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公開番号
2025111251
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-30
出願番号
2024005562
出願日
2024-01-17
発明の名称
粒子、及び該粒子の製造方法
出願人
日揮触媒化成株式会社
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
C01B
33/12 20060101AFI20250723BHJP(無機化学)
要約
【課題】用品に使用した時に着色がなく、十分な保存(経時)安定性、及び、高い抗菌性能や抗ウイルス性能を有する粒子、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】この粒子は、珪素とセリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の粒子である。この粒子は、電子顕微鏡写真の画像解析によって求められる平均粒子径(R
1
)と、シアーズ法によって求められる比表面積から等価球換算することで求められる粒子径(R
2
)との比(R
1
/R
2
)が1.2~1.8である。この粒子を含む分散液によれば、着色が抑制され、かつ、高い抗菌性能と抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する用品が得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
珪素とセリウムとアルミニウムとを含む粒子であって、
電子顕微鏡写真の画像解析によって求められる平均粒子径(R
1
)と、シアーズ法によって求められる比表面積から等価球換算することで求められる粒子径(R
2
)との比(R
1
/R
2
)が1.2~1.8である粒子。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記粒子が、珪素とセリウムとを含む複合酸化物粒子の表面に、珪素とアルミニウムとを含む層を有する請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記粒子が、珪素とアルミニウムとを含む複合酸化物粒子の表面に、珪素とセリウムとを含む層を有する請求項1に記載の粒子。
【請求項4】
前記粒子中に、酸化セリウムをCeO
2
として0.6~2.0質量%含み、酸化アルミニウムをAl
2
O
3
として0.5~2.0質量%含む請求項1に記載の粒子。
【請求項5】
前記平均粒子径(R
1
)が10~25nmである請求項1に記載の粒子。
【請求項6】
前記粒子の水分散液を、pH9.5、固形分濃度10質量%に調整し、70℃で6日間加熱した後の前記粒子の比表面積の減少率が、加熱前の前記粒子の比表面積に対して、10%以下である請求項1に記載の粒子。
【請求項7】
珪酸液と、セリウム水溶液とを混合して、酸性の混合液を作製する第一工程と、
種粒子を含むアルカリ性母液に、前記混合液を添加して、珪素及びセリウムを含む複合酸化物を含む粒子を作製する第二工程と、
前記複合酸化物を含む粒子に、珪酸液と酸性のアルミニウム水溶液とを添加して、珪素とセリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の粒子を作製する第三工程とを有する粒子の製造方法。
【請求項8】
前記第三工程で作製される粒子の平均粒子径と、前記第二工程で作製される粒子の平均粒子径との差が2~10nmである請求項7に記載の粒子の製造方法。
【請求項9】
珪酸液と、酸性のアルミニウム水溶液とを混合して、酸性の混合液を作製する第一工程と、
種粒子を含むアルカリ性母液に、前記混合液を添加して、珪素及びアルミニウムを含む複合酸化物を含む粒子を作製する第二工程と、
前記複合酸化物を含む粒子に、珪酸液とセリウム水溶液とを添加して、珪素とセリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の粒子を作製する第三工程とを有する粒子の製造方法。
【請求項10】
前記第三工程で作製される粒子の平均粒子径と、前記第二工程で作製される粒子の平均粒子径との差が2~10nmである請求項9に記載の粒子の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌及び抗ウイルス性を有する複合酸化物粒子に関する。また、該粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、生活環境において種々の問題が指摘されている。高温多湿な我が国においては、細菌による食中毒や、生活空間における細菌やウイルス等による疾患が多発している。我々の生活環境には、例えば、衣類、食器、まな板、家具、家電、スマートフォン、ATM、券売機等のタッチパネルを有する表示装置、ドアノブ、電車やバスの吊り革等、個人はもちろん、不特定多数の人が触れる用品が多く存在する。これらの表面には、大腸菌や黄色ブドウ球菌等の菌類や、種々のウイルスに汚染されていることが問題となっており、衛生的見地から抗菌性や抗ウイルス性が要求される。
【0003】
これら用品への抗菌性及び抗ウイルス性付与については、従来から用品の表面に抗菌剤や抗ウイルス剤を塗工することが知られている。例えば、有機系の抗菌剤や抗ウイルス剤であれば、塗工自体は比較的容易であるが、溶剤によって被膜が侵されるおそれや、被膜への定着性や耐擦傷性における抗菌性能の持続性に問題がある。一方、無機系の抗菌剤や抗ウイルス剤であれば、これらが用品内に存在すれば抗菌剤や抗ウイルス性能の持続性は期待できる。
【0004】
このため、抗菌材として、シリカゲル、複合酸化物、酸化チタン等の粉末、あるいは、コロイド粒子に抗菌性を有する銀、亜鉛、銅等の抗菌活性金属成分を担持した抗菌性組成物が知られている。具体的には、ゼオライト粒子に銀イオン及び亜鉛イオンを交換した抗菌性組成物(例えば、特許文献1)や、シリカアルミナやシリカアルミナジルコニアの複合酸化物粒子に銀等を担持したもの(例えば、特許文献2、3)、カリウムやリンを含有する抗菌性酸化チタン粉体(例えば、特許文献4)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-001557号公報
特開平7-033616号公報
特開2010-273698号公報
特開2021-031450号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
抗菌性能を有する粒子が配合された用品において、その粒子サイズがマイクロメートル程度に大きいと、所望する抗菌性能を得るためには粒子の配合量を多くせねばならず、該粒子を含む塗布液の分散安定性が低下するおそれがある(例えば、特許文献1)。一方、抗菌性能を有する粒子のサイズが、例えばナノメートルオーダーの様にマイクロメートルオーダーよりも小さい粒子の方が、分散性が高く、単位量あたりの個数も多くなるので、粒子の配合量が少量でも十分な抗菌性能が発揮されやすい。ただし、抗菌性を示す金属元素である銀がAg
2
Oとして粒子中に混在していると、塩素等を含む水道水等との混合時や、界面活性剤との混合時において、Ag
2
Oが他の組成物と反応して着色を呈したり、粒子が不均一であるために溶媒分散時に凝集したりするおそれがある(例えば、特許文献2及び3)。また、その抗菌性能発現の場が酸化分解反応であると、分散媒や基材がその種類によっては分解してしまうおそれがある(例えば、特許文献4)。更には、安定性の低い粒子が混在していると、分散液を濃縮する上で安定性が低く、高濃度にできない問題があり、塗布液への持ち込み分散媒が多くなる問題や、例えば、被膜付基材の製造等において、低濃度の塗布液使用による生産性低下や、膜中の粒子分散性低下等の問題がある。
【0007】
そのため、用品に使用した時に着色がなく、十分な保存(経時)安定性、及び、高い抗菌性能や抗ウイルス性能を有する粒子が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、以下のような粒子を見出した。
【0009】
この粒子は、珪素とセリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の粒子である。この粒子は、電子顕微鏡写真の画像解析によって求められる平均粒子径(R
1
)と、シアーズ法によって求められる比表面積から等価球換算することで求められる粒子径(R
2
)との比(R
1
/R
2
)が1.2~1.8である。
【0010】
この粒子は、用品に使用した時に着色がなく、十分な経時安定性、及び、高い抗菌性能と抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する。このような粒子を含む分散液によれば、着色が抑制され、かつ、高い抗菌性能と抗ウイルス性能の少なくとも一方を有する用品が得られる。この分散液は、用品を作製する際に塗布液として使用したり、混錬・成形時の添加液等に使用したりすることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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