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公開番号2025134069
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2025121059,2022517011
出願日2025-07-18,2021-04-15
発明の名称レーザー印字された表示材料およびそれを用いた包装体
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B41M 5/26 20060101AFI20250904BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】高い透明性を有しており、レーザーによる鮮明な印字が可能な表示材料および包装体を提供すること。
【解決手段】レーザー照射による印字が可能な層を少なくとも1層有している表示材料であって、該層の少なくとも一部がレーザー照射による色変化によって印字されており、該印字された部分と非印字部分をデジタルマイクロスコープで断面観察したとき、色の要素を示すRGB値の内いずれか少なくとも1つの値に有意差がみられ、該当する印字部分の厚みが5μm以上200μm以下である表示材料。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
レーザー照射による印字が可能な層を少なくとも1層と接着層を有している表示材料であって、レーザー照射による印字が可能な層の少なくとも一部がレーザー照射による色変化によって印字されており、該印字された部分と非印字部分をデジタルマイクロスコープで断面観察したとき、色の要素を示すRGB値の内いずれか少なくとも1つの値に有意差がみられ、該当する印字部分の厚みが5μm以上200μm以下であり、レーザー照射による印字が可能な層は延伸フィルム層である表示材料。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
レーザー照射によって色変化を起こしている部分の厚みが20μm以上140μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示材料または包装体。
【請求項3】
レーザー照射による印字が可能な層の中に、レーザー照射による色変化を起こしうる顔料が100ppm以上3000ppm以下で含まれていることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の表示材料。
【請求項4】
レーザー照射による印字が可能となる顔料が金属を含有し、該金属として、ビスマス、ガドリニウム、ネオジム、チタン、アンチモン、スズ、アルミニウムいずれかの単体または酸化物のいずれかが少なくとも1種類は含まれていることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の表示材料。
【請求項5】
ヘイズが1%以上40%以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の表示材料。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の表示材料を含む包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー照射によって印字等の表示を有する表示材料およびそれを用いた包装体に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、食品、医薬品および工業製品に代表される流通物品に包装体が用いられている。これらの多くは、内容物を保護するだけでなく、製品名や製造年月日、原材料等に関する情報を表示する役割も担っている。このような表示の手段としては、従来から知られているインキ等を用いた印刷の他、例えば特許文献1に記載されているように、インキや熱転写等によって印字することが可能な基材の裏面に、粘着剤が塗布されたラベル(タックラベル)が広く用いられてきた。タックラベルは予め、表示面となるおもて面に情報が印字された状態で剥離紙(台紙)に貼り付けられ、使用時には台紙から剥がして表示材料に貼り付けられる。タックラベルを貼り付けた後の台紙は用済みとなるため、ラベルを使用した分だけゴミが増えてしまう。また、ラベルの使用者は、内容物の種類に応じて表示内容の異なるラベルを持たなければならず、内容物の種類が増えるにつれてラベルの管理が煩雑となり、ラベルの貼り間違いが起こるリスクを抱えていた。さらに、通常はラベルの不足に備えて余分に在庫を持つ必要があり、内容物の製造・販売が終了した時点でそのラベルは使い道がないため廃棄されていた。このように、タックラベルは様々な面で欠点を抱えていた。
【0003】
上記の問題点を解消するため、特許文献2には、感熱記録層を有した感熱フィルムが開示されている。特許文献2のフィルムは熱によって変色するため、それ自身が表示性能を有する包装体となる。そのため、上記のタックラベルを使用する必要がない。また、特許文献2のようなフィルムを用いた包装体を製袋する工程に、サーマルプリンタ等の印字機を組み込んでおくことによって製袋と表示が一工程で完結するため、省力化・コストダウンにも貢献している。これらのメリットがあるため、最近は包装体自身に直接印字する方式が普及してきている。しかし、基材となるフィルムに感熱層を設けると、外部との擦れ等によって感熱層が剥がれ落ちる懸念があるため、通常は感熱層の上(表層側)に保護層を設けている。これらの機能層を設ける手段として、コーティングが広く普及している。コーティングは少なくとも、塗布・乾燥・巻き取りの工程を経るため、各機能層の分だけ工程数が増え、生産性が低下してしまう。さらに、これらの機能層は粒子を有しているため、層厚みに応じて透明性が低下してしまう問題もあった。
【0004】
一方、近年の表示(印字)手段としては、上記に挙げたインキや熱だけでなく、レーザーがトリガーとなる技術も普及してきている。例えば特許文献3には、印刷層がレーザー光により印字可能なインキ組成物からなる層を含むレーザー印字用多層積層フィルムが開示されている。このフィルムを用いることにより、レーザーを照射した部分が変色して印字できるようになる。ただし、特許文献3のようなフィルムは、特許文献2のフィルムと同じく、フィルム基材上に印刷層を設ける必要があるため、層剥がれや生産性低下の問題は解決できていない。
【0005】
また、特許文献4には、酸化ビスマスからなるレーザーマーキング用添加剤が開示されている。この添加剤をプラスチックへ練りこむことにより、レーザーを照射した部分が変色して印字できるようになる。通常、プラスチック単体はレーザーには反応しないが、この添加剤がレーザーのエネルギーによって励起され、プラスチックを変色させることができる。添加剤はフィルム内部に存在するため、コーティングで起きていた機能層の剥離は起きづらい点で有用である。ただし、添加剤は金属粒子であるため、上記のコーティングと同様、フィルムの透明性を低下させる問題は残っていた。レーザー照射によって印字する場合、該当部分が色変化を起こすことではじめて印字を認識できる。しかし、基材となるプラスチック自体の透明性が低い場合、レーザー照射によって印字したときに印字部分と非印字部分を目視で判別することが困難となり、印字機能を満たすことができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-362027号公報
特開2017-209847号公報
特開2017-196896号公報
国際公開第2014/188828号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解消することを課題とするものである。すなわち、本発明の課題は高い透明性を有しており、レーザーによる鮮明な印字が可能な表示材料および包装体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の構成よりなる。
1.レーザー照射による印字が可能な層を少なくとも1層有している表示材料であって、該層の少なくとも一部がレーザー照射による色変化によって印字されており、該印字された部分と非印字部分をデジタルマイクロスコープで断面観察したとき、色の要素を示すRGB値の内いずれか少なくとも1つの値に有意差がみられ、該当する印字部分の厚みが5μm以上200μm以下である表示材料。
2.レーザー照射によって色変化を起こしている部分の厚みが20μm以上140μm以下であることを特徴とする1.に記載の表示材料または包装体。
3.レーザー照射による印字が可能な層の中に、レーザー照射による色変化を起こしうる顔料が100ppm以上3000ppm以下で含まれていることを特徴とする1.または2.いずれかに記載の表示材料。
4.レーザー照射による印字が可能となる顔料が金属を含有し、該金属として、ビスマス、ガドリニウム、ネオジム、チタン、アンチモン、スズ、アルミニウムいずれかの単体または酸化物のいずれかが少なくとも1種類は含まれていることを特徴とする1.~3.いずれかに記載の表示材料。
5.ヘイズが1%以上40%以下であることを特徴とする、1.~4.のいずれかに記載の表示材料。
6.前記1.~5.のいずれかに記載の表示材料を含む包装体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の表示材料および包装体は高い透明性を有しており、レーザーによる鮮明な印字が可能な表示材料およびは包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1のレーザー印字した表示体の画像
実施例1の表示体の断面観察像
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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