TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025096479
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025064373,2024104400
出願日2025-04-09,2021-09-01
発明の名称二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B29C 55/12 20060101AFI20250619BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】 PET容器由来の再生原料を使用したフィルムであり、再生原料中の異物量が多くても、得られるフィルムの生産性が良好なで破断なく長尺化が可能で、地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなるフィルムロールを提供すること。
【解決手段】 PET容器由来の再生原料を使用し、下記(1)~(3)を満たす二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムをロール状に巻き取ってなる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
(1)150℃30分で測定した時のフィルム長手方向の熱収縮率が0.5%以上2.0%以下。
(2)JIS K 7142-1996 A法に基づいて測定した屈折率から算出したフィルムの面配向係数(ΔP)が0.16以上0.17以下。
(3)フィルムロール1000m2あたりにの最大長さが1.3mm以上の異物数が1個以上。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
PET容器由来の再生原料を含有するポリエステル樹脂組成物からなり、該ポリエステル組成物は共重合成分として、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4-ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールからなる群より選択されてなる成分を10モル%以下含んでもよいポリエチレンテレフタレートと無機滑剤からなるポリエステル樹脂組成物であり、下記(1)~(3)を満たす厚みが5μm以上100μm以下の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムをロール状に巻き取ってなる巻長が1000m以上である、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
(1)150℃30分で測定した時のフィルム長手方向の熱収縮率が0.5%以上2.0%以下。
(2)JIS K 7142-1996 A法に基づいて測定した屈折率から算出したフィルムの面配向係数(ΔP)が0.161以上0.170以下。
(3)フィルムロール8000m

あたりの最大長さが1.0mm以上の異物数が16個以上。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
請求項1に記載のPET容器由来の再生原料が、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂及び/またはケミカルリサイクルポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
【請求項3】
フィルム幅方向で800mm当りの厚みムラが18%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
【請求項4】
フィルム長手方向の破断強度が180MPa以上260MPa以下、破断伸度が80%以上170%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムをロール状に巻き取ってなる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロールに関する。さらに詳しくは、PET容器由来の再生原料を使用し、地球環境にやさしく、異物の多いPET容器由来の再生原料を使用しても製膜性が良好であり、生産性に優れる二軸配向ポリエステルフィルムロールに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表される芳香族ポリエステルは、優れた力学特性、耐薬品性などを有しており繊維、フィルムなどの成型品として広く使用されている。特にPET樹脂は安価であり、さらに衛生的な面でも優れていることから、食品容器や飲料用の容器として幅広く使用されている。近年の環境問題の高まり、および省資源の面から、使用済みのPET容器については、以前からリサイクルが行われており、その活用方法が注目されている。
【0003】
また、PET容器由来の再生原料を用いることによりCO

削減につながるとも言われており、地球環境の面からも少しでもPET容器由来の再生原料の使用率を高めたいという要望がある。
【0004】
PET容器由来の再生原料は、飲料用PETボトルやサラダや野菜等の容器で使用されているA-PETを回収して作製されている。しかし、市場に出てゴミとなった物を回収して再生原料としているので、化石燃料由来のPET原料と比較し、原料中に含まれる異物量が多くなる。そのため、得られる二軸配向ポリエステルフィルムは異物起因の破断が多くなり、生産性が悪化してしまうことが課題である。ここで言う異物とは、例えばPETボトルの帯ラベルや砂利、消費者がPETボトルに充填していた農薬や殺虫剤等の薬品類などのPET樹脂以外の物質のことを指す。異物起因の破断を抑制するためには、溶融樹脂をろ過精度の高いフィルターに通して製膜する方法が挙げられる。この手段により、異物が十分に除去されるので異物起因の破断は減少するが、フィルターに異物が堆積することによって目詰まりが発生する。そのため、フィルターを早い周期で交換する必要があり、結果的に生産性が悪化してしまう。さらに、目開きサイズの異なるフィルターを複数回に分けて使用することで段階的に異物を除去する方法もあるが、溶融ラインが長くなり、再生原料の分子量が低下し、結果的に得られる二軸配向ポリエステルフィルムの力学強度の低下にもつながる。
一方で、回収したPET容器で汚れ等が無くきれいな状態の物だけを選別して再生原料にすると異物の問題は解決できる。しかし汚れたPET容器をリサイクルできないと環境に悪い。
【0005】
特許文献1ではPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。特許文献1では再生原料のフィルター背圧上昇係数が化石燃料由来のPET原料と同等まで抑えられており、得られる二軸配向ポリエステルフィルムも異物の少ないものとなっている。しかし、回収したPET容器をきれいな状態のもののみ、選別して使用している場合は環境対策効果としては不十分である。また、再生原料の作製時に十分な濾過工程を実施している場合であっても、フィルター交換のサイクルが短くなり、生産性が低下してしまうことが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-65282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち本発明の目的は、PET容器由来の再生原料を使用したフィルムであり、再生原料中の異物量が多くても、得られるフィルムの生産性が良好で破断なく長尺化が可能で、地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなるフィルムロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討した結果、原料としてPET容器由来の再生原料を使用しても、特定の延伸条件範囲を選択し、フィルムの面配向度をコントロールすることによって、再生原料中の異物量が多くても得られるフィルムの生産性が良好となり破断なく長尺化ができることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
[1]PET容器由来の再生原料を使用し、下記(1)~(3)を満たす二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムをロール状に巻き取ってなる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
(1)150℃30分で測定した時のフィルム長手方向の熱収縮率が0.5%以上2.0%以下。
(2)JIS K 7142-1996 A法に基づいて測定した屈折率から算出したフィルムの面配向係数(ΔP)が0.16以上0.17以下。
(3)フィルムロール1000m

あたりに最大長さが1.3mm以上の異物数が1個以上。
[2]前記[1]に記載のPET容器由来の再生原料が、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂及び/またはケミカルリサイクルポリエステル樹脂であることを特徴とする[1]に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
[3]フィルム幅方向で800mm辺りの厚みムラが18%以下であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
[4]フィルム長手方向の破断強度が180MPa以上260MPa以下、破断伸度が80%以上170%以下であることを特徴とする前記[1]~[3]のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
[5]フィルムロール8000m

あたりに最大長さが1.0mm以上の異物数が16個以上あることを特徴とする前記[1]~[4]のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートのフィルムロール。
[6]巻長が10000m以上である前記[1]~[5]のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールは、原料としてPET容器由来の再生原料を使用し、フィルム長手方向の熱収縮率、面配向係数(ΔP)、異物数を所定の範囲内とすることで、再生原料中の異物量が多くても得られるフィルムの生産性が良好で長尺化が可能な、地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムロールが得られる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東洋紡株式会社
抗血栓性材料の製造方法
9日前
東洋紡株式会社
ヘムタンパク質の安定化方法
1か月前
東洋紡株式会社
熱収縮性ポリエステル系フィルム
29日前
東洋紡株式会社
コーティング剤、フィルム、およびパウチ
7日前
東洋紡株式会社
緩衝剤によるヘムタンパク質の安定化方法
1か月前
東洋紡株式会社
パウチ用コーティング剤、パウチ用フィルム、およびパウチ
7日前
東洋紡株式会社
透明導電性フィルム
21日前
東洋紡株式会社
ポリエステルフィルムとその用途
7日前
東洋紡株式会社
電子表示装置およびその製造方法
1か月前
東洋紡株式会社
折りたたみ型ディスプレイ及び携帯端末機器
14日前
東洋紡株式会社
二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール
今日
東洋紡株式会社
シンジオタクチックポリスチレン低伝送損失回路基板
1か月前
東洋紡株式会社
脳機能低下を予防するための、又は脳機能を改善するためのジアミン、及び/又はポリアミンを含む組成物
15日前
東洋紡株式会社
脳機能低下を予防するための、又は脳機能を改善するためのジアミン、及び/又はポリアミンを含む組成物
15日前
東レ株式会社
吹出しノズル
7か月前
東レ株式会社
プリプレグテープ
9か月前
シーメット株式会社
光造形装置
6か月前
CKD株式会社
型用台車
6か月前
株式会社日本製鋼所
押出機
8か月前
個人
射出ミキシングノズル
8か月前
グンゼ株式会社
ピン
6か月前
東レ株式会社
フィルムの製造方法
3か月前
株式会社カワタ
計量混合装置
1か月前
個人
樹脂可塑化方法及び装置
5か月前
株式会社FTS
ロッド
5か月前
日機装株式会社
加圧システム
2か月前
株式会社漆原
シートの成形方法
1か月前
株式会社リコー
シート剥離装置
10か月前
東レ株式会社
一体化成形品の製造方法
10か月前
株式会社シロハチ
真空チャンバ
8か月前
東レ株式会社
樹脂フィルムの製造方法
1か月前
株式会社FTS
成形装置
6か月前
トヨタ自動車株式会社
射出装置
3か月前
株式会社不二越
射出成形機
2か月前
東レ株式会社
炭素繊維シートの製造方法
2か月前
株式会社日本製鋼所
押出成形装置
9か月前
続きを見る