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公開番号
2025002655
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023102971
出願日
2023-06-23
発明の名称
船舶、船舶の二酸化炭素荷役方法
出願人
三菱造船株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B63B
25/08 20060101AFI20241226BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約
【課題】設備コストの上昇を抑えつつ、船体内の限られたスペースを有効に利用することができる。
【解決手段】船舶は、船体と、船体に設けられ、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクと、船体に設けられ、気体状態の二酸化炭素を圧縮可能な圧縮機、及び圧縮機によって圧縮された気体状態の二酸化炭素を冷却して液化させる冷却部、を有する液化装置と、タンクから圧縮機に気体状態の二酸化炭素を導入可能なタンク吸入ラインと、冷却部で液化された液化二酸化炭素をタンクに戻す返送ラインと、外部からの気体状態の二酸化炭素を圧縮機に導入可能な陸上吸入ラインと、圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を、冷却部を介さずに液化装置の外部に導く導出ラインと、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
船体と、
前記船体に設けられ、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクと、
前記船体に設けられ、気体状態の二酸化炭素を圧縮可能な圧縮機、及び前記圧縮機によって圧縮された気体状態の二酸化炭素を冷却して液化させる冷却部、を有する液化装置と、
前記タンクから前記圧縮機に気体状態の二酸化炭素を導入可能なタンク吸入ラインと、
前記冷却部で液化された液化二酸化炭素を前記タンクに戻す返送ラインと、
外部からの気体状態の二酸化炭素を前記圧縮機に導入可能な陸上吸入ラインと、
前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を、前記冷却部を介さずに前記液化装置の外部に導く導出ラインと、
を備える船舶。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記導出ラインは、前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を、前記タンク内に供給可能である
請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記タンク内の液化二酸化炭素を船外に払出可能な払出ラインと、前記払出ラインに設けられて前記タンク内の液化二酸化炭素を圧送可能な揚荷ポンプと、を備える
請求項2に記載の船舶。
【請求項4】
前記タンク内の液化二酸化炭素を前記タンク外に払い出す払出ラインをさらに備え、
前記導出ラインは、前記払出ラインを通して前記タンク内の液化二酸化炭素を前記タンク外に払い出す場合に、前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を前記タンク内に供給する
請求項2に記載の船舶。
【請求項5】
前記タンクの外部から前記タンク内に液化二酸化炭素を積み込む積込ラインをさらに備え、
前記導出ラインは、前記積込ラインを通して前記タンクの外部から前記タンク内に液化二酸化炭素を積み込むのに先立ち、前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を前記タンク内に供給可能である
請求項2に記載の船舶。
【請求項6】
複数の前記タンクが、前記船体に設けられ、
前記導出ラインは、前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を一の前記タンクに導き、
前記タンク吸入ラインは、他の前記タンク内の気体状態の二酸化炭素を、前記圧縮機に導入可能である
請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項7】
前記導出ラインは、前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を、前記タンクに接続された配管内に供給可能である
請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項8】
前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素の供給先を、前記冷却部と前記導出ラインとの間で切り替え可能とする、ガス供給切換部、をさらに備える
請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項9】
前記液化装置を複数備える
請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項10】
前記タンク吸入ライン、及び前記導出ラインは、複数の前記液化装置のうちの少なくとも一つの前記液化装置の前記圧縮機に接続されている
請求項9に記載の船舶。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶、船舶の二酸化炭素荷役方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されたタンク(燃料タンク)は、液化ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)をタンクに積み込むための配管(パイプライン)と、タンクから液化ガスを払い出すための配管(パイプライン)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2018-528119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液化ガスとして液化二酸化炭素を収容するタンク内や、液化二酸化炭素の流通する配管内では、液化二酸化炭素の圧力と温度が下がり三重点より低下した場合に、液化二酸化炭素が凝固してドライアイスが生成される可能性がある。ドライアイスが生成されると、液化二酸化炭素の流れが阻害され、タンクや配管の運用に影響を及ぼす可能性がある。このため、少なくとも液化二酸化炭素を収容するタンク、配管を備えた液化二酸化炭素設備においては、ドライアイスの生成が抑えられるように、タンク内や配管内等を加圧する必要がある。
また、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクを備える船舶では、タンクへの入熱によりボイルオフガスが生成することでタンク内の圧力が耐圧圧力に近づいてしまう可能性が有る。この入熱による圧力上昇を抑えるため、ボイルオフガスを液化する液化装置を搭載することが検討されている。
しかしながら、タンク内や配管内等を加圧する装置に加えて液化装置を備えると、船舶の設備コスト上昇を招くとともに、装置を設置するスペースが増大して船舶が大型化してしまう可能性が有る。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、設備コストの上昇を抑えつつ、船体内の限られたスペースを有効に利用することができる船舶、船舶の二酸化炭素荷役方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る船舶は、船体と、タンクと、液化装置と、タンク吸入ラインと、返送ラインと、陸上吸入ラインと、導出ラインと、を備えている。前記タンクは、前記船体に設けられている。前記タンクは、液化二酸化炭素を貯留可能である。前記液化装置は、前記船体に設けられている。前記液化装置は、圧縮機、及び冷却部、を有している。前記圧縮機は、気体状態の二酸化炭素を圧縮可能である。前記冷却部は、前記圧縮機によって圧縮された気体状態の二酸化炭素を冷却して液化させる。前記タンク吸入ラインは、前記タンクから前記圧縮機に気体状態の二酸化炭素を導入可能である。前記返送ラインは、前記冷却部で液化された液化二酸化炭素を前記タンクに戻す。前記陸上吸入ラインは、外部からの気体状態の二酸化炭素を前記圧縮機に導入可能である。前記導出ラインは、前記圧縮機で圧縮された気体状態の二酸化炭素を、前記冷却部を介さずに前記液化装置の外部に導く。
【0007】
本開示に係る船舶の二酸化炭素荷役方法は、上記したような船舶の二酸化炭素荷役方法であって、タンク内を非固体化域圧力以上に高める工程と、前記タンク内を加圧して前記タンク内の液化二酸化炭素を払い出す工程と、前記タンク内を耐圧圧力以下に維持する工程と、を含んでいる。タンク内を非固体化域圧力以上に高める工程では、液化二酸化炭素を前記タンクに積み込むための前準備作業として前記タンク内の圧力をドライアイス化しない三重点以上の圧力域である非固体化域圧力以上に高める。前記タンク内を加圧して前記タンク内の液化二酸化炭素を払い出す工程では、前記タンクの揚荷ポンプを使用せずに前記タンク内の気体状態の二酸化炭素の圧力を、移送先の圧力以上に高めて押し出し払い出す。前記タンク内を耐圧圧力以下に維持する工程では、前記タンク内の気体状態の二酸化炭素の圧力が上昇しないよう液化装置により前記タンクの耐圧圧力以下に維持する。
【0008】
本開示に係る船舶の二酸化炭素荷役方法は、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクを船体に備える船舶の二酸化炭素荷役方法であって、タンク内を非固体化域圧力以上に高める工程と、前記タンク内を加圧して前記タンク内の液化二酸化炭素を払い出す工程と、前記タンク内を耐圧圧力以下に維持する工程と、を含んでいる。タンク内を非固体化域圧力以上に高める工程では、液化二酸化炭素をタンクに積み込むための前準備作業として、前記タンクの圧力をドライアイス化しない三重点以上の圧力域である非固体化域圧力以上に高める。前記タンク内を加圧して前記タンク内の液化二酸化炭素を払い出す工程では、前記タンクの揚荷ポンプを使用せずに前記タンク内の気体状態の二酸化炭素の圧力を、移送先の圧力以上に高めて押し出し払い出す。前記タンク内を耐圧圧力以下に維持する工程では、前記タンク内の気体状態の二酸化炭素の圧力が上昇しないよう液化装置により前記タンクの耐圧圧力以下に維持する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の船舶によれば、設備コストの上昇を抑えつつ、船体内の限られたスペースを有効に利用することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施形態に係る船舶の平面図である。
本開示の実施形態に係る船舶に設けられた、タンク及び液化装置を示す図である。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法の手順を示すフローチャートである。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法の加圧工程において、タンク内及び二酸化炭素液ライン内を加圧する状態を示す図である。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法の積込工程において、タンク内に液化二酸化炭素を積み込む状態を示す図である。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法の搬送工程においてタンク内で発生するボイルオフガスを再液化する状態を示す図である。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法における、揚荷ポンプによりタンク内の二酸化炭素を払い出す工程を示す図である。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法における、タンク内を加圧してタンク内の液化二酸化炭素を払い出す工程を示す図である。
本開示の実施形態に係る船舶の二酸化炭素荷役方法における、タンク内を加圧してタンク内の液化二酸化炭素を払い出す工程の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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