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公開番号2025116122
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2025089541,2022571400
出願日2025-05-29,2021-12-17
発明の名称樹脂シート成型用離型フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20250731BHJP(積層体)
要約【課題】平滑性と剥離性に優れた離型層を有する離型フィルムであり、超薄層の樹脂シート、超薄層のセラミックグリーンシートを欠陥なく成型する。
【解決手段】ポリエステルフィルム基材と、離型層を有する樹脂シート成型用離型フィルムであり、ポリエステルフィルムは、無機粒子を実質的に含有していない表面層を有し、 離型層は離型層形成組成物が硬化された層であり、カチオン硬化型ポリジメチルシロキサン(a)と、脂環式エポキシ基を有する環状シロキサン化合物(b-2)を含み、
化合物(b-2)は分子内に2個以上の脂環式エポキシ基を有し、成分(a)と化合物(b-2)の合計100質量部に対し、化合物(b-2)の含有量が80質量%以上であり、離型層の厚みが0.1μm以上、離型層の領域表面粗さ(Sa)が2nm以下、離型層表面に存在する高さ10nm以上の突起数が200個/mm2以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材としてのポリエステルフィルムと、離型層を有する樹脂シート成型用離型フィルムであって、
前記ポリエステルフィルムは、無機粒子を実質的に含有していない表面層Aを有し、
前記表面層A上に前記離型層を有し、
前記離型層は、離型層形成組成物が硬化された層であり、
前記離型層形成組成物は、カチオン硬化型ポリジメチルシロキサン(a)と、
脂環式エポキシ基を有する環状シロキサン化合物(b-2)を含有し、
前記環状シロキサン化合物(b-2)は、分子内に2個以上の脂環式エポキシ基を有し、
前記カチオン硬化型ポリジメチルシロキサン(a)と前記環状シロキサン化合物(b-2)の合計100質量部に対して、前記環状シロキサン化合物(b-2)の含有量が、80質量%以上であり、
前記離型層の厚みが0.1μm以上であり、
前記離型層の
領域表面粗さ(Sa)
が2nm以下であり、
前記離型層表面に存在する高さ10nm以上の突起数が200個/mm2以下である、
樹脂シート成型用離型フィルム。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記カチオン硬化型ポリジメチルシロキサン(a)が、
オキセタニル基、エポキシ基、脂環式エポキシ基
から選択される官能基を少なくとも1つ有し、
請求項1に記載の樹脂シート成型用離型フィルム。
【請求項3】
前記離型層形成組成物は、更に、酸発生剤(C)を含み、
前記酸発生剤(C)は、光酸発生剤であり、
前記光酸発生剤の添加量は、離型層におけるカチオン硬化型ポリジメチルシロ キサン (a)と環状シロキサン化合物(b-2)の合計100質量部に対して0.1~10質量%である、
請求項1に記載の樹脂シート成型用離型フィルム。
【請求項4】
前記離型層形成組成物は、SP値(δ)が14以上17以下の有機溶媒を含み、
離型層形成組成物は、SP値(δ)が14以上17以下の前記有機溶媒を、離型層形成組成物の全重量100質量部に対し10質量%以上の量で含有する、
請求項1に記載の樹脂シート成型用離型フィルム。
【請求項5】
前記樹脂シートは、無機化合物を含む樹脂シート
またはセラミックグリーンシート
である、請求項1に記載の樹脂シート成型用離型フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シート成型用離型フィルムに関するものであり、更に詳しくは超薄層の樹脂シートを成型する際に用いる離型フィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリエステルフィルムを基材とし、その上に離型層を積層した離型フィルムは、粘着シート、カバーフィルム、高分子膜、光学レンズなどの樹脂シートを成型するための工程フィルムとして使用されている。
【0003】
前記離型フィルムは、積層セラミックコンデンサ、セラミック基板等の高い平滑性が求められるセラミックグリーンシート成型用の工程フィルムとしても使用されている。近年、積層セラミックコンデンサの小型化・大容量化に伴い、セラミックグリーンシートの厚みも薄膜化する傾向にある。セラミックグリーンシートは、チタン酸バリウムなどのセラミック成分とバインダー樹脂を含有したスラリーを離型フィルム上に塗工し乾燥することで成型される。成型したセラミックグリーンシートに電極を印刷し離型フィルムから剥離しすることで得られたセラミックグリーンシートを、積層、プレス、焼成、外部電極塗布することで積層セラミックコンデンサが製造される。
【0004】
ポリエステルフィルム基材の離型層表面にセラミックグリーンシートを成型する場合、離型層表面の微小な突起が成型したセラミックグリーンシートに影響を与え、ハジキやピンホール等の欠点を生じやすくなるといった問題点があった。近年は、さらなるセラミックグリーンシートの薄膜化が進み、1.0μm以下、より詳しくは0.2μm~1.0μmの厚みのセラミックグリーンシートが要求されるようになってきている。そのため離型層表面の平滑性に関する要求は更に高まっている。また、離型層上の極めて微小な突起、異物が、成型するセラミックグリーンシートの変形につながり、ピンホールの発生、剥離時のシート割れなどが生じやすくなるといった課題があった。
【0005】
また、セラミックグリーンシートの薄膜化が進むと、離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離する時の剥離性がより重要になってくる。剥離力が大きく、不均一であると剥離工程においてセラミックグリーンシートにダメージが加わり、シート欠陥、厚みムラなどが発生し、ピンホールの発生、シート割れなどの不具合が発生する問題がある。そのため、セラミックグリーンシートをより低く均一な力で剥離することも求められている。すなわち、超薄層の樹脂シート、特にセラミックグリーンシートを欠陥なく製造するためには、極めて高い平滑性と、優れた剥離性を有する離型フィルムが必要とされている。
【0006】
平滑性と剥離性に優れた離型フィルムとしては、以下に記載の特許文献のものが挙げられる。例えば特許文献1では、ラジカル硬化型の樹脂を主成分に用いた離型層を有する離型フィルムが提案されている。特許文献2では、平滑化層と離型層が積層された構成の離型フィルムが提案されている。特許文献3では、カチオン硬化型エポキシ樹脂を主成分に用いた離型層を有する離型フィルムが提案されている。特許文献4では、カチオン硬化型ポリジメチルシロキサンを主成分に用いた離型層を有する離型フィルムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5492352号
特開2015-164762号公報
国際公開第2018/079337
特開2016-079349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら特許文献1の離型フィルムでは、平滑性が不十分な基材フィルムに対して離型層を設けているため、離型層の平滑性が不十分であるという課題がある。更に、本発明者らは、鋭意検討した結果、ラジカル硬化型の樹脂は酸素阻害による硬化不良が生じるため、離型層表面の耐溶剤性が悪く、セラミックグリーンシートの成型時や内部電極の印刷時に使用する有機溶媒によって離型層が侵食され、剥離性が悪くなるという問題があることが見出された。
特許文献2の発明では、平滑化塗布層と離型塗布層に熱硬化性のメラミン樹脂が使用されており、硬化反応を促進させるために高い熱を必要とする。そのため、加工時の熱によって離型フィルムの平面性が損なわれるおそれがある。また、平滑化塗布層と離型塗布層の複数の加工が必要なため、離型フィルムへの異物の混入だけでなく、離型層にキズが発生する恐れがあり、離型層上に成型するセラミックグリーンシートに異物やキズが転写し、不具合が発生する恐れがある。
【0009】
特許文献3、4では酸素阻害起因の硬化不良、加工熱による平面不良を改善するために、カチオン硬化型の樹脂を用いた離型層がそれぞれ提案されている。しかしながら、特許文献3の離型フィルムでは、基材フィルムの平滑性が乏しいため、離型層表面の平滑性が悪いという問題がある。また、特許文献3において開示されている離型剤成分では、反応性に乏しく、耐溶剤性が悪く剥離性にも問題があった。
特許文献4の離型フィルムでは、液状のカチオン硬化型ポリジメチルシロキサン樹脂を主成分に用いた離型層を有しているため、基材フィルムの凹凸、基材フィルム表面に存在するオリゴマーなどの突起に樹脂が凝集し、平面性に問題が生じる恐れがあった。また、離型層の架橋密度が低く、剥離性にも問題があった。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、平滑性と剥離性に特に優れた離型層を有する離型フィルムを提供でき、更に、超薄層の樹脂シート、特に超薄層のセラミックグリーンシートを欠陥なく成型することのできる離型フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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