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公開番号
2025136066
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024034250
出願日
2024-03-06
発明の名称
水素生成装置
出願人
株式会社ジェイテクト
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
C01B
3/08 20060101AFI20250911BHJP(無機化学)
要約
【課題】低コストで水素の生成効率を向上することができる水素発生装置を提供する。
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金を含む複数の金属片を強アルカリ性水溶液からなる反応液Lに反応させて水素を生成する水素生成装置1であって、水素生成装置1は、反応槽10と、反応槽10内に設けられるとともに、複数の金属片を互いに区分けして収納する複数の収納領域21を有する金属片収納部20と、金属片収納部20が反応槽10内に設置された状態で反応液Lを反応槽10に供給する反応液供給部と、金属片収納部20に収納された金属片の量に応じて反応槽に供給する反応液の量及び濃度を制御するとともに、金属片が収納領域21ごとに反応液Lと順次反応するように反応液Lの供給を制御する制御部とを備える。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウム又はアルミニウム合金を含む複数の金属片を強アルカリ性水溶液からなる反応液に反応させて水素を生成する水素生成装置であって、
反応槽と、
前記反応槽内に設けられるとともに、前記複数の金属片を互いに区分けして収納する複数の収納領域を有する金属片収納部と、
前記金属片収納部が前記反応槽内に設置された状態で、前記反応液を前記反応槽に供給する反応液供給部と、
前記金属片収納部に収納された前記金属片の量に応じて前記反応槽に供給する反応液の量及び濃度を制御するとともに、前記金属片が前記収納領域ごとに前記反応液と順次反応するように前記反応液の供給を制御する制御部と、
を備える、水素生成装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記金属片収納部において、前記複数の収納領域は前記反応槽内において鉛直方向に配列しており、
前記制御部は、前記反応液の供給を制御することにより、前記反応槽内における前記反応液の水位を順次上昇させて、前記複数の収納領域において鉛直方向下方に位置する前記収納領域の前記金属片から順次前記反応液と反応するように構成されている、請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項3】
前記金属片収納部は、隣り合う前記収納領域を互いに離間させる離間領域を有する、請求項1又は2に記載の水素生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記反応液の水位を前記複数の収納領域に含まれる第1収納領域に達する状態にすることにより、前記第1収納領域の前記金属片が前記反応液と反応しているとともに、前記第1収納領域よりも鉛直方向上方に位置する第2収納領域の前記金属片は前記反応液と反応していない第1状態とし、
前記第1状態の後に、前記反応液の水位を前記第1収納領域よりも鉛直方向上方に位置する前記複数の収納領域に含まれる第2収納領域に達する状態にして、前記第1収納領域の前記金属片及び前記第2収納領域の前記金属片が前記反応液と反応している第2状態とするように構成されている、請求項2に記載の水素生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1状態が所定期間維持された後、前記第1状態から前記第2状態に移行するように前記反応液の供給を制御する、請求項4に記載の水素生成装置。
【請求項6】
前記収納領域は、前記金属片を載置可能な皿状部材、網状部材、筒状部材及び螺旋階段状部材のうちの一種又は複数種を組み合わせてなる、請求項2に記載の水素生成装置。
【請求項7】
前記複数の収納領域にそれぞれ収納された前記金属片の量は、均等に配分されている、、請求項1又は2に記載の水素生成装置。
【請求項8】
前記収納領域に収納された前記金属片の量は、鉛直方向下方の位置にあるものほど多い、請求項1又は2に記載の水素生成装置。
【請求項9】
前記反応液はNaOH水溶液であり、
前記制御部は、前記金属片収納部に収納された前記金属片に含まれるアルミニウムの全量と、前記反応槽に供給される前記NaOH水溶液の全量とのモル比が、1:1以上となるように、前記反応槽の供給される前記反応液の量及び濃度を制御する、請求項1又は2に記載の水素生成装置。
【請求項10】
前記反応槽は、前記金属片収納部が収容された状態で密閉可能に構成されており、
前記反応液供給部は、密閉された前記反応槽内に前記反応液を供給可能に構成されており、
密閉された前記反応槽内の気相を水素に対して不活性なガスに置換するガス置換部を備える、請求項1又は2に記載の水素生成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素生成装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミニウムとNaOH水溶液とを反応させて水素を生成する水素生成装置として、特許文献1には、予めNaOH水溶液が貯留された密閉状態の大型反応槽に、アルミ切粉を順次投入して発生した水素を回収する構成が開示されている。また、他の水素生成装置として、予めアルミ切粉と水が投入された密閉状態の小型反応槽に、NaOH水溶液を順次投入して発生した水素を回収する構成も知られている。
【0003】
水素ガスは反応性が高いことから密閉状態の反応槽内で反応を行う必要があるため、反応槽として高い内圧に耐えうる圧力容器を用いる。また、アルミニウムとNaOH水溶液との反応は発熱反応であるため、過剰な発熱による熱暴走を抑制する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-169390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、効率的に水素ガスを回収するために大型の反応槽を用いていることから、反応槽を維持するためのコストが高額となる。また、特許文献1に開示の構成では、NaOHリッチな環境にアルミ切粉を投入する構成であって、大量の高濃度NaOH水溶液を用いているために熱暴走しやすいことから、冷却装置を備えるとともに、反応槽に供給したアルミ切粉と反応液との急激な反応による突沸を防止するために反応槽内の水溶液を攪拌する攪拌装置を備えている。そのため、装置が大型化して、設備コストも高額となる。
【0006】
一方、上述の他の構成の水素生成装置では、小型の反応槽を用いているため、反応槽を維持するためのコストは低額にできる。また、アルミニウムリッチな環境にNaOHを順次投入するため、熱暴走が発生しにくいことから攪拌装置も不要となる。しかしながら、当該構成では、水素ガスの発生量が理論値より大きく低下することが分かった。これは、反応終了後の反応液におけるアルミニウム濃度が高かったことから、アルミニウムリッチな環境では、アルミニウムの一部は供給されたNaOHと反応せずに、反応液内にイオンの状態で留まって水素ガスの発生に寄与しないと推察された。そのため、水素を効率的に生成するには改善の余地がある。
【0007】
本発明は、低コストで水素の生成効率を向上することができる水素発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
アルミニウム又はアルミニウム合金を含む複数の金属片を強アルカリ性水溶液からなる反応液に反応させて水素を生成する水素生成装置であって、
反応槽と、
前記反応槽内に設けられるとともに、前記複数の金属片を互いに区分けして収納する複数の収納領域を有する金属片収納部と、
前記金属片収納部が前記反応槽内に設置された状態で、前記反応液を前記反応槽に供給する反応液供給部と、
前記金属片収納部に収納された前記金属片の量に応じて前記反応槽に供給する反応液の量及び濃度を制御するとともに、前記金属片が前記収納領域ごとに前記反応液と順次反応するように前記反応液の供給を制御する制御部と、
を備える、水素生成装置にある。
【発明の効果】
【0009】
上記態様の水素生成装置によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む金属片は、反応槽内に設けられた金属片収納部において、複数の収納領域に区分けして収納されている。そして、反応槽に供給される強アルカリ水溶液からなる反応液の量及び濃度は、金属片の量に応じて設定されるとともに、金属片が収納領域ごとに反応液と順次反応するように反応液が反応槽に供給される。そのため、金属片の全体に対して反応液を供給する場合に比べて、一度の反応に寄与する金属片の量が少なくできるため、反応熱の急激な発生を抑制することができる。それゆえ、熱暴走を抑制するための冷却装置や攪拌装置が不要となり、設備コストの低減を図ることができる。
【0010】
さらに、上記態様では、強アルカリがリッチな環境でアルミニウムと反応液との反応を進行させることができるため、アルミニウムの全量を水素発生に利用することができ、水素の生成効率を向上することができる。そして、水素の生成効率の向上により、比較的小型の反応槽を用いても水素生成量を確保できるため、小型の反応槽を用いることで反応槽の維持コストの低減を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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