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公開番号
2025136258
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024034607
出願日
2024-03-07
発明の名称
熱収縮性ポリエステル系積層フィルム
出願人
東洋紡株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20250911BHJP(積層体)
要約
【課題】主収縮方向である長手方向への収縮性が十分で外観良好な収縮仕上げが可能であり、ヒートシール性に優れ、厚み斑が小さく、耐衝撃性に優れた熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供する。
【解決手段】表裏層及び中間層において、それぞれ特定組成のポリエステル樹脂を特定比率で混合した樹脂混合物を使用した積層フィルムにすることによって、長手方向の収縮性やヒートシール強度、耐衝撃性と厚み斑の両立を達成する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記要件(1)~(8)を満たすことを特徴とする、熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
(1) ポリエステル系樹脂を含有する表裏層を形成するA層と中間層となるB層からなる積層フィルムであって、A層に含まれる樹脂組成物の非晶成分の比率が17モル%以上30モル%以下、B層に含まれる樹脂組成物の非晶成分の比率が5モル%以上15モル%以下であって、B層に含まれる樹脂組成物のガラス転移温度が70℃以上80℃以下
(2) 上記A層とB層の厚みの比(A層の厚み/B層厚み)が0.4以上3.0以下
(3) 80℃の熱風中で30秒間に亘って処理した場合におけるフィルムの長手方向の収縮率が30%以上70%以下
(4) 80℃の熱風中で30秒間に亘って処理した場合におけるフィルムの長手方向と直交する方向の収縮率が-5%以上10%以下
(5) フィルム同士を130℃で圧力0.2MPaでヒートシールした際のシール剥離強度が4N/15mm以上15N/15mm以下
(6)フィルムの衝撃強度が0.40J以上
(7)90℃の熱風中でフィルムに発生する長手方向の収縮応力最大値が3MPa以上15MPa以下
(8) フィルム長手の方向での厚み斑TV%が0%以上20%以下
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
さらに、下記要件(9)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
(9)フィルムの面配向度が0.50以上0.80以下
【請求項3】
さらに、下記要件(10)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
(10)フィルムのIV値が0.60dg/L以上
【請求項4】
さらに、下記要件(11)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
(11)フィルム長手方向の引張破壊強度が150MPa以上
【請求項5】
さらに、下記要件(12)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
(12)積層フィルムの総厚みが9μm以上40μm以下
【請求項6】
一軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
【請求項7】
プラスチック容器の帯ラベル包装用途に用いられることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルム。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系積層フィルムがヒートシールで環状に接着された帯ラベルが被覆されてなる包装体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール性、耐衝撃性に優れ、厚み斑の小さい熱収縮性ポリエステル系フィルム、及び包装体に関するものである。詳しくはコンビニなどの麺容器や弁当等の帯ラベル包装用途に好適で、フィルムロール長手方向に収縮し、加熱収縮時の収縮応力が小さいためにヒートシール部の剥がれが発生せず、厚み斑が少なく巻き取ったロールでフィルムにタルミが発生しにくく、耐衝撃性に優れた熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商品の表示を兼ねたラベル用として熱収縮性フィルムが用いられている。また、近年では包装材を低減できることと開封の容易さからコンビニ等の弁当容器や麺容器の胴部と蓋部の結束用フィルムとしても熱収縮性フィルムが利用されるようになっている。
【0003】
従来、熱収縮性フィルム材料としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂等が用いられてきた。ポリスチレンからなる熱収縮性フィルムは、透明性には優れるが耐溶剤性が低く、印刷時に特殊な技術が必要となる。また、ポリエチレンやポリプロピレンからなる熱収縮性フィルムは耐熱性、引張強度が低く、ラベルとして使用するには厚みを大きくする必要があり包装材の減容化がしにくいという課題があった。それゆえ、耐熱性や引張強度が高く、耐溶剤性に優れたポリエステル系の熱収縮性フィルムが広汎に使用されるようになっており、その使用量は増加する傾向にある。
【0004】
また、通常の熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、ロールの幅方向に大きく収縮させるものが広く利用されている。しかしながら、幅方向に収縮するフィルムを弁当やコンビニ麺の帯ラベルとして用いる場合、フィルムを環状にして装着する際には周方向に熱収縮させる必要があるため、フィルムの幅方向が周方向となるように環状体を形成した上で、その環状体を所定の長さ毎に切断して装着する容器に手かぶせ等で装着しなければならない。したがって、幅方向に熱収縮する熱収縮性フィルムからなるラベルフィルムや帯ラベルを高速でボトルや弁当容器に装着するのは困難である。それゆえ、最近では、フィルムロールから巻きだしたフィルムを直接ボトルや弁当容器に巻き付けて装着することが可能な長手方向に熱収縮するフィルムが求められている。フィルム環状体を形成してシールするセンターシール工程や、裁断、手かぶせ等の加工が不要になり、高速で装着することも可能である。
【0005】
さらに、近年では高齢化や共働き世帯の増加により、コンビニ等で弁当や麺類の販売が増えている。それゆえ、長手方向に収縮するフィルムを使用することにより、ロールから巻き出したフィルムを直接ボトルや食品容器等の周囲に巻きつけて装着することで装着が高速に実施でき、かつ従来手被せで実施していた環状体ラベルの装着工程を自動化ができる装着方法が開発されている。また、かかる包装方法には、フィルムにヒートシール性が求められる形態もある。
【0006】
ヒートシールによる加工を行う際は、例えば2つのフィルムロールから巻きだした収縮フィルムを部分的にヒートシールして貼りあわせ、その2つのフィルムの間に被包装物(麺容器や弁当容器等のプラスチック容器)を挿入して、ヒートシールされている部分と反対側のフィルムを部分的にヒートシールして貼りあわせることで環状のフィルムとし、その環状フィルムを熱風等で加熱して収縮させることで被包装体と密着させ容器と蓋を留める帯ラベルを装着することができる。また、シールバーの温度が大きいと、シールバーの熱によりプラスチック製の被包装体が変形することがある。そのため、熱収縮性フィルムには低温シール性が必要となる。
【0007】
熱風トンネルで熱収縮させて装着させる場合、一般的に飲料ペットボトルなどでの装着へ用いられるスチームトンネルと異なり、熱風だと蒸気よりも熱伝達性しにくいため、熱収縮フィルムには低温での優れた収縮特性が求められる。
【0008】
ポリエステルフィルムにおいてヒートシール強度を向上させるには、製膜工程においてポリエステルを結晶化させることなく、フィルム中の非晶質量を大きくすることが必要となる。
【0009】
フィルム中の非晶質量を大きくするには結晶性の小さいポリエステル原料を使用する必要がある。しかしながら、非晶質の多い原料は製膜工程において延伸応力が上がりにくいため厚み斑が大きくなりやすく、厚み斑が大きいと、製膜したフィルムをロールに巻き取る際に厚み差が大きい箇所でフィルムにタルミが発生しやすいため、延伸倍率を大きくして厚み斑を小さくする必要がある。しかしながら延伸倍率を大きくすると分子配向が進んでヒートシール強度が低下するだけでなく、熱収縮性フィルムからなるラベルを加熱装着する際の収縮応力が大きくなってしまい、ヒートシール部でラベルが剥がれやすくなるという課題があった。
【0010】
一方で、フィルム中の非晶質量が小さいと厚み斑は小さくなるが、熱収縮性やヒートシール強度が低下するだけなく、延伸倍率を大きくした際に、分子配向による結晶化が生じて長手方向にフィルムが裂けやすくなることで耐衝撃性が低下し、特に厚みが薄いと、ラベルとして装着後の輸送時にクラックが生じやすいという課題がある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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