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公開番号2025150191
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024050950
出願日2024-03-27
発明の名称仮固定用組成物およびウエハの製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C09J 201/00 20060101AFI20251002BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】レーザーを照射してから一定時間経過後におけるウエハと支持部材との再固着を抑制できる仮固定用組成物を提供する。
【解決手段】仮固定用組成物であって、(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)と、光ラジカル重合開始剤(B)と、紫外線吸収剤(C)と、を含み、特定の方法による炭素粒子の発生面積の比率が0.50%以上である、仮固定用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
仮固定用組成物であって、
(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)と、
光ラジカル重合開始剤(B)と、
紫外線吸収剤(C)と、
を含み、
下記方法1による炭素粒子の発生面積の比率が0.50%以上である、仮固定用組成物。
(方法1)
円盤形状のシリコンウエハ(直径150mm×厚み625μm)と円盤形状のガラス支持部材(直径150mm×厚み700μm)との間に、前記仮固定用組成物からなる円盤形状の仮固定膜(直径150mm×厚み50μm)を付与することにより、前記シリコンウエハと前記ガラス支持部材を貼り合わせる。
次いで、窒素雰囲気下にて、波長405nmのUV-LED(照度100mW/cm

、照射時間50秒、積算光量5000mJ/cm

)を前記ガラス支持部材側から前記仮固定膜に照射することにより前記仮固定膜を硬化させ、硬化膜を得る。
次いで、前記ガラス支持部材側から、得られた硬化膜に対して、前記硬化膜全体を走査するように、波長355nmのUVレーザー(YAGレーザー、出力6.5W、スポット径150μm、照射ピッチ200μm、スキャン速度8m/sec、周波数40kHz)を照射する。
次いで、前記ガラス支持部材を前記シリコンウエハから剥離し、前記ガラス支持部材の中心部分における前記硬化膜側表面を、光学顕微鏡を用いて倍率20倍で観察して撮影し、1視野(200μm×200μm)の面積を100%としたときの、1視野あたりの黒い部分の面積(%)を画像処理ソフトにて算出し、炭素粒子の発生面積(%)とする。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記炭素粒子がカーボンブラックを含む、請求項1に記載の仮固定用組成物。
【請求項3】
前記仮固定用組成物中の炭素粒子の含有量が1.0質量%以下である、請求項1または2に記載の仮固定用組成物。
【請求項4】
前記光ラジカル重合開始剤(B)が、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、および1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン1-(O-アセチルオキシム)からなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1または2に記載の仮固定用組成物。
【請求項5】
前記紫外線吸収剤(C)が、ベンゾフェノン骨格、トリアゾール骨格、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格およびフェノール骨格からなる群から選択される1種または2種以上の骨格を有する、請求項1または2に記載の仮固定用組成物。
【請求項6】
前記紫外線吸収剤(C)が重合性官能基を有する、請求項1または2に記載の仮固定用組成物。
【請求項7】
前記重合性官能基が前記紫外線吸収剤(C)の末端に存在する、請求項6に記載の仮固定用組成物。
【請求項8】
前記重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基を含む、請求項6に記載の仮固定用組成物。
【請求項9】
前記紫外線吸収剤(C)の含有量が、前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下である、請求項1または2に記載の仮固定用組成物。
【請求項10】
前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)の含有量が、前記仮固定用組成物100質量%に対して、50質量%以上99質量%以下である、請求項1または2に記載の仮固定用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、仮固定用組成物およびウエハの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
電子デバイス等に用いられるウエハの製造において、加工時の薄化による破損を防止するための措置が必要である。この措置として、ウエハの研削対象面の反対側の面(裏面)に、加工終了後に剥離することが可能な仮固定用組成物を付与し、支持部材に仮固定するという方法が採られている。
【0003】
特許文献1には、下記(A)~(C)を含有する仮固定組成物が記載されている。
(A)下記(A-1)と(A-2)を含有する(メタ)アクリレート
(A-1)側鎖が炭素数18以上のアルキル基で、ホモポリマーのTgが-100℃~60℃である単官能(メタ)アクリレート
(A-2)多官能(メタ)アクリレート
(B)ポリイソブテン単独重合体および/またはポリイソブテン共重合体(C)光ラジカル重合開始剤。
また、特許文献1には、解決しようとする課題として、硬化速度、スピンコートプロセス適合性、耐熱性、高温真空下の低アウトガス性、剥離速度が十分ではないこと、又特にUVレーザー剥離プロセスへの適性も同様に十分でないことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/235406号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、レーザーを照射してから一定時間経過後におけるウエハと支持部材との再固着を抑制できる仮固定用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下に示す仮固定用組成物およびウエハの製造方法が提供される。
【0007】
1. 仮固定用組成物であって、
(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)と、
光ラジカル重合開始剤(B)と、
紫外線吸収剤(C)と、
を含み、
下記方法1による炭素粒子の発生面積の比率が0.50%以上である、仮固定用組成物。
(方法1)
円盤形状のシリコンウエハ(直径150mm×厚み625μm)と円盤形状のガラス支持部材(直径150mm×厚み700μm)との間に、前記仮固定用組成物からなる円盤形状の仮固定膜(直径150mm×厚み50μm)を付与することにより、前記シリコンウエハと前記ガラス支持部材を貼り合わせる。
次いで、窒素雰囲気下にて、波長405nmのUV-LED(照度100mW/cm

、照射時間50秒、積算光量5000mJ/cm

)を前記ガラス支持部材側から前記仮固定膜に照射することにより前記仮固定膜を硬化させ、硬化膜を得る。
次いで、前記ガラス支持部材側から、得られた硬化膜に対して、前記硬化膜全体を走査するように、波長355nmのUVレーザー(YAGレーザー、出力6.5W、スポット径150μm、照射ピッチ200μm、スキャン速度8m/sec、周波数40kHz)を照射する。
次いで、前記ガラス支持部材を前記シリコンウエハから剥離し、前記ガラス支持部材の中心部分における前記硬化膜側表面を、光学顕微鏡を用いて倍率20倍で観察して撮影し、1視野(200μm×200μm)の面積を100%としたときの、1視野あたりの黒い部分の面積(%)を画像処理ソフトにて算出し、炭素粒子の発生面積(%)とする。
2. 前記炭素粒子がカーボンブラックを含む、1.に記載の仮固定用組成物。
3. 前記仮固定用組成物中の炭素粒子の含有量が1.0質量%以下である、1.または2.に記載の仮固定用組成物。
4. 前記光ラジカル重合開始剤(B)が、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、および1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン1-(O-アセチルオキシム)からなる群から選択される1種または2種以上を含む、1.~3.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
5. 前記紫外線吸収剤(C)が、ベンゾフェノン骨格、トリアゾール骨格、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格およびフェノール骨格からなる群から選択される1種または2種以上の骨格を有する、1.~4.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
6. 前記紫外線吸収剤(C)が重合性官能基を有する、1.~5.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
7. 前記重合性官能基が前記紫外線吸収剤(C)の末端に存在する、6.に記載の仮固定用組成物。
8. 前記重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基を含む、6.または7.に記載の仮固定用組成物。
9. 前記紫外線吸収剤(C)の含有量が、前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下である、1.~8.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
10. 前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)の含有量が、前記仮固定用組成物100質量%に対して、50質量%以上99質量%以下である、1.~9.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
11. 前記光ラジカル重合開始剤(B)の含有量が、前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下である、1.~10.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
12. 前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)が、単官能(メタ)アクリレートおよび2官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種または2種以上を含む、1.~11.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
13. 前記(メタ)アクリレートを含む重合性成分(A)が、アルキル基を有する単官能アルキル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、脂環式2官能(メタ)アクリレートおよび非環式2官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種または2種以上を含む、1.~12.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
14. 前記芳香族(メタ)アクリレートが、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシC

~C
20
アルコキシ)フェニル]フルオレンジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-(メタ)アクリロイルオキシC

~C
20
アルコキシ)フェニル)]フルオレン、C

~C
20
アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ベンジルジ(メタ)アクリレート、1,3-ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシC

~C
20
アルキル)ベンゼン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートおよびこれらの構造異性体からなる群から選択される1種または2種以上を含む、13.に記載の仮固定用組成物。
15. E型粘度計を用いて、温度23℃、せん断速度75s
-1
で測定される、前記仮固定用組成物の粘度が、100mPa・s以上5000mPa・s以下である、1.~14.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
16. 下記方法2を実施したときの波長355nmのレーザーの透過率が10.0%以下である、1.~15.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
(方法2)
長方形のテンパックスガラス(33mm×50mm、厚み700μm)を2枚用意し、片方に0.1gの前記仮固定用組成物を滴下し、もう一方で挟み込む。
次いで、得られた積層体に対して、窒素雰囲気下にて、波長405nmのUV-LED(照度100mW/cm

、照射時間50秒、積算光量5000mJ/cm

)を照射することにより、前記仮固定用組成物を硬化させ、透過率測定用試験片を得る。
次いで、得られた透過率測定用試験片について、分光光度計を用いて、ピッチ1.0nm、波長範囲300~800nmで透過率を測定する。
次いで、得られた透過率データから355nmの透過率を読み取り、波長355nmの透過率とする。
17. 下記方法3によるレーザー照射直後の剥離強度P

が0.01N以上30.0N以下である、1.~16.のいずれかに記載の仮固定用組成物。
(方法3)
円盤形状のシリコンウエハ(直径150mm×厚み625μm)と円盤形状のガラス支持部材(直径150mm×厚み700μm)との間に、前記仮固定用組成物からなる円盤形状の仮固定膜(直径150mm×厚み50μm)を付与することにより、前記シリコンウエハと前記ガラス支持部材を貼り合わせる。
次いで、窒素雰囲気下にて波長405nmのUV-LED(照度100mW/cm

、照射時間50秒、積算光量5000mJ/cm

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レーザーを照射してから一定時間経過後におけるウエハと支持部材との再固着を抑制できる仮固定用組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1のガラス支持部材の中心部分における硬化膜側表面の顕微鏡撮影像である。
比較例3のガラス支持部材の中心部分における硬化膜側表面の顕微鏡撮影像である。
剥離強度の測定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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