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公開番号2025137036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024036007
出願日2024-03-08
発明の名称窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20250911BHJP(無機化学)
要約【課題】優れた圧壊強度を有する窒化ホウ素粒子を含む窒化ホウ素粉末を提供すること。
【解決手段】複数の窒化ホウ素粒子の集合体である窒化ホウ素粉末であって、複数の窒化ホウ素粒子のそれぞれが、窒化ホウ素と空隙とからなる断面を有し、断面において、断面の外周に囲われた領域を領域A、領域Aの重心を相似の中心として領域Aを相似比αで縮小した領域を領域B、領域Aのうちの領域B以外の領域を領域Cとしたときに、相似比αが0.6であるときに、領域Cにおける窒化ホウ素の面積割合RCに対する領域Bにおける窒化ホウ素の面積割合RBの比率RB/RCの平均値が1.3以上である、窒化ホウ素粉末。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
複数の窒化ホウ素粒子の集合体である窒化ホウ素粉末であって、
前記複数の窒化ホウ素粒子のそれぞれが、窒化ホウ素と空隙とからなる断面を有し、
前記断面において、前記断面の外周に囲われた領域を領域A、前記領域Aの重心を相似の中心として前記領域Aを相似比αで縮小した領域を領域B、前記領域Aのうちの前記領域B以外の領域を領域Cとしたときに、
前記相似比αが0.6であるときに、前記領域Cにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

に対する前記領域Bにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の比率R

/R

の平均値が1.3以上である、窒化ホウ素粉末。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記相似比αが0.4、0.5、及び0.7のいずれにおいても前記比率R

/R

の平均値が1.3以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項3】
前記領域Aにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の平均値が55~75%である、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項4】
前記相似比αが0.6であるときの前記領域Aにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

に対する前記領域Bにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の比率R

/R

の平均値が1.1以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項5】
前記相似比αが0.6であるときの前記領域Aにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

に対する前記領域Cにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の比率R

/R

の平均値が0.9以下である、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項6】
平均粒子径が20~120μmである、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項7】
圧壊強度が12MPa以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の窒化ホウ素粉末と、樹脂と、を含有する、樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素粉末は、潤滑性、高熱伝導性、及び絶縁性等を有しており、固体潤滑材、熱伝導性フィラー、及び絶縁性フィラー等の用途に幅広く利用されている。特に熱伝導性が要求される放熱部材における充填材として、窒化ホウ素粉末が使用されている。
【0003】
六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、比較的薄い鱗片形状を有しており、樹脂等に充填し成形した場合、成形圧力等によって一次粒子が一定の方向に配向しやすい傾向にある。例えば、六方晶窒化ホウ素の粉末を充填し、押出成形等によってシート状に成形した放熱材では、一般に樹脂シートの主面と、窒化ホウ素の一次粒子の長軸とが平行になるように配向しやすい。また六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、その形状の異方性に起因して、各種物性にも異方性が生じ得る。六方晶窒化ホウ素の一次粒子の面内方向(a軸方向)の熱伝導率が400W/(m・K)程度と高いのに対して、厚さ方向(c軸方向)の熱伝導率は2W/(m・K)程度に留まり、その方向による物性の異方性が顕著である。
【0004】
上述の理由から、六方晶窒化ホウ素の粉末を樹脂への充填材として利用し、放熱シートを調製する際に、上記一次粒子のa軸方向と、放熱シートの厚さ方向とが平行となるように調整することによって、上記一次粒子のa軸方向における高い熱伝導率を活かす方法が検討されている。例えば、六方晶窒化ホウ素の一次粒子のa軸方向と放熱シートの厚み方向とが平行になるように配向させる技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
【0005】
また上述のような形状に基づく異方性を低減する観点から、複数の一次粒子で構成され、隣接する一次粒子同士のa軸方向の向きが異なるように凝集させ融着させた凝集体を形成する方法が検討されている。特許文献2では、窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる窒化ホウ素凝集粒子が開示されており、所定の成形圧力を加えた場合でも凝集粒子の崩壊が抑制できる程度に上記凝集粒子の強度を高めることによって、窒化ホウ素の一次粒子が同一方向に揃って配向することを抑制する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-154265号公報
特開2016-135731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
放熱材の作製時において、窒化ホウ素粉末と樹脂とを混合して樹脂組成物を得る際に、窒化ホウ素の一次粒子が同一方向に揃って配向することを抑制する観点から、窒化ホウ素粉末中の窒化ホウ素粒子の崩壊しにくくするために、窒化ホウ素粉末中の窒化ホウ素粒子の圧壊強度を更に高めることが求められている。
【0008】
そこで、発明の主な目的は、優れた圧壊強度を有する窒化ホウ素粒子を含む窒化ホウ素粉末を提供することである。本発明の他の目的は、当該窒化ホウ素粉末を用いた樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、いくつかの側面において、以下の[1]~[8]を提供する。
[1] 複数の窒化ホウ素粒子の集合体である窒化ホウ素粉末であって、
前記複数の窒化ホウ素粒子のそれぞれが、窒化ホウ素と空隙とからなる断面を有し、
前記断面において、前記断面の外周に囲われた領域を領域A、前記領域Aの重心を相似の中心として前記領域Aを相似比αで縮小した領域を領域B、前記領域Aのうちの前記領域B以外の領域を領域Cとしたときに、
前記相似比αが0.6であるときに、前記領域Cにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

に対する前記領域Bにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の比率R

/R

の平均値が1.3以上である、窒化ホウ素粉末。
[2] 前記相似比αが0.4、0.5、及び0.7のいずれにおいても前記比率R

/R

の平均値が1.3以上である、[1]に記載の窒化ホウ素粉末。
[3] 前記領域Aにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の平均値が55~75%である、[1]又は[2]に記載の窒化ホウ素粉末。
[4] 前記相似比αが0.6であるときの前記領域Aにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

に対する前記領域Bにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の比率R

/R

の平均値が1.1以上である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の窒化ホウ素粉末。
[5] 前記相似比αが0.6であるときの前記領域Aにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

に対する前記領域Cにおける前記窒化ホウ素の面積割合R

の比率R

/R

の平均値が0.9以下である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の窒化ホウ素粉末。
[6] 平均粒子径が20~120μmである、[1]~[5]のいずれか一つに記載の窒化ホウ素粉末。
[7] 圧壊強度が12MPa以上である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の窒化ホウ素粉末。
[8] [1]~[7]のいずれか一つに記載の窒化ホウ素粉末と、樹脂と、を含有する、樹脂組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、優れた圧壊強度を有する窒化ホウ素粒子を含む窒化ホウ素粉末を提供することができる。本発明の他の側面によれば、当該窒化ホウ素粉末を用いた樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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