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公開番号
2025004515
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104246
出願日
2023-06-26
発明の名称
ボールねじ
出願人
日本精工株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
F16H
25/24 20060101AFI20250107BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】ランド部に付着した潤滑剤をねじ溝に戻すことで、潤滑剤の有効利用を実現できるボールねじを提供する。
【解決手段】ボールねじは、外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、内周ねじ溝が形成されたナットと、対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、を有し、前記ねじ軸において、前記外周ねじ溝間の外周ランド部に外周螺旋溝が形成されるとともに、前記外周螺旋溝と前記外周ねじ溝とをつなぐ外周スプライン溝が前記ねじ軸の軸線に沿って形成され、また前記ナットにおいて、前記内周ねじ溝間の内周ランド部に内周螺旋溝が形成されるとともに、前記内周螺旋溝と前記内周ねじ溝とをつなぐ内周スプライン溝が前記ナットの軸線に沿って形成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、
内周ねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、を有し、
前記ねじ軸において、前記外周ねじ溝間の外周ランド部に外周螺旋溝が形成されるとともに、前記外周螺旋溝と前記外周ねじ溝とをつなぐ外周スプライン溝が前記ねじ軸の軸線に沿って形成される、
ことを特徴とするボールねじ。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記外周ランド部の外周面から前記外周スプライン溝の溝底までの距離は、前記外周ランド部の外周面から前記外周ねじ溝の溝底までの距離より小さく、かつ前記外周ランド部の外周面から前記外周螺旋溝の溝底までの距離より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項3】
前記外周スプライン溝の溝底は、前記ねじ軸の軸線との距離が漸減または漸増するように前記軸線に対して傾いている、
ことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項4】
前記外周スプライン溝は、底面と、一対の側面とを有し、前記側面同士の間隔が、前記ねじ軸の中心に向かうにつれて増大している。
ことを特徴とする請求項3に記載のボールねじ。
【請求項5】
前記外周螺旋溝に嵌入可能となっている突起を備えたシール部材が、前記ナットに配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項6】
前記ねじ軸のねじ溝は、転造加工により形成されており、前記ねじ軸を軸線を含む断面で切断したときに、前記外周ランド部の切断面におけるファイバーフローが、前記外周螺旋溝において途切れていない、
ことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項7】
外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、
内周ねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、を有し、
前記ナットにおいて、前記内周ねじ溝間の内周ランド部に内周螺旋溝が形成されるとともに、前記内周螺旋溝と前記内周ねじ溝とをつなぐ内周スプライン溝が前記ナットの軸線に沿って形成される、
ことを特徴とするボールねじ。
【請求項8】
前記内周ランド部の内周面から前記内周スプライン溝の溝底までの距離は、前記内周ランド部の内周面から前記内周ねじ溝の溝底までの距離より小さく、かつ前記内周ランド部の内周面から前記内周螺旋溝の溝底までの距離より大きい、
ことを特徴とする請求項7に記載のボールねじ。
【請求項9】
前記内周スプライン溝の溝底は、前記ナットの軸線との距離が漸減または漸増するように前記軸線に対して傾いている、
ことを特徴とする請求項7に記載のボールねじ。
【請求項10】
前記内周スプライン溝は、底面と、一対の側面とを有し、前記側面同士の間隔が、前記ねじ軸の中心に向かうにつれて増大している。
ことを特徴とする請求項9に記載のボールねじ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ボールねじは、螺旋溝を外周面に有する略棒状のねじ軸と、ねじ軸の螺旋溝に対向する螺旋溝を内周面に有する略筒状のナットと、両螺旋溝により形成される螺旋状の転動路内に転動自在に装填された複数のボールと、を備えている。そして、ボールを介して螺合されているナットとねじ軸とを相対回転運動させると、転動路内でのボールの転動を介して、ナットとねじ軸とが軸方向に相対移動するようになっている。
【0003】
このようなボールねじは、ねじ軸に直接塗布した潤滑剤、またはナットから転動路内に配されたグリースまたはオイルで潤滑されつつ動作する。ただし、これらの潤滑剤の多くが、転動路以外の螺旋溝ランド部に付着してしまい、潤滑に用いられず無駄となることがある。しかしながら、転動溝の潤滑不良を防止するには、たとえ無駄が生じても潤滑に必要な量以上の潤滑剤を供給しなくてはならないという実情から、潤滑剤の有効利用が課題となっている。
【0004】
このような課題を解決する対応策として、特許文献1において、潤滑剤の流動を防ぐ別部品を設けることによって、潤滑剤をボールが転動する負荷路に供給しやすくする技術が提案されている。しかしながら、特許文献1の技術では、潤滑剤のランド部への流動を防ぐために、弾性材からなる別部品をねじ軸とナットとの間に設置する必要があり、それによるコストの増大に加え、ねじ軸とナットとの相対運動により摺動する弾性材の摩耗や耐久性が新たな課題となる。
【0005】
また、特許文献2には、ねじ軸のランド部に螺旋溝を形成するとともに、該螺旋溝に取り付けられた保持部材によって潤滑剤を保持し、かかる潤滑剤により転動面の潤滑を図ろうとする技術が提案されている。しかしながら、特許文献2の技術では、保持部材自体に留まる潤滑剤や、該螺旋溝に留まる潤滑剤が逆に多くなり、ランド部に付着する潤滑剤の有効利用が図れないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5120488号公報
特開2008-202718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、ランド部に付着した潤滑剤をねじ溝に戻すことで、潤滑剤の有効利用を実現できるボールねじを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のボールねじは、
外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、
内周ねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、を有し、
前記ねじ軸において、前記外周ねじ溝間の外周ランド部に外周螺旋溝が形成されるとともに、前記外周螺旋溝と前記外周ねじ溝とをつなぐ外周スプライン溝が前記ねじ軸の軸線に沿って形成される、ことを特徴とする。
【0009】
本発明のボールねじは、
外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、
内周ねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、を有し、
前記ナットにおいて、前記内周ねじ溝間の内周ランド部に内周螺旋溝が形成されるとともに、前記内周螺旋溝と前記内周ねじ溝とをつなぐ内周スプライン溝が前記ナットの軸線に沿って形成される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ランド部に付着した潤滑剤をねじ溝に戻すことで、潤滑剤の有効利用を実現できるボールねじを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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