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公開番号2025154220
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057099
出願日2024-03-29
発明の名称発芽玄米及びその製造方法
出願人株式会社ファンケル
代理人弁理士法人 もえぎ特許事務所
主分類A23L 33/105 20160101AFI20251002BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】ポリアミンを日常的に多く摂取することが可能な、ポリアミンの総含有量が高い発芽玄米及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリアミンの総含有量が高い発芽玄米であって、ポリアミンの総含有量が、発芽玄米100gに対して4~7mgである発芽玄米。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミンの総含有量が高い発芽玄米であって、
前記ポリアミンの総含有量が、発芽玄米100gに対して4~7mgである発芽玄米。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記ポリアミンとして、プトレッシン、スペルミジン、スペルミンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の発芽玄米。
【請求項3】
前記プトレッシンの含有量が、前記発芽玄米100gに対して1.8~4.4mgである、請求項2に記載の発芽玄米。
【請求項4】
水分が15%前後に水分調整された乾燥玄米に対し、アミノ酸を含む水溶液を加水して加水玄米を得る加水工程と、
前記加水玄米を通気条件下にて調質を行い、発芽玄米を得る調質工程と、を備える発芽玄米の製造方法。
【請求項5】
前記加水工程において、加水後の前記加水玄米の水分が20~30%の範囲となるように、前記乾燥玄米の水分17%までは0.5%/h未満の速度で加水し、
さらに、前記乾燥玄米の水分が17%を超えた時点で、0.5~2.0%/hの速度で徐々に加水速度を上げて加水を行う請求項4に記載の発芽玄米の製造方法。
【請求項6】
前記加水工程において、前記乾燥玄米の表面に粒子径が0.1mm以下の霧状の水滴を付着させて、緩慢な加水を行う請求項4又は5に記載の発芽玄米の製造方法。
【請求項7】
前記アミノ酸が、オルニチンである、請求項4又は5に記載の発芽玄米の製造方法。
【請求項8】
前記オルニチンの添加量が、前記乾燥玄米100gに対して1~600mgである、請求項4又は5に記載の発芽玄米の製造方法。
【請求項9】
前記調質工程において、2~24時間かけて前記加水玄米の調質を行う、請求項4又は5に記載の発芽玄米の製造方法。
【請求項10】
前記調質工程において、調質雰囲気内に外気を取り入れて換気を行いながら前記加水玄米の調質を行う、請求項4又は5に記載の発芽玄米の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発芽玄米及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明はポリアミンの総含有量が高い発芽玄米及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミンは、アミノ基を分子内に2つ以上持つ炭化水素の総称である。ポリアミンは、全生物種の細胞に含まれ、細胞の成長や増殖、細胞の生命活動(タンパク質合成、遺伝子発現)に関与し、抗炎症作用、抗酸化作用、糖化抑制、寿命延長など様々な機能を有している。生体内では、アミノ酸からポリアミンが生合成されるが、加齢によって体内のポリアミン濃度が低下することが知られており、抗老化成分として注目されている。
生体内には、様々な構造のポリアミンが存在するが、代表的なポリアミンとして、プトレッシン、スペルミジン、スペルミンが知られている。そして、細胞内では、アルギニンから、オルニチン、プトレッシン、スペルミジン、スペルミンの順に合成される。ポリアミンは、分子量が小さく、腸管から容易に吸収されやすいため、ポリアミンの生合成経路の上流にあるアルギニンやオルニチンを摂取するよりも、ポリアミンそのものを摂取する方が効果的に体内に吸収される(非特許文献1)。
【0003】
ポリアミンは、小麦胚芽や大豆等の食品に多く含まれており(非特許文献2)、小麦胚芽等から抽出したポリアミン含有原料が販売されているが含有量が多いものはない(非特許文献3)。また、ポリアミンは、日常的に多く摂取している白米や玄米、発芽玄米にも含まれているが、含有量が少ない(非特許文献4)。
【0004】
また、発芽玄米の製造方法として、あらかじめ水分が10~15%に調整された乾燥玄米を、玄米表面に粒子径が0.1mm以下の霧状の水滴を付着させて、水分が20~30%の範囲となるように0.5~2.0%/hの加水速度で緩慢な加水を行い、この穀粒をタンクに投入してタンク内に外気を取り入れて換気を行いながら2~15時間の調質を行うことを特徴とする、玄米中にγ-アミノ酪酸を富化させる方法が開示されている(特許文献1)。しかし、玄米中のポリアミン総含有量を高めることに関する記載はされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4409879号公報
【非特許文献】
【0006】
コンビ株式会社、「ソイポリア(登録商標)(ポリアミン)」、[online]、コンビ株式会社ライフサイエンス事業部、[令和6年2月8日検索]、インターネット<URL:https://www.combi.co.jp/f-foods/products/soypolya/index.html>
コンビ株式会社、「ソイポリア及び各食品におけるポリアミン含有量」、[online]、コンビ株式会社ライフサイエンス事業部、[令和6年2月8日検索]、インターネット<URL:https://www.combi.co.jp/f-foods/products/soypolya/soy_04.html>
東洋紡株式会社、「PHYTOPOLYAMINE(登録商標)」、[online]、東洋紡株式会社バイオ事業総括部、[令和6年2月8日検索]、インターネット<URL:https://www.toyobo.co.jp/products/cosme/category/phytopolyamine/index.html>
AtiyaA. M. et al., Polyamines in foods: development of a food database. Food Nutr. Res.55,3402 (2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
抗老化作用があるポリアミンは、小麦胚芽や大豆等の食品に多く含まれているが、これらの食品を、日常的に欠かさず摂取するのは困難であった。小麦胚芽等から抽出したポリアミン含有原料は、サプリメント等に加工して効率よく摂取することが可能であるが、オーガニック食品や自然素材を好む自然派志向の消費者から受け入れ難かった。また、白米、玄米、発芽玄米等は、多くの人が主食として日常的に多く摂取するが、ポリアミンの総含有量が少ないことが課題であった。
そこで、あらゆる人が日常的にポリアミンを摂取するために、ポリアミンの総含有量の高いお米、玄米、発芽玄米が求められていた。特に、玄米、発芽玄米は、白米に比べてポリアミンの総含有量が多いことから、日常的に効率よくポリアミンを摂取するために、ポリアミンの総含有量が高い玄米、発芽玄米が求められていた。
したがって、本発明の目的は、ポリアミンの総含有量が高い発芽玄米及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の内容に関する。
[1] ポリアミンの総含有量が高い発芽玄米であって、ポリアミンの総含有量が、発芽玄米100gに対して4~7mgである発芽玄米。
[2] ポリアミンとして、プトレッシン、スペルミジン、スペルミンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]に記載の発芽玄米。
[3] プトレッシンの含有量が、発芽玄米100gに対して1.8~4.4mgである、[2]に記載の発芽玄米。
[4] 水分が15%前後に水分調整された乾燥玄米に対し、アミノ酸を含む水溶液を加水して加水玄米を得る加水工程と、加水玄米を通気条件下にて調質を行い、発芽玄米を得る調質工程と、を備える発芽玄米の製造方法。
[5] 加水工程において、加水後の前記加水玄米の水分が20~30%の範囲となるように、前記乾燥玄米の水分17%までは0.5%/h未満の速度で加水し、さらに、乾燥玄米の水分が17%を超えた時点で、0.5~2.0%/hの速度で徐々に加水速度を上げて加水を行う[4]に記載の発芽玄米の製造方法。
[6] 加水工程において、前記乾燥玄米の表面に粒子径が0.1mm以下の霧状の水滴を付着させて、緩慢な加水を行う[4]又は[5]に記載の発芽玄米の製造方法。
[7] アミノ酸が、オルニチンである、[4]~[6]のいずれかに記載の発芽玄米の製造方法。
[8] オルニチンの添加量が、前記乾燥玄米100gに対して1~600mgである、[4]~[7]のいずれかに記載の発芽玄米の製造方法。
[9] 調質工程において、2~24時間かけて前記加水玄米の調質を行う、[4]~[8]のいずれかに記載の発芽玄米の製造方法。
[10] 調質工程において、調質雰囲気内に外気を取り入れて換気を行いながら前記加水玄米の調質を行う、[4]~[9]のいずれかに記載の発芽玄米の製造方法。
[11] 水分が15%前後に水分調整された乾燥玄米に対し、アミノ酸を含む水溶液を加水する加水工程と、加水玄米を通気条件下にて調質を行い、発芽玄米を得る調質工程と、を備える発芽玄米の製造方法により得られる発芽玄米。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリアミンの総含有量が高い発芽玄米及びその製造方法が提供される。この発芽玄米によれば、自然派志向の人々も含めたあらゆる人が摂取することができる。またこの発芽玄米を摂取することにより、日常的に多くのポリアミンを摂取することができ、生体内において抗老化作用の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、微量加水製法により、玄米にオルニチンを含有(オルニチン強化)させた場合のオルニチン強化量と得られた発芽玄米のプトレッシン含有量の関係を表したグラフである。
図2は、微量加水製法により、玄米にオルニチンを含有(オルニチン強化)させた場合のオルニチン強化量と得られた発芽玄米のポリアミンの総含有量の関係を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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