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公開番号2025117094
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011777
出願日2024-01-30
発明の名称炭酸カルシウムの製造方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C01F 11/18 20060101AFI20250804BHJP(無機化学)
要約【課題】生成効率に優れた新しい炭酸カルシウムの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、水酸化カルシウムを含有し、含水率が0.3~40%の原料を準備する準備工程と、前記原料の含水率を0.3~40%に維持しつつ、前記原料を攪拌しながら、二酸化炭素を含有するガスを前記原料に供給して、前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素とを反応させる反応工程と、を含む。また、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、前記原料における水酸化カルシウムの含有量が30%以上であることが好ましい。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
水酸化カルシウムを含有し、含水率が0.3~40%の原料を準備する準備工程と、
前記原料の含水率を0.3~40%に維持しつつ、前記原料を攪拌しながら、二酸化炭素を含有するガスを前記原料に供給して、前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素とを反応させる反応工程と、を含む炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記反応工程における原料の含水率を前記準備工程における原料の含水率よりも低くすることを特徴とする請求項1に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項3】
前記原料の固形分における水酸化カルシウムの含有量が30%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項4】
前記ガスにおける二酸化炭素の含有量が5%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項5】
前記反応工程における雰囲気温度を10~75℃とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項6】
前記原料が、カーバイド滓、廃コンクリート、生コンクリートのスラッジ、セメント、又は、これらの混合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、カーボンニュートラルを実現するため、CO

(二酸化炭素)を資源として回収し有効利用することによって、CO

排出量を抑制する「カーボンリサイクル」への取り組みが進んでいる。
本願の出願人は、特許文献1に開示するように、炭酸カルシウムを所定量含有した水硬性組成物を提案している。この水硬性組成物によると、強度などの材料特性を保持しながら、セメントの使用量の削減などに伴うCO

排出量の低減化を図れるだけでなく、炭酸カルシウムとしてCO

をコンクリート内部に固定化することもできる。
【0003】
特許文献1で使用する炭酸カルシウムの製造方法に関して、これまでにも様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献2では、水酸化カルシウム水性懸濁液及び一部炭酸化された水酸化カルシウム水性懸濁液の一方又は両方と種晶を混合したのち、得られた水性懸濁液に二酸化炭素又は二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化することによって軽質炭酸カルシウムを製造するに当り、混合を撹拌周速7m/s以上の剪断撹拌処理により行う方法が提案されている。
また、特許文献3では、海水から水酸化マグネシウムを製造した後の廃海水に対して、アルカリ剤を加えてpHを11より大きく13以下に調整し、二酸化炭素を含むガスを、アルカリ剤を加えた前記廃海水のpHが大きいほど長くなるように予め設定された時間、廃海水のカルシウム成分に反応させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/256484号公報
特開平11-11941号公報
特許第7138256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2、3の炭酸カルシウムの製造方法は、いずれも、カルシウムイオンを含む溶液に二酸化炭素を含むガスを吹き込む方法(いわゆる液相法)である。
そのため、特許文献2、3の炭酸カルシウムの製造方法は、原料を分散させるための大量の水が必要になるとともに、原料に対する事前の処理(特許文献2の剪断攪拌処理)や、液相でのpH制御(特許文献3の調整処理)が必要となってしまう場合もある。
そこで、本発明者らは、特許文献2、3の液相法とは異なる、全く新しい炭酸カルシウムの製造方法を提案したいと考えた。ただし、炭酸カルシウムの生成効率(所定時間内における炭酸カルシウムの生成量(二酸化炭素の吸収量)と、装置・設備の運転などの製造に要したエネルギー(二酸化炭素排出量)の収支)に優れていないと、たとえ新しい炭酸カルシウムの製造方法を提案しようとも、実務上において採用されることはないと本発明者らは考えた。
【0006】
このような観点から、本発明は、生成効率に優れた新しい炭酸カルシウムの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、水酸化カルシウムを含有し、含水率が0.3~40%の原料を準備する準備工程と、前記原料の含水率を0.3~40%に維持しつつ、前記原料を攪拌しながら、二酸化炭素を含有するガスを前記原料に供給して、前記水酸化カルシウムと前記二酸化炭素とを反応させる反応工程と、を含む。
本発明によれば、準備工程と反応工程において、原料の含水率をそれぞれ所定範囲内となるように制御することで、水酸化カルシウムと二酸化炭素が適切に反応するため、炭酸カルシウムが効率よく生成されることとなる。
また、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、前記反応工程における原料の含水率を前記準備工程における原料の含水率よりも低くすることが好ましい。また、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、前記原料の固形分における水酸化カルシウムの含有量が30%以上であることが好ましい。また、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、前記ガスにおける二酸化炭素の含有量が5%以上であることが好ましい。また、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、前記反応工程における雰囲気温度を10~75℃とすることが好ましい。また、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法は、前記原料が、カーバイド滓、廃コンクリート、生コンクリートのスラッジ、セメント、又は、これらの混合物であることが好ましい。
本発明によれば、より確実に炭酸カルシウムの生成効率を優れたものとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法によれば、優れた生成効率で炭酸カルシウムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1のサンプル1の固相構成と含水率の経時変化を示すグラフである。
実施例1のサンプル2の固相構成と含水率の経時変化を示すグラフである。
実施例2のサンプル3の固相構成と含水率の経時変化を示すグラフである。
実施例3のサンプル4、5、6の固相構成の経時変化を示すグラフである。
実施例4のサンプル7、8、9の固相構成の経時変化を示すグラフである。
実施例5のサンプル10、11、12、13の固相構成の経時変化を示すグラフである。
実施例6のサンプル14の固相構成の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法を実施するための形態(本実施形態に係る炭酸カルシウムの製造方法)について説明する。
本実施形態に係る炭酸カルシウムの製造方法は、準備工程と反応工程とを含み、反応工程の後に、乾燥工程を含んでもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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