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公開番号2025002129
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102073
出願日2023-06-21
発明の名称半導体カーボンナノチューブを備える積層体
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
主分類C01B 32/168 20170101AFI20241226BHJP(無機化学)
要約【課題】CNT凝集体の存在または金属的CNTの混在を抑え、基板上に孤立分散した半導体CNTを備える積層体を提供する。
【解決手段】積層体は、導電性基板と、半導体CNT含有層を備えている。半導体CNT含有層は、この導電性基板上に設けられている。半導体CNT含有層は、半導体CNTと、半導体CNTのチューブ構造を識別できる疎水性分散剤を含んでいる。半導体CNT含有層は、吸光度0.01以上で、LWInt80%が35meV以下およびLWInt50%が70meV以下の一方以上の光吸収ピークを近赤外波長領域に有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
導電性基板と、
前記導電性基板上に設けられ、半導体カーボンナノチューブと、前記半導体カーボンナノチューブのチューブ構造を識別できる疎水性分散剤とを含む半導体カーボンナノチューブ含有層と、
を有し、
前記半導体カーボンナノチューブ含有層が、吸光度0.01以上で、LW
Int80%
が35meV以下およびLW
Int50%
が70meV以下の一方以上の光吸収ピークを近赤外波長領域に有する積層体。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記導電性基板の表面粗さR

が1.0nm以下である積層体。
【請求項3】
請求項2において、
前記導電性基板がカーボン基板である積層体。
【請求項4】
電気化学的手法によって被検出物質を検出するための修飾電極であって、
請求項1から3のいずれかの積層体を有する修飾電極。
【請求項5】
半導体カーボンナノチューブと、前記半導体カーボンナノチューブのチューブ構造を識別できる疎水性分散剤と、分散媒とを含有する分散液を、遠心力7,000×g-20,000×gで1時間以上遠心分離処理して上澄み液を得る遠心分離工程と、
導電性基板上に前記上澄み液を設置し、前記分散媒を蒸発させて、前記半導体カーボンナノチューブと前記疎水性分散剤とを含む半導体カーボンナノチューブ含有層を前記導電性基板上に形成する被覆工程と、
を有する積層体の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記被覆工程では、前記導電性基板の表面に向かってらせん状の気流を付与しながら、前記らせん状の気流の内側で前記分散媒を蒸発させて、半導体カーボンナノチューブ含有層を形成する積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、電気化学的手法によってバイオ分子などの被検出物質を検出する修飾電極等に利用できる積層体に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
伝導帯および価電子帯のエネルギー準位がチューブ構造に応じて変化する半導体カーボンナノチューブ(以下「カーボンナノチューブ」を「CNT」と記載することがある)は、電気化学的手法によってバイオ分子などの被検出物質を検出する電極の修飾材料となり得る。バイオ分子を検出するためのCNT修飾電極の電極基板として、一般にガラス状炭素が使用されている(例えば非特許文献1)。
【0003】
しかしながら、ガラス状炭素にCNT分散液をそのままコートして得られた積層体は、CNT凝集体の存在または金属的CNTの混在によって、半導体CNTによる被検出物質の電極応答を妨げてしまう。また、一般的なガラス状炭素の表面にCNTを修飾して得られた積層体は、表面の平坦さの実現が困難である。積層体表面の平坦度が低いことも、半導体CNTによる被検出物質の電極応答を妨げる原因である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6752432号
【非特許文献】
【0005】
V. Goornavar et al., Mater. Sci. Eng. C 40 (2014) 299-307
M. Takemoto et al., Analytical Sciences 36 (2020) 441-446
Y. Hirana et al., Scientific Reports 3 (2013) 2959
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、このような事情に鑑みてなされたものであり、CNT凝集体の存在または金属的CNTの混在を抑え、基板上に孤立分散した半導体CNTを備える積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の積層体は、導電性基板と、導電性基板上に設けられ、半導体カーボンナノチューブと、半導体カーボンナノチューブのチューブ構造を識別できる疎水性分散剤とを含む半導体カーボンナノチューブ含有層とを有し、半導体カーボンナノチューブ含有層が、吸光度0.01以上で、LW
Int80%
が35meV以下およびLW
Int50%
が70meV以下の一方以上の光吸収ピークを近赤外波長領域に有する。本願の修飾電極は、電気化学的手法によって被検出物質を検出するための修飾電極であって、本願の積層体を有する。
【0008】
本願の積層体の製造方法は、半導体カーボンナノチューブと、半導体カーボンナノチューブのチューブ構造を識別できる疎水性分散剤と、分散媒とを含有する分散液を、遠心力7,000×g-20,000×gで1時間以上遠心分離処理して上澄み液を得る遠心分離工程と、導電性基板上に上澄み液を設置し、分散媒を蒸発させて、半導体カーボンナノチューブと疎水性分散剤とを含む半導体カーボンナノチューブ含有層を導電性基板上に形成する被覆工程を有する。
【発明の効果】
【0009】
本願の積層体では、半導体CNT含有層が、近赤外波長領域に所定の光吸収ピークを有する。すなわち、本願の積層体の半導体CNT含有層は、CNT凝集体の存在および金属的CNTの混在が抑えられている。このため、本願の積層体は、被検出物質の電極応答性に優れる修飾電極等に利用できる。本願の修飾電極は、本願の積層体を備えている。このため、本願の修飾電極によれば、被検出物質の電極応答性に優れる修飾電極が得られる。本願の積層体の製造方法では、半導体CNTと、半導体CNTを分散する疎水性分散剤と、分散媒とを含有する分散液に、所定の遠心分離処理を施している。このため、本願の積層体の製造方法によれば、CNT凝集体の存在および金属的CNTの混在を抑えた積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1の混合液の光吸収スペクトル(-)と、実施例1の半導体SWCNT分散液の光吸収スペクトル(〇)。
実施例1の半導体SWCNT分散液の2次元PLマップ。
実施例1Aの半導体SWCNT複合体の光吸収スペクトル。
実施例1Bの半導体SWCNT複合体の光吸収スペクトル。
実施例1Cの半導体SWCNT複合体の上面模式図。
実施例1のRu(NH



2+/3+
のCV曲線。
実施例1のFe(CN)

3-/4-
のCV曲線。
実施例1の3HKのCV曲線。
比較例のSWCNT分散液の光吸収スペクトル。
比較例のSWCNT複合体の光吸収スペクトル。
比較例のRu(NH



2+/3+
のCV曲線。
比較例のFe(CN)

3-/4-
のCV曲線。
比較例の3HKのCV曲線。
実施例2の半導体SWCNT分散液の光吸収スペクトル。
実施例2の半導体SWCNT分散液の2次元PLマップ。
実施例2Aの半導体SWCNT複合体の光吸収スペクトル。
実施例2Bの半導体SWCNT複合体の光吸収スペクトル。
実施例2のRu(NH



2+/3+
のCV曲線。
実施例2のFe(CN)

3-/4-
のCV曲線。
実施例2の3HKのCV曲線。
らせん気流を用いて半導体CNT含有層を形成する装置の断面模式図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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