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公開番号
2024100074
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-26
出願番号
2023003791
出願日
2023-01-13
発明の名称
船舶推進機および船舶
出願人
ヤマハ発動機株式会社
代理人
個人
主分類
B63H
20/00 20060101AFI20240719BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約
【課題】ステアリング機構による左右方向へのプロペラの回動時において、モータ制御部に接続される電力線に掛かる負荷を軽減することが可能な船舶推進機を提供する。
【解決手段】この船舶推進機102は、プロペラ5と、プロペラ5を駆動させる電気モータ6と、電気モータ6の駆動を制御するモータ制御部3と、モータ制御部3が収容されるケース1と、プロペラ5、電気モータ6およびケース1を一体的に左右方向に回動させるステアリング機構2と、モータ制御部3に一端80aが接続され、モータ制御部3に駆動電力を供給するプラス線8aおよびマイナス線8bからなる2つの電力線8と、を備え、2つの電力線8は、少なくともケース1内において、ステアリング機構2による回動時の捩りを吸収可能なように互いに捩られた状態で配置されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
プロペラと、
前記プロペラを駆動させる電気モータと、
前記電気モータの駆動を制御するモータ制御部と、
前記モータ制御部が収容されるケースと、
前記プロペラ、前記電気モータおよび前記ケースを一体的に左右方向に回動させるステアリング機構と、
前記モータ制御部に一端が接続され、前記モータ制御部に駆動電力を供給するプラス線およびマイナス線からなる2つの電力線と、を備え、
前記2つの電力線は、少なくとも前記ケース内において、前記ステアリング機構による回動時の捩りを吸収可能なように互いに捩られた状態で配置されている、船舶推進機。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記2つの電力線は、前記プロペラの推力の向きが船体の前後方向と平行になる中立状態において、前記ステアリング機構による回動時に、捩り量をさらに増加させることが可能な余裕を有した状態で保持されている、請求項1に記載の船舶推進機。
【請求項3】
前記2つの電力線は、
前記ステアリング機構により前記中立状態から前記ケースが左右方向の一方に回動した場合に、互いに捩られた状態の前記2つの電力線の延びる方向から視て、前記2つの電力線の延びる方向に直交する方向に絞られながら捩り量が増加し、
前記ステアリング機構により前記中立状態から前記ケースが左右方向の他方に回動した場合に、互いに捩られた状態の前記2つの電力線の延びる方向から視て、前記2つの電力線の延びる方向に直交する方向に膨らみながら捩り量が減少するように構成されている、請求項2に記載の船舶推進機。
【請求項4】
前記ステアリング機構は、筒状のステアリング軸を含み、
前記2つの電力線は、前記ステアリング機構による回動時の捩りを吸収可能なように互いに捩られた状態で前記筒状のステアリング軸内を通されている、請求項1に記載の船舶推進機。
【請求項5】
前記筒状のステアリング軸は上下方向に延びており、
前記2つの電力線の捩られた部分は、前記筒状のステアリング軸の軸中心に沿って上下方向に直線状に延びている、請求項4に記載の船舶推進機。
【請求項6】
前記ケースは、アッパーケースと、前記アッパーケースの下方に配置され、前記モータ制御部が収容されるロワーケースとを含み、
前記ステアリング機構は、前記アッパーケースに対して、前記プロペラ、前記電気モータおよび前記ロワーケースを一体的に左右方向に回動させるように構成され、
前記2つの電力線の捩られた部分の上端部は、前記アッパーケース内に配置され、
前記2つの電力線の捩られた部分の下端部は、前記ロワーケース内に配置されている、請求項1に記載の船舶推進機。
【請求項7】
前記アッパーケース内の前記2つの電力線の前記捩られた部分の前記上端部を束ねて拘束する上側拘束部材と、
前記ロワーケース内の前記2つの電力線の前記捩られた部分の前記下端部を束ねて拘束する下側拘束部材と、をさらに備える、請求項6に記載の船舶推進機。
【請求項8】
前記下側拘束部材は、前記ロワーケースの内面に固定されている、請求項7に記載の船舶推進機。
【請求項9】
前記アッパーケースは、前記ステアリング機構が内部に配置される操舵ボックスと、前記操舵ボックスの上方に設けられるカウルとを含み、
前記カウル内に配置され、前記一端が前記モータ制御部に接続された前記2つの電力線の他端が接続されるターミナルケースをさらに備え、
前記上側拘束部材は、前記ターミナルケースに固定されている、請求項7に記載の船舶推進機。
【請求項10】
前記上側拘束部材および前記下側拘束部材は、ともに弾性変形可能な材料により形成されている、請求項7に記載の船舶推進機。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、船舶推進機および船舶に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、プロペラを左右方向に回動させるステアリング機構を備える船舶推進機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ステアリング機構を備え、船尾に取り付けられた電動の船舶推進機が開示されている。上記船舶推進機は、プロペラの電気モータの駆動を制御するモータ制御部と、モータ制御部が収容されて船体の後方に配置されるハウジングと、電力ケーブルとを備えている。電力ケーブルは、船体側から船体の後方に配置されるハウジング内に導入されてモータ制御部に接続されている。ステアリング機構は、プロペラとともに、モータ制御部が収容されたハウジングを左右に回動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-18647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の船舶推進機を含む従来の船舶推進機の分野では、ステアリング機構による左右方向へのプロペラの回動時において、モータ制御部に接続される電力ケーブルに捩りがない状態から捩りが生じた場合、電力ケーブルに比較的大きな負荷が作用することが知られている。このため、従来より、ステアリング機構による左右方向へのプロペラの回動時において、モータ制御部に接続される電力ケーブルに掛かる負荷を軽減することが求められている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ステアリング機構による左右方向へのプロペラの回動時において、モータ制御部に接続される電力線に掛かる負荷を軽減することが可能な船舶推進機および船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による船舶推進機は、プロペラと、プロペラを駆動させる電気モータと、電気モータの駆動を制御するモータ制御部と、モータ制御部が収容されるケースと、プロペラ、電気モータおよびケースを一体的に左右方向に回動させるステアリング機構と、モータ制御部に一端が接続され、モータ制御部に駆動電力を供給するプラス線およびマイナス線からなる2つの電力線と、を備え、2つの電力線は、少なくともケース内において、ステアリング機構による回動時の捩りを吸収可能なように互いに捩られた状態で配置されている。
【0008】
上記第1の局面による船舶推進機では、上記のように、モータ制御部に駆動電力を供給するプラス線およびマイナス線からなる2つの電力線を設け、2つの電力線を、少なくともケース内において、ステアリング機構による回動時の捩りを吸収可能なように互いに捩られた状態で配置する。これによって、ステアリング機構による左右方向へのプロペラの回動時において、少なくとも、左右方向の一方に回動させる場合には2つの電力線の捩り量を減少させることができるので、2つの電力線に負荷が掛るのを抑制することができる。したがって、従来のような左右方向のいずれに回動した場合でも電力線の捩り量が増加する(負荷が増加する)構成と比較して、ステアリング機構による左右方向へのプロペラの回動時において、モータ制御部に接続される電力線に掛かる負荷を軽減することができる。
【0009】
上記第1の局面による船舶推進機では、好ましくは、2つの電力線は、プロペラの推力の向きが船体の前後方向と平行になる中立状態において、ステアリング機構による回動時に、捩り量をさらに増加させることが可能な余裕を有した状態で保持されている。このように構成すれば、ステアリング機構により2つの電力線の捩りが絞まる方向(捩り量が増加する方向)に回動した場合、捩り量をさらに増加させることが可能な余裕を有しているので、ステアリング機構による回動時において、モータ制御部に接続される電力線に掛かる負荷を軽減することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、2つの電力線は、ステアリング機構により中立状態からケースが左右方向の一方に回動した場合に、互いに捩られた状態の2つの電力線の延びる方向から視て、2つの電力線の延びる方向に直交する方向に絞られながら捩り量が増加し、ステアリング機構により中立状態からケースが左右方向の他方に回動した場合に、互いに捩られた状態の2つの電力線の延びる方向から視て、2つの電力線の延びる方向に直交する方向に膨らみながら捩り量が減少するように構成されている。このように構成すれば、2つの電力線の延びる方向に直交する方向において、2つの電力線を膨らませることによって、2つの電力線に作用する捩り力を軽減することができる。その結果、ステアリング機構による回動時において、モータ制御部に接続される電力線に掛かる負荷をより一層軽減することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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