性は低下してしまうというジレンマを抱えている。
【0007】
また、特許文献3には、アルカリ脱離タイプのインキ層をフィルムに積層する際に、アルカリ脱離性を向上させるための手段として所定の表面処理を施すことが記載されているが、この技術によりヒートシール性は若干向上する程度であり、十分な効果を有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第4411556号公報
特許第6988440号公報
特開2004-139067号公報
【非特許文献】
【0009】
A. Mahendrasingam et al “Effect of draw ratio and temperature on the strain induced crystallization of poly (ethylene terephthalate) at fast draw rates” Polym. 40 5556 (1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温でのヒートシール強度に優れ、幅方向の熱収縮率が高く、且つ、自動機械への装着適性と環境問題への対応を両立した熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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