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公開番号
2025097932
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-01
出願番号
2024213091
出願日
2024-12-06
発明の名称
アルコール分散大粒子シリカゾル及びその製造方法
出願人
日産化学株式会社
代理人
弁理士法人浅村特許事務所
主分類
C01B
33/145 20060101AFI20250624BHJP(無機化学)
要約
【課題】アルコール溶媒に分散した大粒子シリカゾルであって、沈降性が低く、沈降しても再分散性が高いシリカゾルとその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】300~600nmの動的光散乱法による平均粒子径を有するシリカ粒子が炭素原子数1~5のアルコールに分散したシリカゾルであって、下記沈降性を有するシリカゾル。沈降性:シリカゾルを円筒形状かつ丸底型の底部を有する透明な容器に入れ、密封して5分間で1000回振とうを行った後、密封した容器を20℃で30日間静置する保管試験を行った場合に、該容器の対面に観察される透光可能な部分と透光不可能な部分の境界が、容器底部からaの高さにあり、かつ、シリカゾルの液面が当該境界からbの高さにあり、a:b=10:0~8の割合となる、沈降性。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
300~600nmの動的光散乱法による平均粒子径を有するシリカ粒子が炭素原子数1~5のアルコールに分散したシリカゾルであって、下記沈降性を有するシリカゾル。
沈降性:シリカゾルを円筒形状かつ丸底型の底部を有する透明な容器に入れ、密封して5分間で1000回振とうを行った後、密封した容器を20℃で30日間静置する保管試験を行った場合に、該容器の対面に観察される透光可能な部分と透光不可能な部分の境界が、容器底部からaの高さにあり、かつ、シリカゾルの液面が当該境界からbの高さにあり、a:b=10:0~8の割合となる、沈降性。
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【請求項2】
更に下記再分散性を有する、請求項1に記載のシリカゾル。
再分散性:シリカゾルを円筒形状かつ丸底型の底部を有する透明な容器に入れ、密封して5分間で1000回振とうを行った後、20℃で30日間静置して保管した後、該容器を30秒間で100回振とうを行った場合に、シリカゾルの固形分(c:質量%)が、前記保管試験直前のシリカゾルの固形分(d:質量%)に対して60~100%である、再分散性。
【請求項3】
レーザー回折法によるD20~D80の粒子径範囲が250nm~550nmに存在する、請求項1又は2に記載のシリカゾル。
【請求項4】
アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、又はプロピレングリコールモノエチルエーテルである、請求項1又は2に記載のシリカゾル。
【請求項5】
50℃28日間の保管後のpHの低下が2.0以内である、請求項1又は2に記載のシリカゾル。
【請求項6】
SiO
2
濃度が20質量%の時に粘度が2~10mPa・sである、請求項1又は2に記載のシリカゾル。
【請求項7】
SiO
2
濃度が0.05質量%のシリカゾルの波長350nmの吸光度が1.5以下である、請求項1又は2に記載のシリカゾル。
【請求項8】
水分を0.1~5.0質量%含む、請求項1又は2に記載のシリカゾル。
【請求項9】
下記(A)乃至(B)工程:
(A)工程:300~600nmの動的光散乱法による平均粒子径を有する水性シリカゾルを製造する工程、
(B)工程:(A)工程で得られた水性シリカゾルを限外ろ過装置を用いて水性媒体を炭素原子数1~5のアルコールに溶媒置換する工程、を含む、請求項1又は2に記載のシリカゾルの製造方法。
【請求項10】
(A)工程に用いる水性シリカゾルがアルカリケイ酸水溶液を陽イオン交換して得られるケイ酸水溶液から生じるシリカ粒子に、アルカリ成分と酸性ケイ酸水溶液を加え粒子成長させたシリカゾルである、請求項9に記載のシリカゾルの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はアルコールに分散した大粒子シリカゾルとその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
大粒子シリカゾルは、大粒子シリカ粒子の特性を利用して種々の用途に用いられている。例えば、大粒子シリカゾルをコーティング剤に含有させてフィルム表面に塗布することで、フィルム表面の凹凸を利用してフィルムの傷つきを防止したり、密着抑制を目的としたアンチブロッキング剤として利用したり、あるいはコーティング剤や接着剤に含有するフィラーとして強度向上剤に利用することができる。
【0003】
大粒子シリカゾルを用いる方法としては、従来からシリカ粉末を湿式粉砕してゾルにする方法が知られている。例えば、特許文献1には、沈殿法により得られた湿式シリカを分散させて湿式シリカ分散液を得る方法が記載され、特許文献2には、体積平均粒径が0.46~1.3μm、体積平均粒径に対する標準偏差の値が45~110%、反応性シラノール基量が1.5~3.0個/nm
2
である球状シリカ粉末を50~85質量%含有するシリカスラリー組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-231954号公報
特開2013-212956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、アルコール溶媒に分散した大粒子シリカゾルであって、沈降性が低く、沈降しても再分散性が高いシリカゾルとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1観点として、300~600nmの動的光散乱法による平均粒子径を有するシリカ粒子が炭素原子数1~5のアルコールに分散したシリカゾルであって、下記沈降性を有するシリカゾル、
沈降性:シリカゾルを円筒形状かつ丸底型の底部を有する透明な容器に入れ、密封して5分間で1000回振とうを行った後、密封した容器を20℃で30日間静置する保管試験を行った場合に、該容器の対面に観察される透光可能な部分と透光不可能な部分の境界が、容器底部からaの高さにあり、かつ、シリカゾルの液面が当該境界からbの高さにあり、a:b=10:0~8の割合となる、沈降性、
第2観点として、更に下記再分散性を有する第1観点に記載のシリカゾル、
再分散性:シリカゾルを円筒形状かつ丸底型の底部を有する透明な容器に入れ、密封して5分間で1000回振とうを行った後、20℃で30日間静置して保管した後、該容器を30秒間で100回振とうを行った場合に、シリカゾルの固形分(c:質量%)が、前記保管試験直前のシリカゾルの固形分(d:質量%)に対して60~100%である、再分散性、
第3観点として、レーザー回折法によるD20~D80の粒子径範囲が250nm~550nmに存在する第1観点又は第2観点に記載のシリカゾル、
第4観点として、アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、又はプロピレングリコールモノエチルエーテルである第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のシリカゾル、
第5観点として、50℃28日間の保管後のpHの低下が2.0以内である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載のシリカゾル、
第6観点として、SiO
2
濃度が20質量%の時に粘度が2~10mPa・sである第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のシリカゾル、
第7観点として、SiO
2
濃度が0.05質量%のシリカゾルの波長350nmの吸光度が1.5以下である第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のシリカゾル、
第8観点として、水分を0.1~5.0質量%含む第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載のシリカゾル、
第9観点として、下記(A)乃至(B)工程:
(A)工程:300~600nmの動的光散乱法による平均粒子径を有する水性シリカゾルを製造する工程、
(B)工程:(A)工程で得られた水性シリカゾルを限外ろ過装置を用いて水性媒体を炭素原子数1~5のアルコールに溶媒置換する工程、を含む第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第10観点として、(A)工程に用いる水性シリカゾルがアルカリケイ酸水溶液を陽イオン交換して得られるケイ酸水溶液から生じるシリカ粒子に、アルカリ成分と酸性ケイ酸水溶液を加え粒子成長させたシリカゾルである請求項9に記載のシリカゾルの製造方法、及び
第11観点として、(B)工程で水性ゾルに酸を電気伝導度として50~5000μS/cmの範囲で添加して、電気伝導度が5~50μS/cm未満になるまで限外ろ過装置を用いて炭素原子数1~5のアルコールに溶媒置換する第9観点又は第10観点に記載のシリカゾルの製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
大粒子シリカゾルは、シリカ粉末を水性媒体や有機溶媒に分散又は湿式粉砕する方法で行われていた。シリカ粉末は数μmの粒子径のものであるが、分散や湿式粉砕する段階で粒子の細分化を生じる。その時に粒子径分布は広くなり、微小なシリカ粒子から粗大なシリカ粒子まで広い粒子径分布を有するシリカゾルが形成される。これらのシリカゾルは粗大シリカ粒子が沈降する傾向にあり、分散性の高いゾルを得る上で障害になり得る。
また、機械的な粉砕であるため粒子を破砕する過程で粒子形状が不均一な形状であったり、粒子径分布が広がったりすることにより、用途によっては不適となることがある。
【0008】
本発明は、水性媒体中でシリカ粒子の粒子径を増大させる技術を用い、十分に増大したシリカ粒子を有機溶媒(例えば、炭素原子数1~5のアルコール)に溶媒置換することで、分散安定性を有した状態で有機溶媒分散シリカゾルが得られる。また、粉砕等の工程を経ることがないため、粒子形状が不均一になることなく、粒子形状が整った有機溶媒分散シリカゾルが得られる。
【0009】
本発明では、大粒子水性シリカゾルの水性媒体を有機溶媒に溶媒置換することによって、有機溶媒に分散した大粒子シリカゾルが得られる。溶媒置換は限外濾過装置(UF装置)を用いて行うことができる。溶媒置換が蒸発法で行われた場合には、蒸発によって外部に除去された溶媒に置換すべき溶媒が、SiO
2
固形分が一定になるように供給されずにSiO
2
固形分が変動する条件で行われることにより、SiO
2
の沈殿を生じやすくなる。
【0010】
一方、本発明は、限外濾過装置(UF装置)を用いて水性シリカゾルの水性媒体を有機溶媒に溶媒置換するために、溶媒置換過程におけるSiO
2
固形分変化がほとんどなく、そのためにSiO
2
の沈殿を生じることがない。
(【0011】以降は省略されています)
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