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公開番号2025124057
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2025018485
出願日2025-02-06
発明の名称マイコバクテリウム属鑑別用オリゴヌクレオチド及びその用途
出願人東洋紡株式会社,国立大学法人 筑波大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12Q 1/6844 20180101AFI20250818BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】マイコバクテリウム属抗酸菌種を検出する有用な方法を提供すること。
【解決手段】試料中に含まれ得るマイコバクテリウム属抗酸菌種を検出する方法であって、マイコバクテリウム属抗酸菌種のマルチコピー遺伝子に由来する複数の核酸領域を増幅することを含み、前記マルチコピー遺伝子が以下の特徴(a)及び/又は(b)を有する、方法が開示される:
(a)検出対象のマイコバクテリウム属抗酸菌種の各株間での配列同一性が82%以上であり、かつ検出対象のマイコバクテリウム属抗酸菌種と他のマイコバクテリウム属抗酸菌種との間の配列同一性が82%未満である;
(b)検出対象のマイコバクテリウム属抗酸菌種の98%超の株に存在する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
試料中に含まれ得るマイコバクテリウム属抗酸菌種を検出する方法であって、マイコバクテリウム属抗酸菌種のマルチコピー遺伝子に由来する複数の核酸領域を増幅することを含み、前記マルチコピー遺伝子が以下の特徴(a)及び/又は(b)を有する、方法:
(a)検出対象のマイコバクテリウム属抗酸菌種の各株間での配列同一性が82%以上であり、かつ検出対象のマイコバクテリウム属抗酸菌種と他のマイコバクテリウム属抗酸菌種との間の配列同一性が82%未満である;
(b)検出対象のマイコバクテリウム属抗酸菌種の98%超の株に存在する。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記マルチコピー遺伝子が前記特徴(a)及び(b)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の核酸領域がそれぞれ独立して50~1500塩基の長さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の核酸領域の配列同一性が85%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチコピー遺伝子がHNHヌクレアーゼ遺伝子である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の核酸領域の各々が配列番号1で示される塩基配列又はその相補的な塩基配列、配列番号3で示される塩基配列又はその相補的な塩基配列、配列番号5で示される塩基配列又はその相補的な塩基配列、配列番号7で示される塩基配列又はその相補的な塩基配列、及び配列番号9で示される塩基配列又はその相補的な塩基配列のいずれかに対して85%以上の配列同一性を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の核酸領域の各々が配列番号2で示される塩基配列又はその相補的な塩基配列、配列番号4又はその相補的な塩基配列、配列番号6又はその相補的な塩基配列、配列番号8又はその相補的な塩基配列、及び配列番号10又はその相補的な塩基配列のいずれかに対して85%以上の配列同一性を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マイコバクテリウム属抗酸菌種が、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・アブセッサス、及びマイコバクテリウム・カンサシイのいずれか1以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
以下の特徴(A)~(E)のいずれか及び以下の特徴(F)を有する、マイコバクテリウム属抗酸菌検出用プローブ:
(A)配列番号2の50~90の塩基配列若しくはその相補的な塩基配列において連続する少なくとも10塩基の塩基配列A1、又は塩基配列A1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列A2を有する;
(B)配列番号4の30~70番目の塩基配列若しくはその相補的な塩基配列において連続する少なくとも10塩基の塩基配列B1、又は塩基配列B1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列B2を有する;
(C)配列番号6の45~85番目の塩基配列若しくはその相補的な塩基配列において連続する少なくとも10塩基の塩基配列C1、又は塩基配列C1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列C2を有する;
(D)配列番号8の45~85番目の塩基配列若しくはその相補的な塩基配列において連続する少なくとも10塩基の塩基配列D1、又は塩基配列D1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列D2を有する;
(E)配列番号10の45~85番目の塩基配列若しくはその相補的な塩基配列において連続する少なくとも10塩基の塩基配列E1、又は塩基配列E1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列E2を有する;
(F)5’末端又は3’末端のいずれか一方のみが標識されている。
【請求項10】
前記(A)~(E)の塩基配列の長さが12~20塩基である、請求項9に記載のプローブ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれ得るマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis, MTB)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium,MAV)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare,MIN)、マイコバクテリウム・アブセッサス(Mycobacterium abscessus,MAB)、及びマイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii,MKA)に代表されるマイコバクテリウム属抗酸菌を検出(特に鑑別)するためのオリゴヌクレオチド等に関する。更に、本発明は、該オリゴヌクレオチドを用いて、試料中に含まれ得るマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis, MTB)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium,MAV)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare,MIN)、マイコバクテリウム・アブセッサス(Mycobacterium abscessus,MAB)、マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii,MKA)に代表されるマイコバクテリウム属抗酸菌を検出(特に鑑別)する方法及びその方法に用いるための試薬及びキット等に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
マイコバクテリウム・ツベルクローシスは結核の原因病原体であり、病原性が高くヒト-ヒト感染を引き起こす。一方で、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・アブセッサス、マイコバクテリウム・カンサシイを始めとする非結核性抗酸菌(non-tuberculosis mycobacteria, NTM)は、病原性及び感染性が比較的に低いものの、NTM症やAIDSなどの易感染患者に対する日和見感染を引き起こすことが知られている。結核とNTM症は臨床症状が似ているため、原因病原体であるマイコバクテリウム属抗酸菌を迅速かつ正確に鑑別判定することは、公衆衛生上、非常に重要である。
【0003】
マイコバクテリウム属抗酸菌の検査方法としては古くから培養同定法が用いられてきた。しかしながら、一般的に増殖が遅く、菌種の同定までに約1ヶ月以上を要することが多い。そのため、近年では、核酸増幅法による迅速検査も行われている。核酸増幅法としてはPCR法やリアルタイムPCR法、TRC法などが主に用いられている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。核酸増幅法のターゲットとなる核酸についてはリボソームRNA遺伝子やrpoB遺伝子などが挙げられる。
【0004】
マイコバクテリウム属抗酸菌は、各種間で遺伝子配列が非常に似通っていることが知られている。このため、従来の核酸増幅法のターゲットとされてきた遺伝子配列では、交差反応による偽陽性が多いことが課題となっている(非特許文献1、非特許文献2)。また、これらの遺伝子配列は抗酸菌ゲノムあたり1コピーしか存在しない。
【0005】
配列同一性が高い特定の塩基配列がゲノム上に複数存在するマルチコピーと呼ばれる遺伝子配列をターゲットとする核酸増幅法も知られている。例えば、マイコバクテリウム・ツベルクローシスのIS6110遺伝子は、マルチコピー遺伝子であり、核酸増幅法のターゲットとして広く利用されている(非特許文献3)。一方で、非結核性抗酸菌にも、例えばマイコバクテリウム・アビウムのIS1245遺伝子のようなマルチコピー遺伝子が存在する。しかしながら、亜種の一部を検出できなかったり、種特異的な検出ができなかったりする(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2021/124960
特許第6221563号公報
特許第6387593号公報
特許第5286996号公報
【非特許文献】
【0007】
近松絹代他、結核、2016、91、623-629
藤森巧他、医学検査、2020、69、145-151
Thierry,D. et.al.,J. Clinical. MicroBiol.,1990,28,2668-2673
Ichikawa,K.et.al.,J. Med. Microbiol.,2009,58,945-950
Park,J.et.al.,Microbiol Spectr.,2023,11,e0160623
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来のターゲットとされてきた遺伝子配列とは全く異なる新規の遺伝子配列をターゲットとして、マイコバクテリウム属抗酸菌を検出(特に鑑別判定)できる有用な方法等を開発すべくなされたものである。
【0009】
本発明は、マイコバクテリウム属抗酸菌を検出(特に鑑別判定)する有用な方法、なかでもマイコバクテリウム属抗酸菌のゲノム中に複数存在する新規の遺伝子配列をターゲットとしながら特異的かつ高感度かつ漏れなくマイコバクテリウム属抗酸菌を同時に検出する方法等を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドのいずれか一方の末端のみを標識したプローブを用いることによって、マイコバクテリウム属抗酸菌を検出(特に1反応中で同時に検出)可能であり、特に鑑別可能であることを見出した。斯かる知見を基に更に検討を重ねることにより、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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