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公開番号
2025002133
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023102077
出願日
2023-06-21
発明の名称
カーボンナノチューブ分散液の製造方法
出願人
日本ゼオン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
32/174 20170101AFI20241226BHJP(無機化学)
要約
【課題】フィルターの詰まりの発生を効果的に抑制することができる、CNT分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】pHが1.0未満であるCNT粗分散液を準備する手順1と、CNT粗分散液のpHが1.0以上1.5以下の範囲となるようにpH調整する手順2と、pH調整されたCNT粗分散液をクロスフロー濾過して、精製処理CNT分散液と濾液とに分離する手順3と、を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
pHが1.0未満であるカーボンナノチューブ粗分散液を準備する手順1と、
前記カーボンナノチューブ粗分散液のpHが1.0以上1.5以下の範囲となるようにpH調整する手順2と、
pH調整された前記カーボンナノチューブ粗分散液をクロスフロー濾過して、精製処理カーボンナノチューブ分散液と濾液とに分離する手順3と、
を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記手順3にて得られた前記精製処理カーボンナノチューブ分散液に対して、少なくとも1回以上クロスフロー濾過を繰り返し実施して再精製カーボンナノチューブ分散液を得る手順4を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記手順4で得られた再精製カーボンナノチューブ分散液の濃度およびpHの少なくともいずれかを調整して調整済精製カーボンナノチューブ分散液を得る手順5を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記調整済精製カーボンナノチューブ分散液に対して超音波処理を行う手順6を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項5】
カーボンナノチューブ粗分散液を精製して精製カーボンナノチューブ分散液を製造する方法であって、
pHが1.0以上1.5以下の範囲に調整された前記カーボンナノチューブ粗分散液をタンク内に収容する手順Aと、
前記タンク内に収容された前記カーボンナノチューブ粗分散液のpHが4.0超8.0以下の範囲となるようにpH調整する手順Bと、
前記手順BでpH調整された前記カーボンナノチューブ粗分散液に対して超音波処理を行う手順Cと、
前記手順Cで超音波処理された前記カーボンナノチューブ粗分散液をクロスフロー濾過することにより、精製処理カーボンナノチューブ分散液と濾液とに分離する手順Dと、
を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記手順Dにおいて分離された前記精製処理カーボンナノチューブ分散液に対して、少なくとも1回以上、前記手順Cおよび前記手順Dを繰り返して実施して再精製カーボンナノチューブ分散液を得る手順Eを含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記手順Eで得られた前記再精製カーボンナノチューブ分散液の濃度およびpHの少なくともいずれかを調整する手順Fを含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記手順Fで得られた調整済精製カーボンナノチューブ分散液に対して超音波処理を行う手順Gを含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項9】
pHが1.0未満であるカーボンナノチューブ粗分散液を準備する手順1と、
前記カーボンナノチューブ粗分散液のpHが1.0以上1.5以下の範囲となるようにpH調整する手順2と、
前記手順2で得られたpH調整済カーボンナノチューブ粗分散液をクロスフロー濾過して、精製処理カーボンナノチューブ分散液と濾液とに分離する手順3と、
前記手順3を経た後の前記精製処理カーボンナノチューブ分散液をタンク内に収容する手順Aと、
前記タンク内に収容された前記精製処理カーボンナノチューブ分散液のpHが4.0超8.0以下の範囲となるようにpH調整する手順Bと、
前記手順BでpH調整された前記カーボンナノチューブ分散液に対して超音波処理を行う手順Cと、
前記手順Cで超音波処理された前記カーボンナノチューブ分散液をクロスフロー濾過することにより、精製処理カーボンナノチューブ分散液と濾液とに分離する手順Dと、
を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、
前記手順Dにおいて分離された前記精製処理カーボンナノチューブ分散液に対して、少なくとも1回以上、前記手順Cおよび前記手順Dを繰り返し実施して再精製カーボンナノチューブ分散液を得る手順Eを含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ分散液の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、軽量であると共に、導電性及び機械的特性等に優れる材料として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)が注目されている。
【0003】
ここで、CNTは、一本一本の特性は優れているものの、外径が小さいためファンデルワールス力によってバンドル化し易い。そのため、CNTを一旦分散媒に分散させてカーボンナノチューブ分散液を調製することが従来行われている。そして得られたCNT分散液は、複数本のCNTが集合してなる炭素膜の製造、及び、CNTとエラストマーとを含んでなるエラストマー成形体の製造などに用いられることがある。
【0004】
カーボンナノチューブ分散液を製造する際には、不純物等、及び過剰な添加成分等を除去する等の目的の下、ろ過が行われることがある。引用文献1には、フィルターモジュールと、処理液槽と、循環ポンプと、補充液槽と、処理液の圧力を測定するセンサと、補充液槽から処理液槽へ供給される補充液の量を測定する補充液測定部と、を備え、補充液が処理液槽へ連続的に補充されるように構成されたクロスフロー濾過装置を用いたクロスフロー濾過方法が提案されている。引用文献1には、このようなクロスフロー濾過方法によりナノメートル領域のサイズを有する炭素材料、すなわち、ナノカーボンを分散してなる分散液を濾過する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/064565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のクロスフロー濾過方法には、フィルターの詰まりの発生を抑制するという点で改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、フィルターの詰まりの発生を効果的に抑制することができる、カーボンナノチューブ分散液の製造方法を適用することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、CNT分散液のpHを特定の範囲としてから、クロスフロー濾過することで、フィルターの詰まりの発生を効果的に抑制可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、この発明は上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、[1]本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、pHが1.0未満であるカーボンナノチューブ粗分散液を準備する手順1と、前記カーボンナノチューブ粗分散液のpHが1.0以上1.5以下の範囲となるようにpH調整する手順2と、pH調整された前記カーボンナノチューブ粗分散液をクロスフロー濾過して、精製処理カーボンナノチューブ分散液と濾液とに分離する手順3と、を含むことを特徴とする。かかる製造方法によれば、フィルターの詰まりの発生を効果的に抑制しつつCNT分散液を効率的に製造することができる。ここで、pHは温度25℃におけるpHを意味する。
【0010】
[2]ここで、上記[1]のカーボンナノチューブ分散液の製造方法において、前記手順3にて得られた前記精製処理カーボンナノチューブ分散液に対して、少なくとも1回以上クロスフロー濾過を繰り返し実施して再精製カーボンナノチューブ分散液を得る手順4を含むことが好ましい。かかる製造方法によれば、一層良好にCNT分散液を精製することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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