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公開番号2025129363
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-04
出願番号2025113726,2020562782
出願日2025-07-04,2020-09-25
発明の名称食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250828BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】突刺し強度、耐衝撃性及び耐摩擦ピンホール性に優れるとともに、廃棄ポリアミド製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を原料に用いた環境負荷低減が可能な二軸延伸ポリアミドフィルムを提供すること。
【解決手段】ポリアミド6を70質量%以上含み、かつ前記ポリアミド6のうちポリアミド製製品の使用済み品を回収してケミカルリサイクルしたポリアミド6を4~90質量%含み、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~60質量%含むポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とする食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド6を70質量%以上含み、かつ前記ポリアミド6のうち
ポリアミド製製品の使用済み品を回収して
ケミカルリサイクルしたポリアミド6を4~90質量%含み、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~60質量%含むポリアミド樹脂組成物からな
るこ
とを特徴とする
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法

続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
基材層(A層)の少なくとも片面に表面層(B層)が積層された
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法であって、A層が請求項1に記載の
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法により得られた二軸延伸ポリアミドフィルムであり、B層がポリアミド6を70質量%以上含むポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とする
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項3】
基材層(A層)のポリアミド樹脂組成物が含むポリアミド6のうちメカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~60質量%含有し、表面層(B層)のポリアミド樹脂組成物が含むポリアミド6のうちメカニカルリサイクルしたポリアミド6を0~30質量%含むことを特徴とする請求項2に記載の
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記ポリアミド6の相対粘度が1.8~4.5であることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法により得られた食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルムが下記の(a)及び(b)を満足することを特徴とする食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(a)突刺し強度が0.65N/μm以上、
(b)衝撃強度が0.9J/15μm以上。
【請求項6】
ポリエチレン系シーラントフィルムと貼り合わせた後のラミネート強度が4.0N/15mm以上であることを特徴とする請求項1~

いずれか1項に記載の
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項7】
請求項1~

いずれか1項に記載の
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法により得られた
食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムにシーラントフィルムを積層した
食品包装用
積層フィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項

に記載された
食品包装用
積層フィルムの製造方法により得られた
食品包装用
積層フィルムを用いた
食品包装用
包装袋の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、突刺し強度、耐衝撃性及び耐摩擦ピンホール性に優れるとともに、廃棄ポリアミド製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を原料に用いた環境負荷低減が可能な二軸延伸ポリアミドフィルムに関するものである。本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムは、食品包装用フィルムなどに好適に使用される。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれている。
また近年では、海洋プラスチック汚染が大きな問題となっている。
海洋ごみのうちプラスチックが海へと流出すると、紫外線や物理的な摩耗によって破片となり、微小なプラスチック粒子(マイクロプラスチック)となる。海洋生物がこうした粒子を捕食することで、粒子中に含まれる、あるいは吸着している化学物質に曝露される可能性、さらには食物連鎖を通して、上位の捕食者にも影響が及ぶ可能性があり、このことが地球規模での問題となっている。
上記の海洋プラスチックごみの多くは陸から流れ着いたもので、そのほとんどは使い捨てを想定したプラスチック容器包装である一方、釣り糸や漁網なども含まれている。
このような背景から、プラスチックごみを減らすにはこれらのプラスチックごみリサイクルし、有効活用することが、海洋プラスチックごみの削減にとって有効である。
【0003】
一方、従来から、ポリアミド6に代表される脂肪族ポリアミドからなる二軸延伸フィルムは、耐衝撃性と耐屈曲ピンホール性に優れており、各種の包装材料フィルムとして広く使用されている。これら包装用として用いられているこれらポリアミドフィルムにおいても、先に述べたプラスチックごみの一因であることから、リサイクル素材の利用が求められている。
【0004】
ナイロン6(ポリアミド6ともいう)をリサイクルする方法としては、焼却して熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル法、溶融した後に再成型して再利用するマテリアルリサイクル法、および化学的に解重合してナイロンの原料にまで戻し、ナイロン製造等に再利用するケミカルリサイクル法がある。なお、ナイロンはポリアミドともいう。
【0005】
これらのうち、ケミカルリサイクル法はナイロン6を原料のカプロラクタムにまで分解してから回収し、ナイロン6の原料として再利用できることから、産業上有用なリサイクル方法といえる。
【0006】
例えば特許文献1では、ナイロン製衣料製品の使用済み品を回収した後、解重合を行ってε-カプロラクタムを回収し、精製し、重合し、溶融紡糸や成形によりナイロン繊維やナイロン成形品へと、リサイクル方法が開示されている。
かかる技術によれば、回収された衣料製品を素材原料まで戻して再利用するというリサイクルが可能となる。また、回収衣料製品を分解し精製することによって高純度で品質良好な素材原料(原料モノマ)を得ることができるので、リサイクル使用により品質良好なナイロン6製品が得られるし、繰り返しリサイクルも可能となる。さらにまた、回収衣料製品の回収・選別作業が大幅に軽減されるといったものである。
【0007】
上述したケミカルリサイクル法によってリサイクルされたナイロン樹脂は、これまで主に繊維や成形品の原料として用いられてきたが、食品包装用のフィルムとしては実用化されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平7-310204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる従来技術に鑑み創案されたものである。本発明の目的は、突刺し強度、耐衝撃性及び耐摩擦ピンホール性に優れるとともに、廃棄ポリアミド製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を原料に用いた環境負荷低減が可能な二軸延伸ポリアミドフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
[1]ポリアミド6を70質量%以上含み、かつケミカルリサイクルしたポリアミド6を4~90質量%含むポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
[2]二軸延伸ポリアミドフィルムが、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~60質量%含むことを特徴とする[1]に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
[3]基材層(A層)の少なくとも片面に表面層(B層)が積層された二軸延伸ポリアミドフィルムであって、A層が[1]又は[2]に記載の二軸延伸ポリアミドフィルムであり、B層がポリアミド6を70質量%以上含むポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
[4]A層がメカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~80質量%含有し、B層がメカニカルリサイクルしたポリアミド6を0~30質量%含むことを特徴とする[3]に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム
[5]二軸延伸ポリアミドフィルムが下記の(a)及び(b)を満足することを特徴とする前記[1]~[4]いずれか1項に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(a)突刺し強度が0.65N/μm以上、
(b)衝撃強度が0.9J/15μm以上。
[6]二軸延伸ポリアミドフィルムが下記の(c)を満足することを特徴とする[1]~[5]いずれか1項に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(c)耐摩擦ピンホールテストでピンホール発生までの距離が2900cm以上。
[7]二軸延伸ポリアミドフィルムが下記の(d)及び(e)を満足することを特徴とする前記[1]~[6]いずれか1項に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(d)ヘイズが2.6%以下、
(e)動摩擦係数が1.0以下。
[8]ポリエチレン系シーラントフィルムと貼り合わせた後のラミネート強度が4.0N/15mm以上であることを特徴とする[1]~[7]いずれか1項に記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
[9][1]~[8]いずれか1項に記載の二軸延伸ポリアミドフィルムにシーラントフィルムを積層した積層フィルム。
[10][9]に記載された積層フィルムを用いた包装袋。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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