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公開番号2025005556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105769
出願日2023-06-28
発明の名称船舶の居住区支持構造
出願人株式会社新来島どっく
代理人個人
主分類B63B 29/02 20060101AFI20250109BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】
居住区の前方視界を確保すると共に、T字型居住区の張り出しオーバーハング部への強度を高めた船舶の居住区支持構造を提供する。
【解決手段】
船舶の居住区支持構造において、船舶前方から見てT字形状の上甲板上に配置されるT字型居住区と、T字型居住区の船幅方向の張り出しオーバーハング下に船幅方向離間スペース及び高さ方向離間スペースを介してT字型居住区の両側に配置される燃料タンクと、高さ方向離間スペース間に配置される支持部材と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
船舶前方から見てT字形状の上甲板上に配置されるT字型居住区と、
T字型居住区の船幅方向の張り出しオーバーハング下に船幅方向離間スペース及び高さ方向離間スペースを介してT字型居住区の両側に配置される燃料タンクと、
高さ方向離間スペース間に配置される支持部材と、
を有することを特徴とする船舶の居住区支持構造。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
T字型居住区の両側に配置される燃料タンクは、舷側舷梯への乗込み間隔を介して配置される燃料タンクであることを特徴とする請求項1に記載の船舶の居住区支持構造。
【請求項3】
支持部材は、燃料タンク外壁上に立設する複数の支持柱又は平板であることを特徴とする請求項1に記載の船舶の居住区支持構造。
【請求項4】
燃料タンクは、外壁面に遮熱塗装された燃料タンクであることを特徴とする請求項1に記載の船舶の居住区支持構造。
【請求項5】
T字型居住区及び燃料タンクは、内作された燃料タンクを上甲板上に設置し、しかる後に、支持部材付きのT字型居住区を上甲板上に搭載したT字型居住区及び燃料タンクであることを特徴とする請求項1に記載の船舶の居住区支持構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の居住区支持構造に関し、より詳細には、船舶居住区を前方から見てT字型とすると共に、船幅方向のT字張り出しオーバーハング下に燃料タンクを配置して居住区を強固に支持する船舶の居住区支持構造に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
船舶の居住区は、航海区域(操船室等)、作業区域(空調機室、洗濯室等)、居住区域(居室(乗組員の部屋))、公室(食堂、娯楽室等)、衛生区画(公共用便所、公共用浴室等)、調理区画(調理室)などから構成され、船尾近傍に配置されるものの操船のための船舶前方の見通しの確保が必要となる。
従来、船舶の居住区は、前方見通しへの考慮から上甲板上に配置され、その形状は、前方から見て箱型形状が一般的である。また、通常は、船舶の燃料タンクを上甲板上に配置する例は少なく、居住区横に燃料タンクが配置される例は少ない。
このような前方から見て箱型形状の上甲板上の居住区の横に燃料タンクを配置した場合、居住区幅を小さくして船長方向に細長い構造にしなければならず、その場合には、船舶の復原性(重心上昇)やエアードラフトを勘案すると居住区高さを出来るだけ低くする必要がある。そこで、前方から見てT字型の居住区構造とすることもあり得る。
【0003】
船舶居住区を前方から見てT字型形状とする先行例としては、例えば、特開2018-62313号公報に開示のものが知られている。特開2018-62313号公報の開示は、発明名称「船舶の居住区構造及び貨物運搬船」に係り、「・・・船体の復原性、エアードラフト、貨物の搭載量、救命艇等の装備に影響を及ぼすことを抑えつつ、居室を有効に増やすことができる船舶の居住区構造及び貨物運搬船を提供することを目的とする」発明解決課題において(同公報明細書段落南郷)0004参照)、「船幅方向両側に設けられた一対の舷側とこれら舷側を接続する上甲板とを有し、船首尾方向の前方から後方に延びて貨物を積載するホールド、及び前記ホールドよりも船首尾方向の後方に配置された機関区域が内部に形成された船体を備える船舶の居住区構造であって、 前記上甲板上における前記機関区域の上方の部分に前記一対の舷側から船幅方向の内側に離れて設けられた下層甲板室、及び前記下層甲板室上に設けられて前記下層甲板室よりも船幅方向外側に張り出した上層甲板室を有する甲板室部と、 前記上甲板上における前記舷側と前記下層甲板室との間であって、前記上層甲板室の前記下層甲板室よりも船幅方向外側に張り出した部分の下方に形成され、艤装品を搭載する艤装搭載部と、を備える船舶の居住区構造」とすることにより(同公報特許請求の範囲請求項1の記載等参照)、「船体の復原性、エアードラフト、貨物の搭載量、救命艇等の装備に影響を及ぼすことを抑えつつ、居室を有効に増やすことができる」との効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0012参照)。
【0004】
図3は、特開2018-62313号公報に図3として添付される開示発明の一実施形態における貨物運搬船の上部構造の構成を示す正面図であり、図3において、符号101は、貨物運搬船、110は、船体、110sは、舷側、115は、上甲板、120は、上部構造、121は、艦橋、122は、ブリッジウイング、122tは、先端部、123は、甲板室部、124は、艤装搭載部、125は、下層甲板室、125wは、側壁部、126は、上層甲板室、126hは、オーバーハング部、126wは、側壁部、129は、支柱、1100は、居室、RBは、救命艇、Wは、船幅方向である(符号は、先行技術であることを明らかにするために、本願出願人において、2桁表示を3桁に、3桁表示を4桁に変更して説明した。)
【0005】
しかしながら、特開2018-62313号公報に開示のものは、「・・・船幅方向の内側に離れて設けられた下層甲板室及び下層甲板室よりも船幅方向外側に張り出した上層甲板室を有する、いわゆる前方から見てT字型居住区形状の船幅方向に張り出しオーバーハング部の下方に艤装品たる救助艇等を搭載するものであり、救助艇等の艤装品は一般的に横幅6mx高さ8m程度の開口スペースとなるので、T字型居住区形状の船幅方向に張り出したオーバーハング部の強度支持に問題がある。
そこで、本願発明者は、当該T字型居住区形状の船幅方向に張り出しオーバーハング部の下方に燃料タンクを配置して、当該T字型居住区形状の船幅方向に張り出しオーバーハング部への強度を高めた船舶の居住区支持構造を案出するに至ったものである。
【0006】
なお、船舶上甲板に燃料タンクを配置する例としては、例えば、特許第6780813号公報に開示のものが知られている。特許第6780813号公報の開示は、発明名称「船舶」に係り、「・・液化ガス燃料タンクを船尾暴露甲板上で、かつ、居住区、サービススペース、制御室、避難通路、機械室の周囲に配置した場合でも、これらの区画において防熱処理を施す必要がある面積を最小限とするタンク配置を実現できる船舶を提供する」ことを目的とする発明解決課題において(同公報明細書段落番号0006参照)、「液化ガス燃料タンクを備えた船舶において、前記液化ガス燃料タンクを、上甲板上もしくは上甲板の上方でかつ船尾側に設けられた上部構造物よりも後方の暴露甲板上に配設すると共に、前記液化ガス燃料タンクのタンク本体とタンクドームとからなるタンク構造物を設ける範囲を、前記上部構造物を前方から見たときに前記タンク構造物の露出部分が見えない範囲内とし、前記タンク構造物の露出部分と、前記上部構造物における前記タンク構造物の露出部分に対向する面である要防熱面との間に、前記タンク構造物を覆うタンクカバーではない防熱壁を設けて、防熱処理をした前記防熱壁により前記タンク構造物の露出部分から前記要防熱面への輻射熱を遮る」構成とすることにより(同公報特許請求の範囲請求項1の記載等参照)、「液化ガス燃料タンクのタンク構造の露出部分からの輻射熱を防熱処理を施した要防熱面で、又は、防熱処理をした防熱壁で遮ることができ、要防熱面を持つ上部構造物等におけるレイアウトの自由度を増すことができ、また、この要防熱面の防熱処理または防熱壁により、居住区、サービススペース、避難通路、制御室、機械室等を、液化ガス燃料タンクの事故による火災などから防護できる」等の効果を有するものである(同公報明細書段落番号0016参照)。
【0007】
しかしながら、特許第6780813号公報に開示の上甲板上の燃料タンクは、「タンク本体とタンクドームとからなるタンク構造物を設ける範囲を、前記上部構造物を前方から見たときに前記タンク構造物の露出部分が見えない範囲内」とするなど、船舶居住区の前方視界を阻害しないものとしている(同請求項1の記載参照)。
そこで、本願発明者は、上述するように、当該T字型居住区形状の船幅方向に張り出しオーバーハング部の下方に船舶燃料タンクを配置して、居住区の前方視界を確保すると共に、当該T字型居住区形状の船幅方向の張り出しオーバーハング部への高さ支持をできるだけ短くすると共に、この間に支持柱又は支持壁を配置する構造としたT字型居住区の張り出しオーバーハング部への強度を高めた船舶の居住区支持構造を案出するに至ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2018-62313号公報
特許第6780813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
船舶上甲板上に前方から見てT字型居住区形状の船幅方向の張り出しオーバーハング部の下方に船舶燃料タンクを配置して、居住区の前方視界を確保すると共に、T字型居住区の張り出しオーバーハング部への強度を高めた船舶の居住区支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、船舶の居住区支持構造において、船舶前方から見てT字形状の上甲板上に配置されるT字型居住区と、T字型居住区の船幅方向の張り出しオーバーハング下に船幅方向離間スペース及び高さ方向離間スペースを介してT字型居住区の両側に配置される燃料タンクと、高さ方向離間スペース間に配置される支持部材と、を有することを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の船舶の居住区支持構造において、T字型居住区の両側に配置される燃料タンクは、舷側舷梯への乗込み間隔を介して配置される燃料タンクであることを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、請求項1に記載の船舶の居住区支持構造において、支持部材は、燃料タンク外壁上に立設する複数の支持柱又は平板であることを特徴とする。
そして、本願請求項4に係る発明は、請求項1に記載の船舶の居住区支持構造において、燃料タンクは、外壁面に遮熱塗装された燃料タンクであることを特徴とする。
また、本願請求項5に係る発明は、請求項1に記載の船舶の居住区支持構造において、T字型居住区及び燃料タンクは、内作された燃料タンクを上甲板上に設置し、しかる後に、支持部材付きのT字型居住区を上甲板上に搭載したT字型居住区及び燃料タンクであることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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